蕎麦の特性と収量の関係
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さて、今日のオモテじゃ語れないトークは、
◯◯は大規模で作った方がたくさん取れる、というテーマでお送りいたします。
この◯◯、一体どんな作物の名前が入ると思いますか。
これ一見すると矛盾してますよね。
多くの作物は大規模で作るほどに収量は上がらない、むしろ減ってくる傾向にあると思います。
なぜなら、大規模で作ると、もろもろいろんな作業が適期にできなくなるからです。
例えば、ハッシュするにしてもこの時期がピンポイントで一番いいというのがあったり、
防除するにしてもこの時期が一番いい、この日が一番いいというのがあるんですが、
大規模になるほどその時期、その一日だけじゃ作業が終わらなくなってきますよね。
なので、一週間ずれ込むとか、天候によってはずっと防除ができなくて、
その日のタイミングでできたのは補助何枚だけだったというような感じで、
そこだけはもちろん抜群にいいかもしれませんけど、後にずれた補助だとか、
前もって早めにスタートしておいた別の補助はベストのところに比べたら無駄になっているとか、
そういうことがたくさん起こると思うので、基本的には大規模に作った方が収量は落ちやすいというのが一般的な考え方かなと思います。
しかし、私が今回テーマに取り上げている作物は、大規模に作った方が収量が取れるというか、
実体安定するといった方が事実に即しているかもしれませんね。
ただ安定しているといっても、低収量で安定していてはしょうがないので、
多収でかつ安定しているというふうに捉えても過言じゃないかなと思います。
もったいぶってますが、○○に入る作物は蕎麦です。
蕎麦は大規模に作った方が絶対に安定すると私は考えています。
蕎麦という作物の時点で、もしかしたら大多数の人は無関係かもしれませんが、
上川とか蕎麦地、とか地でも新徳とかは蕎麦の名産地ですよね。
それから、営業な気候の場所も蕎麦というのは適切な栽培環境にあるかなと思うので、
全道的におそらく蕎麦というのは作付けされていると思うのですが、
特に大規模というとホロカナイとか新徳なのかなと思います。
この辺りで蕎麦を安定して取っている人たちの作業体系とか話とかを
色々聞いていると、私の感覚として圧倒的に大規模で100兆クラスで
100ヘクタールクラスでやっている人の方が収量性が高いなというような印象を受けます。
圧倒的に多いです。10兆とか20兆とか、それでも結構大きいんですけど、
年配の方で高齢になったからちょっとでも楽な作物を作るために蕎麦を作ったというパターンでは
7、8兆というケースもあると思うんですよ。
この場合は、結構天候によって良い年もあったり悪い年もあったり、
かなり影響を受けます。天候の影響を受けます。
ところが大規模に作っているとあまり受けないかなというような感覚が私は持っているんですよ。
その理由をちょっと今回は解説していこうかなと思います。
自分のご自身の経営する作物の中に蕎麦がないという方もいるかもしれません。
そういう方はこの配信は関係ないやって待ってください。結構関係あるんです。
なぜこれ収量が安定するのかというところが結構大事なんですよ。
蕎麦というのは具体例の一つであって、実はこれ他の作物でも結構共通するところがあるんじゃないかなと
思うんですよね。なのでなぜ蕎麦が安定するのか。
そしたらこの作物ももしかしたらこうだよねっていうのが考えてそこに思いを馳せてほしいというか
思考を持っていってほしいんですよね。
なので蕎麦をサクつけしない人もぜひ聞いてもらえたらなと思います。
ではその蕎麦が大規模で作った方が収量が安定するというのは
ポイントはもうたった一つです。これしかありません。
大規模栽培の利点
私が考えているのはロングランで波手をしなきゃいけないからです。
長い時間かけて波手をずっとしていかなきゃいけないんですね。
この日から例えば1日から6月の下旬ぐらいから波手がスタートするケースが
多いんじゃないかなと思うんですが、小規模であったら2、3日で終わるかもしれませんね。
大規模であったら1週間、2週間で終わらず1ヶ月ぐらい波手に時間がかかったっていうケースも
多々あると思います。もちろん天候の影響があって1週間休ませたら終えなかったとか
乾くまで待ってたら結局最後は7月の末ぐらいになってしまったとか
というのが多々あるんですよ。そうなると面積が大きい方って
やっぱり適期よりも多少早く始めると思うんですよね。
なので早巻きからスタートして遅巻きまでずっと全部対応しているというか
結果的にずっと波手をしていることになるんですね。
これが結果的に良い終了に結びつくと思っておりまして
ちょっと語弊があるんですけどね、こういう言い方をすると
蕎麦って巻く時期によって今年は早巻きが良かったとか
遅巻きが良かったとかっていうのがありますよね。
これ結果論であって狙ってできることじゃないんですよ。
早巻きの方が良い年もあれば、遅巻きの方が良い年もあり
今年はどっちか分からない中でどうしようかな、今年は早巻きでいってみようかな
その方が結果的に早く巻いて失敗はしづらいだろうし
遅く巻いて失敗することもあっても、いろいろ考えを張り巡らせるんですけど
結果的にはもはや天候を任せになってしまうのが蕎麦なんですよね。難しいですけど。
となると早くやるか遅くやるか2者卓一、爆地状態になっているわけです。
ギャンブルですね。早く巻くか遅く巻くか、どっちにベッドするかの問題なんですよ。
一方で面積がたくさんある方、大規模の方はずっと早くから遅くまで
ずっと波処していなきゃいけないんで、もはや選択の余地がなくずっと波処しているんですね。
なので安定しているんです。いい年もあれば悪い年もあるではなくて
早巻きがいい年もあれば遅巻きもいい年があるんで、どっちもやってるんですよ。
ということは早く巻いた方は当たったけど遅く巻いた方は外れた。
ということで2つを合わせて平均出すと大体1秒半ぐらいで落ち着いたという年が圧倒的に多いんですね。
その年の天候というか作業によっては2秒弱ぐらいで安定してるねという年もあれば
今年は1秒ちょいぐらいで留まっちゃったなという年もあるんですけど
1秒なかったわとか3秒近くでずっと止まっているとか
そういうこともなかなかないんですよね。
なので大ぶれしにくいかもしれませんが大崩れもしないっていう
そういう安定性が大規模の蕎麦栽培には起こり得るのが結構普通なんです。
なので今回はそもそもどうやったら収量が半秒とか1秒とか上がるのかという話ではなくて
単純に大規模にやればこういうことになりやすいという年
ここをまず抑えておきましょうということです。
農業経営の選択肢
ここまでが蕎麦に関するお話でした。
ここから応用していきましょう。
蕎麦がそうであるならばこの作物もそうなんじゃないのっていうのが
皆さんの頭の片隅に思いつきますか。
基本的に生育の期間が短い作物ですね。
これはいつ巻くかが結構重要ではなかろうかと思います。
例えば遠藤豆のような斎藤類っていうのは生育期間が結構短いですよね。
なので早巻きをすることが多いと思うんですが
その雪が溶けてすぐ巻いた方がいいっていう作物はおそらくそうなんでしょうが
別にそこまで早く巻かなくてもいい豆類もあったりしますよね。
他にも例えば芋。
芋って和製の品種は早く巻くけど奥手の品種は遅めに巻きますよね。
多少の差かもしれませんけどね。
一つの品種に絞るとやっぱり当たるときもあれば外れることもあります。
2、3品種やっておくと早い品種から遅い品種まで
3つぐらいやっておくとどれかは当たるでしょうし
どれかは外れるかもしれないっていうのはボコリ言えますよね。
そうするとどこかで外れてもどこかで取り返せるっていう
そういうリスクヘッジができるわけです。
一発狙うっていう人はギャンブル思考の高い人は
この考え方にはならないかもしれませんけど
経営ってそんなギャンブルするもんじゃないと思うんです。
ギャンブルしたい人はそれこそギャンブルやってください。
農業経営でギャンブルは良くないと思いますので
そうではなくて和製の品種から奥手の品種まで
2つ最低2つは作ることによって経営は安定します。
どこかがこけてもどこかで取り返せるということになるわけです。
もちろん品種を複数作ると手間が増えたりとか
コンタミン問題が出てきたりだとか
いろいろ余計なコスト労働がかかったりすることもあると思います。
なのでトータルどうするかは最後経営判断になります。
そこは個々の皆さん経営者さんの判断になるので
私がどうこういうことはできませんが
そういうことをいろいろ考えながら選択肢として
こういうこともあるよねっていうのを
たくさん私は提供したいなと思っています。
切れるカードが多い方が経営っていうのは面白いと思います。
だしリスクもこれぐらいならいいかなっていうのを
判断できるかなと思いますので
そういう意味で経営のヒントになることを
私はお話ししていきたいなと思っています。
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では引き続き農業経営の価値筋を一緒に考えていきましょう。
ではまた。