土壌診断書の基本
おはようございます、あさひです。
このチャンネルでは、農界で居住する業者だけが知る情報や、経営がうまい生産者が実践するテクニックなど、知っているようであまり知られていない話を、私独自の視点で語っていきます。
さて、今日のオモテじゃ語れないトークは、土壌診断書の読み方シリーズの第3弾、リン酸の数値の読み解き方、これでお届けしてまいります。
過去の配信で、土壌のPHA、それから土壌のCEC、この2つを取り上げました。
次、ここに来てリン酸を取り上げるんですが、実はリン酸はですね、私のこのコンテンツの内容としては、PHA、それからCECと関連づけてお話ししていきます。
これ関連づけることがですね、非常に重要です。PHAやCECと一緒に確認していますか、単独で見ていませんか、ここの観点がすごく大事です。
診断書の数字って、1つでは完結しません。PHA、CEC、リン酸、これらの掛け合わせ、つまり連携プレイで、是非設計の最適解が見えてきます。
今回は私が考えているその判断ロジックから、現場でありがちな失敗例とか、そういうところまで具体的にお話ししていこうかなと思います。
診断書がもし手元にある方は、是非それを見比べながらというか、見ながら話を聞いていただけるとわかるかなと思います。
リン酸ってそもそも何なのっていうところは説明しません。今回は割愛します。
CECとリン酸借り、それぞれの働きとかを話してしまうと、ちょっと本題からは逸れてしまうので、それはまた別の回に譲ろうかなと思います。
今回はあくまで土壌診断書を見るときのポイントというところでいきますので、ご承知おきください。
リン酸の分析法
まずリン酸の数値が高い場合と低い場合、それから基準値の場合、この3パターンあると思いますが、基準値の場合はまあまあまあ、今回は基準値内なので、特に何も変えることがないかなというところですね。
低い場合はリン酸を入れましょうという処方箋が出てきますね。当たり前ですが。高い場合はその逆です。
現在北海道の多くの土壌では基本的にはリン酸過剰という場所が多いのではないかなと思うので、今回の配信はリン酸過剰という体で進めていきますね。
私たちこの土壌医だとかこういう業者の人間がですね、土壌診断書を見てリン酸が過剰であった場合、大体リン酸過剰なのでこれは原皮可能ですねっていうお話を生産者の方々、農家さんの皆さんにお話しすると、
大体出てくる開始の言葉がですね、でもこのリン酸って吸えないリン酸がほとんどなんでしょっていうような切り返しにあります。
はい確かに吸えないリン酸もたくさん土壌中にはあるかと思います。
ただしこの土壌診断書に出てくるリン酸ですね、土壌診断での土壌分析でのリン酸の計測の方法っていうのは基本的に2種類あると言われています。
一つはトルオーグ法、もう一つはブレイ第二法というものです。
おそらくほとんどの土壌分析ではトルオーグ法が用いられてるんじゃないかなと思います。
トルオーグ法であればこのリン酸、実は有効体リン酸と考えられます。
どういうことかわかりますかね。有効体つまり下級体つまり吸えるリン酸であると捉えるべきです。
この分析手法の2種類の違いが何かというと、トルオーグ法は比較的酸度の弱い薬品をかけてリン酸を溶出させています。
なので作物の根から出す酸ですね。これで溶け出して吸うことができると想定されるような手法で測っています。
ブレイ第二法というのはもっと強い酸をかけることでリン酸を出して計測しています。
なのでブレイ第二法の方が多くのリン酸の数値が出てくることになるんですが、これだと作物が吸えないリン酸も含まれているケースが多いかなと考えられています。
なので多くの土壌診断書ではトルオーグ法が使われているので比較的弱い酸をかけることでリン酸の数値を計測しています。
なのでこれは吸いやすいリン酸だと考えていいかなと思います。
皆さんの土壌診断書におそらくトルオーグ法なのかブレイ第二法なのか記載があるかなと思います。
普段あまり意識してないので気にしてないかもしれませんがよくよく見るとトルオーグって書いてるなーとかブレイって書いてるなーとかよくよく見ると目につくかなと思うんでぜひこの機会に見てみてもらいたいなと思います。
そしてトルオーグ法で計測されたリン酸であるというのをもし確認できたらこれはリン酸の減比がかなり可能なのかなと私は考えますが
どれぐらいのリン酸の数値かにもよるんですが基準値を超えている場合は無せ非までいかないにしても今まで以上にリン酸を減らしてもいいかなというふうに考えていますのでリン酸減比の銘柄なんかを提案するように案内するようにしています。
それでもリン酸を減らすのってなんか心配だよね。もしそれで減収したら生育不良になったらどうするんだっていうようなリスク心配な懸念する気持ちもわからんでもありません。
CECとの関連
なので次の考え方というかさらに背中を後押ししてくれるような考え方としてペーハーに着目しましょう。
ペーハーを見ることでこのリン酸が本当に吸いやすいかどうかっていうのが客観的にさらに裏付けが取れます。
ペーハーが高い場合ですね。高い場合はアルミニウムが出てくるのか来なかったのか覚えてますか。
先日の配信でペーハーが高いと低いとどうなるかっていうのをお話ししたんですがペーハーがもし高いとアルミニウムは溶出されてきません。
逆にペーハーが低いとアルミニウムが溶出されてきて根っこを傷ませるというような話をしました。
このアルミニウムですねただ根痛みを起こすだけではなく実はリン酸とくっついて固定化されてしまうんです。
結合してしまうんです。リン酸アルミニウムというものに変わってしまいます。
こうなると作物が吸いにくいリン酸になってしまうわけですね。
つまりペーハーが低い状況でリン酸がもし過剰であるという場合はトルオーグ法であればそれでも吸いやすいリン酸という風に考えられるんですが
もしペーハーが高いさらにトルオーグ法でリン酸が測られているこの場合はかなり信憑性は高いのではないかなと思います。
ちょっと周りくどい言い方になってしまったかもしれませんが
トルオーグ法でまず分析されているそれはリン酸が吸いやすい状態のものである。
さらにペーハーが高いそれはアルミニウムが溶出されにくい土壌である。
つまり固定化されにくいリン酸となっている。
固定化されていないものが多いのではないかというように推察することができるんです。
さらに補足というか追加でお話しするのであれば
ちょっとリン酸吸収係数というものにも触れてきますね。
リン酸という数値の前後あたりにリン酸吸収係数という数値があるかなと思います。
何のこっちゃかなっていう人も一定数いるかなと思いますが
これはですね端的に言うならば数値が高い方がリン酸が固定化されやすいというものです。
詳しい説明は省きます。
あまり詳しくするとわけわかんなくなると思うのであえて省きますね。
係数が数値が高い方が1500とかそういう数値になっていると
リン酸は固定化されやすい土壌というふうに言われています。
いわゆる火山バイドですね。
この数値が高いとややリン酸は固定化されやすいです。
1000前後であればまあまあ普通かなとそこまで気にしなくていいかなと思います。
火山バイドでない他の土壌であれば7800というケースもたまにありますね。
つまりこのリン酸吸収係数が低い方が固定化されにくいので
今この場で測っている過剰であるリン酸はさらに吸われやすいということになっています。
ここまで話したようにリン酸の数値だけで見ると
この数値は実際どうなのかというところ本当に減比していいんだろうかというような考えが
頭をよぎると思うんですが
他の分析値などと掛け合わせながら読み解くことで
いろんな角度からこのリン酸は吸えるのか吸いにくいのか
こういうところが判断できるわけですね。
ぜひいろんな数値を組み合わせながら
多面的に土壌診断書を見ていけば戦略が練られるかなというふうに思います。
そして長くなりましたが最後にCECとの関連ですね。
CEC前回の配信でお話しした通りこれは土の胃袋です。
補肥力なんていうふうに表現されることもありますね。
このCECが高い方が肥料をたくさん保持できると
そういう不良かな土壌であるというふうに考えられます。
皆さんの畑が補助がリン酸が多いのか少ないのか
お手元の診断書を見れば分かるかと思いますが
もしリン酸過剰であった場合
さらにCECが基準値以上に大きい場合
それは肌でも胃袋がでかいのに
それ以上にリン酸が入りまくってたまりまくっているということです。
逆にCECが低い状態でリン酸が過剰ということは
あまり胃袋が大きくない土壌で
リン酸をちょっと入れすぎちゃったねっていうような感じになりますね。
なのでCECが低い場合っていうのは
砂っけの強い土壌だったりするのかなと思うので
このリン酸は流れやすいものとも考えられます。
そんな中で過剰になっているということは
今は過剰ではあるけども
比較的すぐにこの過剰である状態は解消されるかなと
されるとも言い切れないんですけど
CECが高い場合よりはそんなに長く過剰の状態であると
考えなくていいのではないかなというふうに思います。
土壌診断書の読み方
さてちょっと情報量が多くなってきたので
ここで一旦まとめていきますね。
私も喋りながら何の話をしてきたのか
徐々にわからなくなってきました。
まずお話ししたのは
トルオーグ法かブレイ第二法かっていう話ですね。
皆さんの分析した土、この診断書に
トルオーグ法もしくはブレイ第二法という表記があるはずです。
おそらくあるはずです。
これを見てトルオーグ法であれば
そのリン酸は比較的吸いやすい有効体リン酸と考えていいです。
次にペーハーとの関連性をお話ししました。
ペーハーがもし高いのであれば
そのリン酸はさらに吸いやすいものであると考えられます。
もしペーハーが低いのであれば
アルミニウムが溶出してきているので
アルミとリン酸がくっついて結合して
リン酸アルミニウムとなることで
吸いにくいリン酸が出来上がりやすいです。
そういう意味でペーハーは高い方がいいと言えます。
3つ目にですね
CECとの関連性をお話ししました。
CECが大きいのに高いのにリン酸が過剰ということは
大食いの人でもお腹いっぱいになるほど
リン酸を食わせすぎたという表現ができます。
逆にCECが低いのであれば
野生系の体系で
少食の人にちょっとリン酸を食わせすぎた
というような感覚ですね。
例えて言うならそんな感じです。
なのでリン酸過剰といっても
様々な状況が考えられるので
皆さんの土壌にあったリン酸の捉え方をしていかないと
農業経営の難しさ
正しい性皮設計はできないということになります。
さてどうでしょうか。
そもそも土の取り方から
ペーハー、CEC、リン酸と
一応分析項目については3つお話ししたんですが
相当ベテラン勢の知識ある方にとっては
全然そんなの当たり前だよってなるかもしれませんが
意外とちゃんと診断書読み方習ってない方については
この3つだけでこんなに奥が深いのかって思ったのかも
思うかもしれません。
私もここまで10年以上やってきて
この3つだけでも相当頭を使わないと
性皮設計って考えられないなっていう風に思ったりします。
土壌改良も含めて性皮設計ですごく頭を悩ますことが多いです。
しかも皆さんの補助は一つじゃありませんよね。
こういう補助もあるけど全然全く違う傾向の補助もあるわけです。
それぞれの補助でこういった考察をしていたら
本当に頭が疲れてしまいますね。
はたまたそれぞれの考えた考察を全て実践できるかといったら
そんな補助ごとに全ての性皮設計を変えられないっていう
そういう都合もあるかなと思います。
なので本当にベストプラクティスっていうのは
どこじゃねえのかっていうのは難しい限りですね。
お金の問題もありますし
作業性の問題もありますし
それを考える手間暇というか
知識面もないとなかなか考えられません。
農業経営は本当に難しいなと思います。
そんな頭を悩ます皆さんの参謀役となることができたら
私は嬉しいなと思います。
もしリスナーの皆さんから
こういう場合はどうしたらいいのみたいな質問疑問があれば
コメントなど寄せていただければ可能な限りで回答しますし
それを見た別なリスナーさんが
それってこうじゃないっていうのがあれば
ぜひ横からでも何かこうね回答だとか
皆さんの意見を挟んでくれれば
面白い場所が空間ができあがるんじゃないかなと思います。
結局答えは一つではないんですよね。
こういう観点からはこうだし
こういう考え方ではこうだし
いろんな意見があると思うんですよ。
そういうのがディスカッションできる場が
オンライン上にあったら
面白いなーって私は思ってるんですが
皆さんどうでしょうか。
結構リアルな場では特定の有力者が
発言権を持っていたりするんで
それはそれでご意見版としてはいいんですけど
なんかこう差別なく
誰でも自由に発言できる場があっても
面白いかなという風に思ったりしてます。
もしそういう空間
何かコミュニティみたいなものがあったら
いいねって賛同してもらえる方は
どんどんコメント欄を活用してもらえたら
嬉しいなと思いますし
Xの方でも私情報発信してますので
そちらでなんかこう盛り上がっていくのも
いいかなと思ってます。
何をどう活用していけば一番いいのかな
というのはすごく悩ましいところなんですが
盛り上がったところを
大きくしていければいいかなと思ってますんで
まだどこにも火がついていない状態ですから
徐々に徐々に皆さんのコメントだとか
私の情報発信の量だとか質だとかが
向上していけばいいなということで
日々私も研鑽していきますんで
よろしくお願いします。
ぜひ引き続きこの配信をフォローしていただきまして
現場で迷わない判断軸を一緒に作ってまいりましょう。
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ではまた