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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるをテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、神グレーズをご紹介します。
第73夜を迎えました。
今日からですね、ちょっとマイクを変えてみたんですよ。機材を買ってみたんです。
なかなかいろんなシチュエーションで収録したりしてたものですから、音量が安定しなくて、聞き苦しい回も多々あったかなと反省しています。
先輩に教えてもらってですね、新しい機材と収録の仕方を試してみましたので、これ調子が良さそうでしたら、過去に遡って音量を調整したいなと思っています。
皆さんの聞きやすい音とバックミュージックに調整できればと思っています。
さて、今夜のお便りをご紹介します。ペンネームタブトンネコさんからいただきました。
バタヤンさん、こんばんは。
こんばんは。いつも水曜日楽しみに聞いています。ありがとうございます。
私は会社員をしているのですが、小説を実は少しずつ書いていて、ネットにアップしたりしています。
だんだんファンの方も読んでくださるようになりました。
小説誌の文芸賞に応募したこともあるんですが、残念ながら受賞にはいたっていません。
バタヤンさん、小説を書くのに参考になる本があれば教えてください。
また、賞に選ばれやすい作品の傾向などあれば教えていただけたらと思います。
といただきました。ありがとうございます。
そうですね。私も講談社に入って20年くらいになるんですけど、残念ながら文芸の部署にいたことはなくて、
なので、こういうふうに書くといいですよとか、こういうふうに書いたら賞を取りやすいですよみたいなことを、
残念ながらちっとも言えないっていう、適当なことは言えませんから、言葉を選んでお伝えしたいなと思うんですけれども、
今日の勝手に貸し出しカードは、私が最近読んだ中ではこの小説を書くための本としてはかなり特殊で面白かったなと思った本をご紹介します。
ラリー・ブルックスさんという方による、物理学的ストーリー創作入門、売れる物語に働く6つの力という本にしました。
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ストーリーと物理学って何だろうと思われると思うんですが、この作品が小説をどのように解説している本なのか、この後ご紹介していきたいと思います。
この物理学的ストーリー創作入門、売れる物語に働く6つの力という本は、物理学的とタイトルにあるように物理学、力学ですね、
力が作用したりとか、物の放物線みたいに上がって落ちるスピードだったりとか、そういう力学的にパワーのあるストーリーっていうのは解説できるよっていうことを試みた本と言えるでしょうか。
パワーのある物語には6つの力があるというふうに定義付けられています。
6つをちょっとご紹介しますね。
1はパワフルな前提、2がドラマ上のテンション、3が情報開示のペース、4が主人公の絵の共感、5が擬似体験、6が語りの戦略です。
ドラマとか諸説がお好きな人は、話を聞くと、なるほどなって、ちょっとどういうことを言っているか想像がついたりすると思うんですけど、まずはストーリーというのは、主人公が何らか行動を起こすのを追いかけるものであるというふうにこの著者の方は言っていて、
その時にテンションですね、葛藤だったりとか何かしらぶつかったり対立したり、そういうことを経てテンションがかかるからパワーが生まれるみたいなことですね。
主人公への共感が強ければ強いほど物語が大きく動いていくというようなことを細かく分析して解説されている本です。
この海外の本で、翻訳本なので少し口調がやや砕けていると言いますかね、このラリー・ブルックスさんという人が割と喧嘩腰なんですよね。
あまりプロットを細かく組まずに、才能だけで書いていこうという人に対して、すごく喧嘩腰だったりするのも面白いなって思いましたけど、あまりこういう感じで日本の小説解説本だと書かないよなと思ったりしました。
この創作に関してこういうふうにロジカルに解説する必要性っていうのを私はすごく感じていて、こういうことをもっと小学生とかで習いたかったなって思うんですけど、そのきっかけをちょっとこの後話そうかなと思います。
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小中高大と国語で小論文なんかは習いますけれども、創作フィクションのストーリーを組み立てるやり方については習ったことがないじゃないですか。大学とかで文学部によってはそういうのを習う学部もあるでしょうけれども、
でも習っておきたかったなって思うのは、今は小説家とか脚本家を目指す方じゃなくても、物を売るにはストーリーが必要だとか、物消費じゃなくてこと消費だとか、マーケティング的には言われてたりしますし、何せよ自己紹介とかにしてもスピーチにしても、やっぱりストーリー作りがうまいかどうかってとっても大事なことだと思うんですよ。
でも多分建築学とかと一緒で小説とかストーリーだって基本の考え方、設計図があって基礎工事があって柱があるべきところにあってっていうのを習った上での個性だったり、その人のらしいデザインとか細部へのこだわりなのかなと思うんですけど、
そういう建築学的な基礎工事を習ったことがないままに、発想とか才能とかセンスで書くものみたいに思われているところが難しいと思わせちゃうところなんじゃないかなと思ったりしていて、
結婚式の二次会とか先輩の定年の総公開とかの感じをやることが時々あるんですけど、ああいうのって本当にストーリー作りじゃないですか、脚本を書きながら演出家もやり監督もやりみたいなものだと思っていて、
どこに山場を持ってくるかとか、誰に花を持たせる、誰にスポットライトを当てて、真面目、真面目、笑い、泣き、真面目、笑いとかわかんないですけど、そういう感情の盛り上がりポイントを持っていかなくちゃいけなくて、こんなの誰にも習ったことないのにって思いましたけどね。
そういうのも習えたらいいなって思ったのは、以前にクウォンさんっていう韓国の方、日本で出版されている出版社で、書店も持ってらっしゃるクウォンの社長にインタビューさせていただいたことがあるんですけど、韓国ってすごく今ドラマ、日本でも当たっていて、すごくヒットするパワーがあるじゃないですか。
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日本だけじゃないですけど、それって何でですかねっていうことをクウォンの社長に聞いたら、韓国は大学の授業としてエンタメの創作に関する授業が割と発達しているっていうお話をされたんですね。
もちろん日本でも文学科とかでそういう物語の作りだったり、過去の作品を分析するような授業はあるとは思うんですけど、韓国はもうちょっと国の産業としてエンタメが大事な産業っていうこともあって、ビジネスとして教えている感じがしましたね。
物語の中に社会的な要素だったり、今だとジェンダー問題、フェミニズムの問題とか、どのように主人公に投影して作品に組み込むといいかとか、それがどうやってドラマチックになるかっていうのもあるし、ビジネス的に成功するかっていうのもあると思うんですけど、
そういうふうに日本だと割と文学とか映画ってカルチャー、文化としてめでるもの、美しいものっていうような感じの側面が強いですけど、もうちょっとビジネス的に成功する、
ハウツーっていうとは言うんですけど、ノウハウを授業として教えるっていうのがあるのはすごくいいなっていうふうに思いました。
ちょっと話が逸れてしまいましたが、今日はこの物理学的ストーリー創作入門から紙フレーズをご紹介します。
最近何を書いているだろうか。実は書いていないんですというなら、あなたは何を待っているのだろうか。
技術はこの本に書いてある。好きなだけ使えばいい。女神もすごいアイディアも好きなだけ使えばいいのだ。
これはこの作者からお嬢さんへのメッセージとして書かれているんですけれども、ご質問をくださったザブトンネコさんはもうすでに書いていらっしゃる方だから、
もし聞いていらっしゃる方の中で小説とか私も書けるかもしれないとか書いてみようかなと思っている方がいらっしゃったら、
ぜひこの本を参考にするかどうかは別として何か一つ参考にする本をもとに書いてみられるといいんじゃないかなと思いました。
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この間で南京子さんという医療系の小説をおかけになる作家さんにインタビューさせていただいたんですけど、
その方はもともとは雑誌の編集者をやられていて、30代でお医者さんになろうって言って、
医学部に入って30代でお医者さんに転職されて、その後55歳で小説家デビューしたっていうね。
今もお医者さんもやりながら小説も書いていらっしゃるっていうことだったんですけど、
そんな風にこれからますます小説も書いているっていう、他に職業を持ちながら小説も書いているっていう方も増えるかもしれないですし、
南さんは小説を書いていることがお医者さんをやっていることのプラスになる部分もあるし逆もあって、
両方やれていることがすごく自分のパワーになっているっていうことをおっしゃっていて、すごいなと思いました。
今日はリクエストありがとうございました。皆さんも最後までお付き合いいただきありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は皆様からのお便りをもとに色々なテーマでお話したり、本を紹介したりしております。
みもれのサイトからお便り募集していますので、ぜひご投稿ください。
また水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみ。