2025-04-24 06:15

hellog-radio #50. three/thirteenのrの位置は?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #数詞 #音位転換
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/650f4aef0bc9d6e1d67d6767

サマリー

英語の数字における「r」の位置の違い、特に「three」と「thirteen」や「thirty」、「third」の関連性について探ります。音の歴史的変遷や音位転換の事例も紹介され、日本語における類似の現象についても考察されます。

rの位置の違いの探求
英語に関する素朴な疑問。なぜ、3を意味するthreeと13を意味するthirteenでは、rの位置が異なるのですか?
3を意味するthree、そしてその関連語、発声語であるthirteen、それからthirty、三重ですね。それからthird、第三のという助数詞ですが、これは明らかに語源的に関連しています。
3、3が元になっているということは、すぐにわかると思います。 ところがですね、綴り字や発音を考えてみると、この大元のthreeとそれ以外の発声語とではですね、何かが違う。
3に関しては、綴り字上、t-h-r-e-e ですよね。
だから、t-hプラスrプラス母音という、こういう順序になっています。 ところが、その他の発声語では、thirteen、thirty、かかる通り、綴り字ではt-h-i-rと来ています。
つまり、t-hプラス母音プラスrになっているんですね。 このように、rと母音の位置が、どうもthreeとそれ以外の場合とでは逆転しているように見えるわけですね。
これはどういうわけでしょうか。 さあ、小英語にさかのぼってみましょう。
3を意味する単語、threeに相当するのは、小英語では、threeoという形でした。 かなり似てますね。rたす母音に間違いません。
では、13はどうだったかというと、threeo、t-n-aというふうに、threeoと、ちゃんとrたす母音、つまりthreeと同じ形になっています。
次に30を見てみますと、これもthree-tというふうに、やはりrたす母音です。 さらに第3の、現代ではthirdになります。
thirdaというふうに、つまりrたす母音、つまり全体的にthreeの系列なんですね。 これが大元だったということは間違いないと思うんですね。
ところがですね、この次の時代、中英語期、それから近代英語期にかけて、この大元のthree、3以外の発声語ですね、13、30、第3のという意味のこの単語においては、
どうやらですね、rと母音の位置がひっくり返ってしまったんですね。 そして母音たすrという順序になってしまいました。
これが13とか30とかthirdという形になり、そして少しですね、母音とrの音色が合わさって、現代までに13、30、thirdというふうになったということです。
音位転換の歴史
これはなぜかと言いますと、rというシーンと母音というのは、もともと遠くない、音声学的には近いわけなんですが、これがひっくり返っちゃうということは、実は英語の歴史の中で非常によく起こっています。
例えばですね、他にも例はいくらでもありまして、例えば現在のですね、鳥を意味するbird、草を意味するgrass、それから馬を意味するhorseですが、これbirdに関してはirですから母音たすrですよね。
grassに対してはgrassですから、rたす母音になっています。 さらにhorseはスペリングを考えればわかる通り、これはoという母音たすrになっています。
それぞれ、rと母音の位置はこんな感じなんですが、実は小英語ではそれぞれ全て逆転していたんです。
つまりbirdはbirdではなくbreedでした。それからgrとaがひっくり返って、grassだったんです。
それからhorseも母音とrがひっくり返って、frothというのが小英語の形でした。
つまり、大元の形からですね、rと母音の位置がひっくり返った状態で、現代に伝わっているということなんですね。
とりわけ英語に関して、この母音とrの間で逆転が起こっているというのは非常に多い話です。
もともとは単なる言い間違いだったと思います。
路列の問題でちょっとした間違い。普通一家制のもので言い間違いで終わるんですが、どういうわけかですね、この間違った発音といいますか、
ひっくり返った方の発音が正しい発音として定着してしまうという音が多々あります。
これをですね、音の本来の位置が転換してしまったということで、音の位置、音位転換、英語ではmetathesisと言います。
これは古今当時よく起こっている、ちょっとした言い間違いからくる音の位置の変化なんですね。
日本語からも挙げてみましょう。
例えば、サザンカですね。これもともとは三鷹だったです。山のお茶の花と書きますから、これ三鷹だったということがわかります。
ところが今サザンカになっています。ひっくり返っちゃったんですね。
から、下包みを打つだったのが、下包みを打つという方がかなり普通に使われるようになってきた。
そして最近の例では、雰囲気、漢字で書けば明らかに雰囲気だということはわかるわけですが、実際の口語では雰囲気、雰囲気というふうにボインと音の音ですね、発音の音の位置がひっくり返ってしまっているということです。
これも音位転換のなせる技です。
音位転換という京東大の言語で起こっているこの話題については、60番の記事をご覧ください。
06:15

コメント

スクロール