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おはようございます、あさひです。
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さて、今日のオモテじゃ語れないトークは、
石灰過剰時の考え方
pHは低いけど石灰過剰の場合というケースでお話ししていこうと思います。
しばらく土壌診断書の読み方に関連する内容でお届けしようかなと思っております。
pHについて先日お話ししましたが、
基本的にはpHが低い場合、石灰塩も欠乏しているというような相関関係が見られるのが普通ではないかなと思うんですが、
まれにpHは低いんだけど石灰値は過剰なんだよねっていうケースも存在するかなと思います。
もう係数スタディですね。
こういう時、我々はどういう手立てをするのがベストなのか、ここについて解説していこうと思います。
さて、皆さんならどうしますか。
いろんな考え方があると思うんですけど、pHは低いけど石灰が過剰だから、
もう石灰は入れられない、もうしょうがないからこのままいこうっていう風に考えますか。
それとも石灰値を無視してpHが大事だから石灰を売りますか。
いろんな考え方があると思うんですよね。
私の考えは2つあります。
1つはまず石灰値を無視してpH強制をするという選択肢。
さっき後半でお話ししたような交渉に当たるものですね。
石灰よりもpHの方が重要性が高い。
だから石灰値は無視してpHを上げるんだというような考え方です。
これも1つです。
2つ目に石灰以外でpHを上げるという考え方です。
え?って思う方もいるかもしれません。
そんなことできるの?って思う方もいるかもしれません。
私も最初そう思っていました。
石灰以外でpHを上げることができるのかというのはしばらく知りませんでした。
道場の勉強をしたから知った話なので、
もしかしたら意外と知られていないのかなと思いましたが、
農業に携わっている皆さんであれば常識の範疇かもしれません。
人それぞれこの辺の知識レベルには差があると思いますので、
知っている方はちょっと許してくださいというところで、
こんな内容でお送りしていきます。
まず1つ目の石灰が過剰でもその石灰値を無視してpHの方が重要だから石灰は売れるんだという考え方ですね。
これは理にかなっています。
なぜかと言いますと、本当に石灰の過剰性よりもpHが低いことの害の方が作物にはダメージが大きいからです。
色々な作物、植物、それぞれ適正pHというものがありますね。
水道であればpH5から5.5くらいの割と酸性の範囲でも生育していくことができますが、
例えばビートとかキャベツとかそういう油中野菜なんかは特にそういう低pHにはちょっと耐性が低いです。
非常にアルミニウムに弱いというような性質を持っています。
なので一概に絶対とは言えませんが、作っている作物、その補助で作る作物が野菜料理だったりビートだったり、
こういう場合には石灰の値が過剰であってもpHの方が重要なので石灰を入れていきましょうということになります。
こっちの方がまだ生育は十分期待できるんじゃないかなと私は考えます。
ビジネス用語で言えばトレードオフの関係ですね。石灰かpHかいずれかを取るのであれば絶対に優先順位高いのはpHだというように覚えておく必要があります。
それぐらいpHというのは重要な指標です。
pHが低いとどうなるのか、それについては理由を3つ解説したポッドキャスト配信を確認していますので、
そちらを聞いていただければいいかなと思います。
pHを上げる方法
次ですね、2つ目、石灰以外でpHを上げるというやり方についてお話しします。
これ知っている方は素晴らしい、ぜひやってください。
知らない方はぜひこのやり方、考え方を取り入れていきましょう。
これちょっと話すと長いんですけど、土壌というのは水素イオンが含まれています、土壌中には。
この水素イオンの値、水素イオンが多ければ多いほどpHが低いというような現象が起きています。
深く話をすると化学の話になるので、好きな方は専門書とかそういうもので学んでください。
僕らというか農業に関わっている方の多くは別にそんな化学式とか化学の世界にそこまで重要性はないと私は考えていますので、
どちらかといえばそんな理屈よりもそういうものなんだというふうにまずは理解することの方が大事かなと思っていますので、そこの詳しい説明は省きます。
水素イオンが多いほどpHは低いんです。酸性になってくるんです。
そういうものであるということでまずは抑えておいてください。
ではここまで聞いた方は水素イオンを減らせばpHは上がるというふうに分かるはずです。
ではどうやって水素イオンを減らすかといえばここで石灰など塩基を入れることによって水素イオンを追い出すということができるんです。
この水素イオンはプラスに加減しています。
もう一部の人はこのプラスに加減しているとかプラスイオンとかっていうのが表現がもはやアレルギーかもしれませんが、難しい話はしません。
分かりやすくお話しますのでここで投げ出さないでください。
水素イオンはプラスに加減しています。
そして土の粒子というのはマイナスに加減しています。
このプラスとマイナスで手を握り合うこと握手することによって水素イオンが土に吸着されているとくっついているというようなイメージをまず持ってもらいたいなと思うんですね。
この握手しているプラスイオンの水素イオンを追い出すために石灰を入れるわけです。
石灰もプラスに加減しています。
CAプラスっていうように頭に思い浮かべてください。
このCAを土に投入することによって水素イオンHを追い出します。
こうすることで水素イオンが減るのでペーハーが上がってくるということになるんですね。
水素イオンが少ない方がペーハーが高いですから水素イオンを追い出してそれを追い出すためにカルシウムを使ってペーハーを上げるというのが科学的に解説した土壌ペーハーを上げるというような内容になっています。
追い出す方法の選択肢
ただし今回のケーススタディーでは石灰が過剰なんですね。
カルシウムを入れてHを追い出したい水素イオンを減らしたいんだけどでもカルシウムですが過剰になっているというような状況です。
さてどうするか。
さっきボソって言ったんですけど塩基と言われるカルシウムそれからマグネシウムそれからカリウムこの3つは塩基と言われているんですがこの3つはプラスに加減しています。
プラスイオンを持っています。
持っているという表現が正しいのかどうかちょっと置いておきますが要はプラスなんですね。
なので土マイナスと握手できるんです。
だから土で保持できるんですね。
でもうここまでいったら分かるかもしれません。
別にカルシウムじゃなくても追い出せるんです。
水素イオンをHを追い出せるんですね。
ということでマグネシウムやカリウムを是非することでもペーハーを上げることができるんです科学的には。
実際にそれ可能です。
なぜでも石灰でペーハーを上げることが今一般常識となっているのか。
土壌のpHとカルシウムの関係
それはですね基本的に日本の土壌がペーハーが下がりがち。
酸性雨だとかあと肥料の価格肥料の過剰だとかでペーハーが下がりがちになっておりましてその状況で石灰が一番必要な要素と言われているからですね。
塩基バランスというものを考えても石灰クトカリ今お話ししたプラスに加減している塩基。
この中で一番たくさん必要なのは石灰ということになっています。
5対2対1なんていうふうに言われてますが石灰クトカリの値は5対2対1って言われたりしますがここで大事なのは石灰が半分を占めるということです。
だからまずペーハーを上げるためには石灰を入れましょうというのが常識になっています。
だけどその石灰が過剰であるならクドやカリを使って水素イオンを追い出しましょうという発想に今度はシフトしなきゃいけないわけですね。
ということで皆さんの母上診断書どうでしょうか。
見ていただいて石灰が過剰ですかペーハーが低いですかそういう場合がもしあるならばマグネシウムやカリ、クドとカリの値はどうでしょうか。
ここでもしどちらかが過減値を下回っている欠乏している状態であればまさにそこを責めるところです。
カリシウムが過剰であるならばマグネシウムを入れることによってペーハーを上げることができます。
逆に欠乏していなくても過剰までいっていないのであればマグネシウムやカリウムを入れることがまだまだ可能です。
さらに言うならばカリシウムが過剰であると石灰が過剰であるということはこの塩基バランスがもしかしたら崩れているという場面もあるかもしれません。
5対2対1ってさっき言いましたがこの5を遥かに超えて7とか8とかにもし行っている場合
今度はバランスの関係でクドやカリが吸われにくくなっている可能性があります。
だとしたらクドやカリを入れる方が理にはかなっています。
そうすることで吸われにくくなっているクドやカリを吸われやすい状態にすることとペーハーを上げることが一石二鳥でできるわけなんですね。
この塩基バランスというものは諸説あります。
一般的には5対2対1みたいに言われますが5対3だったりしますし
ここは専門家によって少しずつニュアンスが変わってくるので一概にこれということは言えないんですけど
一般論としては5対2対1ということで頭の片隅に入れておくといいかなと思います。
土壌診断書を見てもこの塩基バランス、クドカリ比とか書かれていると思いますが
ここを見ることでだいたい割合を考えることができますね。
ということが今日の内容の以上になります。
土壌改善へのアプローチ
一つ目まずは石灰の値を無視してペーハーの方を大事にして石灰を投入するというやり方を見限るということですね。
二つ目石灰以外でペーハーを上げるというやり方。
この二つの選択肢がありますのでよりペーハーは他の値よりも大事なので
ここをおざなりにはできないということは覚えておいてほしいんですが
それにしてもペーハー一つ語るにしてもたくさんの要素が出てくるわけです。
登場人物としてペーハーを語る上で石灰だけではなく
実はクドやカリも関係してくる。他にもアルミニウムが絡んでくるとかいうような感じで
一つだけの観点で物事を見てはなかなか正しい土壌解除というのはできないということが分かりますよね。
すごく覇面的な要素があるわけです。
いろんな要素が複雑に絡み合っているんですね。なので土作りって本当に難しいです。
次の配信では今日の逆バージョンを考えてみようかなと思います。
ペーハーは低いんだけど石灰は過剰というのが今回でしたが
次はペーハーは高いんだけど石灰は欠乏している。
こういう状態でペーハーの方が大事なんだよね。でも石灰欠乏してるんだけど入れられないですよねっていうことも
結構これは資設園芸に多く見られるパターンかもしれませんね。
路地物よりはハウスの方がこういうことが割合多いかもしれません。
こういう場合どうしたらいいのかというのをお話ししようかと思いますので
気になる方はぜひフォローして次回の配信をお待ちください。
もし配信のテーマで皆さんからリクエストがあればどしどしコメントをお寄せいただければ
可能な限り取り上げたいなと思いますので私の方にメッセージを送ってください。
一緒に農業の勝ち筋を探していきましょう。
ではまた。