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2022-11-30 13:27

SNS中毒を脱する鍵と、手さぐりですごしてきたここ数年で良いほうに変わったこと【第113夜】

今夜の勝手に貸し出しカードは、柚木麻子さんの『とりあえずお湯わかせ』です。
番組へのリクエスト、ご感想はInstagramのアカウント@batayomu までお寄せください。
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真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜では、
水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる、
をテーマに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
こんばんは、先週はリニューアル第1回にたくさんの反響ありがとうございました。
こんなに待っていてくださった方がいたなんて正直びっくりしたというか、
こんな地味な番組を覚えてくださってありがとうございます。
また寝落ちメディアとして、心地よい寝落ちに小さく貢献して参りたいと思います。
さて、今夜のお便りご紹介します。
はちきょんさんからいただきました。
リターンズ嬉しいです。過去の回を何度も聞き返したりしていました。
ありがとうございます。
バタやんさんの紹介を聞いて、読みたい本がいっぱいなんですけれども、
正直に告白すると買ったままつんどくで全然読めていなくて、
気づくとスマホばかり見てあっという間に時間が過ぎていきます。
そんな私のリハビリ用におすすめの本はありますか?といただきました。
私もそんな読書家ですみたいなふりをしていますけれども、偉そうなことを言えたからじゃなくて、
休みの日とか気づくと日がなスマホばかり眺めています。
あとはYouTubeですね。エンドレスYouTubeですね。
もうリコメンドも同じものばっかりになっちゃって、いやいや見てるみたいだね。
じゃあやめたらいいのに何でしょうね、あれね。
さてそんなはちきょんさんにぴったりのおすすめの本があります。
今夜の勝手に貸し出しカードは、ゆずきあさこさんのとりあえずお湯沸かせです。
どんな本か。
あ、今これを聞きながらちょうどお家にいらっしゃる方は、とりあえずお湯沸かしながら聞いてください。
ゆずきあさこさんのとりあえずお湯沸かせは、2018年から2022年の3月までの、
まさにコロナ禍に突入して世界が一変していく中で綴られたエッセイ本です。
そうは言ってもなんだかんだ楽しんではいる。
お家時間をしなやかにエンジョイする爆笑ママエッセイ。
と表紙そうな連中にとりあえず湧いたばかりのお湯をぶっかけてやるって後書きに書いてあったのに、
吹き出したのでとりあえずそのまま紹介しました。
お湯はかけないで、ポッドキャストの収録している機材が壊れてしまう。
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っていうちょっと辛口なスパイスも随所に聞かせつつのニヤニヤしながら、
コロナ前と外出がかなり制限されてた時期もありましたしね、
いつ終わりが来るんだろうって刻一刻と変わっていく感じを一緒にリフレインできてしみじみしました。
子育てをされている中で、よりなかなか外出とか飲みに行ったりとかができない中で楽しみを見つける話もすごくリアルで共感する部分もありつつ、
この連載をネットでリアルタイムで読みたかったなーって思いつつも、
ちょっと経った今だからこそ今まとまって読む本で読む良さを実感したりしました。
この4年間の変化についてゆずきさんが前書きでこのように語っていらっしゃいます。
ああ確かにってすごく納得したのでちょっと読みますね。
だがしかし私はこの失望の4年間をぼんやり振り返るうちに多少だけれど良い変化があることに気付く。
まず私の小説の読まれ方が変わってきた。
以前は女同士のドロドロと評されていた同じ作品がシスター・フッド・フェミニズム・エンパワーメントとポジティブに受け入れられるようになった。
私の力ではなく女同士の映画や小説がぐんと増えたおかげだと思う。
同世代の女性の編集者さんが出世したり私が仲間だと思っている同業者たちが次々に評価されたりするようになって
デビュー時に比べとっても仕事がしやすくなったとあります。
確かにゆずきさんといえばナイルパーチの女子会が私も大好きですけれどもそういった印象が強くて
女同士のドロドロ、マウンティングみたいな切り口で取り上げられることが多かったかもしれないですね。
少し前までは世の中的にもインスタ映えとかマウンティング、ママともドロドロみたいなのがトレンドでもあったし
女が3人集まればドロドロすんだろうみたいな2対1になって影口言うんでしょって感じだったけど
今は女が3人集まればシスターフッドっていう感じですよね。
シスターフッド萌えというかシスターフッド風味という意味で一番好きな章を紹介したいと思います。
大好きで何度も読み返して読むたびにちょっとくすっと笑える章です。
タイトルは一番好きな料理は何ですかという章です。
これはですね作家の島本梨央さんが直木賞を受賞された時の会見である男性記者に浴びせられた質問に
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怒りが思い出すたびに怒りがムラムラ湧いてくるっていう話なんですけど
その男性記者が何て聞いたかっていうと旦那さんの一番好きな料理は何ですかっていう質問をしたらしいんですね。
この直木賞を取られたのはファーストラブですかね。
ファーストラブを読んでどうしてどういう意図でそんな質問をしたんだろうって私も思いますけれども
島本さんは戸惑いながらもう何だろうカレーですかねとお答えになったらしいんですが
それを思い出しながら柚木さんは怒っていらっしゃって
そしてご自身がもし自分の会見で旦那さんの一番好きな料理は何ですかって聞かれたら
何て答えるのかっていうのを35通り勝手に考えてみたっていうのが書いてあります。
質問をずらしてではあなたの好きな料理はって聞き返すみたいなバージョンから
マジレスとしてこの質問は不適切ではないでしょうかって返すとか
個人的にはこれでいきたいっていうのは何かっていうと
私が男性の作家だったらあなたはそんな質問をするでしょうか。
確かにそう言ってほしいですね。
あとは今回の作品の話をしていただけるとありがたいんですがみたいなのが一番あり得るでしょうかね。
味切れ系が結構好きですけど私はカメラマンさん私じゃなくてあちらの記者を映してくださいとかね
すごい記者会見で聞かれた
どういう意図でそれ聞いたんですかっていう質問に何て答えるかっていう妄想は結構楽しいなって思いながら
一個一個想像して自分だったら何て言うかなって思ったりして読んでいったんですけれども
最後にねちょっとネタバレになっちゃって恐縮なんですが
私が夢見ているのは私が質問にうまく答えられず困惑していると
記者席からすっと一人の女性が立ち上がりよく通る声で言い放つこんな光景だ
そんな質問答えなくていいよゆずきさん
そこに立っていたのは静かな目をした島本リオさんだった
私たちは見つめ合った記者たちのざわめきが波みたいに引いていった
無邪気の間はもはや私と彼女の二人だけ
最後はさすが急に小説の1シーンみたいになって終わるんですけれども
ちなみに島本さんにこの中身の許可を取ってあるそうで
そこも含めてキュンとするっていうかシスターフット萌えがある箇所で大好きなんです
ちょっと話がそれますけれども島本リオさんは1983年生まれで確か立教なんですが
ゆずきさんも1981年生まれで立教の普通文化卒なんですよね
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少し前に立教大学で卒業生の講演に出ていらっしゃったのを私も聞きに行ったので
はっきり覚えているんですけれども
私自身も79年生まれで立教だったので
ギリギリ在学中が重なっているんじゃないかと思ったりしたわけです
もしかして同じ時間同じ空気を吸ってたのかなとか
考えながら島本さんとゆずきさんのエッセイとか小説を読みながら
もし同じ時間に学職にいたかもしれないとか思ったりすることがあります
もしも大学中にお二人と友達になれていたら
私の大学生活ももっと違ったんじゃないかと
文学少女的にはそんなシスターフットな妄想をしちゃいますけれども
そんなふうに皆さんも年の近い有名人とかファンとして応援している人とかと
もし同じクラスだったら友達になってたかなっていう想像をしたりすることありますか
意外と同じグループにはならないかもしれないなと思ったりするんですよね
結局ちょっと遠くで見てるとか同じ本読んでるって思って
感動するけど声はかけないぐらいの距離感なんじゃないかと思ったりします
ちょっと話がそれましたけれども今夜の紙フレーズをご紹介したいと思います
思うにSNS中毒を脱する鍵は私が中毒なのは仕方ないかもと
一回自分を認めてあげることではないかと思う
自己嫌悪が消えない限り自己嫌悪を解消してくれそうなコンテンツを求めて
ずっとネットを徘徊することになるからだ
これを読んでいてもし焦ってしまう人がいたらもう一度繰り返すけれど
スマホ中毒を脱しても私あんまり暮らしはからなかったから大丈夫ですよ
というわけでゆずきさんはスマホ中毒を少し脱したっていうお話が書いてある章なんですが
そうですねこの2、3年は私もスマホを見ている時間は一生で一番長かったかもしれないと思い返したりしました
でもねこの章の一個前の章のコメントの中でこうやって振り返ると
40年間の人生で私が一番短期的に成長したのがこの年だったのではないかっていうコメントがあるんですけれども
それにも少し共感するというかゆずきさんと同じようなことをしていたわけではありませんけれども
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短期間でいろんなことが変わって考え方とか価値観とかの整理がついて
短期間に一番成長した1年数年だったかもしれないなと私も思いました
とはいえこの本自体はそんなに深刻なというよりは
久しぶりに読みながらこんなにコロコロと声を出して笑ったなって思える本で
そうかそうだ女友達と飲みに行ってちょっと辛口な軽口というか悪口を言いつつ笑い合うみたいなやつを
ずっとずっとやってなかったなっていうのを思ったのでした
ハチキョンさんにも楽しんでいただけるといいです
メッセージありがとうございました
さてそろそろお時間になってしまいました
今夜も最後までお付き合いいただきありがとうございます
真夜中の読書会おしゃべりな図書室はリスナーの方からのお便りをもとに
おすすめの本や漫画をご紹介しています
インスタグラムバタヨムから是非メッセージを寄せください
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう
おやすみなさい
おやすみ
13:27

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