2025-04-29 07:25

hellog-radio #55. なぜ米国で英語が話されているの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #言語政策 #言語拡散
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サマリー

アメリカで英語が主な言語として話される理由は、歴史に基づいています。イギリスの植民地から始まり、移民の影響を受けて発展してきました。また、移動や可動性が言語の平準化を促し、英語が文化の基盤として残る要因となっています。

アメリカにおける英語の歴史
英語に関する素朴な疑問。なぜアメリカでは英語が主たる言語として話されているのですか。 この疑問はあまりに当たり前すぎて、多くの人にとって普通、疑問として問うことすらないタイプの問題ではないかと思います。
英語といえばアメリカという人が多いと思うんですね。 もちろん歴史的には英語というのはイギリスイングランドの言語であって、
それがですね17世紀以降にある移民とともにアメリカに渡ったと。 そしてアメリカ合衆国が建国され、その公用語となっているということですね。
そして20世紀、そして21世紀にはアメリカが世界的な派遣国家となって、その力によって国語である英語も世界に広がっているという事実がありますので、歴史的にはイギリスのものだとしても、現代的な感覚すれば英語といえばアメリカ、アメリカといえば言語は英語という発想は当たり前のことになっているかと思うんですね。
しかし今述べたように、アメリカは移民の国です。 そして様々な英語以外の諸言語を話す人々もたくさん17世紀以降ですね、移民としてこの国にやってきている。
とするとですね、場合によっては英語を一辺倒だけではなく、様々な言語が並び立っている、いわゆる多言語国家になっていた可能性もあったのではないかと考えられるわけですね。
確かに公用語としては英語が一般的に使われる言語としても圧倒的に強い言語としてアメリカ合衆国ではなっているわけなんですが、一方でですね、実際様々な言語が話されているというのも事実です。
公的に使用が認められていたり、移民のコミュニティの中では英語以外のその民族の言語が喋られているということは一般的にあります。
ですが唯一の顕著な、そして主たる言語という言い方をするのであれば、やはりアメリカにおいて英語が主たる言語なわけですよね。
なぜ様々な複数の言語が英語とともに、英語が筆頭であったとしても他にももうちょっと影響力のある言語が並び立っていないのだろうか。
なぜ英語一変等に基本的になっているのだろうかということですね。これ考えてみると非常に面白い問題だと思うんですね。
これは移民史をひもとくことで部分的にはわかります。
移民と可動性の影響
まずはですね、アメリカというのはやはりイギリスの植民地としてスタートしています。
17世紀にはイングランドを中心として、そしてスコットランドであるとかアイルランド、いわゆるイギリス諸島ですね、出身の英語話者がまずやってきて、国の基盤を作ったということがありますね。
つまりある意味ではインフラを作ったのは英語国民、英語話者たちであったということです。
この最初のインフラ作りに参加した人々の影響力が強いということはありますね。
その後、17世紀後半からはドイツを含めたヨーロッパ諸国からの移民も多くやってきました。つまり英語をしゃべらず別のヨーロッパの言語をしゃべるという人々もたくさんやってきましたし、
さらに18世紀、19世紀になりますとヨーロッパの中でも南欧とか中欧ですね、19世紀後半になりますとアジア、アフリカ、そして20世紀になると世界中から人々が押し寄せるという国になりましたので、様々な言語が実際に持ち込まれたということは事実です。
しかし最初にいわゆる文化、言語のインフラを作ったというのが英語話者たちだったというこの最初のインパクトが大きいということは一つあります。しかしこれだけではありません。
もう一つ重要なのはですね、西部開拓に代表されるいわゆるパイオニア精神というのがありますね。これはアメリカンドリームと言ってもいいかもしれませんが、こうした移民たちが西へ西へですね、アメリカ諸国の国内で動いていくというこの動きがあったということです。
これは移動性、可動性ということで言うんですが、社会の中でこのように広く頻繁に動く人々というのは言語を含めた文化を平準化する人々でもあるんですね。つまり、各々の土地に固有の文化であるとか言語であるとか方言というのが発達しにくいということになります。
みんな動き合っているので、お互いに平板化しやすい、標準化しやすいということですね。先ほど述べたように、もともと多くのシェアを持っていたのが英語という基盤がありましたので、これがですね、やはりこの平板化のマグネットとして機能するということは想像できるかと思うんですね。
後から入ってきた様々な言語、あるわけなんですけれども、それが入ってきてもですね、もともとあった英語、そしてその可動性、移動性、モビリティということによって平板化される際にですね、やはり基準となったのが英語ということです。
話はここで終わりません。様々な言語の中で英語がマグネットとして機能して、他の言語を平板化し英語へと一変とになっていくという過程を今述べたんですが、実は英語の内部にも本来は方言ってあるはずですよね、地域ごとに。
しかし、これも平板化するんですね。標準的な英語がアメリカ社会に広く行き渡る形になったということです。英語内部の方言さすら平板化していったということです。これはイギリス英語に比べればもう歴然と分かります。アメリカ英語には地域ごとの方言さがないとは言いませんが、イギリス英語に比べればやはり少ないんです。
これは移民社会であるこの歴史が関係してくるということになります。このような話題はですね、歴史社会言語学の扱う非常に面白い話題ですね。
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