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真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと河童です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜に、ホッとできて明日が楽しみになる、
おテーマに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第270夜を迎えました、今夜のお便りをご紹介します。
ペンネーム、ベニージャケ弁当さんからいただきました。
バタやんさん、こんにちは。
最近、ボイシーでこの番組を知り、過去にさかのぼって聞いています。
ありがとうございます。
突然ですが、バタやんさんは、最近の生きづらさ、
潜在産ブームについては、肯定派ですか?否定派ですか?
ほうほう、そうですね。
このポッドキャストでも、潜在産HSPに関する本を何回かご紹介したことがあるかもしれないですね。
肯定派か否定派かと言われると、考えちゃいますが、否定派では少なくともないですね。
ただ、自分自身が生きづらさを抱えているタイプか、
潜在産かと言われると、そんなことはないと思っています。
潜在ブルーことはありますけれども、
こんなふうに本名、出場を明らかにして発信したり、
喋ったりできるという時点で、あまり潜在産じゃないんじゃないかなと自分では思っています。
ある一定以上の鈍感さがある方だと思いますね。
それでそれで、ベニジャケ弁当さんのお便りに戻りますね。
私は子供の頃から物を自信ないタイプと言われてきました。
周りの大人や怖い先生にもバシッと物を言うので、
それを面白がられたり、クラスの男子には〇〇こえーとよく言われてきました。
女の友達からは重宝されることもあり、
自分でも甘んじてそういうキャラを引き受けてきたところもあります。
40を過ぎたあたりから怖いキャラが加速度的になり、
他の部署の偉い人たちが〇〇さんに話を通しておかないと怖いから、
なんて言っているのを聞き、利用されているように感じたりもします。
私も好きで怖いキャラを引き受けているわけじゃないのに、
気を使って言いたいことが言えない、繊細で本音を言えないタイプの人の
息づらさの方ばかりにフォーカスが当たっている感じに、
何とも言えない気通りを感じてしまいます。
こんな私は心が狭いのでしょうか。
私もずけずけ言いたくて言っているわけではないのに、と思ってしまいます。
でも〇〇さんははっきりしているからストレスがたまらそうだね、とか言われるともやもやします。
長々と書いてしまいました。
こんなもやもやをすっきりさせてくれる本があれば教えてください。
難しいお題ですみませんといただきました。
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ありがとうございます。
なるほど、このお便りが一つの小説を読んでいるようで、
興味深く読ませていただきました。
私は子供の頃はもう物おじもおじもおじも超おじって感じだったので、
集団の中で、あるいは大人に対してはっきり物を言うタイプじゃなかったから、
こういう人が、こういう子が周りにいると頼ってしまう側だったかもしれないなと思いながら読みました。
〇〇ちゃんが文句を言ってくれるだろう、みたいなね。
大人になってもそうかな。
予約した、例えばお店のふってぎわとかがあった時に、
〇〇アレルギーって伝えてありましたよね、とかって言ってくれる人がいると
ありがたいなと思ってしまうというか。
〇〇さんはきっとそういう時に言ってくれるタイプなんでしょうね。
でもそっか、好きでずっと引き受けているわけじゃないと言うとそうですよね。
みんなの期待を感じて、だから敏感なんですよね。
きっと場の雰囲気とか、自分の今日における立ち位置とか求められるキャラクターに対して敏感だから
そう振る舞えるところもあるのじゃないかなと思ったりしました。
そんなベニージャケ弁当さんに、今日の勝手に貸し出しカードは
夏原英二さんのかわいそうって言ってあげよっかという小説にしました。
今日は久しぶりに講談社の本です。
どんな小説かご紹介していきたいと思います。
夏原英二さんのかわいそうって言ってあげよっかは
大学時代の映画研究会サークルの友達5人の女性が出てきます。
1人が30歳の誕生日を迎えるのをみんなで集まってお祝いしているところから始まるんですが
5人はそれぞれワイン輸入業者で働いていたり
インフルエンサーになっていたり漫画家になっていたり
子供もいて専業主婦だったりとそれぞれの道を歩んでいて
だけど今も時々集まるぐらい仲良しという設定なのかなと思いきや
それぞれにお互いあまりよく思っていないところがあって
実はあまり仲良くないのかなっていうのが徐々に明らかになっていきます。
この小説は長編なんですけれども
1章ごとに1人ずつフォーカスが渡っていく形式になっていまして
こうやって仲良さそうに見えてもそれぞれの本音は違うよっていうのを
順番に描いていくのかなっていうふうに予想を立てながら読むんですけど
30歳ぐらいって地元の同級生とか同期とかでも
違いが一番くっきりする時期なのかもしれないですね
結婚してるしてないとか仕事がうまくいってるかいってないかとか
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比べちゃいがちですし
もうちょっと年を重ねると仕事がどうとか
結婚してるしてないとか子供がいるいないとかがまた混ざり合って
また仲良くできたりもするんですけどね
一番ちょっとバラバラになっていく瞬間なのかもしれないですとか思いながら読みまして
登場する5人の女性たちはみんなそれぞれに生きづらさを抱えていて
誰かに対しては劣等感を抱いたり
周りに利用されていると感じていたり
精一杯に生きてるんだけど
そんなこう人にはいえないものを抱えていたり
こんなはずじゃなかったみたいな気持ちを抱えたりしていて
そんな女性たちの本音に寄り添う連作短編集かと思いきやですよ
思いきやなんですよ全然違うんですこれがびっくりしますね
そういう小説だと期待して読むと全く裏切られるんです
この小説女性の生きづらさを描く繊細な連作短編集なんかでは全然ないんですよ
表紙もそういうタイプじゃないのでちょっと気づきかと思うんですけど
途中からホラーなのか最高な小説だったのかってなっていってですね
5人の女の人たちは一人ずつ順番に消えていってしまうんですね
5人5人とここまで何回か強調しましたけれども
実は大学時代の映画研究のサークルでは6人の仲良しグループだったようなんですよ
ということが分かってそのもう一人はどこに行ったんでしょう
30歳のバースデーパーティーになんでその子は来てなかったんでしょうか
というこれ以上はここでは言わないでおきたいと思います
最後まで読んでベニジャケ弁当さんの流位が下がるかどうかはちょっと分からないんですけれども
ああそういう話だったのかっていうそっちを叩くんじゃなくて
こっちを叩く話だったのかというちょっとした驚きと快感はあった気がしますね
結構残酷な復讐劇なので賛否あるかなと思いますし
ああスッキリしたっていうタイプでもないんですけれども
この後味の悪さも含めてぜひ楽しんでいただけたらと思います
今日はこちらのかわいそうって言ってあげよっかから紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います
サバサバという言葉が女の属性を表すようになったのはいつからだろう
私はこの言葉がたまらなく嫌いとあります
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そういえばあの人ってすごくサバサバした男の人ですよね
とか言わないですよね男の人にはサバサバって使わないね確かに
サバサバした男の人っているかな
いない気もするしサバサバした女の人っていうのも実際にはあんまりいない気がしますね
自分で私サバサバしてるからっていう人も少なくなりましたよね
昔のドラマみたいな感じかな
サバサバしている女の人がいないようにズケズケ言う女の人も実はそんなにいないんじゃないかという気もしますね
人を傷つけたくてズケズケ言ってるわけじゃないっていうことは
多分ベニジャケ弁当さんの周りの人は気づいていて
そういう役割を買って出てくれてるんだなってことは
みんなも気づいてるんじゃないでしょうかね
今日はお便りをありがとうございました
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです
またお便りぜひ送ってください
これ読まれたら感想も伺ってみたいなと思いました
さてそろそろお時間になってしまいました
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それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう
おやすみなさい
おやすみ