2025-07-26 21:48

heldio #371. なぜ付加疑問では肯定・否定がひっくり返るのですか?

#英語史 #英語教育 #英語学習 #英語に関する素朴な疑問 #付加疑問 #否定
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/650f4aef0bc9d6e1d67d6767

サマリー

今回は付加疑問に関するリスナーの質問を基に、英文の付加疑問で肯定と否定がひっくり返る理由を考察しています。英語の文法の複雑さや歴史的背景、また実際の使用における意味や機能についても触れています。このエピソードでは、付加疑問文が主文の肯定・否定を逆転させる理由が探求されています。特に、上昇調と下降調の2つのタイプや、命令文における付加疑問の使い方についても説明されています。

00:00
おはようございます。英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
新しい英語の見方を養っていただければと思います。 毎朝6時更新です。フォローしていただきますと更新通知が届くようになります。
ぜひフォローしていただければと思います。 またコメントやシェアの方もよろしくお願い致します。
付加疑問の概念
本日の話題はリスナーさんからの質問に回答します。 なぜ付加疑問では肯定・否定がひっくり返るのですか。
という難問に迫りたいと思います。 付加疑問に関する素朴な疑問が寄せられたわけなんですが、今難問と述べたように、実は私もはっきりとわかっていない。
英語史的な観点からもですね、そして教授的英語学の観点からも、なかなかこれは一筋縄ではいかない問題のようです。
私の勉強不足ということもありまして、なかなかきれいに回答できる自信はないんですけれども、トライしてみたいと思います。
発端は6月1日に寄せられたリスナーさんQさんからのご質問です。
まずはこちらのQさんからのコメントを読み上げたいと思います。
こんにちは。いつも楽しく聞かせてもらってます。この番組で英語の変遷や様々な言語から影響を受けたことを知り、英語に対する画一的な見方が変わり、以前よりも深く英語を理解できるようになったように感じています。
これからも配信楽しみにしています。 ありがとうございます。
さて、今回こちらに書き込んだのは、英語に関して以前から気になっていることがあったからです。
それは、「〇〇ですよね?」と確認を取るときに使う、「isn't it?」についてです。
これってなぜノットがつくのでしょうか。聞いている内容が正しいか確認するのであれば、「is it?」の方が良いと思うのですが。
ノットがつくということは、前の文章を否定して質問しているように見えます。
内々ではないってことですね、という感じに思いますが、あえてそういう遠距離的な言い方で確認をしているということなのでしょうか。
それとも何か変遷があって、こういう形に落ち着いたのでしょうか。よかったら教えてください。
という質問だったんですね。 お寄せいただきましてありがとうございます。
確かにこれ、私自身も英語を習い始めた時に、付加疑問というのがあって、いわゆる疑問、フルの疑問ではなくて、
命題を言い終わった後に、いわゆる平常文ですね。平常文で言い終わった後に少し付け加える形で、日本語における〇〇ですよね、ですよね、まさにこの意味で
isn't it であるとか、もちろん主語動詞に応じて doesn't she となったり didn't he となったり
can't you となったりするわけですよね。 または主文が否定文の場合は逆に肯定の付加疑問がつくっていうことになりますよね。
そもそもが作り方が非常に厄介だなぁと思ったのを非常に私もよく覚えています。 学び始めの頃ですね。
3つか4つぐらいですかねのことを考えなければいけないんですよ。 まず
主文の主語と動詞が何なんであるかということですね。これが基本になります。 そして主語が代名詞でなかったらまず相当する代名詞を探さなきゃいけない。
さらに動詞の部分なんですけれども、これが助動詞だったら、あるいはbe動詞だったらそのままでいいんですが、そういったものがなかったら do, does, did こういったものが現れることになりますね。付加疑問で。
さらにそれを 肯定否定をひっくり返さなきゃいけない
ということですね。 そしてもちろん最終的には付加疑問というのは疑問の形ですからそれをひっくり返した
動詞させた形で言わなければいけないということで 4つぐらい頭の中で操作しないといけないんですよ。
理屈的にはですね。 これ日本語で言えばただの何なんですよね。
ねに相当する助詞。 一語で済むんですよね。
しかも主文が何であれとにかく音をつければ良いというそれだけの文法事項にも関わらず、日本語ではそうなんですけれども、英語の場合は先に述べた4つぐらいのことを瞬時に頭の中で計算して
can't see とか isn't it とか
do you とか様々な形で現れ得るわけですよね。
これ即座に反応できるように練習する必要があるなんていうですね英会話のレッスンなんかも あるくらいでバカバカしいなと思わないこともないですね
たかだかねを表したいだけなのになんでこんなにいろいろとしなければいけないんだろうか
実際世界英語の様々な編集では例えば isn't it でも一貫して通す。つまり主語動詞が
なんであれですね最後につけるのは日本語のねのように isn't it とか is it のような形で
普遍の形を常に用いる。これわかりやすいですね インド英語なんかでは no なっていますね
例えば it's a lovely day, no? と言って済ませるっていうことですね
標準英語でも it's a lovely day, is that right?
という言い方であるとか it's a lovely day, am I right?
it's a lovely day, don't you think? のように逃げる言い方もあります。逃げると言いますか普遍の形を常に用いるということに決めてしまえば楽は楽ですね
しかし自然な標準英語のいわゆる規範的な文法においては やはり主語動詞をひっくり返した形で
そして肯定否定もひっくり返すというような非常に複雑な形を使うということが一応 基本となっている
このように英語教育でも習うわけですよね ではなんでこんなに複雑なんだろうか
しかもとりわけですね今回の質問にあったように 肯定と否定をひっくり返すというのはどういうわけなのか
ここが問題になってくるわけなんですけれども今のところの私の理解と言いますか 少し調べて考えた範囲内での答えということになるんですけれども
肯定否定というのは極めて論理的な論理学的な軸で考えるということになると思うんですけれども
この不可疑問に関してはあまりこの論理学的論理的な肯定否定 その逆がそれぞれ否定であり肯定でありということを強く意識した形でこの文法が
教授的にはですね機能しているわけではどうもなさそうだ という気がしてるんですね
おそらく歴史的起源的にスタートはですね 論理的な肯定否定そしてそれをひっくり返してそれぞれ否定肯定という不可疑問を加える
ということに何らかの それこそ論理的な意味
あったのかもしれませんしかしその後慣習化するにつれて 論理的な肯定否定
という軸よりも誤用論的なと言ったらいいんでしょうかね 前提であるとか
不可疑問をつけることで何をしているのか何をしたいのか 和社がですねといったような誤用論的な役割機能の方が上回ってきたんではないかというふうに
仮説的に考えています 考え出すとかなり厄介な問題ということがわかってくるんですけれども
チャプターを変えてそのあたりの話に進みたいと思います 一般的な不可疑問の
付加疑問の例
タイプというものを考えてみたいと思うんですね 今回使う一貫して使いたいと思っている例文は
it's a lovely day これをベースとしてこれに不可疑問を添えるあるいはこれを反転させて否定文にして
it's not a lovely day これに対してどういう不可疑問がどんな形でつくか
タイプに応じて4つあると思うんですね まずは
it's a lovely day, isn't it? というふうに不可疑問を上昇調で加えるというやり方ですね
it's a lovely day, isn't it? これに対して下降調の不可疑問というのもありますね
この場合it's a lovely day, isn't it? となります
否定バージョンも同じように2タイプあります まず上昇調から
it's not a lovely day, is it? それに対して下降調は
it's not a lovely day, is it? この4つのタイプの
含意、語用論的な前提であるとか 機能ですねこれを考えてみたいと思うんですけれどもそれぞれ違うんですね
まずit's a lovely day, isn't it? というふうに
肯定部そして否定的な 不可疑問これをつけてしかも上昇調で終わる
こうするとですね 話者としては
とてもいい日だと思っている そしてそれを相手に質問して
強く確認してもらいたいと思っている そういう時に使うんですね
つまり上昇調であることからもわかる通り 基本的には疑問文なんですね
フルの疑問文ほどは強い疑問性というのはありませんが やはり最終的に上昇調で終わっているっていうことは聞いてるんですね
尋ねてるっていうことです 場合によってはyes、no、両方ありうるなっていうことです
つまり私自身の想定としては話者の想定としては it's a lovely day と思ってますが
それに同意しますかそうではないですかっていうふうに 割とニュートラルに聞いている感じですね
一方ですね下降調で行ってみます it's a lovely day, isn't it?
と言いますと 私がとても良い日だと信じているということは変わらないんですけれども
相手もきっとそう信じているだろうyesと言ってくれるだろうというような 期待を込めて確認する場合に使われるのがこの下降調バージョンですね
ある意味では疑問性っていうのは薄いので相手が例えば何も答えてくれなかったとしても 流したとしてもですねそれはそれで ok ということになります
先ほどの上昇調バージョンですね it's a lovely day, isn't it? ほどの疑問文的な性格はありませんので流すなら流すで結構というぐらいの感じですね
どちらかというと一人ごと的に簡単文的にという言い方をしてもいいかもしれませんね 少し強めに言うと
一人で納得していてあなたもそう思いますよねというふうに確認を求めると言いますか それほど強くも求めてないわけなんですけれどもね
それぐらいの意味だと思うんですね it's a lovely day, isn't it? 主文が否定の場合も基本的に同じように考えることができます
it's not a lovely day, is it? と挙げると
疑問文に近いです つまり私はいい日じゃないなと信じていますがあなたはどう思いますか
yes ですかノーですかというふうに割とニュートラルに聞いている感じですね それに対して it's not a lovely day, is it?
付加疑問の逆転
というと 私は良い日じゃないと思い込んでいるんですけれども
あなたもそうですよねあなたも良い日ではないと思っていますよね ということで確認をとっているあるいはたいして強い確認ではないので場合によっては流していただいても結構
独り言のような 含意があります
つまりですね 主文が肯定の場合は不可疑問が否定になる
そして自分が否定の時は不可疑問が肯定になるというふうにひっくり返るということの 謎をもともと到底
いたわけなんですけれどもこれも上昇帳下降帳という2つのタイプに 分ける必要があるんですね
問題は細分化されてより複雑になってきています どうも4タイプあげましたけれどもこの4タイプのそれぞれに特有の
元位であるとか前提みたいなものが含まれているんですね 肯定否定という一つの軸一つのパラメータがありましたけれどもそれに上乗せして
上昇帳か下降帳かというもう一つのパラメータが加わって ご要論的に複雑な要素を呈してきているということになります
さらにはをかけて複雑なのは今までですね 基本的な英文法で我々が習うものっていうのは
主文が肯定だったら深いもはして 主文が否定だったら不可疑問は肯定ということを
金貨玉城の前提としてきましたけれども実はですね 肯定に対して肯定という不可疑問
これもマイナーですがあるんですね 文法書などの細かいところをですね注釈みたいなところを調べるとちゃんとあるんですけれども
つまり it's a lovely day is it という言い方があるんですね
大抵このバージョンでは上昇帳で 発音することが普通なんですけれどもさらに驚きであるとか
意外性というのを示す傾向があるので文頭に シャウとかオウとかこんな関東詩が続くことが多いですね
つまり so it's a lovely day is it であるとか
oh it's a lovely day is it のようなものです
これは一般的に怒りであるとか皮肉を込めて 命題的な表現ですねつまり主説の表す表現を表示している
伝えているというような時に用いられる 比較的稀な表現なんですけれども出てくることはあります
つまり一般的な肯定否定をひっくり返すような メジャーなタイプに対してこのマイナーな肯定に対して肯定の不可疑問がつくというタイプもあって
しかも誤用論的にやはり普通とは少し異なる 意味合い含みっていうのを持つっていうことなんですね
でさらに面白いのはですねこれ否定文 否定の主文に対して否定の不可疑問をつけるっていうのはこれありそうなんですが実はない
一般的にはないんですねつまり so it's not a lovely day isn't it
というのは先ほどの肯定文とのパラレルでありそうなものなんですけれども 基本的にはない
不思議ですね これまでの議論を振り返りますと単なる肯定否定
という話ではないということがわかると思います おそらくスタートとしては厳密に論理学的な肯定否定というところから始まったのかもしれません
しかしその肯定否定という違いが 文字通りの論理学的な意味で使われるというよりは
誤用論的なある種のまた別の機能にそれぞれ対応 することになってさらに上昇調下降調というもう一つの軸も加わって複雑な誤用論的
微妙な含意を表すという方向に 再利用されているのではないかというのが現時点での私の考えです
命令文における付加疑問
このことを示唆するもう一つのヒントと言いますか証拠のようなものはですね 命令文につける不可疑問というのがありますね
例えばオープンだドアに対してつけると 上理由っていうのもあればウォンチュっていうのもあります
つまりこれウェルトウォンとっていうのはそれぞれ肯定否定ですよね しかし
命令文には両方突き売るんです 肯定否定という関係で考えてしまうとつまり論理学的な肯定否定で考えるとなぜ両方に
突き売るんだろうっていうのが疑問になります しかし
ポイントはですね誤用論的に含意が違うんですね オープンだドアウォンチュというと比較的差し障りのない
言ってみれば比較的丁寧な表現になりますそれに対してオープンだドアウィルユー というと
やや苛立ちがあるような主張が強い 強めの命令ということになるんですね
これは肯定否定という パラメータ論理学的なパラメータを表面的には使っているように見えて実際にそこで
話者が行っているのは誤用論的調整ということなのではないかと考えています 今回のご質問はなかなかの難問でしたので私も非常に
考えに考えてお答えしたということでまだ完全な解決に至っていません したがって6月1日にいただいた質問なんですけれども
考えながら時間が経ってしまいましてこのように少々遅れてしまいましたけれども 回答が遅れましたけれども
当面の考えを披露してみました せっかくいただいた非常に重要な貴重な質問でしたのでこちらについてはこれからも考え
続けていこうと思います 今回分かる範囲で考えた範囲でお答えしましたがこれにつきまして
さまざまなさらなるご質問であるとかコメントあるかと思いますが もし面白かったと思っていただけたようでしたら
いいねボタンを押していただきますと幸いです 今回も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました
ご意見ご感想ご質問などありましたらボイシーのコメント機能あるいはチャンネル プロフィールにリンクを貼っています専用フォームを通じてお寄せください
最後に講座の宣伝です 今週末に迫ってきましたが6月11日土曜日の15時半から18時45分
朝日カルチャーセンター新宿教室で英語の歴史と世界英語 世界英語入門と題する講座を開きますシリーズ講座の第1回となりますので
世界英語という今をときめく英語を取り巻く話題なんですけれどもこちらに関心の ある方はぜひ受講をお考えいただければと思います
今日の放送でも世界英語という用語が出ましたけれども 不可疑問も実は様々な英語編集によってタイプがあるんですね
我々が知っているものは肯定だったら否定否定だったら肯定という一般的な英文法で学ぶ あれなんですけれども
アジアの英語などでは普遍の is it であるとか no とかですね非常にわかりやすい 我々日本人にとってはねとつけるのと同じような感覚ですね
こうした不可疑問というのも 普通に行われてるんですね
英語というのは非常に広いです a b だけの英語が英語ではありません 標準英語として大変重要で影響力のある英語であることは間違いませんね標準英語
しかしそれ以外にも様々な英語の世界が広がっている これがワールドイングリッシーズ
という話題です このワールドイングリッシーズの講座につきまして詳細な情報はこのチャプターにリンクを貼り付けておりますので
そちらからご覧ください それではまた
21:48

コメント

スクロール