2025-11-03 12:58

#471. sound の -d はどこから来たの?

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #音変化
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サマリー

ポッドキャストでは、英語の単語「サウンド」の-dの起源について探求しています。リスナーからの質問をきっかけに、語源や音声学的理由、方言における発音の変化について考察が展開されています。

サウンドの-dの起源
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
9月14日、水曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。本日の話題は、一昨日リスナーさんからいただいた話題、素朴な疑問を取り上げたいと思います。
サウンドの-d はどこから来たの、です。どうぞよろしくお願いいたします。
ラジオネームニック・ネムさんからです。以前に不停止の質問を採用していただいたものです。いつもありがとうございます。
サウンドの語源について調べていた際、中英語では soon だったものの、16世紀に d がエスタブリッシュされた旨の記載が OED にありました。
この d についてさらに調べたところ、1350年から1550年に起こった n の後に d を加える傾向の一部だ、という記載に行き着きました。
しかし私の調べでは、これ以上詳しい情報に出会えず、音声上の理由なのか、何らかの過剰・半可なのか、煞然としません。
これに関して何かご存知でしたら、伺いたいです。
これはそこそこ専門的な音声の話だと思うんですね。
サウンド、音ですけれども、これ d が入るのが当然というふうに、私たちは思ってこの単語を使っているわけなんですけれども、
語源的には引用速語に遡りますけれども、語源的にはこの d というのがないんですね。
音声学的な理由
n で死因は終わりなんです。
ラテン語でもソヌンですかね、フランス語ソンという形で d は出てこない言い訳ですね。
英語ではこの単語はフランス語から借りたものですので、13世紀末ぐらいですね、13世紀末にフランス語から借りて、そのフランス語に d がないわけですから、
当然、英語でもですね d がない形、soon のような発音でずっとやってきたわけです。
通り以上も d がない。ところが、ある段階から d が入り出すんですね。
14世紀ぐらいから d の入る例というのが現れ出して、そしてニック・ネムさんが紹介してくれたようにですね、やはり16世紀ぐらいになってサウンドと d が入った形、これが一般化し現在に至るということなんですけれども、
どうして d が入ってしまったのかという話ですね。これは語源的には謎としてそこそこ有名な語なんです。サウンドの d どこから来たの問題ということでですね、入ってしまったんだと、
d が入ってしまって定着しちゃったんだという言い方になっていて、それ以上突っ込んだ考察であるとか、なかなか出てきてないというのが現状なんですよね。
なぜか入ってしまったと言って終わりのことが多いんです。私もこれに対して答えを持っているわけでは全くないんですけれども、音声的に言いますと、語尾音天下パラゴージーという風に言われるんですね。
後ろに語源的ではない発音ですね。主にシーンということが多いと思うんですが、これが挿入されてしまうと。一種の音便と言いますか、発音のエラーと言いますか、ダセみたいなもので音声学的には大体説明されるわけなんですけれども、英語の場合、このような例を集めてみると、
NとかSとかFの音ですね。この後にTとかDというのが加えられるというケースの語尾音天下っていうのが割と多いんです。その割と多い中の一つがこのサウンド、つまりNの後にですね、TとかDが付くこと多いんですが、この場合、Dだったわけですけれどもね、サウンドとして定着しているっていう、
そこそこ発音のダセとかエラーの事例からすると見られる。英語では例が確認されるような例の一つと、ここぐらいまでなんですね。DというよりもTが付加されるということが割と多いのかなっていう気がしますね。Nの後にTっていうことです。
例えばですね、この事例はいくつか挙げることができまして、例えばAncient、古代のという意味ですね。これもですね、フランス語からきましたAncienということで、Tはですね、もともとなかったNで終わっていたっていうことなんですが、ここにTが付いた発音がちらほらと現れだして、そして標準語の中に定着したということですね。
で、Tが付いた形がAncientが定着したと。他にはBoken、先制君主を意味するTyrant。これももともとTはないんですが、付いた状態で標準化してしまったと。それからParchmentですね、用秘詞です。これ、ペルガモンが語源で、地名が語源でParchmentというNで止まっているはずなんですが、Tが付加された形で一般化しているっていうことなんですね。
それからキジですね、鳥のキジ、Pheasantと言いますが、これもフランス語からきまして、もともとはTがない形、Pheasantという形ですが、英語ではPheasantというふうにT込みで定着しているっていうことなんですね。
方言から見る変化
このようにNの後にTが付く例っていうのは割と多くあって、Dというのはあまりないわけなんですけれども、このTとD、後ろにくっつくわけですね。語尾音として添加されるっていう例があって、そのうちの一つがサウンドなんだというぐらいのところなんですけどもね。
これらは音声学的な理由、調音上の理由でTとかDが挿入されてしまったんだろうなというところまでしか言えません。一方ですね、おそらく起源としては同じようにTが挿入されてしまったんだろうと思われるんですが、割と近辺の同じような働き、意味を持つ単語に移っていったっていう例がありまして、
この場合、単純に音声学的な理由だけではなくて、近い語尾音の間に伝播していったっていう、伝線していったみたいな言い方ができる語群っていうのがありまして、これはSの後にTが付くタイプで、
例えばAgainst, Amidst, Amongst, Betwixt, Wildestのような副詞、前置詞、それから接続詞といったような機能語なんですけれども、いずれもSTなんですね。これ全て語源的にはTになかったんですよ。
だけれども、Sの後にTが付くというものが現れて、この関連する意味の語群の中で伝線していったというふうに考えられると思うんですね。別のアプローチとしては標準語ではなく、方言を追ってみるっていうことですね。
標準語ではSoundであるとかAncientであるとか、先ほど挙げたいくつかの単語にTとかDが挿入されて定着したっていうことなんですが、方言を見渡しますと、もっと多くの単語でこのような語尾音添加の状態で定着しているものっていうのも割とあるんですね。
例えば、説教を表すSermon、これNで普通は終わるんですが、これは方言によってはSermontっていうようにTがくっついています。それからSudden、突然のって意味ですが、これもTなんてないですよね。ところが少数の方言ではSuddenedとかVermin、これは害虫という単語でNで終わっていますが、方言によってはVermintのような感じですね。
さらに別のアプローチと言いますか、逆に言いますと、もともとNTとかNDというのを持っていたんだけれども、このTとかDが省略されてNだけになってしまう。これも方言を見渡してみると、これいくらでもあると思うんですよ。
現在の世界英語の書編集を見ても、NTとかNDのように2つのシーンが続いて単語が終わるというケース。この際に2つ目のシーン、つまり5末のシーンですよね。これが落ちてしまう、脱落して1シーンになってしまうっていうことは本当にザラにあります。
つまりこのNの後が典型的なんですが、Nの後にくるTとかDの音っていうのは、歴史を通じても、そして諸方言を見渡しても、ONとOFFっていうのをよく繰り返しているっていうことなんですね。
この辺りのNの後はT、DがONしたりOFFしたりするという一般的な音声上の傾向というのが、あるときは挿入され、あるときはその問題のシーンが消えてというような不安定な状況を作り出していたっていうことはあり得ると思うんですね。
そのようなランダムに不安定な状況の一つの例、一つの仮定としてサウンドの場合には、もともとSoonということでDはなかったんですが、ここにDがついてしまったり、あるときはまた落ちてSoonに戻ったりっていうことがランダムに繰り返された結果、最後に蓋を開けたらSoonedというふうにDがついた形が、
なぜか標準化してしまったと、そのようなことなのかなというふうに私は見ています。
このように個々の単語の発音の歴史については、ある程度までの音声学的な理屈を与えることはできても、最後のファイナルはズバッと言い切れない、モヤモヤが残るっていうことは多々あると思います。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご質問ご意見ご感想をお待ちしています。
Voicのコメント機能を通じてお寄せください。
そして連日ご案内していますけれども、来週火曜日水曜日ですね、20日火曜日と21日水曜日の午後にですね、それぞれ生放送をお届けする予定です。
20日の方は14時50分から15時50分ということで、立命館大学の岡本博紀先生と私とでVoicy生放送、英語バナキュラ談義としておしゃべりする予定です。
それから21日水曜日の方はですね、16時から17時という1時間で、熊本学園大学の矢泉博史先生と私ホッタトでVoicy生放送、英語に関する素朴な疑問1000本ノックをお届けします。
いずれもですね、事前に質問であるとか、こんな話題を生放送で取り上げてもらいたいというようなことを寄せいただいています。
とりわけ21日の方のですね、英語に関する素朴な疑問1000本ノックはレギュラー放送でも行っているように、皆さんから質問いただいて、それにお答えするという趣旨ですね。
日々の放送のコメント上でもですね、質問を、まさに今日もそうだったんですが、質問等をいただいていますが、場合によってはですね、今度の21日の生放送の時に取り上げるということもあるかもしれませんし、
そのための専用フォームのほうも用意してありますので、普段のこのVoicyのコメント機能を使ってでも結構ですし、そちらのこのチャプターに貼り付けましたURLから飛んでいただく専用フォーム、そちらを通じてでも構いません。
どしどしと疑問をお寄せください。
それでは本日も皆さん良い1日となりますように、ほったりうちがお届けしました。また明日。
12:58

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