アメリカからこんばんは、NAKAMURAです。この番組では、アメリカ研究留学4年目を迎えた私、NAKAMURAが、ゲストとお話ししながら、アメリカ留学の魅力を再発見し、お気の新たにお座りすることを目指しています。
今月9月は、アメリカで活躍する同校大の先輩・後輩コンビをお迎えして、1ヶ月にわたってじっくりお話を伺おうと思います。
第3週の今週は、サンフランシスコのUberで働く佐藤孝美さんをお迎えして、日本での社会人期間を経て、アメリカでの大学院留学、そして現地就職したお話を伺っていこうと思います。
また、ゲストMCとして、孝美さんの後輩の清原さんにも加わっていただきます。清原さんよろしくお願いします。
第1週と2週にわたって、清原さんには出ていただきましたけど、簡単に自己紹介をお願いします。
はい。今、コーネル大学のPhD課程の3年目にいます。清原遥といいます。今の専攻はコンピューターサイエンスで、ざっくり言うと意思決定システムの最適化とか評価みたいなところで、データを使ってどうやって、例えば検索エンジンに出される検索結果だったりを最適化しようかというのを研究しています。
では、今回よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
改めまして、今回のゲスト佐藤孝美さんです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まず簡単に孝美さんの自己紹介をお願いします。
はい。Uberでエンジニアをやっていて、NAKAMURAさんたちがUCSFにいて、そのコフィスが目の前ということで、いろいろ遊んでもらったりしています。
その前はUC IrvineでPhDを取って、その前は日本で5年ぐらい働いてて、リクルートとかDNAとかBrainPadっていう会社にいて、その前は清原さんと一緒の研究室にいて、ここは10年以上間が空いてるんですけど、
自分まだそこと共同研究とかしてたりするんで、意外とつながってて、アメリカでさらに再会できて嬉しい限りですね。
この原稿に、孝美さんから見た僕と清原さんの関係性っていうのを。
いや、清原さんはやっぱりこの前の収録でも言った、一人ちょっと特異値の世代が。
奇跡の世代ですね。
そうそう、奇跡の世代では海外PhDを目指し始めて、たまたま私は先に留学してたんで、ちょっと話す機会とかがあって、教授も困っちゃって、みんないきなり行きたいって言い出すんだけどみたいな。
そういうので絡みもあったっていう感じですね。ただそんなにパーソナルに知り合いではなかった。
清原さんというよりは清原さんのコーネルの先輩の方とはちょっと話したことがあるぐらいでしたね。
はい、なのでサンフランシスコに来てから結構いろいろお世話になってっていう感じです。
まあやっぱ車ないとね、アメリカきついんで。
アジアンスーパーに行っていただいたりとかして。
あそこいいっすね。
NAKAMURAさんはなんですか?ダイエット仲間ですか?
そうですね、確かに確かに。同じちょっとぽっちゃり系男子として、今まではね。今はもう痩せてますからね。
今一緒にどんどん痩せてて頑張ってます。
実際、日本は東高大にいたんですよね。
そうですね。清原さんと同じラボで、我々先生は教授になってるんですけど、
純教授になったタイミングでラボが生まれるってとこの一期生みたいな感じですね。
講座生なんで上の教授がいて、M2とM1も一緒に来たんですけど、純粋な意味での一期生みたいなのは私ですね。
私の代。
じゃあ伝説の世代みたいな感じなんですか?
オープニングスタッフ。
面白いね。
じゃあ始まりの世代みたいな。
かっこいい。
師匠ですね。
でも、稽古とかいろんな大学そうだと思うんですけど、成績順にラボが選べるんですよ。
それで、当時は私は別にそんなに成績良い方ではなかったんで、
あと、そういう数理的なコンピュータ再生のことに興味があったんで、
中田先生っていうんですけど、中田先生のとこに行ったんですけど、
今聞くと、稽古の中で一番人気研究室らしいんですよ。
このAIブームに乗っかり。
そうそう、だから清原さんとかはもう多分、
学部の中でも上の上積みです。
当時だったら俺あの研究室入れなかったと思うよ。
それを作り上げた師匠がここにいる。
そうですね、師匠っていう感じ。
いやでも当時もこんなにね、流行るとは思ってなかったこの分野が。
だってまだ機械学習って、いわゆるニューラルネットワーク、
冬の時代って呼ばれてたサポートベクターマシンがあるぐらいで、
どっちかっていうと私も普通に数学よりの数理最適化をやってて、
それがあれよあれよ、なんかAIブーム、データサイエンスブーム、
ビッグデータブームに乗り、流れ流れて今ここにって感じですね。
あれってどんぐらいから火がついたんですか?
ランダムフォレストとかが出てきたのが2013年で、
テンサーフローが出てきたのがまだ私がいたから、
ニューラルネットが入り始めたのが2016とかかな。
じゃあもうだいぶまだまだ新しい、相当新しいですね。
その前にやっぱりデータ解析ブーム、ビッグデータブームみたいな、
Hadoopみたいな分散処理基盤が出てきて、
Adの分野が一番有名でしたけど、
広告の分野がリアルタイムビッティングとかが流行り始めて、
さらにAIにつながっていくみたいな。
まだまだ全然じゃあ何もなかった頃なんですね、その基盤というか。
今だから若い子がデータサイエンティストになりたいっていうのを見ると考え深いですね。
そういう職はなかったから。
だからそういう概念として確立して、
学生が目指したい職業になったっていうのを見るのはちょっと考え深いですね。
我々の周り話してても、そんなにデータ分析をやりたいというか、
データサイエンティストになりたいっていうよりは、
もうなんか流れ流れてきちゃった人が多かったですね、いろんな分野から。
実際大学卒業してその後社会人で、それデータ解析系やってたんですか?
そうですね、ブレインパッドっていう、
私が入ったときにちょうどマザーズに上場した会社があったんですけど、
そこにうちの傾向の教授が引き抜かれたんですよ。
元教授、矢島先生っていう人がいるんですけど、
矢島先生結構最適化のとこでも有名な人で、
矢島さんのとこ行けば最適化とか使ってビジネスできて面白そうだなっていうんで、
矢島さんのいる研究開発部に取ってもらって就職って感じでした。
他にもDNAとか。
それはその先ですね。
でも大体3年半ブレインパッドに勤めたんで、
正直その後の転職はもう留学すること決めてたんで、
仕事はしてましたけど、軸足は留学準備でしたね。
それはなんで留学に行こうと思う?
ジョブも安定してて、普通に日本で安定した生活を過ごすっていう方法もあったわけじゃないですか。
でもやっぱり高が忘れてて、PhD取るってなんて日本って事業料自分で払わなきゃいけないじゃないですか。
経済的にじゃあアメリカ行くしかねえな、海外行くしかねえなってなって、
3年のプログラムは無理だなって思ったんです。
ブランクが5年あって、研究も全部完全に離れちゃったんで。
あと数理最適化の数学寄りのことをやったんですけど、
理論系の自分の才能に限界も感じてたんで、CSに振ろうとは思ってて。
それで探して、どうやらアメリカは5年で、しかも学部生から出せるらしい。
しかも給料も出るらしいって言って。
じゃあアメリカ行くか、英語も話せるようになりたいし、
で、当時TOEIC450点からスタートしたんですけど。
え、社会人の時に450だったんですか。
私は清原さんと違って典型的登校大生なので、
入学時に受けさせられたTOEICが445点だった。
で、就活とかの時ガチって600いったかなぐらいのですね。
まあ、いわゆる普通の大学生。
そうですね。で、TOEFLも最初に行った時は60点いかなかったんじゃないのかな。
正直、スキル的な部分で一切の不安は正直なかったので。
おお、かっこいい。
すごい、行ってみたい。
アメリカ生活大事なのは、こういう根拠のない自信も大事ですよね。
だって別に、学部生上がりの日はPhD行くわけじゃないですか、基本的に。
社会人5年やって、そうは負けんだろうみたいなところはありましたよ。
それで言うと、PhD課程自体もかなりサポーティブですよね。
特に最初の1、2年とか。
日本の博士課程のイメージだと、
結構、すでに独立してある程度研究を進められる人が進んでるっていうイメージがあったんですけど、私は。
でも、こっちに来ると、結構そこがかなり教育的な側面が大きいというか、
入ってくる人は、まだ独立してはできない前提で、いろいろ指導されてるなって思うことが。
いや、それはすごい思います。
会社入ってもジュニアのエンジニアに対するサポートとかがあるし、
アメリカも、PhD、そこもあったんですよね。
いきなりPhD行かなかった理由としては、ちょっとシュラの道すぎる。
絶対、PhDの中でも教育可能な部分っていうのがあると思ってて、
日本のプログラムでそれは難しいなって感じたところは確かにありましたね。
結局、アメリカ行こうってなって、どのくらい受けたんですか?
どこの大学にしようみたいなやつは。
1年ぐらいはずっとTOEFL受けてて、TOEFL90行ったタイミングで受けて、
10校ぐらい出して、全部落ちて、
UCアーバインだけマスターの合格くれたんですよ。
でも行くか、でも俺授業料払う、1クォーターで1万ドル飛ぶんで、
金ねえけど、まあ行くかみたいな感じで、マスターに行って、
UC池って遅いんですよね、9月に着いて、
そしたらちょうど着任した先生が、着任した先生って最初セミナーやるんですよ。
最後にモチベティットスティーデントウェルカムって言うから、
セミナー聞いた後、正直そんなに興味があったかっていうとあるんですけど、
ただ最適化やってて交通系の話であったんで、
あと自動運転もやってるって言うんで、機械学習絡んでるなって言うんで、
メールして、ラボに所属して、10月やって11月で成果出して、
12月に編入って言うんですかね。
ダイレクトアドミッションみたいな。
いや、編入っていうシステムは公的にはなくて、
そういう環境です。
東アジア系ってどうしても大学教授っていう職のソーシャルステータスが高いんですよね。
こっちって結構教授とかインダストリーで結構人材の交流もあるし、
教授は一応一定のリスペクトを受けるけど、
東アジア系ほどのソーシャルステータスはない。
ソーシャルステータスがあるところだと教授になるとちょっとブラック気味になりがち。
なるほど。気を付けます。
あとアメリカのPI生き残ってくる。
PIはもうやばいっすよ。
テニアトラックPIはもう何してでも、オーサーシップでも外のテニアトラックPIと喧嘩しましたし、
でも私もブラックだけど、まず他に選択肢がなかったんで、
周りとかだと、俺これ知ってたらここには来なかったってやつが何人かいたんですけど、
私はもう選択肢なかったんで、あと拾ってもらったもんもあって、
最初のミーティング未だに覚えてるのが、もう一人のPhDと先生がいて、
私がやってきた研究とか勉強したいことをまずプレゼンするんですよ。
全く何言ってるかわからなかったって言われたんだよ、最初。
英語、英語。で、俺も聞き取れない。
でも、だからよく受けるとなっていう気はしてます。
英語話せない、でもまあ熱意はあったからみたいな、
あとはその、一応かぐるとかで対外的なアチーブメントとかも見えてたから、
あとその、もう一人いたPhDが一応投稿代のことを知ってて、
あそこはいいよって言ってくれてたりとか、
でも英語ができなさすぎて、12月にアプライするじゃないですか。
で、お前の英語がやばすぎて、いきなりコミッティには通せないって言われた。
普通だと合格定2月ぐらいに出るじゃないですか。
だから、もうコミッティがつかれた最後にこそっと通すぞって言われて、
4月の末に名簿の一番下で受かるっていう。
あ、そんな。
まあ、けどまあ確かに恩はでかいですね。
そうそう、なんで名簿の一番下がわかったって言うと、
俺だけなんか給料が振り込まれなかったんですよ。
え、これどういうことすかって教授に確認したら、
いやごめん、君だけ振り込まれてなかったわ。
もう最後の最後に滑り込んだから、なんかちゃんと手続きできてなかった。
なるほど。
まあけど、良かったっすね。
まあまあ入れちゃえばこちらのままで。
あとまあ自分もその理論系のとこで生きてきたけど、
セキュリティってあるし人間の活動なわけじゃないですか。
攻撃者も人間だし、守るほうも人間だしで、
そういうちょっと工学的なコンセプショナルなエリアで、
なんか論文を書く自分の才能を見てみたい。
いや、なんか開いたというか、
俺ここに才能あったんだって、なんか意外でしたね、理論系で生きて。
論文なんか通ったらすげえ通るし。
なんか今んとこ悪い印象しかないんですけど、
U.C.アーバインって、アーバインってどこにあります?
アーバインは大谷がいたアナハイムの近く。
大谷も昔アーバインに住んでたんですよね、家。
フジテレビにさらされる前の家はアーバインにあったらしいですよ。
あれアナハイムってあれですよね、ディズニーランドでしょ。
そうそうそうそう、ディズニーランドと球場があるエリアがあって、
車で20分ぐらいですね。
で、アーバインのいいとこはチアンですね。
チアンいいんですか?
全米2位とか3位レベルで。
そんないいんだ。
金持ちの街なんです。
あそこ海に面してるんで、海風があって気温が上がりきらないんですよ。
サンフランシスコほどじゃなくて寒いまで行かなくて、
ちょっと内陸に入ったリバーサイドとかだともうなんか30度40度の世界なのに、
あそこだけなんか過ごしやすくてビーチも綺麗だから、
まあ金持ちがいっぱい住んでるっていうところですね。
まあ子育てするときにはいいとこですね。
なるほど。
若者がいて楽しい街かっていうのはあれですけど。
まあけど比較的住みやすい街じゃないですかね。
うん全然。
ただアーバイン自体が50年ぐらいできて、若い大学で周りそんな店もなくて、
つくば大を想像するとだいたいあったやつ。
行ったことあります?
ないっす。
まあけどつくば大知ってる人はそういうイメージっすね。
あんな感じです。
しかもあんな駅前のモールとかはないです。
じゃあそこでアーバインでPhDで5年?
5年っすね。
どうでしたか?PhDの。
どういう楽しみがありますか?
楽しみは中。
楽しみ。
あ、そうかブラックだから。
そうか。
いやもう土日も祝日もないしさ。
2年目にサンクスギビングデーが現れたときは、
ラボ全員で、え、うちのラボってサンクスギビングデーあるの?
おお、そんなにか。
ただいいことは、教授がやべえと、
ラボメイト感はめっちゃ仲良くなります。
共通の敵がいるから。
そこで英語とかもどんどんうまくなってったし、
あと研究って意味だと、要するに論文書いてれば文句言われないんで、
鬼のように書きましたよね。
へえ。
その後どういう研究?
自動運転のセキュリティで、中で使われてるAI部分に攻撃する場合もあるし、
その後は結構ライダーって言われるセンサーの部分を攻撃する。
実際攻撃してみるんですか?
します。
へえ。
で、最初の1本目はその車線をレーンキーピングのやつで、
実際に地面に模様を描くと、外に出て行っちゃうよみたいなことをやったりとか。
だから自動運転で今そこらへん走ってるウェイモンみたいなやつに、そういう。
もちろんアクセスはないんで、ある種仮説をラボレベルの実験になっちゃうところはあるんですけど、
そういうセキュリティですね。
もともと機械学習寄りの人だったんで、機械学習の攻撃、いわゆるアドバサリアルアタックって言われるようなことをやってる。
へえ。で、それでどうなるか。で、それの対処法も見るみたいな。
そうそうそうそう。
セキュリティのはそういう実証的な攻撃を見せる必要があるんで、
結構他の分野と違うなっていうところは、他の分野って基本的にジェネラリティを見せないといけない。
だけど、ジェネラリティはある程度見せる必要はあるんだけど、攻撃自体はある種スペシフィックなシステムに対して攻撃が成功する。
特に市販されてるものに攻撃が成功するってことが感謝されるので、そういう意味で面白い分野ではあります。
でも、ある企業のものを使って攻撃できちゃったら、その商品ってダメになっちゃいますね。
それはWebのバグ発見と一緒ですね。バグ見つけたら報告するじゃないですか。
で、報告してフィックスされたら、フィックスされたリリースと一緒に公開できるっていう。
なるほど。アップデートしてもいいんだ。
Responsive Vulnerability Disclosureっていうのをやらなきゃいけなくて、こんな研究結果が出てますで、このぐらいに公開予定です。
だいたい45日を空けなきゃいけないってなってるんですけど、
WaymoとかTeslaとか主要な車メーカーには毎回論文出すたびに送ってます。
なるほどな。こういうの発見したんで直してください。
公開していいですかとか、実際にミーティングしたこともありますし。
学会とか論文雑誌レベルで求められるんですか?
まあ、茶読で聞かれますね。Vulnerability Disclosureやったかって言って。
まあでも、アクセプトされたらやるって言いますね。
で、カメラレディでそういうことを追加するとかですかね。
なるほど。それどんぐらいの論文を出さないと卒業できないみたいなやつはあるんですか?
いやもう、うちはだいぶ緩くて。
まあ、ほんと始祖教委に、あ、違う違う。
UCIは緩くて、ほんとなんか軽い論文1本で卒業しちゃうとこもあるんですけど、
うちはインフルエンシャルな論文3本って言われてますね。
なるほど。あそこもブラックだっすね。
でもなんか3本っていう数自体は結構なんかリーズナブルというか、
なんかよくある数だと思うんですけど、
なんか今年も、大体その3本、論文代表的なのを取ってきて、
最後の博士論文を審査室にするっていう感じですね。
ただ、おそらくなんかさっき強調されてた部分は、
インフルエンシャルなの定義が難しいってところなんじゃないかなって思うんですけど。
セキュリティ分野1本が13ページなんで、結構重くて。
あーなるほど。
さっそくもう、なんかジャーナルカンファレンスのあいのこみたいな感じで、
リビジョンも入るしで。
へー。
結構。
結構大変っすね。
結構大変っすね。
で、かつそのインフルエンシャルって言うと、そのトップティアしか認めない。
認めないっていうか、セキュリティ分野だとビッグフォーって言われる4大国際会議っていうのがあって、
まあ基本そこ。
でも、他の分野のトップティアでも良くて、
なので、私の場合はCV系を絡めてましたね。
CVPRとかICCPとか言われる。
なんすかそれ。
コンピュータービジョン系のトップ会議があって。
なるほど。
で、フォーカスが違うんですよ。
セキュリティの会議は手法がある程度そんなに洗練されてなくても、
実際に攻撃を実システムで起こせちゃったら、すごいアプリシェイトしてくれるんで出版できるんですよ。
逆に言うと、そのAIのモデルレベルの攻撃が成功してもあんまり評価してくれないんですよ。
なるほど。
で、CV系はもうそのモデルレベルで論文がパブリッシュできるんで、
私はそのテーマごとに出す分野を切り替えてました。
なるほど。どこを主なメッセージとして出すかによって。
そうそう。出結果とあと労力とタイミングによって。
じゃあ、そう考えたら3歩って大変じゃないですか?
そうだと思いますね。
特定だったら。
まあ、そのリクライメントを超えたのは今のところ私だけですね。
おおー。
じゃあ、みんな6年以上やってるってこと?
いや、まあ、パワハラ問題があった時にみんな土作戦に紛れて卒業しました。
なるほど。
じゃあ、最後なんかもう卒業させろみたいな風になったんだと思う。
ああ、なるほどね。まあ、それは一番早いですもんね。
うん。
実際もう、じゃあその5年間は遊びはなしですか?
そうですね。
で、もうあと論文書けちゃった自分もあって。
アメリカにないとこがおるのか。
書いたら通るしで、まあまあ。
まあ、そっちが楽しい?
まあまあ、他にやることもなかったんで。
えー、そうなんだけど、アメリカだったらなんかね、バー行ったりパーティー?
アーバイそんなないです。
あ、ないんすか。
サンクランシスコじゃないな。
まあ、あと英語の加盟はもちろんありますね。最初だから。
1年目が終わったタイミングで何とかこなせるようになって、
最初はトレーダージョーズとか行くと、
あそこってレジの人と話さないといけないアツアレじゃないですか。
あれが嫌でした。
最初はもうそれでトレーダージョーズ行きたくない。
無人レジのあるとこしか行かないみたいな。
で、1年目でこなせるようになって、
あと3年目でやっと言葉に感情が乗ってくるようになりましたね。
ああ、なるほど。
感情から言葉が出てくるみたいな。
頭に考えなくていいってこと?
そうそう、だからそんタイミングで日本語減らなくなった気はしますね。
5年目からはもう夢が英語になるとかそのぐらいになってくる気がします。
実際友達作りとかってどうやってやるんですか?
最初はいたんですけど、最終的にUCI、CS、PhD、日本人、私1人みたいな状況だったんで。
じゃあもう外国人と友達になるしかない。
ラボメイトとは仲いいけど、みんな疲れ切った顔してて。
授業とかって一緒に受ける?
でもそれ1、2年目で取り終えちゃうんで、まあまあ最初だけですね。
いや面白いエピソードがあって、
俺はこのラボは軍隊だと思うようにするって言ったんですよ、韓国人のラボメイトに。
そしたら、いや違う、このラボは軍隊より悪いって言ってて。
やつはもう兵役をくぐり抜けたやつなんで。
そのレベルってなかなかないな。
どうですか、友達はどう作るんですかね?
でもやっぱり研究室の中でとかが多い気がしますね。
あとなんかやっぱ、さっきパーティーの話とか言ったんですけど、一瞬。
あんまりたぶん、PhD学生はそういう感じの雰囲気はなくて、
学部生ですごいみんなでわーってなったり、パーティーをしてたりみたいな話は聞くんですけど、
博士学生はあんまりそういう感じのはなくて、
こじんまりした友達付き合いが多いのかなっていう感じはしますね。
なんか僕のイメージだと、僕のいる部局だと、博士学生をメインとしたリトリートみたいな、
2泊3日でリゾート地でみんなで学びましょうみたいなやつがあったり、
毎年1回ぐらいあるんですけど、そういうのはあんまり一般的ではない?
うちはたぶん、1年に1回か2回、ピクニックみたいな日帰りで行ってるんですけど、
学科でそのぐらいですね、たぶん。
うちはないの、ちょっとコロナも重なっちゃいましたからね。
あと、ベイエリアはまじ日本人の友達できますよ、特に理系。
LAの周辺にいても、全然会わないんですよ。
なんか芸能系の吉木とかそういうのはいたり、
OCカレッジっていう日本人が一番多いコミカルもアーバインの近くにあるんですけど、
OCカレッジに行くと結構遊んじゃうって言われるぐらい、
あんまり理系、PhD男性とは関わり合いない人たちがいっぱい多いんで、
全然知り合わなかったんですけど、ベイエリア来た瞬間に日本人エンジニア多いわ、
駐在の人は多いわ、大学もいっぱいあって、ポストドクの人もいるわで、
こんな友達できるとはって思いましたね。
じゃあ、住むってなったらこっちのほうが、サンフランシスコのほうがいいですか、アーバインより。
家族がいたらアーバインのほうがいいと思いますよ。
そうなんだ。
だって、治安いいっすもん。
あと、教育の町だし。
一人身だったら、断然サンフランシスコ。
そうですね、シティのほうが楽しいと思いますね。
じゃあ結構、試練の5年間だったんですね。
まあ、でも研究面では追い込まれるんで、
今もう、教授の研究のネタの好みが合わなくなってきて、
でも、やらないとだからで、共同研究先を開拓しまくったんですね、主に日本。
今、日本との共同研究も3本ぐらいまだ走ってるんで、
追い込まれた結果、研究キャリア的にはいい方向に、私の場合は進んだかなと思って。
まだ研究やってるんですね。
やってますやってます。
すごいな。
プレプリントとか出してますし、先月もリジェクト1本来て。
でも、私は主張いらないモードなので、主張は散々書いたので、日本の学生たちの指導をしてる。
無料ポストクみたいな感じで、各ラボの学生たちの指導をしてますね。
指導教員みたいな感じになってるんですね。
やっぱりあと、セキュリティ分野ってまず日本で流行ってないっていう、流行らなかったっていうあれがあるんですよ。
暗号系を除いて。
で、セキュリティ分野の論文の書き方を知ってる人が日本にいなさすぎる。
なるほど。
私ぐらい、書いてる人はいるんですけど。
トップティアに出してる人たちがそこまでいない。
セキュリティってやっぱり人間の活動を記述するんで、分野の価値観みたいなのがあるんですよ。
そういうところを抑えてないと、さっき言ったレスポンシブボラビリティディスクロージャーやってないとか、
倫理審査のヒューマンテストやる前にIRPやってないとか、
あと必ずホワイトハッカー目線で書かなきゃいけないとか。
例えば攻撃成功しましたって論文はリジェクトされるんですよ。
攻撃はあくまでセキュリティ解析のために開発して、よりセキュアなシステムを作るために貢献してるっていう論文の書き方を知らないと通らないんです。
なるほど。
しかもそれは13ページ。
長いな。
だから訓練しないと13ページで書けないんですよ。
それはもう引き伸ばしていくんですか、話を。
いや、もうセキュリティの論文を私が感じてるのは、世界観を記述しないといけないですかね。
そういうスレッドが、脅威があるっていう世界を記述しなきゃいけない。
なるほど。いわゆる小説見たらもう、ストーリーを13ページに作り上げないといけないってことなんですね。
CV系は別にどっちがどっちっていうわけじゃないですけど、
ワンイシュー優れてるものがあれば、論文になるのが8ページ系の論文かなって感じですね。
そのページって決まってんすか。
4大国際会議は13ページですね、どこも今。
面白いな、そうなんだ。
リビジョンも入るし、ジャーナルのあいのこみたいなんですよ。
時間かかっちゃうから、CS系だとそこサイクルが合わなくなっちゃうから、多分8ページで早めに回して、
ワンイシュー優れてれば通るっていう形になってんのかなと思って。
なんか全然分野が違うと、全然論文のスピードも違うし、やり方も違うし。
英語の読み物としての面白さが要求されるんですよ。
450点で来た割に、俺なんかもう今英語の1分1句にこだわって、
学生の論文添削してるの見ると、人生何起こるかわかんない。
しかもなんか自分で言うのもあれですけど、論文通るから、
ライティングすげぇ褒められるんですよ、ソドックで。
俺いけちゃう、ここに才能あったの?みたいなのはちょっと感じます。
人生何起こるかわかんないっすよ。
特にCSの分野とかって、すごい今研究してる人口が増えてるので、
なんかソドックとかのマッチングも、やっぱりなんかすごい大量の論文をマッチしなきゃいけなくて、
ちょっとなんか専門分野外の人が当たることもあるんですよ。
なので、そういう人たちに対して、ストーリーとして何が重要で、
どういう貢献があるのかっていうのを、分かるように伝えないといけないというか、
その分野の中の人が分かるだと足りない部分があるので、
結構そこでライティングは1個重要な要素にはなってると思うんです。
ライティングうまくなるのって、どうやったら、訓練しかないんですか、あれは。
私が気につけてるのは、志望がコミュニティになるように論文書いてます。
コミュニティ?
だから、なんか若いPhD学生がやりがちなのは、志望が俺すごいなんです、俺なんですよ。
だから、俺すごい、俺がすごい結果出した、俺すごいみたいな論文になりがちで。
でも、志望はやっぱりコミュニティじゃないじゃないですか。
コミュニティのここにインターレストがあって、
じゃあそれに対応する研究をして、こういうことが分かって、コミュニティの理解が促進されたみたいな。
チームでもないんですね、志望は。
もちろん書くときはWEですけど、モチベーションとかは全て、
その分野を上げていくっていう。
そう、コミュニティがっていう感じですね。
そういう書き方ができると、通るかなって感じ。
それはそうだ、そう言われればそうですよね。
ほんと若い学生の論文読むと、やっぱり俺がすごいって、自分がやったことばっかり書くんですよね。
特に、なぜこれをやったかっていう記述が少ないことが多くて。
なるほどな、これがどんだけ価値があるかっていうのは。
そうそう。
見せる文章を書かないといけない。
あとシニアのレビュアーとかだと、メソドロジーとエバリエーションは飛ばすこともあります。たまに。
だって投稿してるとき、俺すごいしか言わないんですよ。
逆にどういうモチベーションがあって、どういう、やっててどう結果が出て、どういうディスカッションしてるかの方が。
確かに、ちょっとそれは参考になりますね。
いやいやでも、なんか偉そうに言ってるけど、自分が本当にこうなるとは思わなかったです。
日本の大学の学生とか、やっぱり英語で最初書くのが初めてだと。
難しいですよね。
あと英語、なんでこんなに俺が英語を偉そうに飾ってるのかわかんないですけど、
やっぱり日本語、原稿から英語にすると、論文がすげえうさんくさくなるんですよ。
なんかね、あの。
直訳するとってこと?
直訳、そう、なんかね、日本語のときは全然俺も変だと思わないんだけど、
英語にした瞬間になんかね、なんかやましいことを隠してるみたいな書き方に見えるんだよ、英語からすると。
なんか、たぶん論議構造の順番が若干違くて、
最初に結論をバンって出して、それに補足してわかりやすく説明していくっていうのが英語なんですけど、
日本語だと、たぶん文脈を先に提示して、最後に結論が来るみたいな構造が結構多かったりするので、
なんかそこらへんですよね、たぶん。
で、なんか日本語の研究計画書とか書くときも、
どっちかというと、たぶん英語の書き方に寄せて書いたほうがわかりやすい文章に書きやすいっていう。
なんかね、トピックライティングとかパラグラライティングレベルの話じゃないんだよね。
なんか英語、指導してる学生にもこれ、お前説明せず口に出して英語で言ってみつって、
こうは言わんやろって言いたいけど、でもこうは言わんやろってさ、わかんないじゃないですか。
でもそれはやっぱこう、アメリカで生活して英語を使ってると身につくのかなって言って、
だからまあアメリカ来たほう、てか英語圏来たほうがいいっすねとは、若い人には思います。
私は最初のほうの論文はものすごい大量の赤入れをもらってました。
やっぱなんか書き方が基本的にできてないので、なんか全体的にダメっていう評価なんですよね、最初がたぶん。
そこを乗り越えるのがちょっと難しいんですけど、コツを掴み始めると、
私もなんか今練習中ではあるんですけど、ちょっとずつこういう感じなのかなってなってくる感じではあります。
3本書いてからが本番みたいなとこありますよね。
1本目は原型が残んないです。指導教員とか教職者に全部。
2本目はちょろっと残るんです。
3本目からは逆に修正がちょろっとになる。
なるほど。
だから3本書くと、だから自分のほぼ9割書いたぐらいの論文がトップティアに通り始めると、入門編集料みたいな。
あとたぶん3本目の論文ぐらいから、自分も詐欺者の依頼がき始めるじゃないですか、たぶん。
結構、詐欺者の気持ちになって考えると、今までの書き方全然ダメだったっていうのがやっとわかるみたいなのがあったりするかもしれない。
あります。
あとセキュリティ分野特殊なのが、詐欺が全部一旦PCに割り当てられるんです。
プログラムチェア。
だから、詐欺者だけっていうロールがない。
そうするとアサインが多くなっちゃうんで、デリゲーションレビューっていって、学生にまた詐欺に出すみたいなのが結構一般的に許容される分野で。
逆に言うと、PCメンバーにならないと、セキュリティの会議のどういう価値観を持って詐欺してるかが外に漏れないんですよ。
最近ちょっと増えてきたんですけど、日本人で4大国際会議でPCをやってる人はほぼいなかったんですよ。
だから価値観もわかんないし、じゃあ通せないってなっちゃって、セカンドティアとかに行っちゃうケースとかが多くて。