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詳細を伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。 本日は3月7日、火曜日です。いかがお過ごしでしょうか?
本日お届けする話題は、【to 以外の不定詞マーカー】です。 思い浮かべられますでしょうか?
【to 以外の不定詞マーカー】、これについて歴史的にお話しします。 どうぞよろしくお願いいたします。
本題に入る前に、YouTubeチャンネルのお知らせです。 ちょうど1年ほど前なんですけれども、慶尧義塾大学の同僚の井上一平先生、
現代英語学がご専門ですけれども、井上先生と私、堀田とで、英語学言語学チャンネルというYouTubeチャンネルをオープンしました。
昨年の2月末だったので、ほぼ1年経ったことになりますね。 毎週水曜日と日曜日の午後6時に新作動画を発表しているんですけれども、
数週間前に第100回を超えまして、おととい日曜日の回が第107回ということになっています。
このヘルディオと同じように、コンスタントに続いてきて、なかなかコンテンツもたまってきたなという感じなんですけれども、
英語学言語学について広くお話ししています。 私が主に担当する回は、英語史の話題も非常に多いですので、このヘルディオと合わせてそちらの方も視聴していただければと思います。
おとといの最新回は、英語に全知識はなぜこんなに多いのかという素朴な疑問を取り上げて、英語史の観点からお話ししています。
今日の本編もですね、全知識に関係する話ということもあります。 ぜひこちらYouTubeチャンネルの方もチェックしていただければと思います。
この新作動画へのリンクを貼っておきますので、そちらから訪れていただければと思います。
井上一平、堀田隆一、英語学言語学チャンネルというYouTubeチャンネルのお知らせでした。
今日の本題は、to 以外の不定詞マーカーという話です。 不定詞といえばtoですね。
to 足す原形というふうに皆さん学習してきたと思うんですね。 to 以外の全知識のようなものがつく不定詞っていうのは、他に普通は思い当たらないんではないかと思うんですね。
不定詞にはもう一つですね、toも何もつかない、いわゆる原形不定詞というものがありますね。
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これはいわばゼロの全知識がくっついている不定詞なんだというふうに解釈することもできるかもしれません。
ただですね、歴史的には実はこの原形不定詞とto不定詞というのは全く起源が異なるんです。
異なるものが、機能が似てきたので、今、後世のものから見てですね、同じような働きをするんで不定詞というふうに両方とも名付けてひっくるめているんですけれども、実は起源はだいぶ異なるんですね。
関係していなくはないんですけれども。 今日注目するのはto不定詞の方です。
全知識がついている方ですね。toたす原形。
このバリエーションが実は歴史的には色々とあったんですね。toのところに違う全知識が入るっていうパターンです。
このto付きの不定詞は古英語からあったんですね。その意味では非常に古い文法時効です。
toが使われていました。 これはもちろん中英語期以降も続いて現代に至るわけなんですが、中英語の時代になると
toだけだと弱い、マーカーとして弱いというふうに感じられたのかわかりませんが、補強するかのように
全知識forですね。 これを前に置いて、いわばforとのような形ですね。
for toと、これセットにしてforとのような形で不定詞マーカーとして用いるという、そういった表現が現れてくるんですね。
toだけだと弱いということで意味も似ているforを前置きして補強するっていう感じです。
このforとtoというのはセットですから、一緒に綴られる、空白を置かずに綴られることもあれば、もともとは違う全知識だということでスペースが空いたりもするんですけれども、いずれにせよこれでセットです。
for toという形で不定詞マーカーとして使われていた。
実際ですね、中英語を読んでいるとto単体と同じくらいよくですね、for toという不定詞マーカーもですね、本当によく目につきます。
かなりの頻度で用いられるようになっていたんです。 しかしこの中英語記になっておそらく補強のために現れたfor toもやがて衰退していきます。
14世紀、15世紀ぐらいになってくるとだんだんと減っていって、結局はですね、元の木網toが一般的な不定詞マーカーとして再び返り咲いて、そして定着したということなんですね。
したがってfor toというのは英語の歴史の一時代にいきなりやってきて、そしてやがて廃れていったという本当に歴史的な存在といっていいんですね。
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他にもですね、forとほどではないんですけれども、目立たないんですが、いろいろありました。
例えば単体for単体で不定詞マーカーとなることがありました。つまりforの後に直接原形がくるということですね。
それからtoという前置詞ですね。何々までという前置詞として今でもありますけれどもtoですね。
それからforと合わさってfor tillといったものもありました。
もう一つ面白いのはですね、atなんですね。atこの前置詞ありますよね。
atに直接原形が続いて不定詞として使われた。つまりtoの代わりのatといったものが一応存在しました。
さほど頻度は高くありませんし、目立たない存在でしたが、これも一時期存在したっていうことなんですね。
不定詞マーカー、いろいろあったっていうことなんです。
最後に挙げたatについてもう少し深く見てみたいと思います。
今では全く不定詞マーカーとして使えないわけなんですけれども、ただ方言なんかにはいまだに実は残っているようなんですね。
このatなんですが、見た目は英語の前置詞のあのatとそっくりなわけなんですけれども、実はこの用法のatは英語に古くから存在する例のatという前置詞ですね。
これと同じものではないんです。
今回話題にしている不定詞マーカーとしてのatは、実は北欧語から入ってきた釈用語なんです。
古英語末期、ヴァイキングがイングランドに侵入してきました。
8世紀半ばから11世紀にかけて、かなり長い間ヴァイキングがイングランドにやってきて、時に戦い、時に平和的に定住し、そして元々の英語話者たち、アングロサクソン人たちと交わったということです。
とりわけイングランドの北部、東部の海岸ですね。
デンマークやノルウェーから見ると、北海を渡ってすぐたどり着くブリテン島の海岸っていうのは北部だったり東部だったりするんですね。
ですので、イングランドのこの北東部という半分ぐらいを最終的にはですね、ヴァイキングが占領したということになります。
この時代に、古英語とヴァイキングたちの母語である北欧語、これを古ノルド語、Old Norseというふうに呼んでいますが、この2言語が交わったんですね。
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その結果、英語の中に大量の古ノルド語由来の単語が入り込むということになりました。
その一つが、このアットなんですね。
改めて誤解ないように言っておきますが、もともと古英語にアットはあったんです。
前置詞、ドコドコでという主に場所を表すあの前置詞です。
それと全く同型の単語、AT、アットが古ノルド側にあって、やはり前置詞として存在していた。
ただ、古ノルド語ではそれを不停止マーカーとして使っていた。
ですので、その不停止マーカーとしてアットを使うというその用法を英語は古ノルド語から借りたということになります。
この不停止マーカーとしてのアットというのは、13世紀くらいから英語では文献上に現れてきます。
そしてですね、アットの次に来る原型ですね。
これで不停止を作るわけなんですが、
この動詞はですね、割と限られていて、テイケークのように使うことが多かったようなんですね。
例えば、at doとか、at eatとか、at keep、at sayのような言い方です。
例えばですね、こんな文があります。
これ何のことかと言いますと、
enough they had at eat。
そのまま現代語に持ってくるとそういうことになるんですね。
彼らは食べるものを十分に持っていたということになります。
予想される通り、この用法のatというのは、イングランドの方言の中でも、
北部や東部に集中して現れる、そういう面白い分布を示しているんですね。
古ノルド語由来であるということと、この方言上の分布というのがピタッと一致しているのが面白いところです。
さて、この不停止マーカーのat、現代では使わないわけなんですけれども、
方言を除いてはすっかり廃用になってしまったんですが、面白いことが一つあります。
at doという言い方で、いわばto doのような言い方ですから、すべきこと、なすべきことという用法がありました。
仕事ということですね。
そして面倒な仕事と意味が発展して、結局騒動、トラブルという意味が発生します。
これが包まってadoとなりました。
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シェイクスピアの喜劇、much ado about nothingから騒ぎですけれども、
このmuch adoのadoというのは、実はat do、つまりto doぐらいの意味なんですね。
どうでもいいことに、何かなすべきことがあるというふうに騒いでいるということですね。
なので、から騒ぎというわけです。
かつての不停止マーカーatの唯一の生き残りと言っていいでしょう。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
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