語源の基本概念
おはようございます。英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回はズバリ語源の話題なんですけれども、
second,sect,sequence,suitは全て同語根、という話題です。
いずれも英語本来語ではなく、釈用語です。ラテン語、あるいはラテン語の娘言語の一つであるフランス語ですね。 このいずれかの言語から英語が借り入れた単語ということで、英語本来の単語ではない全て釈用語ということになるんですけれども、
このセックという部分ですね、これを持っている単語群というのを今日は使いたいと思うんですが、これがですね、インオー語根、インドヨーロッパ祖母の段階でのセックワという大元の語根にすべて遡るということで、
そのインオー語根のセックワの意味は、つきしたがう、つづくというような、英語でいうとto followにあたるものですね。その後につづく、つきしたがうというような意味ですね。
ここから様々に派生して、このセックというかですね、非常に広い範囲でですね、単語を生み出し、そしてラテン語、フランス語経由で英語に大量に入ってきているということで、この語根一つを覚えるだけで実は数十の英単語を覚えられるということになりますね。
語根によるボキャビルに非常に大きく貢献するのが、このセックワというインオー語根ということです。では、そのたくさんの英単語ですね、セックワの末裔たちですね、末裔たちのこの形を保持している単語、英単語を色々と挙げていきたいと思うんですね。
まずは、セカンドです。これは普通、2番目のという意味で、ファースト、セカンド、ファーストという時のセカンドなんですが、このセックの部分がまさにそれで、これは分かりますね。つまり、the followingぐらいの意味なわけです。つまり、次に続くもの、ファーストというように一つ目のものを挙げておきつつ、その次にですね、the followingぐらいの意味で、セカンド、次に続くものということなんで、これは分かりやすいと思うんですね。
セカンドには、この2つ目という意味のほうが、実は動詞がありまして、支持する、賛成するという意味がありますが、これもある人の意見に突き従うということから分かると思うんですね。なので、同意しますということを、secondedという過去分詞ですね。つまり、
the motion is seconded。その動議は、支持されますということで、私は支持しますということですね。この受け身で、the motion is seconded。これは省略されて、結局secondedだけで、議会なんかでは賛成ですという意味になるというのはこういうことです。
そして、その後に続くとか、突き従うということから考えると、sequenceとかsequentというような、いわゆる続くとか連続、この系列の多くの単語がマラテン語を経由して英語に入ってきました。
sequence、sequent、sequential、sequel、sequacious、sequacity、sequester、sequested、sequestrate、sequestrationのようにいろいろあります。
さらに、ここにですね、接頭詞、いろんなものをつけて、例えばsubsequent、これなんかもう続くっていう意味ですよね。subsequently、subsequenceなんていうのもありますし、conという強めの接頭詞をつけて、consecution、consecutive、consecutively, consequence, consequent, consequently, consequential, consequentially, consequentiality
のような一連の単語が続くわけですね。
さらに、exという接頭詞をつけると、execute、execution、executiveなんてのがありますね。
これはもともと法律に則る、法律に従ってあることを施行するということなんですね。
やはりこれ、法律に従う、突き従うという本来の意味が、sequenceの部分の本来の意味が生きているということになりますね。
それから少し形が崩れてわかんなくなりますが、extrinsic、extrinsicallyとかintrinsic、intrinsicallyというときの一部にも入っています。
これはextraであるとかintraという接頭詞がついたものなんですね。
もともとは外側に続いていくであるとか、内側に続いていくというような意味がベースにあったということになりますね。
他にはobという接頭詞ですね。
これをつけると、obsequiousというと、これを追随する、こびるということで、これが意味がわかりますね。
さらにobsequiousという単語がありまして、これは立派な葬儀、葬式のことなんですね。
これは亡くなった人に対して敬いの気持ちを持って突き従うという意味ですね。
ここから葬式、葬儀ということなんですが、obsequiousのような単語も派生しています。
そして追いかけるという意味から追訴する、追いかけて訴訟を起こすということですね。
この訴訟形の意味というのも出てきて、例えばpersecute、persecutionというと責めるということですよね。
人を責めるということになります。
それからprosecute、prosecutionというのもありますね。
まさに起訴する、起訴という意味になりますね。
そしてここからですね、ラテン語の段階ではsecuteというように句の音が生きているんですけれども、
これがフランス語に伝わるとこの句の音が大体消えちゃうんですね。
その結果どうなるかというとsueという単語が出てきます。
これフランス語由来なんですけれども、これやはり訴訟を起こす、訴えるという意味でsueとなりますね。
ここに接頭詞perというのがつくとpursue、これまさに追いかけるということですね。
語源の広がりと応用
それから名詞形のpursuitというのがありますね。
そしてこれ余談なんですが、さっきのオリンピックでカーリングでpursuitというのがありますね。
あれ何のことだろうと思ったら、このpursuitなんですね。
追いかけるという意味から発生したスポーツ用語、アメフトなんかでも使われる用語のようなんですが知らなかったんですね。
これpursuitのことなんだとびっくりしたんですけれどもね。
そしてsuitというのもありますね。
s-u-i-t、これもフランス語由来なんですけれども、トランプの一組、同じハートマークのエースからキングまでというこの一続きのものですね。
続きということです。
それから上下合わさった、組み合わさった、突きしたがったものということでいわゆる背広、スーツといいますが、これにも関係してくるというわけですね。
最後にsectというのもそうです。
つまり宗派とか学派というときの宗教上のsectなんていうのも、ある信条に突きしたがう人のことなわけですね。
そしてそこからの派生語でsectarianとかsectarianismというのも出てくるわけです。
さあ何十語挙げたか今わかりませんけれども、すべて陰陽祖語のsectを突きしたがう、to followぐらいの意味の基本的な動詞の語コンですね。
これに遡るので非常に応用範囲が広いといいますかね。
実際にそこに節維持をつけることで、数々の単語を主にラテン語が生み出してきた。
そしてそれを引き継いだフランス語とともに、これらが英語にガーッと流れ込んできたということになります。
このsectのワードファミリーっていうんですかね。
これを利用して多くの英単語を覚えられると思います。
非常に役に立つ語コンということになります。
今回の話題と合わせて聞きたいヘルディオの放送があります。
これはだいぶ前のことなんですが、第11回の話題、なぜかsecond、2番目のは釈用語ということで話したんですが、
今日も最初に出てきましたsecond、これ自体はつきしたがうということで、2番目のということになるわけなんですけれども、
なぜこんな基本的な単語ですね、1番目の次の2番目のというこのsecondに釈用語が使われているのか。
小英語では実はsecondではなかったんですね。
otherという皆さんが知っている単語を使って、これを2番目のという意味に使ってたんですが、後からsecondが入ってきました。
第11回目の放送ではこの辺りを中心に取り上げておりますので、そちらもぜひお聞きください。
それではまた。