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2022-04-27 16:47

連休にじっくり読みたいちょっと怖い小説3選【第106夜】

今夜は目前に迫った大型連休におすすめの小説を3作品ご紹介します。

高級住宅地で起こる事件、病院で起こる連続不審死、母親を介護する娘のお話……といずれもちょっと怖いお話です。

勝手に貸出カード

・『誰かがこの町で』佐野広実さん

・『本日はどうされました?』加藤元さん

・『チョウセンアサガオの咲く夏』柚月裕子さん


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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、ナビゲーターの高段者ウェブマガジン、みもれ編集部のバタやんこと河童です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるをテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第106夜をお届けします。今夜は連休におすすめの小説3作品をご紹介したいと思います。
何かテーマを選ぶテーマがあった方がいいかなと思って、エッセイとか気軽に読める短編集とか文庫本とか、いろいろ悩んだんですけど、今回はちょっと怖いお話っていうテーマで3冊選んでみました。
高級住宅地で起こる事件だったり、母親を介護する娘のお話、それから病院で起こる連続不審死といったテーマの小説3つご紹介したいと思います。
まず1つ目の勝手に貸し出しカードは、佐野博美さんという作家さんの誰かがこの街でという小説にしました。
こちらは新刊の単行本ですね。どんなお話かというと、主人公の間崎雄一が働いている法律事務所に餅月真樹と名乗る若い女性がやってくるんですね。
自分は孤児で家族は失踪してしまったと、その失事の秘密を知りたいというふうに尋ねてきます。
この真相を探るために間崎が動いていくことになるんですけど、餅月一家、訪ねてきた真樹さんのご家族が住んでいたのが高級住宅地の鳩葉地区という、鳩の羽と書いて鳩葉地区という架空の街なんですけれども、この街がこの物語の舞台になっています。
この街の住人で息子を誘拐事件で亡くしたことのある木本千春さんの視点と、それからこの一家失踪の真相を探ることになった法律事務所に勤めている間崎という二人の視点でこの小説は進んでいくんですね。
だんだんこの家族失踪の真相とそれから誘拐事件の真相とで、この街自体の恐ろしい秘密がだんだん明らかになっていくというお話になっています。面白そうでしょ。
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ある種設定としては同調圧力というか、都会的な村八部が描かれていて、架空の街の蒸気を逸した同調圧力による村町の人たちが隠していることだったり、異常な決定がいろんなことが起こるんですけど、
それに対して本のレビューなんかを私も読んだ後にいろいろ見たらありえないんじゃないかっていうことを結構書いてあったりもしたんですけど、確かにこんなことありえるかなって思ったりはするけど、
じゃあ実際に自分が住んでいたら、その街の住人で家族とか子どもも一緒にその街に住んでたら、結構したがっちゃうじゃないかなと思ったりして、うちはそれちょっとやらないですとか、それはおかしいんじゃないですかとか、果たして言えるのかって言ったら結構難しいんじゃないかなと思ったりもしたし、
どういう地域、どういうコミュニティにも多少は外から来た人には、なんでこの人の意見がこんな通るんだろうとか、それちょっとおかしい、変な決まりだなとか思うことってきっとたくさんあって、だからといってやめたほうがいいんじゃないですかって言えるかって言うと言えないってことは、なんか割とリアルにありそうだなって思いました。
あとこのニュータウン、美しいニュータウン、少し郊外の高級住宅地なんですけど、この先の未来として絶対ウイルスに感染しない、完全な徹底管理のもと、テクノロジーとかAIの力でSDGs的な環境も配慮されていて、自給自足の実験都市みたいなものがもし日本にできたとしたら、
そこは意外と都会的な村端部が起こりやすそうな街だったりするかもしれないなぁなんてことを考えたりして、怖いなって思いました。
またちょっとこの後もご紹介したいと思うんですけど、続いてもう一作品ご紹介したいと思います。
続いては加藤玄さんの本日はどうされましたという小説をご紹介します。
先ほどご紹介した誰かがこの街では最新の単行本だったんですけど、本日はどうされました、衆営者から出ている文庫になっています。
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表紙が看護師さんがマスクをしているような写真になっているんですけど、本日はどうされましたというタイトルの通り、医療が舞台になっている小説です。
ある病院で入院患者さんが次々不審死を遂げるという事件が起こるんですね。
冒頭から出てくるんですけど、真中さんと呼ばれる看護師さんが怪しいんじゃないかとみんなが言うわけです。
この人がちょっと不器用なタイプでコミュニケーションが苦手で、少し問題児扱いされているんですね。
事件のことを知ってこれを記事にしようというふうに調査をし始めた。
週刊誌の記者の人が同じ病院で働く人だったり、かっこ真中さんと働いたことある人だったり、病院に入院していらっしゃる人の家族だったりに取材をするという形で話が進んでいくんですよ。
これがすごい面白いところで私も大好きなんですけど、この独白形式っていうんですかね、いろんな人が語り手になって章ごとに切り替わっていきます。
全部で序章と終章と入れて11章あって、最後は真中さん本人の章になっているので、
9人かいろんな人たちが記者さんからの取材に答えるという形で、事件についてだったり真中さんという人の人物像についてを語っていくって感じなんですよ。
みなとかなえさんの告白とかも似た形式かもしれないですね。
一個の事件に対していろんな人が告白していて、でもみんなちょっとずつ立場が違うと言っていることが変わってくるし、真相が明らかになりつつもみんながみんな本当のことを言っているかわからないし、
真中さんという人のこともすごく丁寧でいい看護師さんでしたよっていう人もいれば、あの人は私ちょっと嫌いだったんだよねみたいに言う人もいるっていうところが非常に面白い構成になっています。
この記者の人に取材されたときの、ちょっと危機として答える感じって人の悪い意地悪なところが出るっていうか、そういう意味も含めて告白形式の文体も結構面白くて、どんどん一気に読んじゃう文庫本でした。
これは旅のお供にすごくいいのではと思います。
もう一冊はですね、このポッドキャストでも何度もご紹介しています。
柚木悠子さんの最新刊、朝鮮朝顔の昨夏という作品にしました。
これはですね、帯によるとデビューから13年著者の魅力が詰まった初のムーニバース短編集ということで、初めてなんですね。
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意外ですけれども、柚木さんといえばコロの月とか、医療ものをこの間出されましたけど、
ヤクザものだったり警察小説とか、重厚なヘビー級の重みのある長編を書かれるイメージがありますが、短編も非常に面白かったです。
これ、すごく短い短編が11個収録されています。
表題作の朝鮮朝顔の昨夏は、お母さんの介護をしている献身的な娘の物語なんですけど、
娘さんにはちょっとした、実は秘密があってというお話です。
これもすごい短いですけど、怖いお話になっています。
私が好きなのは精神科医の人が、主人公のお薬増やしておきますねっていう話とか、
小説家を担当している編集者の人が主人公で、原稿をなくしちゃうっていう、駅で通られちゃうっていう話を書いた原稿取りという短編なんか、面白かったですね。
この出典元、もともと書かれたところが一番後ろに載っているんですけど、
宝島文庫、このミステリーがすごいとかだったりするのかな、
5分で読める人役ストーリーとか、10分ミステリー、もっとすごい10分ミステリー、5分で読める怖いお話なんていう企画で書かれたんですかね。
本当に5分、10分で読み切れるぐらいのボリューム感なんですけど、最後、あっと驚くような期待を裏切る鮮やかなラストが見事な短編集になっています。
それこそ本当に旅行の合間とか、電車に乗っている時とか、細切れの時間の中で読むのにすごく向いている本なんじゃないかなと思いました。
今日はですね、最初にご紹介した佐野博美さんの、誰かがこの町で、から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
あの家は町の方針に反発している。当たり前のことをしない家は住人の資格がない。嫌ならさっさと引っ越していってもらった方がいい。
このくだりの前にですね、防犯カメラをつけるかつけないかっていう話が出てくるんですけど、
防犯カメラをつけた方がいいんじゃないかっていう意見が出た時に、一番この地区で力を持っている夫婦がいるんですけど、
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その人がアメリカで防犯カメラがあったから住人が何もしなくていいって思って、助けもせず通報もせず、殺されちゃったっていう事件があったからつけない方がいいんじゃないかっていうことを言うんですよ。
結局つけないっていうことになるんですけど、防犯カメラに頼らないで住人それぞれがお互いに気を配って防犯に努めて注意を払うべきなんだっていう意見自体は間違ってないっていうか、正しいことを言っていると思うんですが、
防犯カメラをつけたせいで気にしなくなって殺された人がいるという話から、防犯カメラをつけちゃいけないっていうような感じになっていくわけですね。
結局どの家も設置できなくなっちゃうんですよ。そういうことって結構あるなって思って、言った意見としては正しいんだけど、それをつけたければつけてもいいじゃんっていうことが許されない雰囲気っていうんですかね。
つけちゃいけないみたいなことになっちゃうことって結構ありますよね。でもこういう地区の話し合いとかの時にすごい反対意見を言えるかっていうとなかなか難しいよなと思ったりして、まだ仕事の方がこっちの方がいいんじゃないですかとか、つけたい人はつければいいってすればいいんじゃないですかとか言えるけど、
住まいの地域住民に関することって意外と反対意見って言いづらいなって思ったりしました。私もマンションが新築の時に引っ越したんですけど、だからマンションが建つ前に入居を決めていて、建ったら1ヶ月、2ヶ月の間にみんなが一斉に引っ越してくるので、
住民の人がどういう人かっていうのが分からずに引っ越してきている。一世の世で住民が分かるっていう感じじゃないですか。それってやっぱりすごいことですよね。家は選べるけど隣人は選べないっていうか、地域とか近くに住む人がどんな人かっていうのは。
新築じゃなくても内見しても分かんないっちゃ分かんないですもんね。でも結構大きな問題だけど、もし嫌ならさっさと引っ越してもらえばいいとは言うけど、なかなか引っ越せるものじゃないですしね。難しい問題だなって思いました。
最近はちょっと郊外に移住するとか、会社自体少し地方に移転するなんていうのも流行っていますけれども、建物自体が気に入ってもなかなかその地域には地域のしきたりが多少なりともあったりするから、なじめるかどうかはまたちょっと別問題だったりしますよね。
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海外の小説なんかでも、そういう少し郊外の高級住宅地の住民の異常性みたいなのを描いた作品って結構あったりすると思うんですけど、そういうのすごく好きで、こういう小説がもっといろいろ読みたいなって思いました。
ゴールデンウィークに読むとちょっとまた怖くなっちゃうかもしれないですけど、佐野博美さんぜひ読んでみてください。先ほどご紹介した加藤玄さんを私はこの今日はどうされました、本日はどうされましたで初めて読んだんですけど、他の小説も読んでみたいなと思いました。
皆さんもぜひ良いゴールデンウィークをお過ごしください。今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。真夜中の読書会おしゃべりな図書室は皆様からのお便りをもとにいろいろなテーマでお話したり本を紹介したりしております。
みもれのサイトからお便り募集していますのでぜひご投稿ください。また水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみー。
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