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ミモレ真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンミモレ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる大テーマに、
皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第74夜を迎えました今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームルーム308さんから頂きました。
バタやんさんのおすすめで、ゆずきゆう子さんにはまって、先日映画コローノ地レベル2を観てきました。
怖いところもありましたが、かっこよくて面白かったです。
私まだ観てないんですよ。面白かったですか?そっかそっか。観に行かなくちゃと思ってます。
前作に引き続き、検察、警察側は松坂通さんがやっていて、
悪役の方、組長鈴木良平さんがやってるんですよね。
鈴木さん、今の東京MERでもすごくかっこいいですけど、
なんとかさん、分かりますか?ちょっと冷たいですよ、とか言って、手際良くて優しくて、
いい人っぽい役が多いイメージでしたから、組長役、これは是非見なきゃですね。
そっか、やっぱり怖いところは怖いんですね。
話が逸れちゃいましたけれども、お便りに戻りまして、
バタヤンさんは最近ハマっている作家さんやジャンルはありますか?
柚木さんの次に読むのにオススメのものがあれば教えてください。
といただきました。ありがとうございます。
そうですね、私が今ハマっているのは医療ものなんですね。
最近まで韓国小説ブームが私の中にあったんですけど、
聞いてくださっている方はそうかなと思ってたかもしれないですが、
今は医療ミステリーブームが私の中で来ています。
今日の勝手に貸し出しカードは、しずくいゆうすけさんの最新長編、霧を払うと、
南京子さんの新作、バイタルサインの2作品をご紹介したいと思います。
この2作品、発売日も近いんですけど、
今年の7月と8月にまさに出たばかりですね。
どちらも医療現場、ナース、看護師さんをメインに描いた小説で、
モチーフにも共通するところがあるんです。
それぞれどういう小説かご紹介していきたいと思います。
さて、バイタルサインと霧を払うの2つの作品には共通する点があると言いました。
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バイタルサインを書かれた作家南京子さんは、
前回のこのトークの中でもちらっとご紹介しましたかね、
現役のお医者さんでこの作品を書かれるきっかけとして、
2018年に実際にあった事件、大口病院連続点滴中毒死事件をきっかけにして、
この小説を書かれたとおっしゃっていました。
大口病院連続点滴中毒死事件って皆さん記憶にございますでしょうか。
横浜にある大口病院という病院で、看護師さんが点滴に消毒液を混ぜて、
入院患者さんら48人が不審な死を遂げていたという、
人数としても歴史に残る大きな連続殺人事件ですよね。
南先生はこの事件を受けて、
看護師さんが極悪非道な人として罰せられて終わりというだけじゃなくて、
なぜそこまで上記をしてしまったのか、
追い詰められなきゃいけなかったのかというところを
描きたいと思ったとおっしゃっていたんですね。
もう一つのしずくいゆうすけさんの霧を払う。
しずくいさんがこの病院の事件に着想を得たかはちょっと分からないんですけれども、
小児科の4人部屋の点滴が、
2人の子供が亡くなり、1人に後遺症が残ってしまうという事件が描かれます。
そして、点滴に薬剤を混ぜたのは誰なのか、
誰が薬剤を点滴に入れられたのかというお話ですね。
しずくいゆうすけさんの霧を払うは、病院を舞台にしているわけですが、
この病院の事件については、
ひのこ、検察側の罪人に続く弁護士法廷者なんですね。
なので、ひのこや検察側の罪人がお好きだった方は、ぜひ読んでいただけたらと思います。
そういう意味で、ゆずきゆう子さんの警察小説にハマったルーム308さんに、
ぜひ読んでほしいなと思いました。
霧を払うがどういうお話か、もうちょっと説明していきたいと思います。
霧を払うがどういうお話か、もうちょっと説明しますと、
点滴に薬剤が混入された4人部屋の生き残った女の子のお母さんが、
容疑者として逮捕されるんですね。
彼女の弁護をすることになるのが、主人公の伊豆原弁護士です。
病気の幼い女の子を抱えて、さらに自身が容疑者になってしまう、
このお母さんがかわいそうって思うじゃないですか。
それが、この人が、この人が、
どうも図々しくてデリカシーがないタイプといいますか、
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病室の他のお母さんたちと折り合いが悪かったと供述されるんですけども、
他の子たちに、しなきゃだめよって勝手に、
自分のお母さんを逮捕されて、
説教したりとか、体をさすったりとか、
お菓子を配ったりとか、ナースステーションにもずかずかと、
無遠慮に入って行って、お菓子を配ったり、おしゃべりをしたり、
看護師さんのゴシップというか、噂話をしたりとかね、
デリカシーがないんですよ。看護師さんたちも困ったなと思いつつも、
強く言えないという感じで、
折り合いしていたということが、犯行を疑われるところにつながっていくんですけれども、
私がもし入院したりとか、家族が入院していたとして、
同じ部屋の患者の家族の方がこういうタイプだったら、
嫌だな、あの人に今日は会わないといいなって思うタイプかなって思うんですよね。
この設定が独特で、しずくいさんが上手いなって思ったんですけど、
この容疑者のお母さん、
かわいそうな悲劇のヒロインとして描く方がシンプルじゃないですか。
主人公の弁護士が、彼女の無実の罪を晴らすという
ヒーローストーリーの方がシンプルな気がするんですけど、
憎たらしいと言ったらなんですけど、容疑者のせいで、
読めば読むほど、やっぱりこの人なんじゃないかなっていう、
この人が犯人でいいんじゃないかと思ってしまうんですが、
この人を呼び起こすところであり、
先へ先へと読まずにはいられないところだなと思いました。
このコナミ・ノノカさんにイライラさせられながらも、
かわいそうなのは病気の娘にはお姉ちゃんがいて、
この献身的なお姉ちゃんが妹は被害者の上に、
母親は逮捕されてしまって、ダブルでかわいそうで、
大変なことになりました。この病院の看護師さんたちに対して、
伊豆原弁護士が一人一人細かく聞き取りをしていくんですが、
なかなか真実は出てこなくて、最後の最後、
法廷のシーンは怒涛の展開で、金箔のシーンが続きまして、
おおっとなりますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
今日はこの霧を払うからかみフレーズをご紹介します。
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急変患者が出ると、看護師はどう思うものですか?
その時点で点滴がおかしいんじゃないかと考えますか?
いえ、考えないです。これは弁護士側が看護師の一人に
話を聞いているシーンなんですけど、そうか、そういうものかと思いましたね。
当たり前といえば当たり前だけど、チェックチェック、
ダブルチェックで管理されているものだから、自分たちが提供したものだったり、
何かが起こるとは思ってはいなくて、この看護師さんは
誰かが配ったおやつに変なものが入っていたんじゃないかと
とっさに思ったというふうに供述するんですね。この辺りはリアルなんだろうなと思いました。
お昼も、病院側から提供されたお昼から時間が経っていたということで、
おやつの中に何か、体に悪いものが入っていたんじゃないかというふうに
疑ったという話なんですが、野中容疑者は自分が作ったカップケーキとか
いろいろお菓子を配りまくっていましたから、
カントリーマームみたいな個包装になっているものならもらうのはいいけど、
家で焼いてきた手作りのお菓子とか、ちょっと抵抗がありますよね。
この辺を話し始めちゃうと、ちょっとネタバレにつながっていきそうなので、
この辺りにしておきたいと思いますが。
私、看護師さんって、精術のことだけじゃなくて、
あの人は美人だとかそうじゃないとか、彼氏いるのかとか、結婚しているのかとか、
善意も含めセクハラまがいなことをいろいろ言われるんだなというのを読みながら、
どっちの方も感じましたけれども、それでも差別なく絶対助けるっていう感じの悪い患者さんも
むちゃくちゃ言ってくるご家族の方とかもいっぱいいるでしょうけど、
この人は好きだからとか嫌いだからとか、そういうの関係なく絶対助けるっていう強い意思が、
看護師さんもお医者さんもそうですけど、弁護士さんもね、そうなんだなっていうすごいことだなと思いました。
私、最近コロナワクチンを打ったときに看護師さんたちがすごい優しくて、
待合室で案内してくれた人とか、打った後、具合悪くなってないですかって聞いてくれたりとか、
すごい優しかったから、その感動と相まって、ありがたいなっていうふうにすごく思いましたね。
ルーム308さん、リクエストありがとうございました。
皆さんも今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は、皆様からのお便りをもとに、
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いろいろなテーマでお話したり、本を紹介したりしております。
みもれのサイトからお便り募集していますので、ぜひご投稿ください。
また水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。