オープニングとトニ・モリスンのノーベル文学賞講演
Traveling Beyond Covers
案内役のソフィーです。
本が言葉以上の世界になり、ページをめくるたび、旅はさらに深まっていきます。
お、各本が言葉以上になり、ページをめくるたび、旅はさらに深まっていきます。
お、各本が言葉以上になり、ページをめくるたび、旅はさらに深まっていきます。
Traveling Beyond Covers
時刻は朝5時58分を回りました。おはようございます、ソフィーです。
今朝も言葉の向こう側へお供します。
物語はラリカルだ。物語が生まれる瞬間に、私たちもまた作られる。
アメリカの作家、トニー・モリスンが、ノーベル文学賞の講演においた言葉です。
1993年12月、スウェーデンのストックホルム。
壇上に立ったモリスンは、自分の経歴や作品について語る代わりに、一つの古い物語を始めました。
盲目の老女と手の中の鳥の寓話
昔ある町はずれに、盲目の老女が暮らしていました。
彼女は奴隷だった人の娘で、深い知恵を持つ人として知られていました。
ある日、数人の若者がその老女を訪ねます。
若者の一人は両手の中に小さな鳥を隠していました。そして老女に訪ねます。
この鳥は生きていると思うか、それとも死んでいると思うか。
老女には鳥が見えません。
生きていると答えたなら、若者は手の中で鳥を殺すことができます。
死んでいると答えたなら、手を開き鳥を飛び立たせることができます。
どちらを答えても老女を間違いにできる問いでした。
しばらくの沈黙の後、老女は答えます。
鳥が生きているか死んでいるかは自分にはわからない。
ただその鳥があなたたちの手の中にあることはわかると。
言葉の力と責任
ここでもりすんは物語の中の鳥を言葉として読み直します。
言葉もまた生きたものにも死んだものにもなります。
誰かを見えなくするために使われる言葉。
考えることを禁じ沈黙を強いる言葉。
同じ表現を繰り返すうちに触れるものを失ってしまった言葉。
その一方でまだ名前のなかった経験を見つけ、誰かの声を運ぶ言葉もあります。
鳥の命を握っていたのは問いを出された老女ではありません。
鳥を手にしていた若者たちの方でした。
物語の創造性とラディカルな力
けれど若者たちは老女の答えだけでは満足しません。
知恵があるなら自分たちに何かを語ってほしい。
自分たちがどこから来てこれからどこへ向かえばよいのか。
暗い場所と明るい場所であなたが見てきた世界を物語にして渡してほしい。
モリスンはそんな若者たちの願いを描きます。
そして彼らにこう語らせました。
物語はラディカルだ。物語が生まれる瞬間に私たちもまた作られる。
物語を語る前と語った後の世界は全く同じではありません。
聞く人だけが変わるのでも語る人だけが変わるのでもない。
まだ形のなかった経験に言葉が与えられる。
その言葉を受け取った人が続きを考え始める。
鳥は初めから老女の手にあったのではありません。
一つの問いと一つの応答の間で姿を表したのです。
物語はラディカルだ。
物語が生まれる瞬間に私たちもまた作られる。
物語とはすでに存在する私たちを映すだけでなく語る人と聞く人との間に
これまで存在しなかった私たちを生み出すものなのかもしれません。