2026-02-14 25:05

【再】#574. メイエにとっての「借用」はとことん相対的

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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英語の語源が身につくラジオheldio。 英語史をお茶の間におもとに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、日々配信しています。
本日は12月26日月曜日です。
皆さん、良いクリスマスをお過ごしでしたでしょうか。
私は家族とともに静かに、イブもクリスマスも過ごしておりまして、ワインなど飲みながらゆっくりと時間を過ごしたと、そんな今年のクリスマスだったんですけれども、
今日から始まる月曜日は、いよいよ今年の最終週ということになりますね。
完全に年末ということになりますけれども、このヘルディオは休まず続けていく予定です。
さて本日お届けする話題は、
名家にとっての釈養はとことん相対的、です。
どうぞよろしくお願いいたします。
本編に入る前に新刊書のお知らせです。
来月、新年1月の中旬あたりに開拓者より発売開始となりますが、京都大学の家里洋子先生と私、堀田隆一医が協調で書きました文献学と英語史研究。
こちらを紹介させてください。
英語史研究のガイドブックという内容の本です。
英語史を研究する方あるいは研究をこれから志すという方に、これまでの数十年間の英語史研究の動向を整理して解説し、かつ今後の研究の展望を示すという、そういった趣旨の本です。
この本は開拓者のシリーズものの中の一巻という位置づけなんですね。
シリーズというのは最新英語学言語学シリーズというもので、その第21巻に当たるのが今度出ることになっています。
文献学と英語史研究という本になるわけですね。
既に基幹書もですね、順番に必ずしも出ているわけではないんですけれども、大半はもう出版されているんでしょうかね。
全体で22巻となる予定なんですけれども、大半が既に出版されていると思います。
この21巻、文献学と英語史研究ということで今度出るわけなんですが、
これ実はですね、結構企画段階から時間がかかりまして、思い出してみるとですね、最初に家入先生と私とでですね、企画会議と言いますか打ち合わせのようなものをしたのはですね、2017年の春なんですね。
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ですので、たっぷり5年半くらいかかっているということですね。
時間がとてもかかってしまったんですけれども、その結果ですね、良いものができたんではないかというふうに期待したいところなんですけれども、これは読者の皆さんのご判断に委ねるほかありません。
なかなか長い時間がかかったものがようやく表に出るということで、ほっとしているというのが正直なところなんですけれども、こちらが来月中旬に一般発売となります。
英語史研究に関心がある方はですね、ぜひ発売されましたら手に取っていただければと思います。
このチャプターに本書を紹介するヘログ記事へのリンクを貼り付けておきます。そちらぜひご覧になってください。
以上お知らせでした。
今日はですね、名言にとっての釈用はとことん相対的と題して、単語の釈用、釈用語についての議論を続けたいと思うんですね。
続けると言いますのは、この1週間ほどでですね、3回ぐらいにわたって釈用とは何かという大きなお題を掲げてですね、考えてきました。
567回外来語化、釈用語化に始まり、その次の568回、そういえば単語はよく借りるけれど返すことはないですよね、を経由し、571回、単語を借りるとは一体何をしていることなのか、
と、この3回でですね、単語を借りる、単語を釈用するということについて考えてきました。
釈用の定義を結果的に考えてきたことになるんですけれども、これはですね、言語学者によってやはり考え方がいろいろとある大きな問題なんですね。
これまで議論してきたのとは、まただいぶ異なる角度から、改めてこの釈用とは何かという問題にアプローチしていきたいと思うんですけれども、
今日紹介したいのはですね、アントワーヌ・メイエという非常に孝明なフランスの言語学者です。
私もとても好きな言語学者なんですけれども、このメイエという言語学者は1866年生まれ、そして1936年に亡くなったフランスの言語学者で、
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最も有名な著作はですね、1903年に出ました、引用語比較言語学序説というものですね。
Introduction à l'étude comparative des langues indes européennesという、今でも読まれているインドヨーロッパ語の比較言語学の入門書ですね。
今日はこのメイエの釈用の定義、釈用観と言いますかね、どのように釈用を見ていたのかということを紹介したいと思うんですけれども、
それはですね、1906年の論文、Comment les mots changent le sens、いかにして単語はその意味を変えるのかの中で定義を与えているんですね。
そしてその定義が極めて相対的な定義になっているっていうのが特徴なんです。
これまでのヘルディオでの過去の放送会で考えてきた釈用とか釈用語というものですね。
通常、多言語から単語を借りてきた場合に使うという、いわばですね、言わずもがなの前提みたいなものがあったわけなんですが、
メイエの視点からするとですね、このような理解は極めて絶対的であまり役に立たないという、そんなふうに見えるのではないかと思うんですね。
逆に言うと、我々からするとですね、メイエの考え方っていうのが極めて相対的に見えてくるんではないかと、そういう釈用の見方をしてるんですね。
どういうことかと言いますと、メイエの説明ではですね、まず例えばパリのフランス語の歴史みたいに限定するんですね。
パリのフランス語みたいなものに限定して考えるということがまず前置きでありまして、
そして2つの連続した時代を考える。
例えば、21世紀のパリのフランス語と20世紀のパリのフランス語という連続したこの時代ですね。
この2つの連続する時代の語彙というのを考えたときに、2つが完全に一致するっていうことはないわけですね。
というのは、20世紀の語彙に何らかの形で付け加わった語彙っていうのがあって、それが21世紀の語彙っていうことになるからです。
あるいはですね、20世紀の語彙からですね、抜け落ちてしまった、つまり死後になってしまったようなものもあって、それは21世紀には受け継がれないわけですけれどもね。
ただ、大半は20世紀から21世紀にかけて受け継がれてきた単語ですね。これがほとんどなわけです。
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若干発音などは変化したかもしれません。意味も変化したかもしれませんが、基本的に断絶せずに受け継がれてきたものっていうのが大半ですよね。
そこにいくつかの単語が付け加わったっていうのが、21世紀のパリのフランス語の語彙っていうことになりますが、この付け加わった部分に注目したときに、増語するっていうことはまずありますね。
すでにあった要素を組み合わせて、あるいは派生させたりして増語するっていうことはあり得ますが、もう一つのケースは外から借りてくるっていうことですよね。
他の言語、典型的には。から借りてくることによって、20世紀にはなかったけれども、21世紀に新たに釈用語ですよね。いわゆる釈用語によって付け加わった部分があるわけです。
ここのことを釈用とか釈用語と呼ぶんだという考え方なんですね。
これは特に今までと変わりないように見えますが、ここにメイエの考え方の一つの面白い点があるんですけれども、外の言語から借りてきたというのをですね、かなり緩めた形で解釈してるんです。
つまりですね、これは例えばラテン語とかドイツ語とか英語でも何でもいいんですが、その場合外の言語と言い得ると思うんですね。
ですがそれだけではなくて、フランスの他の方言、つまり前提としているのは、今前提としているのはパリのフランス語というふうにぐっと限定してあるので、その外にあるものであればすべて釈用のソースと呼びうるという立場です。
つまりフランス語のパリ以外の方言から新たに付け加わった場合も、これは釈用語であるという言い方をするわけです。
つまりラテン語とかドイツ語とか英語とか、はたまた日本語とか、完全に異なる言語である必要はなく、いわば広い意味では同じ言語であっても異なる方言であれば、今はパリのフランス語というふうに舞台を限定しているわけなんで、その外から入ってきたものであればすべて釈用語であるという捉え方です。
さらにメイエが面白いのは、今念頭においている2つの続く時間、時代っていうのは21世紀と20世紀ですよね。
そうすると19世紀に使われていたけれども、パリのフランス語でね、19世紀に使われていたけれども、それが20世紀中に背後、死後になったために20世紀の語彙からは抜け落ちている。
それを21世紀に新たに、つまり19世紀のパリのフランス語から借りてきて、復活させたっていう場合ですね。
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これ普通に言えば復活させたとか久しぶりに使い出したという言い方が多分日常的には一番わかりやすいんでしょうが、メイエにとってはこれも外から入ってきた単語だということで、釈用語になるわけですね。
つまり今考えている2つの時代、続く時代、20世紀と21世紀、ここが今考えている舞台なので、その外から借りたものであれば、それは釈用語であると。
一般用語では復活させたぐらいがふさわしいものですが、メイエにとってはそれは釈用が起こっているのであるというふうに、そんなふうに考えているっていうことになります。
この路線を押し進めますと、例えば社会方言もですね、釈用語のソース、源として設定できることになるのではないかと思います。
つまりパリの標準的なフランス語というふうに舞台を限ったのであれば、同じパリで同時代であっても、ある特定の職業人たちが使う、いわばスラングみたいなものですね、という社会方言。
ここから標準語に入ってきた単語があったら、これは釈用語だと言えるわけです。
つまりそもそも、いつのどこの言語を舞台とするかというこの設定以下によって、その設定外のものはすべて、いわば他言語と同じことであると、時間的にも空間的にも、そして社会空間的にもですね。
最初の舞台設定が狭ければ狭いほど、その外にある広い世界が釈用のソースとなり得るわけですし、舞台をゆるーくフランス語のような広いところに取るとですね、その外の世界っていうのは相対的に狭まることになりますよね。
そこから来たものは釈用語であると、そのように考えることができるわけです。極めて相対的な釈用感です。
コメント返しです。昨日の放送573回、ノエルのコメント返しに対してコメントいただきました。
まず後藤の海塩さんです。英語詞クラブ、ビンゴぴったりの言葉に出会うとわけもなく興奮。これも英語詞クラブメンバーの特性かも。多くのリスナーに応えるためにも換気をつけてラジオっぽいチャンネルでお願いします。
まさにゃん、他様との台本なしのコンテンツもお忘れなく。肩の力を抜いて長く続けてください。
着物からブランドの話ですが、これはががつくからかも。私たちは相手に何か物をやってもそれがどう使われるか気になります。極端な話、相手が処分してたら腹が立ったりします。言葉にもががつく。この点においては物のやりとりと同じなのかもしれませんね。
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ということで、昨日の放送についてですね。最後の方で、いわばこのヘルディは英語詞に関していろんなことを話したりコメントし合うクラブみたいなものだと。そういったものになっていくといいなという希望と言いますか、そういうことをお話ししたんですけれども、それに反応していただいたということかと思います。
クラブっぽいものになっていくためにはですね、リスナーの皆さんからのコメントというのはもちろんですけれども、リスナーの皆さん同士でコミュニケーションとっていただいたりしてですね、話題がどんどん盛り上がっていく。
あるいはどんどんそれて別の話題に発展していくみたいなことが常時起こっているような感じになると、とても刺激刺激に満ちて面白いかなと。そんなことを夢見たりしていますが、皆さん少しずつこのヘルディを格好ですけれども、英語詞クラブみたいなものですね、育てていっていただければと思います。
台本なしのコンテンツであるとか、いろいろ来年に向けてコンテンツイベントみたいなものも考えていきたいなとは思っていますので、またこんなイベント機会があると面白いんではないかということをですね、案として皆さんにも寄せていただければ幸いです。
それから着物がブランド名になってしまう件について、これ自体がリスナーさんからコメントを寄せていただいた話題だったわけなんですが、考えさせられましたね。
着物という日本語から入った英単語がいわば下着ブランドの名前にされそうになったので、日本人が抵抗したというそういう話でしたけれども。
これ何でもない単語だったらまた別なんでしょうけれどもね、着物っていうのが一つ日本語、日本人にとってはそれ自身がもう日本を代表する、象徴するブランドであるという意識が強いんでしょうね。
なのでブランドを横取りするなというような、いわば日本人にとっても思い入れがある単語ということで、何でもない単語ではないっていうところがポイントなんだろうと思いますね。
これ本当に興味深い話題だと思いますね。
考え続けてみたいと思います。
後藤の海塩さん、ありがとうございました。
次にカミンさんからいただいています。
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語学は必ずしもプラクティカルなサイドだけで成り立っているわけではない。
語学教育でプラクティカルな面ばかり強調されている中で、この言葉はとても力強く響くように思えます。
逆説的ではありますが、近年の機械翻訳の飛躍的発達の中で、実用としての語学を大学などで教えることの意義が問われているような気もします。
知的な考察の対象として言語を捉える姿勢は、語学をさらに豊かなものにするでしょう。
英語史という切り口で英語を考える堀田先生のヘルカツは、今後の語学の可能性を示す高齢だと思います。
ということで、ご意見、そしてこれ本当にエンカレッジメントと言いますかね、非常に元気づけられるコメントありがとうございました。
実用としての語学ということの意味ですね、これは本当に改めて考えなければいけないという段階に差し掛かっているというふうに私も思っています。
従来の語学教育のようなもので良いのか。
とりわけ私はですね、大学という教育機関で英語を教えたり、英語学を教えたりということをしているわけなんですけれども、
特にこのような高等教育のレベルでプラクティカルな語学学習をすることの意味っていうのはですね、
ここ数年で語学を取り巻く環境も非常に速いスピードで変化してきていますので、これは本格的に考えなければいけないときにきたなというふうには思っています。
語学学習の新たな意味付けということが求められるようになってきているということなんですけれども、
さまざまな答え方あるいはアプローチ選択肢があるんだと思うんですが、私自身は専門である英語史というものを前面に押し出して、この問題に答えていくといいますか、
この問題に対処しようと努めていくということになるのかなと思います。
そしてこのヘルディはその一つの実現の方法となり得るのではないかと、そのように考えています。これからも応援のほどぜひよろしくお願いします。
亀井さんありがとうございました。
2、3ヶ月くらい前の回ですが、524回、ディールとパートのイメージは分け与えて共有するという回に、うめさんよりコメントをいただきました。
分詞という言葉の中には、動詞と形容詞の両方の機能を持ち合わせているという意味があるのは知りませんでした。
今まで意識したことがなかったので驚きました。
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当たり前に使っている言葉の深い意味を知れたのも、訳される前の英単語participleについて、本来の語源的意味から解説していただいたからです。
改めて英語史って面白いと思いました。
ということでですね、文法用語の話でしたね。
この文法用語っていうのは、文法書であるとか教科書に載っているだけで、何でそういう意味になるのかっていうのは分からないものが非常に多いんですね。
一つの理由は、それはラテン語文法の用語を英文法でも引き継いでいるからっていうことが一つあります。
あまりに長い間引き継がれてきているので、ある意味でですね、それもともとどういう意味だったんだっけであるとか語源ですよね。
まさにこれが忘れ去られてしまって、とにかく用語だから、文法用語だからということで、それを覚えさせられる。
覚えることなかったとしてもですね、教科書に載っているわけで見て知るんですが、それ何でそういう意味になるのかなっていうことはよく分からないケース非常に多いですよね。
サブジェクト、主語っていうのもよく考えるとよく分からないですし、アジェクティブ、形容詞っていうのも分からなかったりしますね。
さらに受動体の体みたいなのはボイスって言いますけれども、何で声なんだということですね。
こういう文法用語って本当に訳の分からないものが多いんですね。
語源を探ると少しはですね、分かってきたりですね、語源探っても分からない場合も実はあったりするんですけれども、この辺りの問題、私も意識してですね、今後の放送でも取り上げていきたいと思います。
文法用語の話ということで、まだお聞き入れない方はですね、524回ディールとパートのイメージは分け与えて共有する。
こちらこのチャプターにリンクも貼っておきますので、ぜひお聞きいただければと思います。
うめさんありがとうございました。ということで今日のコメント開始でした。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
しばらく釈用に関する話題をお届けしてきました。
またこれに対して反応、コメントがあればですね、さらに深掘りしていくのも面白いかなと思っていますので、皆さんのご意見、これまでの様々な説と言いますかね、釈用の考え方っていうのを紹介してきましたが、それに対するコメントなどをいただければ幸いです。
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それでは今年最後の週の始まりです。
そろそろお休みになってくるという方も多いかと思いますが、今週も1週間頑張っていきましょう。
今日も皆さんにとって良い1日になりますように。ほったりうちがお届けしました。また明日。
25:05

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