B動詞の紹介
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
2月26日月曜日、いかがお過ごしでしょうか。 新しい週が始まりました。そして9月ももう最後の週ですね。
今月は台風があったりとか、いろいろでですね、私もゼミ合宿、ケルクコンフェランス2022があったりして、もうバタバタだったんですが、そのバタバタも
束の間ですね。次のバタバタ、新学期が始まるということで、もう大あらわという日々になっていますけれども、月曜日が始まってしまいました。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。本日の話題はB動詞の謎1です。
1と付けたんですけれども、特に明日2を予定しているわけでもなく、今後お話しするかどうかっていうの完全に未定なんですが、
B動詞の話っていうのは、これはですね、たぶん10回じゃ聞かないですね。このボイシー1回10分だとすると、30回ぐらい本当はお話しできるんじゃないかなと思っているので、
たぶんいつか、2、3、4とやっていくんじゃないかということで、最初から1を付けてしまおうということで、それ以外の意味はないんですけれども、
B動詞の話をお届けしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。今回は英語のB動詞に迫りたいと思うんですけれども、
英語を学習するときに、日本語母語話者がいまいちよくわかんないなぁと思っているものの、最たるものが実はB動詞なんではないかと思ってるんですよ。
対応するものがズバッと日本語にないので、新しい概念として覚えなければいけないんですね。どうもインヨー語族、インドヨーロッパ語族の特徴なんですね。
なので、これ英語だけの話ではなくてですね、それぞれB動詞に相当するものっていうのは、例えばフランス語ではエットと言いますし、
フランス語の親言語であるラテン語ではエッセというものがありますね。フランス語の姉妹言語であるスペイン語にはセールとエスタールっていう2つのB動詞があったりしますし、ドイツ語なんかにもザインっていうのがありまして、
インドヨーロッパ諸国にはですね、英語のB動詞に相当するものがだいたいあるわけです。
ところがこれがですね、日本語ではどうかというと、いろんな表現に対応するんですよ。なので、いわゆる英語母語話者がBとして認識しているもの、Bとしてまとめ上げているものっていうのは、日本語に対応するものを探すと1個ではなくて、2個、3個っていうか非常に複雑な形で対応しているので、
そもそもBって何?Bの概念って何?っていうところが問題になってくるんですよ。これは翻訳における、つまり2言語間のですね、ある意味の場って言いますかね、概念をめぐってどういう単語は対応しているかっていう、そういう問題であるとともに、あまりに基本的、いわゆる存在とか動詞であるとか、そういうものになるわけですよね、B動詞って。
なので、極めてですね、論理学的と言いますか、もっと言いますと哲学的な話になってくるので、これ1回で語り尽くすことはできないし、10回、30回、しかもこれはですね、本当にB動詞の本っていうのが何冊もそれだけで書かれているぐらいですし、本当に哲学の話題になるんですね。なので、B動詞はそもそも謎なんですよ。
英語話者、母語話者ですらB動詞で哲学してしまうわけなんで、そもそも1単語、対応するものを持っていない日本語母語話者にとって、Bってそう簡単に理解できるはずがないっていうところからスタートしたほうが多分いいと思うんですね。
このB動詞のややこしさについてはですね、意味の観点、形態の観点、語源の観点とかいろいろ論じる価値はあるんですが、このボイシーのヘルディオの放送ではですね、1回まともに扱ったのは82回です。
82回B動詞は4形の寄り合い状態っていうことで、B動詞ですね、Bから始まってis、am、areとかwas、wereとかいろいろ形があるわけですよ。他の動詞にはない複雑性があるっていうことで、今日も後にちらっとお話はしますけれども、この複雑な事情について語源の立場から比較言語学の立場から紹介したのが、この82回B動詞です。
B動詞は4形の寄り合い状態っていうことですので、こちらをですね、聞いていただけると、今日の形態に関する後半の話はだいぶ分かりがいいんではないかと思うので、お勧めしておきます。
さて、意味、形態という2つの話題で、今日はですね、B動詞の謎についてイントロしたいと思うんですけれども、まず意味についてです。
通常、B動詞って、私たちが英語を学ぶときに、最初ね、典型的にthis is a pen とか、I am Ryuichi Hotta とか、こういうところから始まると思うんですけれども、いわゆる私は何々ですとか、これはペンですみたいな、です、ですね、いわゆるイコール関係なんだと、主語と保語がイコール関係なんだっていうところでB動詞を習い始めるっていうのが基本だと思うんですよ。
これは非常に端的に言うとイコール関係っていうことですね。これは本当の意味でのイコール動詞っていう場合とあくまで種類であるっていう場合とか、いろいろとこれもですね、哲学的にはイコールといってもいろんなイコールがあるっていうことで分けられるんですけれども、ここでは簡単にですね、日本語のAはBですという表現に相当するものとして、つまりですに相当するんだと、こういう理解できっと学び始めるんだと思うんですよ。
で、これはまあ分かりやすくていいんですけれども、ある段階になると、例えば、he is in the parkとかですね、she is at homeみたいな言い方で、訳すといるになるんですよ。ですだったらイコールっていうことで分かりやすいんですけど、いる、存在するという、こういう意味があるんですね。
ですから、例えば、he isとかshe isの後には場所が来たりするわけですよ。存在する、いるだから。こういう意味合いもあるっていうことを知って、ちょっと驚くんですね。これはですでは言い換えられないので、日本語の。やっぱりいるとか、ものだったらあるって言わなければいけない。どうも、ただのイコールじゃなくて、存在とかそういうことを言いたがっているんだなっていう、そんなことを気づくわけですよ。
で、さらにですね、英語の学習が進むと、例えば、what do you want to be in the futureのような使い方ですね。あるいは、what will you be in the future?何になりたいの?っていうことなんですが、日本語だと、なるなんですよね。
だから、英語ではbecomeっていうのはなるであるんで、なんでbecome使わないんだろう?と私も思った記憶ありますもん。学習、英語学習って。だけれども、becomeっていうのは、なんか強すぎるのか、使わないと。そうじゃなくて、what will you be in the future?とか、I'll be 20 tomorrowみたいなね。明日20歳になりますみたいなね。
この場合、なるなのに、どういうわけかですね、未来の時にはbecomeってあまり使わなくて、beなんですよ。日本語の考えでこれ、なるだろうと。であるじゃなくて、なるだろうというふうに、突っ込みたくなるんですが、こういう言い方をするんですね。
他にはですね、似たような言い方なんですが、when will the next conference be?というと、これもですね、次の大会はいつなの?っていうふうに未来で聞くときには、これもですね、beはどっちかというとtake place、起こる、起きるとか、予定されているぐらいのね、それぐらいの意味になるはずだと思うんですけれども、
take placeと、使ってもいいんですよ。ですが、普通はwhen will the next conference be?というふうに言うわけですよね。whereでも一緒です。
Where will the next conference be next year?なんていうと、来年の大会はどこで起こるの?っていう、なんて言うんですかね、日本語で訳すと、どこになっているの?ぐらいのことですかね、予定されているとか、やっぱりtake placeぐらいが一番しっくりくる言い換えかなと思うんですが、通常の英語ではbeというのを使うんですね。
他にも、もう言い尽くせませんが、be plus ing、現在分詞で、いわゆる現在進行形っていうのがありますよね。この場合、じゃあbe動詞の意味は何なのかって言うとよくわからない。とにかくbeにingっていうのを付け加えて、合わせてセットで何らかの役を果たすということですし、be plus過去分詞ってもそうですね。
この場合、受け身になるわけですが、このbeが果たして、それ単体では何を、どういう役割を果たしているのかっていうのは、なかなか名乗しがたい、説明しがたいって感じですね。セットになって機能するっていう、そういう役割を果たすことがかなりbe動詞多いと思うんですね。
B動詞の形態
さあ、ここまでは意味とか機能っていうことでの、理解しがたさと言いますかね、下世なさということなんですが、形態についても全く意味不明ですね。先に述べたように、語源、様々な語源が寄り合い状態になって、beから始まってis、am、are、was、wereっていうのがあって、それから過去分詞はbeingですし、命令形はbeですか。
それからbeingっていうのがあったりして、他の動詞ではありえないくらい様々な形に変化するっていうことなんですね。これは、語彙語から同じでですね、今に至るまで大きく変わっていない意味です。形態的にも他の動詞とやはり一線を画するという点で、ちょっと変わった動詞なんですね。
英語学習の最初に学ぶ割には、とてつもなく難しい動詞であることを理解しておく必要があります。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきまして、ありがとうございました。
be動詞、本当に基本的なだけに奥が深いですよね。
be動詞を攻略すればですね、英語生活って言いますかね、これだいぶ楽になるんではないかなと思いますね。
一方で、あまりに頻度が高いと言いますかね、繰り返される単語なので、なるべくbe動詞を使わない文というのをですね、例えば書くときなんか典型ですが、心がけるといい、なんていうことも言われたりするぐらいですね、とにかくbeというのはですね、やたらとですね、問題点が多いんですよ、気にしなきゃいけないことが。
ということで、今後もですね、気づき次第と言いますか、beの話題、いろいろとお届けしていきたいと思うんですが、今日はその第一弾、とにかく変な動詞なんだということをですね、お伝えする趣旨でお届けしました。
さて、番組の最後に講座のお知らせをさせてください。
今週末なんですけれども、10月1日土曜日です。
午後3時半から6時45分、朝日カルチャーセンター新宿教室にて講座を開きます。
全4回のシリーズとしてお届けしているんですけれども、シリーズ全体のタイトルは、英語の歴史と世界英語というタイトルになります。
昨今ですね、世界英語という言い方が本当に流行ってきてるんです。英語で言うとWorld Englishesということで、世界の英語は一つではないよ、標準英語は一つではないし、アメリカ英語、イギリス英語っていう2大変種ってありますけれども、この2つだけでもないよ、非常に多くの英語が使われて21世紀、多様な英語が用いられているっていうのが現実ですというような、
この現実を捉えた表現としてのWorld Englishes現象というべきですかね、これがですね、どう理解すべきなのか、そして今後EnglishあるいはEnglishesと我々はどう付き合っていけばいいのかっていうことが非常に日本でもですね、関心寺になっているんですね、世界でももちろんそうです。
そこでこれを歴史的な視点から考えると、この世界英語現象っていうのはどういうふうに見えてくるかということ、逆に言うとですね、実は現代のこの世界英語現象って歴史を通して見ないと本当にわからないんです。
歴史を通さないと、ただいろんな英語があるね、確かにいろいろインド英語とかナイジェリ英語とかいろいろ使われてるよね、で終わっちゃうんですよ。
それを歴史的に見るとすべてがつながってきて立体的に浮き上がるって言いますかね、英語が見えてくるんですよ、このEnglishesが見えてくるっていうことで、この多様性ということと英語の歴史ということを結びつけて考えるととってもわかりやすくなるということなんですね。
これを4回のシリーズでお届けしたいということなんですけれども、第1回、第2回と終わりまして、第3回講座が次の10月1日の講座ということになるんですね。
今回は第3回、英米の英語方言と題しまして、一見すると割と伝統的な話題に聞こえるかもしれないんですけれども、この基本の英米の英語方言ということを理解して、その上に積み重なったものとしてって言いますか、それが拡大したものとして世界英語というのを見るとぐんとわかりやすくなります。
歴史的に見るとぐんとわかりやすくなるということなんですけれどもね。もちろん英語の歴史そのものに関心がある方も歓迎ですし、現代の21世紀の世界英語という現象、非常にトレンドとなっているこの話題について深く理解しようと思ったら、やはり英語史の観点、本当に必要なんですね。
ですので、現状を理解する一助となるかと思いますので、ぜひご参加を検討していただければと思います。
携帯としましてはハイブリッド形式で、新宿教室にいて教室で対面ということ、これで参加いただいてももちろん結構ですし、オンラインでリアルタイムで参加していただくということも結構です。
それからリアルタイムに出られないという場合でもですね、それを収録しておいて、無効1週間、それを視聴できると、そういうサービスになっているようですので、そちらも併せて参加の方をご検討いただければと思います。
第1回、第2回とは、流れとしては続いていますけれども、集積していないという方でも全く対応できるような、そういうメニューになっております。ざっと復習はいたしますし、1回1回がそれなりに独立した形で構成されている、全体としてシリーズという位置づけですので、ぜひお考えいただければと思います。
毎回出席されている方々は、いろんなバックグラウンドだと思うんですね。英語には何らかの関心を持っているということが、皆さん共通していると思うので、議論は盛り上がるんですけれども、本当に様々なバックグラウンドの方が居合わせてですね、そこで議論するというような機会ともなっています。
皆さんと一緒に、今後の英語がどうなるのかということですね。それから英語に限らず、結局今後の人類の世界において言葉っていうのは、どういう役割を果たしていくのか、果たし続けていくのか、あるいは新たな役割を得るに至るのか、このような未来志向のお話も、ぜひしていきたいと思っています。
こちらのチャプターに関連する詳細ですね、講座に関する詳細であるとか、申し込みに関する情報を掲載して、ホームページへのURLを貼り付けております。そちらを訪れてご確認いただければと思います。
それでは本日からまた新しい1週間が始まります。皆さんにとって今日も良い1日になりますように。ほったりうちがお届けしました。また明日。