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2024-12-12 09:53

heldio #145. 3段階で拡張してきた英語帝国

#英語史 #英語教育 #英語学習 #英語の拡大
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶應義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は、3段階で拡張してきた英語帝国、
という話題です。 帝国という言葉が出るわけなんですけれども、
先日10月8日の放送でですね、なぜ英語は世界語となっているのですか?という素朴な疑問を取り上げました。
今回の話題も、それと密接に関係する話題なんですけれども、 その答えは、端的に言えばですね、英語が、いわば帝国主義的にもともとのイングランドですね、
お膝元であるイングランドから外にどんどん展開してきて、 近現代までに、いわば世界を覆ってしまったということなんですね。
そして現代は、いわば英語帝国の時代なんだと、こういう見方があるわけです。 英語帝国主義と呼ばれるような考え方ですね。
ところがですね、この英語帝国という考え方は、 何もですね、近現代のいわゆる大英帝国、イギリス帝国の発展に伴って、
出来上がった一つの形ではあるんですけれども、 それ以前からですね、英語の帝国的な、帝国主義的な拡張というのは、
ある意味、英語史の最初から始まっていたということですね。 これを主張したいと思います。
3段階で拡張してきた英語帝国というのが、本日の話題です。 英語史の始まりは伝統的に449年という年に始まるんですね。
伝説によりますと、大陸、ヨーロッパ大陸にいた、 ニシゲルマン族の一派であるアングル人、
その仲間であるサクソン人、ジュート人といった、 ニシゲルマンの一派がですね、
海峡を越えてイギリス、ブリテン島にやってきたということです。 それが449年ということですね。彼らが喋っていた言語が英語と後に呼ばれることになりますが、
これが初めてブリテン島に本格的に運ばれてきて定着する、 その契機となったのがこの5世紀半ばのことです。
これ自体がニシゲルマンの一派、三派ですけれども、民族によるある種の侵略であり、 帝国主義的な活動という見方をすることもできるわけですね。
ここでブリテン島の最も重要な部分である南東部の、 いわゆるイングランドと呼ばれる部分をですね、
アングロサキソン人、この英語の和社たちが占拠した、占領したということです。 しかしこのブリテン島、あるいは周囲の島も含めたブリテン諸島という言い方をするんですが、
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イングランド以外にもですね、北部にはスコットランドという別の領土があります。 それから西部にはウェールズという土地がありますね。
それから海峡を越えてさらに西に行って、アイルランド島という島があるわけですね。 アングロサキソン人は当初このイングランドの部分のみを占領し、そこに英語を根付かせたわけなんですけれども、
その他の周囲の地域、スコットランド、ウェールズ、アイルランドという地域は必ずしも支配していなかったわけです。
こうした地域を含めてイングランドが支配するようになるのはですね、ずっと後のことで、この5世紀半ばにアングロサキソン人がイングランドにやってきてから、
いうにですね、1000年ぐらいはかかってるんですね。 ゆっくりと中世、そして近代という時間をかけて、こうした周辺地域、ブリテン諸島の周辺地域を支配していったということですね。
ゆっくりとした拡張です。 これが言わばイングランド帝国と言っていいようなものですね。
それに伴って英語もゆっくりとイングランドからこの周辺の地域、スコットランド、ウェールズ、アイルランドへと広がっていったということです。
もうすでにこの時から英語はブリテン諸島ないという比較的小さいエリアですが、この中での拡大というのを始めていたということですね。
そして近代も半ばから後期になってのことです。 イングランドとスコットランドが連合して1707年ですね、この年にグレイトブリテンという、いわゆる現在のイギリスに繋がる国が正式に出来上がったわけなんですけれども、
ここから18世紀、19世紀をかけて一気に我々がよく知る、いわゆる大英帝国、イギリス帝国をですね、
の経営に乗り出したということですね。海外に植民地を獲得していきました。もちろん北米もそうですし、アフリカ、南アジア、オーセアニアですね、オーストラリアやニュージーランド、
それから他に太平洋の島々、こうした世界中にですね、多くの植民地を持つに至った。
これが、いわば我々が一番イギリスと関連づける帝国ですね、これは大英帝国というわけです。 これは主に軍事的、政治的な帝国ということですよね。
その後19世紀、そして20世紀にかけて、 今までの大英帝国とはまた違った意味で非公式帝国となっていますが、
いわば今度は経済的、文化的に世界の諸地域、国々を英語あるいは英語文化で染めていったわけですね。
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これは南アメリカもそうですし、中東もそうですし、日本を含めた極東もそうです。 そしてこれはイギリスだけの力ではなくて、その兄弟とも言うべきですね。
アメリカ合衆国の力というのも非常に大きかったわけです。 このように英語の帝国は3段階に分けて、最初の方イングランドですね、から広がってきたと。
まず第一段階はイングランドと周囲のブリテン諸島内の比較的小さなエリアですが、周辺部ですね。 ここに英語を広げていったというのがこれが第一段階。イングランド帝国を呼んでおきましょう。
そして次は近代に入ってからの我々がよく知る、いわゆる大英帝国、イギリス帝国と呼ぶような 植民地化することによって世界に領土を広げていった。
そしてそこに英語を植え付けていったという、これが第二段階の帝国ですね。 そして第三段階は19世紀以降に非公式に、経済的、文化的に英語を広げていったという、そういう意味での帝国。
この第三の最後の帝国の位置もあるわけですよね。
そうしますとイギリス、あるいはイングランドはその歴史の始めからですね、ずっと拡張主義、拡張政策を取り続けてきた。
そして英語史の観点から見れば、英語は歴史の最初から世界にいわば、 世界に展開して拡張していく、そうした動きをですね、スタートさせていた。
そして今ここまで世界を覆うようになったという、こういうふうに見ることができるということなんですね。
現代英語はこのように世界的になって、そして世界化し、様々な異なるこにゃらが英語というのが生まれてきているわけですね。
各地で新しい英語、いわゆる標準とは異なった英語がどんどん展開してきている。
いわば各地に根付いた英語ができてきている。英語の方言が増えてきているという見方になりますね。
ですがこれは第3の帝国に限ったことではなく、第2の帝国ですね、それから第1の帝国、 これ全てに起こってきたことなんですね。同じことが繰り返されているってことです。
そもそも5世紀半ばに大陸から持ち込まれた英語も既に方言化してたんですね。
いくつかの方言からなっていた。少なくともアングル方言、サクソン方言、ジュート方言のように同じ西ゲルマンの言語とはいえですね、その中で分かれていた。
つまりスタートから方言はあったわけですね。そして第1の帝国イングランド帝国としてスコットランド、ウェールズ、アイルランドあたりに展開して英語が広がっていくにつれてですね、やはり少し異なった英語が喋られるようになった。
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これもまあ方言化です。そして第2帝国ですね、イギリス帝国とか大英帝国とか言われるものですが、これによって各地に、世界各地に植え付けられた英語が新たな英語編集を生み出してきた。
そして第3のいわゆる非公式帝国においても、例えばジャパニーズイングリッシュのようなものもありますし、チャイニーズイングリッシュのようなものもあるといったようにですね、やはり方言化が繰り返されている。同じことが1500年以上ですね、繰り返されてきたということなんだと思います。それではまた。
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