土壌pHの基本
おはようございます、あさひです。
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さて、今日の表じゃ語れないトークは、土壌診断書の読み方シリーズでいきます。
シリーズということで、今日は初回、まず一番重要と言っても過言ではない、pHについて語っていこうかなと思います。
pHってかなり大事な指標なんですけど、大事なことはおそらくほぼ皆さんご存知かなと思います。
農業をやっている方で、家庭作園でもいいですけども、作物を野菜とか育てている方でpHの重要性を知らないとやばいです。
ほとんどの方は、なのでこれは基本知識として知っていることかと思いますが、
今日はなぜpHを強制しないといけないのか、なぜpHが基準からずれていると良くないのか、これについて解説していこうかなと思います。
ちなみに、まだご自身の補助のpHがわからないという方向けに、おすすめのpHメーターを概要欄の方に貼り付けていますので、こちらぜひ見てみてください。
これ私自身も使用しているpHメーターでして、かなり精度高いかなと私は考えています。
実際にこのpHメーターで、ちょっと簡易的に土壌のpHを測った後に、きちんと分析にいたしました。
戻ってきた診断書のpHと、私が事前に測ったpHを見比べたところ、0.1、あっても0.2くらいの誤差しかありませんでした。ほぼほぼ一致しています。
この簡易的な、簡素なpHメーターで、ここまで精度が高いのであれば、私はかなりこれ使えるかなと思っていますので、
まだご自身でpHの測る手段がないという方は、pHメーター1台用意しても良いかなと思います。
それでは、pHがあっていないとどうなるかの話に戻っていきます。
pHが低いと、あるいは高すぎると、生育が良くないというのは、多くの方がご存知だと思いますが、
なぜ生育が悪いのか、なぜ良くないのか、ここを解説・言語化できる方は、どれくらいいるかというと、あまりいないんじゃないかなと思います。
強いて言えば、pHが低い理由を一つ二つ言える方はいるかもしれませんが、僕は今回は三つ語っていこうかなと思います。
きちんと言語化してやっていきますので、そういう理由で生育が悪いのかということを改めて認識してもらえたらなと思います。
基本的には、pHは低くなりがちかなと思います。
意識的に切解を入れすぎた人ぐらいじゃないと、pHが高すぎて悩むということはないかなと思いますので、
今日はpHが低いという観点で、低すぎることの良くないところについてお話ししていきますので、その辺はご理解ください。
では、三つのうちの一つ目。
一つ目は、肥料の危機が悪くなる。
これですね。肥料の危機が悪くなる。
肥料といっても酸要素のほかにマグネシウムなど、その他微量要素もいっぱいあるわけですが、
ここではまず窒素の危機が悪くなるというところを認識してください。
窒素といっても有機体の窒素もあれば、尿素体の窒素もあれば、アンモニア、硝酸と数々のたくさんの形態があるわけです。
肥料として土壌に散布する場合、多くの場合は尿素体かアンモニア体かなと思います。
多少、硝酸が入っている肥料もあるかと思うんですが、それは結構高価な部類に入ってきますし、
野菜を作っている方とか、あとはビートを作っている方とか芋とか、ちょっと高収益系の作物の場合は、
硝酸体が入っている肥料を使うこともあるんですが、大部分はアンモニアもしくは尿素が入っているかなと思います。
この尿素のままでは作物は吸うことができません。
アンモニアになる、もしくは硝酸になる、この状況で初めて作物が吸収することができます。
イネ化作物はアンモニアでもすると言われていますが、ほとんどの畑作物の場合は、硝酸体でないと窒素を吸収することができません。
ということで、摂取した窒素分が尿素からアンモニアになる、アンモニアから硝酸になる、
この過程を経ないと作物は吸収できないわけです。
では、どうやってこの変化が起きているか。
多くの人はこれもご存知かなと思うんですが、微生物が働いてこの変化を起こしてくれています。
土壌中の微生物のおかげでアンモニアから硝酸になったりという変化が起きているわけです。
ところが、ペーハーが低いと、この土壌中の微生物の活動が鈍くなってしまうんですね。
動かなくなってしまう。動かなくなるとまで言わないですけど、かなり活動が低下してしまいます。
そうすることで、硝酸帯の窒素にスムーズに切り替わらなくなってしまうんですね。
これによって、せっかく摂取した窒素の効きが悪くなってしまうということで、
初期生育が悪いなとか、切りをせっかく摂取したのになかなか効かないなという現象が起きるわけですね。
もちろん土壌中の水分だとか、天候の影響もあるので一概にペーハーだけのものではありませんが、
ペーハーも土壌中の微生物の活動に大きく影響をしているので、ここは外れないポイントになっています。
これがペーハーが低いと作物に悪影響を及ぼす理由の一つ目。
二つ目は、実はこれも微生物絡みです。
というか、さっき言ってしまったんですが、微生物の活動が鈍るんですね。
これが二つ目の理由なんですが、微生物と言っても大きく分けると、
四条菌、ほうせん菌、細菌という感じで三つに分類することができます。
このうち、主に土壌中の有葉菌というか、ゼン玉菌みたいなイメージで、
作物に良い影響を及ぼすと言われているのがほうせん菌です。
はなつ・せんの菌と書いてほうせん菌ですね。
これは基本的には良いやつです。
一方で病原菌の多くを占めるのが四条菌。
糸状の菌と書いて四条菌ですね。
基本的には悪いやつです。
四条菌は、pHが低くても酸性が低くても動けるやつが多いのに対して、
ほうせん菌はpHが低すぎると酸性に傾きすぎると、
あまり活動しなくなってしまう菌が多くなっています。
なので、pHが低いと悪い菌の四条菌が活発になって、
ゼン玉菌であるはずのほうせん菌の活動が鈍くなってしまう。
これによって微生物層のバランスが崩れてしまって、
病気を起こしやすくなったり、みたいな感じになってしまうわけですね。
なので、良い土壌は生物性、物理性、化学性の3つが
整って初めて良い土というふうに言われていますが、
このうちの生物性のところが悪くなってしまうんですね。
なので、pHが低いと生物性に影響を及ぼしてしまうというところを
ここは抑えておいてください。
ちなみに補足なんですけど、藁の分解とか残砂の分解なんかも
微生物の影響が非常に大事になってきます。
なので、前作の残砂が分解されないと非常に良くないことが多いですが、
そこに病原菌とか虫だとかが住み着いてしまって
越冬してしまうみたいなね、そういうのがあって
翌作物もね、次の年の作物に悪い影響を及ぼしてしまうことが
多々あるんですが、この藁とか残砂の残根の分解も
微生物化になっているので、pHが低いと
翌年の作物にも影響が出てしまうというところは
これはちょっと頭の片隅に置いておくべきかなと思います。
アルミニウムの影響
そして3つ目、pHが低いと出てくるものがあります。
土壌中にある成分というか、そういうもので
pHが低いと溶出してくるものがあるんですね。
これがアルミニウムと言われるものです。
アルミニウムは酸性に傾くと溶け出してくるんです。
このアルミニウムはですね、良いところも悪いところもあるんですけど
基本的には作物に悪い影響しか及ぼしません。
悪い影響というのは、このアルミニウム、根っこを痛めるんですね。
このアルミニウムのせいで、せっかく出てきた作物の根を
痛んで、痛ませてしまう、そういう影響があります。
なので、少しでもpHを中性ぐらいに保っておいて
6から6.5ぐらいに維持することで
アルミニウムの溶出を少なくしましょうというのが
一般的な考え方です。
一般的に、性質が悪い原因としてまず思いつくのはpHですが
pHが低いと性質が悪い、その性質が悪い理由を
より掘り下げていくと、実はこのアルミニウムが
かなり影響しているということが多々あります。
初期性質が特に悪いビートとか、この辺はですね
土壌pHの影響
アルミニウムの影響がかなり影響していますね。
白根が弱くなるとか、せっかく出した根が痛んでしまうとか
こういうことはですね、その後にもかなり影響します。
根っこが伸びていないと、過剰な水分だとか
乾抹だとか、こういうものに対処するのが難しくなったり
それから除草剤とかをね、かなりかけるのが
最近の農業の様子かなと思うんですが
例えば大豆で言ったら、土壌処理とかパワーガイザーとか
こういうものをかけると思うんですが
根っこが張っていないと、これの影響も大きくなってしまいます。
根っこが張っているからこそ回復も早いはずなんですが
根っこの張りが弱いと、除草剤の影響もより大きくなってしまうんですね。
なのでアルミニウムの影響は、こういうところにも
実は及んでくるのではないかなと私は考えています。
ちなみにさっきボソッと言いました
アルミニウム、これのいいところも実はあるんですが
アルミニウムが出てくると、
創価病の病原菌を実は抑制してくれる効果があるんですね。
なのでバレーショ、芋ですね。
芋をサクつけする場合、pHを低くするというのが
セオリーになっていますが、これは実は創価病の抑制
というのが皆さんご存知だと思いますが
なぜ抑制されるかというと、実はこのアルミニウムが
創価病の菌を殺菌とまで言っているのかどうかは分かりませんが
かなり軽減させてくれる、動きを停滞させてくれるというところがあります。
殺菌まで言ってしまうと、ちょっと語弊があるかなと思いますし
軽減、停滞、この辺の言葉のニュアンス、言葉選びが
非常に難しいところではあるんですけど
とにかく創価病にかかりにくくなる、それは
このアルミニウムが効いている、働いているからというところは
覚えておいてもいいかなと思います。
ということで、土壌pHが低いと起こる悪影響について
農業におけるpH管理
3つお話ししてみました。
おさらいしますと、1つ目は窒素の危機が悪くなる。
2つ目は異生物の活動が悪くなる。
3つ目はアルミニウムが溶出することで
作物の生育が悪くなる。
この3つ、かなり基本的な事項なので
ご存知の方も多いかもしれませんが
改めておさらいというところでお話ししてみました。
他にもいろんな要素がいっぱいあります。
要素というか、pHが低いことで
起こる影響、起こることがたくさんあるんです。
あるんですけど、それをしゃべり始めてしまうと
無制限になってしまうので
コンパクトにまとめてギュッとして
お届けするというところも私は目指しているところですので
あまりダラダラ長くしゃべっても
全て覚えきれないと思いますし
ちょっと冗長な配信になってしまうかなと思いますので
重要なところだけをピックアップするように意識して
今回は配信してみました。
農業に携わる皆さんのお役に立つところがあれば
非常に嬉しいです。
何かご意見や感想、要望等があれば
コメントをいただけるとすごく嬉しいです。
匿名基本の方はスタンドFMのレター機能を活用してもらえると
いいかなと思います。
ちなみになんですけど冒頭でご案内したpHmのデメリットを
1個だけ言い忘れていたのでお伝えします。
実はこれ説明書がちょっと分かりにくいかもしれないです。
私も初めて見たとき図が書いてあって
こういう手順でやるっていうのが書いてあるんですけど
なんせテキスト媒体というか字が少ないんですね。
この図を見ながらやっていくっていう感じになるんで
ちょっと一瞬これで合ってるのかなっていう風に
思うこともあるかもしれませんが
それでもpHというか数値自体はね
ちゃんと測定できるんですよね。
なので多少ちょっと疑問に思いながら
測ることになるかもしれませんが
出てきた数値はおそらくその手順書通りに
やっていればかなり精度高いものかなと思うんで
ちょっと説明書がよくわからないっていうところだけは
ご承知おきください。
それを除けばいいpHmかなと思います。
Amazonでこれ僕ちょっとリンク貼ってるんですけど
多分今現時点での在庫が2個だった気がするんで
急いでご購入したい手に入れたいっていう方は
ちょっとすぐご覧ください。
そんなにすぐ在庫切れること
切れてもまたラインナップ増える
ラインナップというか在庫補充されるかなと思うんですけど
それでも今このタイミングですからね
この時期ですから来年のために
石灰を撒いておきたいとかそういう方もいるでしょうから
雪が降るまでがチャンスですからね
今すぐpHを調べて何か手を打ちたいという方は
すぐ手を出してみるのもいいかなと思います。
それでは今後も現場で迷わない判断軸を
一緒に作っていきましょう。
参考になった方がいましたら
いいね、フォロー、シェアの方よろしくお願いいたします。
それではまた。