2025-12-11 16:02

#1656. なぜ public school は私立なのに public なの

【今日のひとこと】
イングランドの public school の "public" は「公立」というよりも「公益」!

【ハッシュタグ】
#heldio #hel活 #mond #英語に関する素朴な疑問

【参照URL】
https://mond.how/ja/topics/rqa9e4rgvliv2u6/


▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページが2025年10月18日よりオープンしています

- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/
- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.毎日複数回更新されています.

▼2025年10月15日に新刊書が出ました(電子書籍版も11月25日に出ました)

📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.

- Amazon での予約注文はこちら:https://amzn.to/4nmDn6Y
- 本書を紹介する特設HPはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze
- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました
- Amazon 新着ランキングの英語部門で第2位を記録

▼12月18日(木)より,大阪梅田のライヴハウス「梅田 Lateral」にて新刊書「いのほたなぜ」の刊行記念トークイベントを開催します(後日アーカイヴ視聴も可)

- 詳細・チケット入手:https://lateral-osaka.com/schedule/2025-12-18-17606/
- 井上&堀田(堀田はリモート出演)が新刊書について語り尽くします
- お題は「「いのほた言語学チャンネル」のスナック言語学 〜呑める!言語学の話〜」です

▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の第14号が公開されています

- 第14号(2025年11月28日):https://note.com/helwa/n/n128c1a0253e2?magazine_key=m82eb39986f24

▼2025年6月18日に新刊書が出ました

📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

- Amazon 新着ランキングの英語部門で第1位を記録
- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定
- 「本格的な語源本」としてご好評いただいています
- Amazon での購入はこちら:https://amzn.to/4mlxdnQ
- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/lp/hee.html

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.

- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491

▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.

khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください

- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk

第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.
リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.

▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています

- https://voicy.jp/channel/1950/premium

以上,よろしくお願いいたします.
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サマリー

イングランドのパブリックスクールは、もともと公教育を目的とした学校です。公益に資する理念のもとに設立されていますが、19世紀以降は授業料を徴収するようになり、日本の感覚では私立校に分類されるようです。一方、日本のパブリックスクールは、実際には私立であるにもかかわらず、公立と見なされることが多く、その背景には歴史的な伝統があります。このことは、イングランドの教育体系における公立学校の概念とは異なっていることを示しています。

00:01
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語の謎に答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。 同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。 井上一平堀田隆一著言語学ですっきり解決英語のなぜ
11月25日には電子書籍版も出ました。 ハッシュタグひらがな6文字でイノホタなぜとしてご意見やご感想をお寄せください。
また来る12月18日には大阪梅田ラテラルにてイノホタなぜの観光記念トークイベントを開催します。
概要欄のリンクより特設ホームページをご覧ください。 英語の語源がミニツクラジオヘルディオ
英語史をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え 裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は12月11日木曜日皆さんいかがお過ごしでしょうか 本日も昨日に引き続きまして比較的最近
モンドの方に寄せられた質問への回答 こちらもうすでにイモンドの方には回答してあるものなんですけれどもこのヘルディオでも
口頭で お伝えしたいと思います
今日の 不思議は
パブリックスクールの疑問
なぜパブリックスクールは私立なのにパブリックなのですか
です どうぞお聞きください
この質問をいただいた時にですねこれは多くの方が疑問に思っているのではないかなというふうに思ったんですね
英語でパブリックスクールと言いますと典型的にイングランドの有名な
イートン校、ハロー校、ラグビー校、ウィンチェスター校などのあの名門私立学校のことが思い浮かぶと思うんですよね
これをパブリックスクールというふうに言っています ただですね
日本の感覚からするとこれはまさに名門私立学校であって なぜパブリックなのか
パブリックっていうのは公立の意味でしょうというふうに突っ込みたくなる このモヤモヤであるとかチグハグみたいなことをずっとですね
不思議に思っていた方っていうのは実は少なくないんではないでしょうか ついにこのモヤモヤが解消される時が来ました
おめでとうございます こちらですね
門戸の方に寄せられた問題でですね 回答いたしておりますが今日はこのヘルディオ2で強盗でこの謎に迫ってみたいと思います
まず日本 そしてですね英語圏でもイングランド以外イングランドだけがちょっと特殊かと思うんですよね
普通に考えるとパブリックスクールっていうのは公立学校のはずですよね そしてその反対
対義語にあたるのが私立学校ということで英語でもプライベートスクールという言い方があるんですね
つまりパブリックスクールプライベートスクールというのはそのまま 日本でいうところの公立学校私立学校という対立に相当するわけで
今日問題になっているイングランドのあの 名門私立校ですねあれをパブリックスクールというのは何ともチグハグ感があっておかしい
明らかにあれは私立学校つまりプライベートスクールでしょう というふうに突っ込みたくなるわけですよね
これはですね日本人のみならず英語圏でもイングランド以外の国 アメリカカナダそしてイギリスの中でもスコットランドなどはですね
基本的にあれなんで イングランドのあの私立学校のことをパブリックスクールというのか
みたいな疑問っていうのは持ち上がり得る話だと思うんですよね さあこの謎を解くにはまずイングランド独自の教育システムと言いますか
教育の歴史を振り返る必要があるんですね そして結果的にですねこのパブリックを効率というふうに解釈してしまうと多分
わけがわからなくなってしまうんですね そうではないんだという結論に持っていきたいと思っているんですがそれでは議論を開始
したいと思います まずですねイングランドにおけるパブリックスクール
という時のこのパブリックは 元来効率という意味ではなかったんです
私たちが今現代の日本であるいはイングランド以外のですね例えばアメリカなどで 理解されているのもパブリックは効率という意味なんですが
もともとのイングランドのパブリックスクール これができた時のパブリックの意味合いは必ずしも効率と訳せばいい
類のものではなくてですね 先に結論を申し上げますと公益
公共の利益ですね公益と多分解釈した方がいい そういう意味合いでパブリックスクールって名付けた
ということなんですね 歴史的にイングランドのパブリックスクールはですね
無償の公教育公的な教育を目的として 公的につまり国であるとか自治体によって管理された学校として始まったんです
その意味では確かにパブリックスクールとして出発したっていうことは間違いないん ですね
この時のパブリックは単に公的に立てられたつまり効率というよりはもうちょっと理念的にですね
公益に資する教育を施したいという先に教育理念なりですね 理想があったんですよね
いやいや待ってくださいと公益に資さない教育なんてあるんですかということなんですけれども
それがですねあったと言っていいのか少なくとも そのような公益学校が必要だというような時代背景雰囲気があったということは確かなんですね
それに対するものは何かというとまさに当時からプライベートスクールと呼ばれたもので 端的に言ってしまいますと教員集団が私的に設立した学校ということですね
もちろん教育を目的とする以上ですね 多かれ少なかれ公益に資するものではある
これは間違いないとはいえですねもうちょっと 私的な側面が強かった教員集団が私的に設立した私塾みたいな感じですかね
公益に対して私益というと本当に 私利私欲みたいなお金目当てみたいなことになってちょっと強すぎる言い方なんですが
ただこのような昔のですねプライベートスクール 私的な学校と対比してもっと公益になるような
公的に資するような学校が欲しいということで 安置として作られたのがパブリックスクールということなんですね
あくまでこのプライベートパブリックというのはどこが立てたかということももちろん重要なんですけれども
それ以上に理念として公益に資するかそれとも レスですねレス公益に資するかみたいな
いうような対立でですねレスかモアみたいなところで公益に資する学校これが パブリックスクールなんだというその理念に基づいて作られたのが
パブリックスクールということなんです そしてこれは当初はですね公的な支援を経てつまり経済援助であるとか
経営の援助ということでやっぱりあの 効率的な雰囲気もちゃんとあってですね
公益であり効率ということでまあ誰がどう見てもパブリックと言えるような学校では あったんです
経営の変化
ただイングランドでも19世紀以降はこの無償の公教育を当初の理念としていたパブリック スクールなんですけれども
まあいろいろ経営上の問題があったりしたんでしょうかね 授業料を課す学校が現れてきたということなんです
この授業料を課すという時点で日本の感覚日本語の感覚ではもう 私立学校にシフトしたんじゃないかと言いたくなるんですけれども
イングランドのパブリックスクールは公益に資するという当初の基本的で伝統的な 理念は受け継いでいるためこの名前は変えませんというスタンスなわけですよ
経営の仕方としては授業料をとっているということで我々のね 日本人の感覚から見るともうプライベートでしょと言いたくなるわけなんですが
ここは伝統のある パブリックつまり公益に資するという意味でのパブリックを生かし続けたかったんでしょうね
この名前はやめなかったということなんです なので今でもパブリックという形容詞が勘され続けているということなんですね
なので実体的には日本的目線で言うとパブリックスクールは完全なる私立
むしろ純然たる私立の中の私立と言いたくなるわけなんですが歴史があるんですよ これパブリック公的に資する目的で始まったのがパブリックスクールの伝統なんだということで
授業料を取り始めたからといって簡単にプライベートスクールなんていう名前にしたくない 自負プライドがあるわけですよね
そしてそのような伝統であるとかプライドですよねとは無縁な国々 アメリカもそうですねカナダもそうですねそして日本はプライド云々ということはどうかわからないんですが
ではどこが設立したのかという観点だけに限ってですね その視点だけでパブリックプライベートというふうに使い分けるということなので
この パブリックプライベートっていう形容詞の使い分けの根本的な発想が
イングランドとは異なっているっていうことなんですよね ちなみにですねイングランドでは国によって設立運営されている学校というのもちゃんとあり
ましてこれはまあ日本語でいうところの公立学校に近いものにあたるんですが これはステイトスクールというふうに呼ばれています
それと対比的にこの 名門校を含むですね伝統的なパブリックスクールを指したい場合にはインディペンダントスクールという
用語もあります いろいろと用語が錯綜してわかりにくいところはありますが歴史を追うとスパッと解決
できますよね 結論としましては
日本でいうパブリックスクールこれはですね公立学校とどうしても訳したくなります 私立学校の反対として公立学校
公立とパブリックを訳したくなりますがイングランドにおいてはこのパブリックスクール のパブリックは公立ではなく公益
とか公益に資するという伝統的な見解があって それが今の今まで保たれ続けているということなんです
決して公立という発想ではない むしろ公益学校というふうにあえて訳すならですよ
門戸に寄せられた質問への回答
訳す方がすっきりとわかりやすくなるのではないでしょうか エンディングです今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました
今日は門戸で比較的最近寄せられたご質問にお答えいたしました 最近ですねあの門戸でバズったということもありまして私あの
この2年3年近く門戸に回答してきて100問以上にですね回答してきているんですね そしてあの自分なりにはですねあの自信を持って回答したっていうものがあまり読まれ
なかったり あるいはですね何気なくちょろっと回答したものがあの大きく取り上げられたりということでですね
まああの 全般的にあまり知られていないんだなということがよくわかりましたので他の媒体ですね
このヘルディオも含めましてこのヘルディオでもですね 過去に取り上げてきた門戸などはちゃんと口頭でもこのラジオの媒体でもですね伝える
ということでこの優れた質問やっぱりいっぱいあるんですよね そしてあの私も毎回ですねそれなりに頭を悩ませながらと言いますかねあの調べものを
したりということで回答してきておりますので なるべくこれまで回答したものも生かしたいと思いますしそしてこれから皆さんに
寄せられて
おります 質問ですねこれにあの
前向きにですね真摯に答えていきたいと思っているということでですねこのヘルディオ でも門戸の過去門と言いますかね
これは色々と取り上げてご紹介していく 価値があるのかなというふうに思った次第で今後もですね
こんな形で 過去の門戸に寄せられた質問
の回答をですね口頭でご紹介していきたいと思います そのあの関連すると言いますか当該の
門戸への回答のリンクは url に貼り付けておきますのでそちらから飛んで 文章の形でじっくりとお読みいただければと思います
このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオではあなたからのご意見 ご感想をお待ちしています
おいしいのコメント機能通じてお寄せいただけますと幸いです sns でのシェアもよろしくお願い致します
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように 英語子研究者のほったり打ちがお届けしました
また朝
16:02

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