対談の始まり
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間にを基に英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は2026年2月2日月曜日。新しい1週間の始まりです。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今朝も私はメルボルンの矢良川下半の朝のジョギングにやってまいりまして、日陰のベンチに腰掛けて休憩しながらこの配信を撮っております。
今日は先日も対談としてお届けしましたケルフ・寺沢志穂さんとのお話、第2弾となります。
寺沢さんはweb上で英語語源辞典でたどる英語つづり辞書という極めてニッチでかつ専門的な内容の連載記事を日々アップされているんですね。
昨年の春から始めましてほぼ毎日ということで12月の時点で200回を超えた。これを記念して一度対談しましょうということで、前回はアーティストという単語を取り上げつつ、語尾にEがないものとあるもの、2つあるんですね。
これをお話ししたんですが、まだまだつづり字の観点からあるいは英語の言語変化の観点から面白い主力の単語というのはAで始まる項目だけでもたくさんあるということで、今回はその中でもよりすぐりの単語、アンセム。
これは第180回の記事になっているものでリンクを貼っておきますけれども、ちょっとこみ入っているので経緯そのものはお話もいただいたんですけれども、記事で読む方がすっきりするんではないかと思いますが、この面白い単語、いろんな意味で面白い単語についてじっくりとお話を今日はお届けしたいと思います。
それでは行ってみましょう。ケルフ寺沢司保さんとの対談。語源から遠ざかる語形、アンセムです。どうぞよろしくお願いいたします。
本日も先日に引き続きですね、ケルフより寺沢司保さんをお迎えして対談収録しております。寺沢さん、今回もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
連載の方がですね、順調に続いているということなんですが、この200数十回ときている中でもですね、これはとんでもないっていうのはやっぱりいくつかあると思うんですよね。面白いわけなんですけれども、その中から一つですね、なんでこうなっちゃったのっていうタイプをですね、今日は取り上げてお話を伺いたいと思うんですけれども、
英語語源自体のAから読んでいるということで、Aから始まる単語なんですが、180回ですね、こちら昨年の11月21日付けというふうにありまして、こちらリンクを貼っておきますが、アンセムっていう単語ですね。
これ、賛美歌とか聖歌とかナショナルアンセムっていうと国歌という、これ使われることは割と多いかなと思うんですが、この単語、ANTHEMで、この見かけからするとですね、アンセムっていうふうに読むっていうのは、現代の感覚だと何かずれているわけではない感じがありますが、これがですね、副題によりますと。
前回も注目しました。この副題が語源から遠ざかる語形ということでですね、これ寺沢さんは語源的ツーリングの専門家なんですね。なので、語源の形に寄り添っていく方向での変化みたいなことをやっているので、この逆転的なことが起こっているぞっていう、そういう副題の付け方なので、
さすがというか、専門性が出てますよね。これ、僕が付けると語源から遠ざかる語形になるかなと言えばならないので、常に寺沢さん意識の中で語源的ツーリジっていう、イデアみたいのがあって、目標があって、そこからずれてる、おかしいっていう問題になるかなと、ここから読み取れるんですが、
これがですね、今から寺沢さんですね、口頭で説明をお願いしたいんですが、これはかなり複雑なので、読んだほうが早いかもしれませんが、概要、特に面白いというか、ポイントとなる部分を強調しつつ、お話しとしても一応伺いたいなというところなんですよね。
こちらではトライしていただけますでしょうか。
はい、語源から遠ざかる語形と副題をつけたので、まずどうに遠ざかっていったのかについてお話ししようと思うんですが、このアンセムの語源を遡れるだけ遡ると、ラテン語のantifonaという単語に遡ります。
antiphでonaというつづり字になっていて、アンセムとはだいぶ違う見た目になっています。
このantifonaから、ラテン語の中で時代が下ると、このphのつづり字がfに変わります。
このfに変わったantifonaみたいなつづり字が、小英語記に釈用されますので、ラテン語釈用語としては英語の中ではかなり古い時期のものとも言えると思います。
このantenみたいなつづり字が小英語で最初は用いられていて、この時点ではそんなにラテン語から離れているわけでもないぐらいのつづり字だったんですが、
中英語記になりますと、音韻環境的な諸々の事情で、fが母音に挟まれて多分vのような発音がされるので、そこからどうかとかいろんな現象が起こりまして、
fからmに変わってしまうという事情がありました。 中英語までは大体音変化としてつづり字の変化も捉えることができるんですが、
そこからなんで現代のanthemのつづり字になってしまったのかというところがだいぶ変なことになっています。
そのなぜthになってしまったのかというのが、英語詞の用語でいうところの過剰修正、ハイパーコレクションと言われるものでして、
ギリシャ語の起源の語にthを含む語というものが結構いろんな語に見られるんですけれども、そういうものからの影響であったり、あるいはサンビカのヒム、
HIMMのヒムからの民間語源的なそういう影響から、本当はtのはずだったのにthのつづり字になってしまうという現象が起きたと説明されています。
言語変化と影響
ということで、勘違いというか別の語からの類推によってどんどん語源から遠ざかってしまったというのが、現代のanthemのつづり字になっています。というお話を記事にさせていただきました。
はい、これもういろんな、今、用語をなるべく出さないようにというような気を使ってお話しされたと思うんですが、記事の中では、専門的な用語、どうかとか、アシミュレーションとか、ハイパーコレクションは出されていましたね。過剰修正、それから、勘違いではあるんだけれども、これも含めて語源的つづり字、エセ語源的つづり字と言われていたり、
アイランドのSみたいなタイプに近いと思うんですけどね。語源的つづり字っていうのはもちろん、用語として出てきますね。それから、最後に出されましたが、通俗語源とか民間語源っていうようなフォークエティモロジーで、類義語の一つであるHymn、この単語がHで始まっているので、それに引っ掛けてと言いますか、anthemにもHがある方がふさわしく感じられるというか、
そんな発想から入ったんじゃないかっていう説ですよね。これ、用語とか言語変化現象の宝箱みたいな単語になってますよね。それだけ多くの、それが美味しいですよね。イチゴで美味しいっていうところで、これはナイスな戦語。もちろんややこしいんですけどね、それの結果。
最後の行もすごく面白いなと思いまして、anthemっていう、今ではここまで至る三つ字はこんなふうにめちゃくちゃだったわけなんですが、今となってはとりあえずこのつづり字でanthemと読むっていうのは、ストレートのつづりと発音の関係になっているっていうことなんですが、
それもanthemのTHサウンドになったのはOEDによると、比較的最近のことだったっていうのも。これも驚きで書いていただいているのは、18世紀の文法家や発音辞書はT、anthemとなっており、現在の地域方言や非標準的な発音としてもまだ見られるということで。
これは、語源的つづり字的な文字の挿入があった場合に、それに発音がついていくかどうか問題っていうのは一つ面白い問題であるんですが、ある意味今も揺れているっていうか、非標準地域方言などではTで読むケースもあるっていうことなんでね。
この辺りはやっぱりすごいですね、この単語は。一語でいろんなものをカバーしてしまっているっていう。
テラスターさんはちゃんとタグって言いますが、キーワードを英語の用語で載せてくれているわけなんですが、今回だから多いですよね。
Assimilation, Hypercorrection, Analogy, Folk Etymology, Etymological Spelling, Spelling Pronunciation, Christianity, Latinということですからね。
これキーワードは書き終わってから、こんな感じかなってことでレッキをしていくスタイルですか、いつも。
はい。
このキーワードの一覧って言いますかね、キーワード自体をリストにしたものというのはだいたい固定化してきました?
加わるものもある?
固定化はしているんですけど、通読していろんな単語を見るにつれてキーワードはどんどん増えている感はあります。
最初は数字と発音とか、単語の由来の釈用元とか語源の言語に関するタグが多かったんですけど、だんだんそうじゃないものとかセマンティックチェンジをタグに、意味的変化をタグに振り入れたときは結構自分の中で大きな変化を感じました。
衝撃を。
語形と語源の関係
つづり字の変化だけど、当然辞書、語源辞典を調べているので意味の話も出てくるので、つづり字のテーマに掲げたけど意味の話も出てきちゃったと思いながらタグを新しく解説しました。
素晴らしい。これは私もブログを長くやってますんで、だんだんタグキーワード育っていくんですよね。
やっぱり追加が多いんですけど、ちなみにスペリングっていうタグはないですか?
スペリングは全部スペリングなので入れてないです。でもスペリングプロナンシエーションギャップとかそのあたりは入れてます。
現代の視点からすると、つづり字と発音の違いが特に顕著なものっていう意味でそういうタグは作っています。
これはタグ問題だけで寺澤さんと1時間ぐらいたぶん雑談できると思うんですよね。
続けているとこれはなかなか深い問題で育っていくので、最初からタグシステムみたいのを設定して始めるっていうのは
あんまりオススメしないというか、どっちにしろ増えていくし、
雑然としていくし、新しいその記事にこのタグをつけたら似たような記事が前もあったから戻ってつけ直すかっていうふうに
覚えていればつけ直したりもするんですけど、結局雑然とはしてくるんですよね、全体が。
ただ書き続けていると多分頭の中でいろんなキーワードがあるんですけど、割と出尽くすというか
そこが自分のある意味限界でもあり、自分の関心の中心なんだなということも分かってくるので、どのタグが一番多く使われてるみたいなのって分かったりします?
数えられたり。ちゃんと統計は取ってないんですけど、その言語の由来としてはラテンとかフレンチのタグはかなり使用頻度が高いですね。
自分で使ってて思います。
あとエティモロジカルスペリングもやっぱりかなり高い。
結構多いですね。
結構控えめに言ってますけどかなり多い。
言語変化の理解
アナロジーとかエティモロジカルスペリングは自分の関心でもあるので、キーワードを使う頻度は高いと思います。
これ本当に一つの単語で様々な現象についてちらっと学べるという点では、ある意味、用語学習とか言語変化どういうタイプがあるのかみたいなものが学べる、そういう記事になっていると思いますね。
逆の記事の探し方としては、キーワードがやたら設定されている記事っていうのは、こういう波乱に満ちた単語の歴史を背負っている場合が多い可能性があるんですが、そういう逆引きってできます?
今のところそれはやったことないですかね。
今のところつけてないですね。
これ結構面白い結果出るかもしれない。
面白そうですね。
一回一回はご自身の関心に沿ってキーワードを並べるわけじゃないですか。
でもこうやって200回とか育ってくると、その観点から数で相当してみたりすると、面白い単語のみ、複雑な歴史を持った単語のみが抽出できるとかいう副作用がありそうな気がしますよね。
今話していてちょっとそんなことを思ってみたんですけどね。
ありがとうございます。
面白いですね。
Aのほうはだいぶ終わりが見えてきたという話ですしね。
通日に注目してるわけではないんですが、先行者というか先輩のラコラコさんによると、AとBとでは世界がまるで変わるっていう。
BとCも違うっていう。
この境地、足したことがないんですし、これは英語語源自体を通読しようとしている人のみが到達できるっていうか、眺められる景色なのかなっていうところで、実はかなり羨ましく思ってるんですけど。
平田さんもAからBに行ったときのショックとか、傾向がまるで違うとか、その辺もまたレポートしていただきたいので、地道にまずはBに向けてっていうか、Aのゴールに向けて突き進んでいただければと思います。
また面白い話題とありましたら、ぜひ伝えていただきまして、こういった収録等も参加していただければと思います。
ということで、本日も寺沢志夫さんにアンセムの話を伺いました。ありがとうございました。
ありがとうございました。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
アンセム。
いろんな言語変化の過程が組み込まれた、言語変化の宝箱みたいな単語でしたね。
こういう単語、怪物みたいな単語ですけれども、たまにあるんですよね。
こういったものをAから順に拾い集めてシリーズ化しているというのが、今回対談いただいた寺沢志夫さんです。
英語語源辞典でたどる英語つづり師というシリーズですね。
ぜひ皆さんも日々こちら追いかけていただければと思います。
これだけで英語史のさまざまな知識、雑学がつくと思うんですよね。
そしてもちろん単語そのものにも強くなっていくと思います。
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