朝カル講座の概要
英語の歴史の研究者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。 8月28日、日曜日。 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
私は月曜日から土曜日まで続いた集中講義ですね。 夏季スクーリングで英語学の講座をですね、担当したんですけれども、
いやー、かなり濃密な6日間でですね、暑かったですし、本当にグッとエネルギーを注入した感じなんですけれども、
久しぶりに本日日曜日ということで、少し骨休めできているという感じです。
さて、本日の英語の語源がミニスクラジオヘルディオ。 お届けする話題は、朝カル講座の第3回。
英語の歴史と世界英語、英米の英語方言です。 こちらのご案内になります。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
朝日カルチャーセンター新宿教室にて、今、全4回のシリーズを開講しています。
シリーズ全体のタイトルは、英語の歴史と世界英語ということで、最近注目されていますWorld English Series、世界英語ですね。
世界で話されている様々な英語、これに関心が集まっているんですけれども、そのシリーズ講座を開いています。
その第3回講座が、10月1日ですね。およそ1ヶ月後になりますけれども、10月1日土曜日、午後3時半から6時45分という枠で開かれます。
その講座はですね、英米の英語方言と題してお話しする予定です。
すでに公式の案内が朝日カルチャーセンターのホームページにも出ています。そちらへのリンクをこのチャプターに貼っておきますので、詳細はそちらからご覧ください。
対面オンラインのハイブリッド講座として開講される予定です。
都合の良い方法でご参加いただけますし、また当日その時間にですね、参加できないという方もオンラインで録画しておきますので、そちら向こう1週間視聴できるというスタイルになっております。
英米の英語方言
この世界英語の話題、あるいは今回の場合ですと、英米の英語方言、この歴史ですけれども、話題に関心がある方はぜひ参加を検討していただければと思います。
これまで第1回、第2回とシリーズの講座を開いて、1回は世界英語入門ということで、全体のイントロですね、これを6月11日に開講しました。
それから第2回はですね、いかにして英語は拡大したのかということで、近現代に英語が世界的に拡大した様子、歴史を描きました。
こちら8月6日に開講したんですね。そして今度10月1日に、この第3回英米の英語方言ということですね。
時代的にどんどん遡る形で、実は第1回、第2回、第3回と流れが続いていまして、そしてファイナルの第4回で全体をまとめて、改めて現代世界における世界英語という現象ですね。
これについて考えたいと、そういう全体のスケジュールと言いますか構成を考えています。
今度の第3回英米の英語方言なんですが、この位置づけはと言いますと、シリーズ全体の世界英語という現象は、いわば英語が世界中で方言化しているっていう、そういう話題なんですよね。
一つの方言化の現代的な姿ということなんですけれども、この方言化という現象自体は、実は英語の歴史1500、600年ありますけれども、ずっとですね、起こり続けてきたことなんです。
ただ舞台が中世の間はですね、イギリスとグレートブリテン島だけという狭い世界だったんですが、近代以降にそれが世界的に拡散していって、今ではグローバルな舞台になっているっていう舞台の規模こそ異なれどですね。
方言化していくというこの動き、あるいは方言状態にあったという状態そのものは、昔から今まで何も変わることがなくですね、続いてきたんです。
ですので、21世紀の世界英語の現象、確かに舞台が世界化したっていうことは、それだけでかなり大きな話っていうか、話題としてはスケールが大きい話になるんですけれども、本質としては英語が様々な方言に分かれた状態で存在してきたという点についてはですね、昔も今も変わらないっていうことなんです。
なので、決して新しい現象ではないんです。今、World English Sheetsというふうに注目されていますが、本質を見ると、つまり方言状態でずっと分かれていたという点に注目する限り、特別新しい話ではないんですね。
そうしますと、現代の世界英語を考えるにあたってはですね、過去の方言状態、方言でバラバラ状態にあった時代の英語の姿であるとか、方言間の関係であるとか、標準英語との関係。
こういったものをですね、考えるっていうことは、21世紀のこれからの英語を考える上でも必ずや参考になるだろうと。そういう趣旨で、この第3回、英米の英語方言を取り扱うと、そういうことになるんですね。
英語の歴史の変遷
時代的には主に古代中世が中心になります。そして近代になって、アメリカに英語が移植されて、アメリカの中でも英語の方言がいくつかに分かれていくという、そのくらいまでですね、範囲を定めて英語の歴史を振り返ってみる。
とりわけ、方言化であるとか標準化というものに注目しながら、歴史を辿っていくことにしたいと考えています。英語の歴史は5世紀半ばぐらいに始まるというのが伝統的な見解なんですけれども。
大陸のアングロサクソン人がですね、ブリテン島にやってきた。そして戦中のケルト系の人々を征服して、自分たちがブリテン島に根付いたということですね。この時に英語という言語もアングロサクソン人と一緒にもたらされたわけなんですけれども。
このスタートの段階から、もうすでにですね、方言は複数あったんですね、英語に。アングロサクソンというのもアングル人とサクソン人、そしてさらにですね、ジュート人なんかも含まれていた兄弟部族の総称なわけですけれども、すでに中で英語の方言というものが分かれていたと考えられています。
こうして方言がすでに分かれた状態で英語が5世紀田舎場に持ち込まれたということなんですね。
その後、アングロサクソン王国というゆっくりと一つの王国が出来上がっていくんですが、その中で方言がですね、区分というものが維持されるとともに、新たな形で区画化されていくということですね。
そして、小英語時代5世紀から1100年ぐらいまでを言うんですけれども、この時期にすでにですね、複数の方言がきっちりと区分された状態で分布していたということになります。
その後、中英語の時代1100年から1500年くらいなんですけれども、この時代にですね、方言がさらに多様化します。
というのはですね、標準語がなかったからなんですね、この中英語の時代っていうのは。標準英語というものがなかったので、いわば扇の要に相当するものがなかったので、各地の方言がですね、自由気ままにさらに方言化していくというか多様化していくということが起こったんですね。
この時代は、ノルマン征服によってイングランドの言語がフランス語になった。厳密に言いますと、ノルマン方言のフランス語になったということで、英語はですね、下の言語に落ちたわけですね。
社会的地位が低くなったということで、標準英語なんていうものも作られずに、いわば方言はですね、野放しの状態になったので、さらに多様化したということですね。
そして次の近代英語記1500年から1900年ですけれども、この時代にかけて、今の標準英語につながるものがですね、ゆっくり出来上がっていきます。
ですので扇の要に相当するものが、ようやく出来てきたということなんですが、既にその時代までに出来上がっていた、つまり後英語、中英語と続いてきた様々な英語の方言というのは、そのまま残ることは残ったんですね。
その上に被さる形で標準英語っていうのは出来たけれども、やはりその底辺ではですね、様々な方言が区分されて、残った状態で、そして現代にまで伝わっていると。そういうことなんですね。
英米の英語方言の歴史
少し遡りますが、17世紀に戻りましょう。17世紀にはイギリスから英語がですね、新大陸、アメリカに持ち越されます。
その際に持ち越された英語というのは、決して標準英語ではなくて、イギリスの既に分かれていた諸方言、これがですね、バラバラに新大陸に持ち込まれたんです。
したがってアメリカの英語も、スタートはですね、一つではなく複数の英語、最初から様々な方言が分布していたということになるわけですね。
アサカル講座では、この辺りの事情っていうのをもう少し詳しく歴史的に語っていきたいと思っています。
今度のアサカル講座でお話しする予定の、英米の英語方言に関して、ざっとあらましを今日お話ししたわけなんですけれども、英語の方言に関するトピックにつきましては、これまでもヘルディオでもですね、何度か話題として取り上げています。
ですので、今日の放送と合わせて聞きたい放送ということで、過去の回をいくつか紹介したいと思います。
まず45回、第45回の放送で、イギリス英語は方言差が激しいのに、アメリカ英語は比較的一様という話題を話しています。
英米共に諸方言あるわけなんですが、比較するとイギリスの方が方言差が激しいんですね。
アメリカ英語は方言差あるといっても、比べればということですが、比較的一様という話題ですね。
お聞きいただければと思います。
それから287回の放送、英語の方言差別の歴史ということで、方言があるところに差別があるという。
これが近代以降、現代の特徴なんですね。
今度のアサカル講座ではあまり取り上げないタイプの話題かなと思いますので、ぜひこの287回、英語の方言差別の歴史という回をお聞きいただければと思います。
それから比較的最近といいますか、8月になってから3日連続で続けた放送なんですが、434回、意外と知られていない世界中の英語の種違いという話ですね。
それから翌日435回として放送したのが、世界小英語の種、米、カ、ゴ、シン、イン。
これアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インドのことなんですけれども、世界小英語の種について語りました。
そしてその翌日436回、英語史の始まりの瞬間から英語はすでに多様だったという、今日の放送でもちらっとお話したような内容ですね。
もう少し膨らませて話している回ですので、この436回もお聞きいただければと思います。
世界英語の進展と関心
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
世界英語の話題なんですが、本当に流行ってきていますね。
私もこの流行といいますか波に乗り遅れないようにということで講座を開いていたり、ヘログやこのヘルディオでもたびたびこの話題で話をするという機会が増えてきたんですけれども、
やはり英語という言語の位置づけが20世紀から21世紀にかけてまた変わってきたといいますかね。
世界的な言語ではあるわけなんですけれども、20世紀後半でもそうだったんですが、さらにそれが押し広められて21世紀らしい英語の在り方というものですね。
これに対する関心であるとか、どういう方向に行くのかという模索であるとか、諸問題ですね。
いろいろと出てきたということの反映なんではないかというふうに見ています。
皆さんもこの問題に関心を持ち続けていただければと思います。
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それではリスナーの皆さんにとって良い日曜日となりますように。
ほったりうちがお届けしました。また明日。