印欧祖語の概要
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語史の面白さを伝え、裾野を広げるべく日々配信しています。 本日は11月10日、木曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
英語の語源が身につくラジオ heldio。本日は、印欧祖語 reg- から拡がる単語のネットワークと題してお届けします。
どうぞよろしくお願い致します。昨日の放送527回ですけれども、 right の多義性、正しい右権利と題して、
スペイン語の derecho であるとか、フランス語の droit というのと同じようにですね、英語の対応する right という単語、これは正しいという意味もあれば右という意味もあるし、権利という意味もあるし、
いろいろとですね、似てるっていうことなんですね。 この似ている理由と言いますかね、語源から探ってみたということなんですが、
昨日の話の今日は続きということになります。 印欧祖語の reg という語根にすべて遡るということなんですね。
印欧祖語というのはこの heldio でもたびたび出てくるんですけれども、英語であるとかフランス語、スペイン語はもちろん、
ヒンディ語に至るまで、インドからヨーロッパに至る非常に広い地域で話されているインドヨーロッパ諸国の祖先、ご先祖様ということなんですね。
紀元前4000年くらいに南ロシアあるいはウクライナあたりを本居としていたと考えられる民族が話していた言葉ということですね。
比較言語学の手法で、当時の形、単語の形っていうのがかなり詳しく復元されています。
ちなみにそのぐらい古い段階ではまだ文字というものはありません。 いわば言語の考古学のような手法を使って当時話されていた言葉の姿をですね、理論的に再構築するということをやってるんですね。
ですので、よく語源の本なんかではですね、星印を書いてREGと書いて、このREGという今日の語根ですね、今日注目する語根などが記載されるわけなんですが、
これはもちろん当時あったわけではなくて、後世の比較言語学者が再構築した形だということですね。
再構築したよということを表すのに星印、アステリスクをつけるっていうのが慣習です。
さあ、このrightの語根に相当する引用詞語のREG、これについて今日は考えてみたいと思います。
語彙の広がり
ここから様々な単語のネットワークが広がりまして、諸言語、インドヨーロッパ諸語に入っていますし、そして英語にもですね、いろんなルートをたどって英語に流れ着いた単語がとにかくたくさんあります。
これを次々と紹介していきたいと、そのように思います。
まず、大元のこのREGなんですが、意味としては、まっすぐに動かす、まっすぐに導くというのが原理です。
ここから様々な意味の発生、そして形態的な発生を経て、私たちがよく知っている英単語の形で現在まで伝わっているということなんですね。
さあ、この広い語彙のネットワークを見てみたいと思います。
様々なルートを経て英語の中に入ってきたということで、そのルート、経路は本当にバラバラなんですけれども、全体としては一貫した意味、複数の意味ですけれどもがあるということがわかると思うんですね。
まず、まっすぐにするという原理がありますので、ここからたくさんの語が出てきていますね。
昨日取り上げたDIRECTというのもそうですね。これまっすぐなという、まさにそういうことです。
それからCORRECTのRECTもそうです。これまっすぐにする、正しくする。
ERECTというのも直立させる、つまりまっすぐに立たせるというERECTというのがありますよね。
RECTIFYであるとかRECTANGLEであるとかRECTO、RECTOR。
この辺の一連の語がラテン語経由で入ってきています。
そして、正しくするということはですね、人々を導く、引き入るという意味から派生して、人々を統治する、支配するという意味にだんだんなっていくんですね。
そうするとですね、例えばRULE、支配するという意味のRULEですね。
このRの部分、他の部分はいろいろとなくなってしまったんで分かりにくいんですが、支配するのRULEっていうのがまさにそうです。
支配者っていうのはRULERとなりますが、このRULERっていうのは物差し定義のことも言いますよね。
つまりまっすぐに引く線です。
それから統治するという意味のRAINという単語がありますね。
統治するとなると、王とか国、地域というこういう意味がどんどん出てきます。
ラテン語で王様のことをREXというわけですね。
ここから例えば形容詞形のLEGALあるいはROYALという単語が派生してきています。
王国はREALMという単語ですね。
REGIMEであるとかREGIONというのも国土であるとか国の体制に関する用語です。
王を助けて政治を取るのがREGENTですね。摂政となります。
REGULARというのも関係する単語ですね。
そして驚くことにですねREACHという単語がまさにこのREGに遡るんです。
金持ちということですけれども、これ国王は金持ち、王国は豊かであるというような発想ですよね。
豊かなとか力があるという意味になりますので固有名詞にもよく使われます。
名付けに最適ってことですね。
例えばHENRYであるとかRICHARDという時にこのREACHの部分含まれてるんですね。
さらには国名AUSTRIAという時のRIAの部分ですが、これもですねなんと国王国ということですのでやはりREGに変えてくるんですね。
他には北欧系の名前ですけれどもERICという名前がありますが、このRICの部分がやはりREGに遡るっていうことです。
人の名前や国の名前には最適ということでこのREGが潜んでいることが多いです。
ラテン語のREXこれが王様を意味するということでしたが、同じインドヨーロッパ祖皇に遡るサンスクリット語というのがありますね。
この方言の現代版がヒンディ語ということになりますけれども、
サンスクリット語のRAJAっていうのがこのREGに由来するんですね。王様です。
なのでMAHARAJAっていうとMAHAっていうのは大きいって意味です。
つまりGreat Kingなわけですよね。MAHARAJAっていうのは。
さらに派生語を含めますと瀬戸寺をつけたりですね。
そういう派生語を含めますともっともっと多くなるんですが、
一つだけですね、挙げておきたいと思うのは湧き上がるを意味するSURGEという単語ですね。
SURGEこういう動詞があります。
これはですね、瀬戸寺としてSURの部分ですね。
これ上にというSUPERに相当する単語なんですけれども、これにREGがついたものなんですね。
今SURGEになってしまっていますけれども、つまり上の方向にまっすぐと引っ張るという感じでしょうかね。
それが湧き立つと湧き上がるということなんですが、このSURGEを中心に考えますと、
ここからもさらにいろいろな単語が派生してですね。
INSURGENTという単語もありますし、それからですね。
RESURGENT、それからRESOURCEというのが実はこれなんですね。
湧き上がる源、資源ということですよね。
ということはREを取ってしまえばSOURCE、源のSOURCE。
これも結局はですね、REGと絡んでいるっていうことになります。
語源の関連性
こう考えてくるとですね、もう止まらないですね。
REGという引用素語のまっすぐに動かす、まっすぐに導くという基本的な語彙から、
どんどん意味も派生し、そして形態、形も派生し、
今の英語の語彙の中に様々なルートを通じてたどり着いたというのが、
今日ひたすら挙げてきた単語群ということになります。
これもですね、REGに遡る単語の本当に一部を挙げたものにすぎません。
一つの語根から広がる語彙のネットワーク、なかなか凄まじいものがあるということがわかったのではないでしょうか。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日のような引用素語に遡る単語群ですね。
引用素語のある一つの語根から派生してくる様々な単語というのは、
まさにこの英語の語源が身につくラジオでは格好の話題になりますので、
今までもいろんな形で取り上げてきています。
いわゆる語彙ネットワークということなんですが、
例えばですけれども、過去の関連する回をここで紹介しておきたいと思います。
今日の放送を聞いて、面白いと思ったら、ぜひこちらも聞いていただければと思いますが、
4つ挙げたいと思いますね。
76回ヘッドの単語ファミリーということで、頭を意味するヘッドの語源ネットワーク、
これを扱っていますので、ぜひどうぞ。
それから120回フィール、車輪ですね。
フィール、車輪がコロコロというタイトルなんで、何のことかわからないかもしれませんが、
今日のような実は話なんです。これも面白い回です。
289回、3にまつわる語源あれこれ、コンテストもということで、
3とその周辺の単語群ということを扱っています。
そしてもう一つ最後にご紹介しておくのが、403回の放送です。
大きいを意味する陰陽祖語MEGの関連語ということで、
今日の放送の中でもマハラジャという話をしましたね。
このマハが大きいという意味なんだということなんですが、
この陰陽祖語の語魂がMEGなんですね。
MEGAとかMAJORとか、いろんな英単語にも伝わって残っていますので、
ぜひこの403回も聞いていただければと思います。
改めて、76回、120回、289回、403回、
この辺りが今日の放送と同じような趣旨でお届けということで、
どうぞお聞きください。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、
あなたからのご質問、ご意見、ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せください。
チャンネルをフォローしていただきますと、更新通知が届くようになります。
ぜひフォローをお願いいたします。
また、面白かった、ためになったなどと感じた回がありましたら、
ぜひ、いいねもよろしくお願いいたします。
最近の配信会だけでなく、古い配信会につきましても、
いいねやコメントをください。
私のほうに必ず通知が入りますので、なるべく反応したいと思います。
それでは、本日も皆さんにとって良い1日になりますように。
ほったるいちがお届けしました。また明日。