2025-03-29 06:43

hellog-radio #24. なぜ英語には s と th があるの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #音素 #発音 #子音
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サマリー

英語の発音における th サウンドの存在とその重要性を深く探求しています。日本語とは異なり、英語では s と th の発音が明確に区別されているため、これが習得の障壁となることを説明しています。

英語の th サウンドの難しさ
英語に関する素朴な疑問。 なぜ英語には s と微妙に異なる th のような発音しにくい音があるのですか。
この疑問は英語書学者であれば必ず抱くのではないでしょうか。 日本語には s 作業音一つあるのみで、英語のように s と th のように分かれていません。
日本語母語話者の耳には、この th の音が、作業音 s の音に聞こえるわけですね。
したがって聞き取るのも難しいし、発音も慣れていないということがあって、 s と th の区別というのがつけにくい。
これは、習得するにあたって一つ壁になるということになります。 実際、英語になぜこの音があるのかというと、これはなかなか究極的には難しい問題で、
ある言語にある音、発音があることを何か音声学的に説明するということは難しくて、
ある言語には意識、音素と呼ばれますが、発音のセットがあるんだということ以外には言えないわけですけれども、ここでは統計的に見ていきたいと思います。
451 言語を調査した、ある統計調査がありまして、その音を調べますと、この th というのはですね、やはり比較的稀な音であると、
世界の言語の中でも比較的稀な方であるということが分かっています。 451 の言語調査で、4、5% ほどの言語にしか存在しないということです。
英語の近いところでは、スペイン語であるとかギリシャ語などに今この音は現れるわけですが、全体として見ればやはり比較的稀な部類ということは言って良いと思います。
英語ではこのように、比較的稀な部類に英語は属するということになりまして、実際、多くの外国語として英語を勉強する人にとって、
多くの世界の人々にとってですね、やはりこの th の習得というのは問題になるということです。
実際ですね、航空感性英語 airspeak と呼ばれている、感性とパイロットの間で話をする際の国際的な標準発音では、英語が一般的に用いられるわけですが、
th サウンドの歴史的背景
1,2,3 の 3 が th で表れるのですが、これを t で代用して 3 として発音するという取り決めになっているほどなんですね。
それくらい th サウンドというのは厄介であると、世界的にも悪名高い発音であるというふうに捉えられているということがあります。
さあ、このように英語は比較的稀な th を持っているという意味で、比較的稀な方の言語なわけなんですけれども、その英語内部でのこの th サウンドの分布というのを考えてみますと、
非常に頻度が高いんですね。 英語には40数個の音素があるというふうにされていますが、
上から数えて、実は第8位がこの th の濁った方、優勢音と言いますが、の ず の発音になるんですね。
で、濁っていない方の、澄んだ方の発音、無声音と言いますが、この ず の方ですね。こちらは40位というふうにだいぶ低いわけなんですが、この優勢音のず
という濁った発音ですね。これが非常に多いので、やはりこれを習得しないわけにはいかないということになります。
なぜこんなに頻度が多いかというと、頻度が高い語に含まれているからです。 それは例えば the に始まってですね。
that, then, there, these, they, this, those, thou, though, thy, with, without とです。
theu と thy というのは、古い you の言い方ですね。あなた、なんじ、なんて訳しますが、これはあまり使われないかもしれませんが、現代では、
the, that, this, though、この辺ですね。から with なんていう、この頻度の非常に高い
語に含まれているために、やをなしに全体の中での、英語全体の中での頻度も、この th が現れる確率というのも高くなって、
40数音数の中の第8位の位置を占めているということなわけですね。 これは昔から変わりません。
小英語時代から中英語、近代英語、経て現代まで、この th の音っていうのは存在し続けていまして、
常に the を始めとしてですね、頻度が高かったと。 なので、実は特別の一文字があったほどなんです。
これくらい頻度が高ければ、文字で書くときに二文字だと面倒ですね。 これだけしょっちゅう出るんであれば、もう一文字のものが欲しいと。
ということで、実は小英語以来ですね、中英語まで一文字で特別な、この th サウンドを表す文字があったくらいなんです。
その後なぜなくなったかというのは、ここでは不解理しません。 これも非常に面白い英語史上の問題なんですが、
結果的にはですね、二文字で t に比較的近い音という意味で th と綴るようになって、現代に至ります。
したがいまして、素朴な疑問である、なぜ英語には s と微妙に異なる th のような発音しにくい音があるのですか。
に対する答えとしては、英語には昔からこの th サウンドというのがあって、実は非常に頻度が高い音として、非常に重要な音としてあり続けてきたということなんですね。
究極的になぜこの音があるのかというのには答えられませんが、歴史的背景については説明できるということです。
この問題に関しましては、842番の記事をご覧ください。
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