2025-04-18 05:51

hellog-radio #44. なぜ否定を表わす語は n- で始まるの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #語源 #接頭辞 #否定
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サマリー

このエピソードでは、否定を表す語がなぜ「n」で始まるものが多いのかを探求しています。英語やフランス語、ドイツ語、ラテン語、ギリシャ語など、様々な言語の語源についても取り上げられ、興味深い言語学的な考察が行われています。

否定語の起源について
英語に関する素朴な疑問。なぜ否定を表す語には n で始まるものが多いのですか。
まず、no という単語からして n で始まっていますね。 それから、最も普通の否定の副詞である not
こちらも n で始まっています。それから none, nothing, no one, nobody
はもちろん never, neither, nor など n で始まるものが非常に多く存在します。
これは偶然なのでしょうか。 周辺の諸言語を見渡しても、例えば my yes, no の no ですね。これに対する語はですね、フランス語では none
ですし、ドイツ語では nein と言います。やはり n で始まっています。 ここまで来ると、no も偶然とは思えないということになります。
実際、歴史教訓を解いてみると、これら諸言語の起源である引用素語という言語においては、実はこの否定の言葉が
ne というねという形式で表されていました。 この基本的な、そして一番大元のねが、その後
関係する全ての言語にですね、伝わって現代に至るということですね。 つたがって、否定に関する語に n で始まるものが多いというのは、当然といえば当然なんです。
ちなみに日本語のない、これも否定英語ですが、これも n で始まっています。 しかし、これは引用素語とは全く異なる
起源ですので、ここは偶然ではあります。 さあ、小英語に遡りますと、小英語では最も普通の否定の副詞、つまり現代でいうところの
not に相当するものは、引用素語形と同じこの ne という形だったんですね。ねというのを付けることで簡単にもう否定文を作ることができた。
さらに否定語を作ることもできました。 接頭字のように他の単語についてね、あるいはこの e の母音の部分は消えてしまって、n だけですね。
で表現されることも多かったんですが、これによってですね、現代の形をいろいろと説明することができます。
実は、ne たす ought, ought っていうのはもの、thing ぐらいの意味なんですが、ne たす ought これがですね、
組み合わさって no となったんですね。さらに短くなって not これが現在最も普通な否定字であるこの not になります。
だから ne たす one, 一ですね、に相当する単語を合わせてこれが none になったんです。
さらにこの none からですね、終わりの n が消えてしまった形が実は no です。
no problem っていう時の no ですね。 それから ne たす ever に相当する単語、これが合わさって never になりますし、
ne たす either イコール neither ということになるわけです。
そして ne たす or これが nor というわけです。
これらの否定を表す後に ne あるいは n がつくというのは、語源から考えれば非常に自然なことであるということになりますね。
その他の言語の否定表現
他にはですね、実は否定の接頭字である un ですね。例えば unhappy, unable, unimportant
あの un もですね、 un ではありますが、この n は実はインオーソ語のこの ne にさかのぼります。
同じように、ラテン語系の尺用語で否定字をつけるとき、接頭字はですね、un ではなく、in っていうのをつけることが多いですね。
この in の n これもやはり同じようにインオーソ語の ne あれにさかのぼるんですね。
例えば inaccurate, incomplete, infinite です。
同じように non というのもラテン語系の否定字です。 non-smoker とか non-stop, non-rhotic のような表現です。
さらにはですね、実はギリシャ語系になるんですが、 a という接頭字があります。
ここはあの n 入ってないんですが、消えてしまったんですね。実は a だけで否定の接頭字となります。
例えば agnostic, asymmetry, amoral これなども大元の n の部分は、漢字の n の部分は消えてしまったんですが、
語源的には古くインオーソ語のあの ne にさかのぼるということになります。
最後に一つ、先ほどですね、no problem っていうときの語形用詞としての no は ne たす one に相当する語から来たと言いましたが、
no thank you とか yes no の no ですね。副詞としての no は同じ形ですが実は起源が違くて、こちらはですね
ne たす、今は無き単語なんですが ah という単語ですね。これはあの always とか ever っていう意味ですので、
ne たす ah で、結局のところ never に近い意味になって、これが副詞としての yes no の no になったということです。
今回の話題については1904番の記事をご参照ください。
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