英語の拡大の概要
おはようございます。英語の語源が身につくラジオ、ヘルディオンのパーソナリティ、 そして英語の歴史を研究しています堀田隆一です。
8月7日、日曜日です。 昨日、朝日カルチャーセンター新宿教室にて
いかにして英語は拡大したのか、と題する講義を行いました。 この勢いに乗ってですね、本日の話題は
英語の世界的拡大はせいぜいこの300年ほど、 というタイトルでお話ししたいと思います。
今日もよろしくお願いいたします。 このボイシーでも以前より宣伝していましたけれども、昨日8月6日土曜日の午後ですね
朝日カルチャーセンター新宿教室にいて、 全4回のシリーズなんですけれども、シリーズタイトルは英語の歴史と世界英語というものですね。
この第2回講義を開きました。いかにして英語は拡大したのか、と題しまして、 この近代の数百年ですね、英語が世界的拡大していった様子であるとか、その
結果として今現在、21世紀の現在、英語がどのような形で存在しているのか、 実際には多様な形で存在しているというのが結論だったんですが、
こちらをですね、対面とオンラインのハイブリッド講座として開講しました。 今回も前回に引き続き、参加方式はそれぞれでしたが、
多くの方にですね、参加していただきました。 このチャンネルのリスナーの方でも、きのう講座に参加されたという方もいるかと思いますが、ありがとうございました。
講座の最後の10分、15分程度ではありましたが、質問も受けまして、 ディスカッションも盛り上がったと思うんですね。
次の第3回は、今度の10月1日ということで、同じく土曜日の午後3時半から6時45分という枠で行います。
英米の英語方言というタイトルで、文字通りですね、イギリス、アメリカの様々な方言について扱う予定です。
これが結果的にですね、現代の多様な世界英語という現象につながっているんだという、そういう趣旨でお話しする予定です。
人口統計の変化
さて、今日の本題なんですけれども、英語の世界的拡大は、せいぜいこの300年ほどであるということをですね、お話ししたいと思うんですが、
現在の21世紀の現在の英語の圧倒的な強さ、独り勝ち状態ですね、7000ぐらい言語があると言われていますが、
いわゆる世界的に影響力のある言語といえばですね、ダントツで英語ということになります。これはですね、疑いようのない事実なんですね。
ただ、このイメージ、英語が圧倒的に強い言語であるというイメージが、現代強すぎるあまりにですね、これは昔からそうなんだというふうに錯覚を起こしてしまうというケースがあるんですね。
ただ、このチャンネルはですね、英語の歴史に関する話題をお届けするということで、少しでもですね、英語の歴史というものをかじると、
もともとはただのヨーロッパの片田舎の言語だったということがわかるわけですよね。そしてあくまで近代になってから英語は世界語として成長したということがわかるわけです。
近代っていうのは大雑把に言えば1500年以降ということで、直近500年と考えてもいいですね。このぐらいの時間幅なんですが、もう少し限定して言いますと、私はですね、英語の世界的拡大、これが始まったのはいつかと問われるのであれば、いろんな答え方はあります。
世界的拡大のスタートラインというのはどこに置くか、そして世界的拡大の定義と言いますかね、捉え方次第なんですけれども、一般的には長く見積もってこの300年ぐらいだと、1700年ぐらいから英語の世界的拡大は始まったというふうに考えてよいのではないかと。
しかもせいぜいですから、もうちょっときつめに言いますと、この200年ぐらいだとかですね、この100年ぐらいだっていう言い方も実はできるんです。スタンスの取り方です。世界的拡大というものの種、スタートラインをですね、どのあたりに置くかどう考えるかっていう、ある意味解釈の問題ではありますが、私はだいたいですね、せいぜいこの500年ぐらいだよというふうに普段言うことにしています。
その理由と言いますか、根拠と言いますか、考え方について今日はお話ししたいと思います。
まずですね、世界的拡大というと、文字通り地理ですね、地理分布、英語がどのくらい広く世界の中で使われているかということで、地図を思い浮かべると思うんですが、その前段階として地域的に広く使われれば、当然話す人口が増えるっていうことなんで、人口の話からしたいと思うんですね。和社人口です。英語を話す人、これはネイティブとは限りません。
英語を第二言語でも良いので話す人ということなんですけれどもね、これを考えますと、やはり英語の世界的拡大ですね、これはだいたい300年前から始まると考えていいなということがわかるんですね。
まず、そうですね、近代の初め、1500年ぐらいの段階での英語和社の人口統計っていうのをですね、見てみたいと思うんですが、これがですね、500万人、5ミリオンですね、500万人っていうことです。事実上、イングランド人の人口と考えてよいです。つまりまだ世界的には展開していません。
あくまでブリテン島の中の、しかもそのある意味一部です。大きい一部ではありますが、イングランドの人口と基本的にイコールということで、島国のさらにその中の一部の地域の言語という公用語という扱いですね、全く世界展開していない状態です。
さあ、そこから100年経った1600年、イメージとしてはシェイクスピアです。シェイクスピアが生きていた時代には、これがですね、600万人ぐらいになります。つまり100年かけて100万人ぐらいアップしたということで、じわじわと増えてきますが、これはですね、これもイングランド国内での事実上人口増加ということなんで、世界展開は全くしていません。
そして1600年以降、いわゆる17世紀ですけれども、ようやくですね、アメリカに初の植民地をイギリスが持ったりということで、海外に出ていくという兆しが見えるんですが、そんなに急に話した人口が増えるわけでもありません。
ということで、その100年後の1700年を考えてみますと、800万人ぐらいなんですね。つまり1500年では500万人、そして1600年では600万人、そして1700年では800万人ぐらいということなんで、緩やかに少しずつ増えていますよねっていう、そこはわかります。
ここまではですね、自然の人口増加という感じで、特に何か爆発的に増えたとか世界化したっていうような兆しはですね、人口統計の側からはほとんどわかりません。
ところが、この1700年ぐらいからだいぶ状況が変わるんですね。100年後、1800年にはどれくらいになったかっていうと、ざっと3000万人です。1700年には800万人になったわけですよ。それが1800年には3000万人になってますから、4倍弱ですけれども、一気に増えましたね。
英語の広がりの歴史
この18世紀というのは、まさにイギリスが主にフランスとの植民地争いに勝利してですね、世界化への兆し、第一歩を歩み始めたっていうのが18世紀中です。
ですので、これによって世界展開を少しずつ始めていって、1800年という時点では3000万人に達したっていうわけなんですね。そして100年後、1900年です。
19世紀の100年で何が起こったかというと、イギリス帝国の絶頂です。つまり世界中に植民地を持つことになったのがこの19世紀中、問題の100年なんですね。
結果、1900年には1億2000万の人々が第一言語あるいは第二言語で英語をしゃべるということになったんですね。これ100年間で改めて4倍ですか、4倍ぐらいになったと。どんどん増えてますね。
そして最後です。1900年から2000年、この100年間、つまり20世紀の100年で何が起こったかというと、イギリス帝国自体は衰退を始めましたけれども、その後派遣がアメリカ合衆国に移り、
そしてその英米の両国の影響力、世界的な影響力とその余波によってですね、世界中、日本も含めですけれども、英語をリンガフランカとして学ぶという国が圧倒的に増えたわけですね。
それによって2000年時点でどれだけの話者人口になったかというと、ざっとですね15億です。これ何倍に増えたか、この100年で何倍に増えたかと言いますと10倍以上です。
そして今2022年ですが、これもざっとした統計ですが、22億の人々が英語を使うと言われています。英語人口が爆発した、世界的に爆発したというのは1700年以降と考えてよいです。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきまして本当にありがとうございます。英語の世界的拡大がせいぜいこの300年ほどということで、少なくとも人口統計の観点からですね、およそそういうことが言えるだろうと思うんですね。
本来的には世界的拡大ということですから、地理的分布、世界に文字通り英語が移植されて増えているっていう様ですね。これを確認する必要があるんですが、今日お話しした人口統計ですね、英語話者の数の爆発的増加ということと、やはりこの世界的地理的な分布の拡大っていうのは実際上ですね、パラレルです。
ですので、人口増加をもって世界的拡大の様を基本的に述べることができるということですね。
英語の歴史自体が1500年ぐらいですかね。1500年、600年ぐらいあるんですけれども、その中の本当に直近の300年ということなので、我々から見ると300年でも十分に長い歴史のような気はしますけれども、全体から見るとですね、本当に直近の最近のことであると、英語の世界的拡大ですね。
これは重要なポイントだと思うんですね。現在、あまりに英語の力が強いので、これは昔からそうだったに違いないっていうふうに錯覚しがちなんですが、たかだかこの300年ぐらいのことなんだと、これを意識していくっていうことは、とても重要なことだと思うんですね。
逆に言えば、それ以前はですね、英語の歴史そこどこ長いわけですけれども、あくまで島国の言語に過ぎなかった。島から外に出ることはほとんどなかったということになります。世界的拡大の驚くべきスピード感っていうのがね、わかると思うんですね。
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