2025-11-14 17:07

#482. Thursdayには-s-があるけれどFridayにはない

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #英語に関する素朴な疑問 #属格 #曜日名
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サマリー

英語の曜日名に関する興味深いエピソードです。特に、Tuesday、Wednesday、Thursdayには所有格のSがある一方で、Fridayにはない理由について考察しています。その理由は、金曜日の起源となる女神フリアの特性に由来しています。このエピソードでは、英米の英語方言やワールドイングリッシーズについて深く掘り下げ、標準英語との関係性も探ります。また、今週末に開催される講座の案内や参加方法についても説明しています。

曜日名の疑問
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
9月25日、日曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 いやー、昨日は東海地方から東京にかけてもものすごい雨でですね
台風15号ということで、直に温帯低気圧に解消されていったわけなんですが、 雨の量はすごかったですね。皆さんの地域ではご無事だったでしょうか。
3連休の中日ということになりますが、この英語の語源がミニスクラジオヘルディオは通常通りにお届けします。
本日の話題は、素朴な疑問に一つ答えたいと思うんですね。 その疑問とは、
Tuesday, Wednesday, Thursday には s があるけれど、Friday には s がないのはなぜ?です。
どうぞよろしくお願いいたします。 昨日の放送でも述べたんですけれども、私様々な形でヘルカツを行っていまして、
ヘルっていうのは、このヘルディオのヘルでもあるんですが、The History of the English Language ということで、まさに私の専門である英語史のことなんですが、
英語史を広める活動ということで、このボイシーもその一環ですし、他にブログであるとか、いろいろな形で英語史を広めようということで活動しているんですね。
その中で、あまり活発に活動しているわけではないんですけれども、MOND という、いわゆる Q&A に答えるウェブ上のサービスがありまして、
こちらですね、MOND というんですが、地の交流コミュニティということで、こちらに寄せられてきた、主に言葉絡みの話題ですね。
特に英語の話題について質問があったら、不定期ですけれども答えるというようなことをやっています。
曜日名の語源
今年の2月ぐらいに始めたんですかね。それで今どれくらい答えてるんだろうか、20とかそれぐらいでですね、
本当に思い立った時に書いたり書かなかったりということなので、全く定期的に高頻度でやっているというわけではないんですけれども、
今までの中で一番関心した質問って言いますかね、がありまして、それが今日の話題になってくるんですけれども、
曜日名の話題なんです。このボイシでも、英語の曜日名に関しては既にですね、299 回、曜日名の語源ということで簡単にはお話ししています。
ですので概要としましては、この299 回曜日名の語源をお聞きいただければと思うんですが、
さらにですね、今日はそこのある特徴、語形上の特徴に注目した方がいて、非常に鋭い質問をいただいたんですね。
これは質問がいいので、きっと回答も面白いっていうタイプの問題なんですよ。質問って本当に大事だなと思うんですけれどもね。
その問答の質問とそれに対して私が回答した文章ですね。
それはですね、すでにウェブ上にその問答上で公開されていますので、そのリンクをこのチャプターに貼っておきます。
それをお読みいただければ、今日話すことの概要はですね、すぐに理解して把握できると思うんですが、少しそれに上乗せする形で話を広げる形でですね、今日はお届けしたいと思います。
これはですね、ほぼ4ヶ月ほど前の質疑応答だったと思うんですが、質問自体はこんな感じで寄せられたんですね。
読み上げてみたいと思います。
曜日については、サンデー、マンデー、サラデーは天体名に、チューズデー、ウェンズデー、フライデーは神様の名前にちなんで名付けられていると思いますが、
神様起源の曜日のうち、フライデーにだけ所有格のSが入っていないように感じられるのはなぜでしょうか?ということですね。
これを受けまして、なるほどと考えまして、答えは立ちどころにわかったんですけれどもね、これ一言で答えますと、フライデーのベースとなっている神様フリアあるいはフリッガが女神だからです。
男の神様ではなく女の神様だからです。
○というのがこの最も端的な答え方なんです。
私、この質問自体に自分自身気づいていなくて、これが質問になる、面白いお題になるということは全くそれまで考えたこともなくて、今回初めて寄せられたタイプの質問だったんです。
答えはすぐにわかったんですが、その質問の面白さって言いますね。
質問自体が優れた質問なんだということに気づいて回答したという次第なんですね。
私も非常に面白いなと思いつつ、この質問を受け取って答えたということなんで、とても印象深いんです。
なので、このVoicyでもしばらく経って4ヶ月後ですけれどもね、簡単におさらいと言いますか、もう一度このお話題を取り上げたいなと思った次第なんですね。
Tuesday, Wednesday, Thursday
これは確かにずっというSの文字がありますね。
これはその前に来る部分がいわゆる神様の名前で、それに所有格のSをつけたという形なんです。
誰々の日というふうに、各曜日にそれぞれ担当の神様がついているという話ですよね。
それぞれゲルマ神話の神様なんですけれども、例えばTuesdayっていうのはティーユという男の神様なんですね。
これ戦いの神です。
ちょうどローマ神話でいうときのマルスですね。
あの火星のマルスです。
に相当するものなんですが、対応するゲルマン神話で対応するものとしてはティーユという名前なんですね。
これにSをつけた形が元になって、今ではTuesdayと読むことになっているわけです。
そして水曜日はWednesdayっていうことですね。
これはつづり上WednesdayというふうにDを書くんですよね。
これはウォーデンという男の神様ですね。
北欧神話でいうとこのオーディンっていう主神です。
一番偉い神に相当するのが英語鉛でウォーデン。
それがさらにですね、母音が鉛ったりしてウェッドネスデイのように書くわけなんですが、
要するにウォーデンの火ということになっています。
そして次にThursdayっていうのはこれはトールという大神ですね。
雷の神ということで、これも男の神様なわけですが、トールって言うんですね。
別名Thundersdayと呼ばれた時代もあったくらいでわかりやすいと思います。
雷の火ということです。
この火・水・木に相当する三柱の神はですね、ゲルマ神話で男の神様っていうことなんですよ。
でSがつくと。
そして問題のFriday、金曜日なんですが、これはフリアとかフリッガと呼ばれる愛の神ですね。
ちょうどローマ神話でいうところのヴィーナスに相当する神様です。
とするとですね、女神っていうことになって女性名詞なんですよ。
そしてですね、古英語のルールによりますと、女性名詞を所有格にする場合にSが出てこないっていうのが古英語の屈折規則っていうことなんですね。
屈折っていうのは所有格とか何々格に変化させる時に語尾が色々変わるルールがあるわけなんですけれども。
典型的に何々のっていう時にSがつく。
つまり現代のアポストロフィーSの起源になるわけなんですが、このSを取るのは男性名詞と中性名詞だけなんです。
今回中性名詞の中性の神様っていないことになってるんで考慮から外しますけれども、火・水・木の神様はそれぞれ男性だから男性名詞っていうことになってSがつくんですね。
ところが女性名詞Eの場合、所有格を作るにSは決してつきません。
古英語のルール
だいたい母音語尾がついたんです。
Eみたいなものですね。
え、とちっちゃく読ませる。
古英語の頃にはしっかりこのえというのが女性の所有格語尾として響いていたんですが、中英語以降になると弱まって母音そのものが消えてしまうっていうことが起こったんで、
結局主格の形、見出しの形がそのまま所有格の形にもなると言いますかね、合一してしまうんですね。
なので特に語尾がついたように見えないということになります。
もちろんSなんか絶対つかないっていうことでフライデイになってるわけですね。
これがもし男の神様だったらフライズデイのようにSが古英語の時からですね、あったに違いないんです。
ですが、古英語では女性名詞は所有格にSを取らないっていうのが規則です。
母音をつけるっていうのが規則ですので、当然ながらですね、そこから順当に伝わって現代まで来ていたんであればSが入るっていうことはないっていうことになりますね。
ですので、古英語のルールがきっちりとですね、痕跡として語形の中に残っているっていうことになるわけですね。
ちなみに後に中英語期以降はですね、古英語のような性ですね、名詞の性によっていろいろと語尾を変えるというシステムは崩壊に向かいまして、
男性名詞のS、これが一般化して、もともとは何名詞であろうが、とにかく所有格にはSをつけるんだという形になり、現代に至ると。そういうわけなんですね。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
質問っていうのは素晴らしいですね。いい質問が出てくるといい回答になる。回答者の株が上がるという感じなんですよね。
やはり質問って本当に大事だなというふうに改めて思った次第です。回答者が気づかされてしまうっていうような両門だったと思います。
ということで、今日はですね、門戸に寄せられてきました質問とその回答を紹介するという回になりました。他にもですね、私自身、門戸で寄せられてきた質問に回答していますので、この機会に覗いていただければ幸いです。
さて質問っていうのが大事だっていうことだったんですけれども、このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでも、あなたからのとびきりのご質問お待ちしています。
ご意思のコメント機能を通じてお寄せいただければ幸いです。最後に講座のご案内をさせてください。
今週末になりますね。10月1日土曜日の午後3時半から6時45分に朝日カルチャーセンター新宿教室にて全4回のシリーズ、英語の歴史と世界英語の第3弾となります。
英米の英語方言を開講する予定になっています。形式はハイブリッド形式の講座で、対面もあればオンラインもある。しかもオンラインもですね、リアルタイムで出ていただくってことも、もちろん可能ですし、その時間都合が悪いという場合はですね、その後1週間ぐらいでしたかね、オンデマンドでその時収録したものをですね、見られる、視聴できるというような、
そういう仕組みでですね、講座が提供されています。ご関心のある方は是非参加をご検討くださると大変嬉しいです。シリーズ講座ではあるんですけれども、そして4回中の3回目ということになるんですけれどもね、これまで2回について参加していないという場合でも全く問題ありません。
世界英語入門と題する、それぞれある程度独立した、作る側としてはですね、一応ストーリーを作ってあるわけなんですが、基本的には1回1回独立したものということですし、第1回、第2回のざっとした復習的なものもする予定ですので、全くこの第3回が初めてということでも理解の上で問題ないと思うんですね。
英米の英語方言とワールドイングリッシーズ
21世紀になりまして、富に様々なところで話題になるようになってきた世界英語ワールドイングリッシーズという複数形のイングリッシーズが使われるっていうようなですね、これがいわばトレンドになってきているんですが、このトレンドを受けまして4回のシリーズ講座を企画したということです。
第3回はですね、英米の英語方言に注目します。
ワールドイングリッシーズっていうのは英米だけではなくて、本当に世界中で話されている様々な英語ということなので、その中で英米というですね、ある意味古い伝統的な二大方言に注目するっていうのは岡田違いじゃないかと思われるかもしれませんが、実は結局方言には違いないんです。
ワールドイングリッシーズもそれぞれ方言、英米も方言ということで、方言の原理と言いますかね、なぜ方言ができるのかであるとか、英語の方言のひな形を考える上では、やはり伝統的な二大方言、イギリス英語とアメリカ英語、これを押さえておくと21世紀のワールドイングリッシーズという現象についても極めてですね、理解しやすくなるということがあるんですね。
なので、あえてですね、第3回は、いわばワールドイングリッシーズのひな形としての英米の英語方言、これに立ち戻って考えていきたいと、そういうふうに思っている次第です。
合わせて、我々が通常英語を学ぶという時にはですね、標準英語というのをターゲットとして念頭に置いていると思うんですが、この標準英語についても考えます。
というのはワールドイングリッシーズという多様なものがある一方で、一つの核、中心として標準英語、スタンダードイングリッシュというものがだいたい理解されていますので、この対立の中でお互いの存在意義であるとか立ち位置っていうのを確認する必要があるからということなんですね。
ですので、今回第3回の話題は、英米の英語方言ということと、プラス標準英語、これについても考えていきたいと思いますし、時間が許す限り皆さんと議論していきたい、そのように考えています。
詳細および申し込みの情報はですね、こちらのチャプターにURL貼り付けておきますので、そちらからご参照いただければと思います。
多くの皆さんのご参加を心よりお待ちしています。いろいろと今から議論できることを本当に楽しみにしています。ぜひご検討ください。
それでは本日のヘルディをこれで終わりたいと思います。
堀田隆一がお届けしました。
また明日。
17:07

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