2025-08-22 10:41

heldio #398. 英語に関する素朴な疑問 千本ノック ー Part 9

#英語史 #英語教育 #英語学習 #英語に関する素朴な疑問 #千本ノック
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サマリー

ポッドキャストの第9回では、英語に関する素朴な疑問を探求し、イギリス英語とアメリカ英語の存在意義や影響力について考察されています。また、言語の多様性やコミュニケーション、アイデンティティの関係も探っています。

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おはようございます。英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。 7月3日、日曜日です。連日暑い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今日は、英語に関する素朴な疑問 千本ノックのパート9となります。 これシリーズ化してきまして、皆さんから寄せられた様々な英語に関する疑問をですね、
英語史の観点からお答えしていくというようなシリーズになって、第9回になりましたけれども、こちらですね。 今回は、Voicy放送の収録の様子を動画に撮りながら行っています。毎日こんな感じで収録してるんですよという雰囲気をお伝えできればと思っています。
イギリス英語とアメリカ英語の違い
それでは千本ノックを始めたいと思います。 まず最初の質問は、現在イギリス英語とアメリカ英語のどちらが多く話されているのですか?という質問ですね。
世界で英語を話されていますけれども、大きく大別するとイギリス系とアメリカ系ということになるわけです。 それ以外のものもありますし、
大元をたどれば歴史的にはですね、アメリカ英語だってイギリスから派生しているっていうには違いないので、スタートはイギリスということになるわけなんですが、
いわば2大変種、現在最も影響力のある2つの変種、もっと言えばですね、ブランド力のある変種と言っていいと思うんですけれども、これはイギリス英語とアメリカ英語ということはですね、論を待たないと思うんですね。
この2大変種とその影響下にあるですね、様々な英語というふうに分類すると、じゃあこのA、Bのうちどちらがより優先なのかということなんですね。
これまずですね、英語が世界に展開したのはどういう戦でかというと、基本的にはイギリス帝国、大英帝国ですね、イギリス帝国の拡張、世界的拡張によってイギリス系の英語が世界中に広がったということなんですね。
ところが、そのうちの1つに過ぎないアメリカ合衆国ですね、アメリカ英語が18世紀後半にですね、アメリカ独立革命によって独立国となった。しかもその後のですね、繁栄、国としての繁栄によってアメリカ英語というものもですね、一目置かれるようになった。
そして現代では英語といえばですね、イギリスではなくアメリカというイメージが強い方もいると思うんですけれども、いわばイギリスと肩を並べるようになったということですね。場合によってはそれを追い抜いたと普通考えられるのではないかと思いますね。
なのでルーズとしてはイギリス系しかないはずなんですが、実力のほどから言ってですね、イギリスとアメリカっていうのを2大変種として捉えようということなんですね。この2大変種、これをトップ2とすると、その配下に様々な英語があって、では世界の分布、世界で話されている英語の分布っていうのはどんなもんかと言いますと、歴史的、伝統的に言えばまだまだですね、
イギリス英語系の方が分布としては広いです。アフリカ、インド、南アジアですね、東南アジア、そしてオセアニアですね、から太西洋、太平洋まで含めまして、基本的にイギリス系です。
しかし、日本に生まれ育って英語教育を受けていると、基本的に日本で学ぶ英語っていうのはアメリカ系っていうことが多いんですね。そしてスーパーパワーです。超大国のアメリカっていうことですので、世界にはアメリカ英語が行き勝っているのではないかと広まっているのではないかと考えられるかもしれませんが、伝統的、歴史的な結びつき、
親近感ということで言いますと、実はイギリス英語の方が世界中で幅を引かせているっていうのはまだまだ事実だと思うんですね。ただ一方で、やはりアメリカ英語の爆発的な影響力っていうのがあります。
ですので、もともとイギリス系、イギリス英語の域の吹きかかった地域であるとは言っても、少しずつアメリカ化がこの数十年で進んできたっていうことは確かです。特に戦後ですね。そして日本なんかはまさにイギリス英語なんかで英語教育があったものが、戦後一気にアメリカ英語に移ったということもありますし、
ヨーロッパなどでも地理的な親近感からイギリス英語にアンテナを張っているというような時期が長かったんですが、今では必ずしもそうとは言えずアメリカ化している。いわゆる世界的な文化のアメリカニゼーションっていうのがありますけれども、言語そのものもある程度アメリカ化しているということは、これは間違いないと思うんですね。
そしてイギリス本国ですら、何らかの点で英語がアメリカ化しているっていうのも、これもまた事実だったりするので、伝統的には、そして歴史的な背景を背負って、いまだに大雑把な分布としてはイギリス英語の方がまだまだ強いと思うんですね。
一方でアメリカが猛追しているということで、どちらが優勢かという言い方をすると、地域によってもまた違うかもしれないんですけれども、伝統的にイギリス英語系だったものが少しずつアメリカ化して、今は傾向していると、そんなイメージなのかなというふうに思っています。
言語の多様性について
21世紀はますますアメリカ化するとともに、イギリスでもアメリカでもない第三極のワールドイングリッシュのような現象が出てきていますので、この問題ですね、まさに21世紀目が離せない、どういう方向に英語は向かっていくんだろうかと、そういう話題になると思うんですね。
次の質問です。なぜ言語は世界に何種類もあるのだろうか。一つだったらいいのに、という極めて素朴な疑問だと思うんですね。確かにコミュニケーションのためであれば、人類の言語一つであったほうがお互い通じ合うし、それでいいのにというふうに思うわけですよね。
これは、私もかつて英語を学んだり、他の言語を学んだりしながら、なぜかなというふうに考えたことはあったんですけれども、今は私なりの答えを持っていて、それを述べますと、言葉は確かにコミュニケーションの道具として人類共通のものが一つあれば十分という考え方はあると思います。
一方で、言葉って自身のアイデンティティを示す道具でもあるんですね。つまりコミュニケーションというと、人と通じ合うための道具ということなんですが、一方でアイデンティティの道具、つまり個性を、自分の個性を示すためのある種、アイテムの一つである。
これは服装であるとか、髪型であるとか、あるいは言葉そのものも結局そうなんですが、あるいは話し方であるとか、いろんなところで人っていうのは自分の独自性を示したい。これによって生きてるんだという実感を感じたいということがありますね。
個人ではなくても属する集団、民族であるとか、あるいは国民という単位でもいいですけれども、ある集団に属しているっていうことを様々な方法で伝えたがっている。その様々な方法の一つとして言葉も存在しているっていうことなんではないだろうかと思うんですね。
つまり一面ではコミュニケーションのためにみんな同じ一つのものがあればいいっていう発想がある。しかし他方でみんなと同じじゃないほうがいい。つまり自分独自のものを出したいというような、考えてみれば身勝手のように見えるかもしれませんが、この方向性って人間常に持ってるんですね。
なので言葉というのは一つにまとまらない。まとめようとしても、結局方言化したり差別化、区別化というものによって、様々な方言に分かれたりしまいには結局通じない言語に分かれていたりするもんだろうと、そういうふうに考えています。
言葉の機能というのは、私の考えによりますと2つあって、一つはコミュニケーション、お互いに通じ合うための道具っていうことです。しかし他方にアイデンティティを示したい、自分の個性、個別性を示したいということは、他の人から離れる方向での力学というのも働いていて、
この2つがある意味競合しながら、競争しながら、最終的には共存しているっていうのが言葉なんではないか、人類の言語なんではないかというふうに私は考えています。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
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今回のように1000本ノック、英語に関する素朴な疑問にもどんどんお答えしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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