接頭字enの起源
英語に関する素朴な疑問。なぜ語頭や語末にenをつけると動詞になるのですか。 英語の動詞には、接頭字enを持つものがたくさんあります。
例えば、encourage、enable、enrich、empower、entangleなどです。 一方で、語のお尻について、つまり接尾字として同じ形enのこのenをつけて動詞をつけるというものも実は少なくありません。
例えば、strengthen、deepen、soften、harden、fastenなどです。
さらには、語頭と語末の両方にenがついたような動詞も存在していまして、例えばenlighten、embolden、engladdenのように両方につくというものすらあるんですね。
この接頭字としても使えるし、接尾字としても使えるこのenというのは一体何者なのかというのが疑問になります。
実はこの接頭字のenと接尾字のenというのは形こそこのように非常に似ているわけなんですけれども、実は全くの別語源なんです。
まず接頭字の方からいきましょう。頭につくenはこれはラテン語に由来します。ラテン語の接頭字inに由来し、
これがフランス語を経由して英語に入ってきたんですが、その経由する過程でinからenに少し変形したものです。これが英語の接頭字enの起源なんですね。
元のラテン語の接頭字inというのは何ものかというと、これは実は英語の全知詞inと究極的には同じ語源で、結局中へという意味なんですね。
そうすると元の単語の機体に接頭字としてinとかこのenをつけると、中へ入るとか中へ入れるというような動作、運動が少し感じられますので、
そこから動詞を形成する能力を得たのだろうと考えられます。典型的には元々名詞や形容詞であるもの、場合によっては元々動詞であるものにこの接頭字inがつくことで、新たな動詞を生み出すということになったわけですね。
これが接頭字enの起源です。ラテン語が起源ということです。一方、お尻につくen、つまり接尾字のenはラテン語由来ではなくて、本来の英語的要素です。
すでに古英語からそれに相当するものがありまして、動詞をつくる接尾字としてnianという形があったんですね。この最初のnの部分ですね、これが現在の接尾字enのこのnとして残っているということなので、
接尾字に関してはこれは元々の英語なんだということになります。このように接頭字と接尾字のenというのは形こそ非常に似ているし、機能的にも動詞をつくるという点で明らかに似ているんですが、実は語源的には無関係ということになりますね。
ですが、明らかに似ていますので、やはりこれは頭についてもお尻についても動詞をつくるものなんだ、要素なんだというふうに理解されるようになり、場合によっては両側についたenlightenのような単語も見られるということです。
この英語詞あるいはこの英単語の語源というのを学習していますと、一見は明らかに関係するだろうと思われる二つのものはですね、調べてみると実は全くの別物だったというふうに気づくことが多々あります。これが英語詞学習の魅力でもあると思います。
英語詞学習の魅力
今回取り上げた節等辞縁と節微辞縁の問題につきましては、1887番、そして3510番の記事をご覧ください。