友人が肥満になると、自分も肥満になるリスクが57%上がる。
ハーバード大学とUCサンディエゴの研究者が、1万2,067人を32年間追跡して出た結論です。
逆に言えば、健康的な習慣を持つ人と関わることで、自分の習慣も良い方向に引っ張られる可能性がある。
「誰と一緒にいるか」は、食事や運動と同じくらい、体に直接影響を与えているかもしれません。
そして孤独は、お年寄りだけの問題ではありません。
ハーバード大学の調査では、20代の61%が「深刻な孤独感を感じている」と回答。
日本でも約2人に1人が孤独を経験しているというデータがあります。
忙しい現代人ほど、実は孤独を抱えやすいのです。
今回は、社会的つながりと長寿・健康に関する研究をもとに、「誰とつながるか」を意識するブルーゾーンの知恵をお届けします。BZ(ブルーゾーン)リストの作り方、ライフステージによってつながりを見直すこと、30分の対面じゃなくてもいいという話も。
■ このエピソードで話していること
・友人の肥満が「うつる」という衝撃の研究(NEJM, 2007)
・孤独は20代・50代にピークを迎える:現代人と孤独の実態
・ハーバード大学バークマン教授の研究:「密度より存在」が大事
・女性が長寿な理由:サポートシステムの強さ
・BZリストの作り方:「こうなりたい」と思える人を選ぶ
・一緒にいたくない人を避けることも、同じくらい大事
・ライフステージが変わるごとに、つながりを見直していい
■ こんな方におすすめ
・忙しくて人と会う時間がなかなか取れない方
・人間関係を整理したいと感じている方
・子育て・転職・引越しなどライフステージの変化を迎えている方
「深くなくていい、何らかのつながりさえあれば」——その小さな積み重ねが、長く健康に生きることにつながっています。
▷ 関連エピソード:#009|孤独は1日15本のタバコと同じ:健康の土台になる人とのつながりの力とは?
https://open.spotify.com/episode/3d6dksHL16b8gQ9de3lta9?si=f4ETQIL9SDGRyFlmpag74Q
■ 参考文献
① 孤独と死亡リスク(前回エピソード#009でも使用)
Holt-Lunstad, J., Smith, T. B., & Layton, J. B. (2010). "Social Relationships and Mortality Risk: A Meta-analytic Review." PLoS Medicine, 7(7): e1000316.
https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1000316
② 肥満の社会的ネットワークによる伝播
Christakis, N. A. & Fowler, J. H. (2007). "The Spread of Obesity in a Large Social Network over 32 Years." New England Journal of Medicine, 357, 370–379.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsa066082
③ 社会的つながりと死亡リスク(バークマン教授の研究)
Berkman, L. F. & Syme, S. L. (1979). "Social Networks, Host Resistance, and Mortality: A Nine-Year Follow-Up Study of Alameda County Residents." American Journal of Epidemiology, 109(2), 186–204.
https://doi.org/10.1093/oxfordjournals.aje.a112674
④ 現代人の孤独(若者・働き世代)
Harvard University "Making Caring Common Project" (2021). "Loneliness in America: How the Pandemic Has Deepened an Epidemic of Loneliness and What We Can Do About It."
https://mcc.gse.harvard.edu/reports/loneliness-in-america
⑤ 孤独が最も深刻な年代(20代後半・50代半ば)
Cacioppo, J. T. et al. (2010). "Loneliness as a specific risk factor for depressive symptoms." Psychology and Aging, 25(1), 132–138.
⑥ ブルーゾーンの知恵
Dan Buettner「ブルーゾーン セカンドエディション——世界の100歳人に学ぶ長寿の秘訣」(DHC)
⑦ 女性の長寿とサポートシステム
Robert N. Butler, M.D.(老年医学研究者)/ 広瀬裕二博士(日本長寿研究)
【パーソナリティ】
稲墻麻子 / Asako Inagaki
自分に合った調子のよさを見つける「自分のトリセツ」づくりの伴走者。
心や体の状態だけでなく、仕事、人間関係、環境など、暮らし全体を整える視点から、自分らしく心地よく生きるためのサポートを行っている。
高校・大学時代をアメリカで過ごし、外資系金融・コンサルティング・FinTech企業でマーケティングや顧客エンゲージメントに携わる。
その一方で、フルタイム勤務中に経験した心身の不調をきっかけにホリスティックヘルスを学び始める。
心と体、思考、人間関係、環境、仕事、学び、Joy(喜び)など、暮らしに関わる12の要素を統合的に見つめ直し、自分に合った「調子のよさ」を育てていくホリスティックアプローチが特徴。
現在は、パーソナルセッションやグループセッション、企業向けワークショップ、親子プログラム『OYA to KO』など、多層的に活動を展開。
日本に暮らす外国人への英語プログラムや多国籍チーム向けの企業研修も行い、ヨガや呼吸法、食のアプローチを取り入れながら、科学的な知見と日常の実践をつなぐスタイルで伴走している。
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サマリー
このエピソードでは、人間関係が私たちの健康や習慣に与える影響について掘り下げます。友人の肥満が自分に伝染する可能性があるという研究や、孤独が現代人に広がっている実態を紹介。ハーバード大学の研究に基づき、つながりの「密度」よりも「存在」が長寿に重要であること、そして女性が長生きする理由としてのサポートシステムの強さを解説します。さらに、ブルーゾーンの知恵として、価値観を共有できる人を選ぶ「BZリスト」の作成、一緒にいたくない人を避けること、そして形式にとらわれず日常の小さなつながりを大切にすることの重要性を説きます。最後に、ライフステージの変化に合わせてつながりを見直し、感謝の気持ちを持つことなどを提案し、他者の健康も作るという視点を持つことを促します。