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こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日は、中医学の基本概念である、五行学説について触れてみたいと思います。
以前、このラジオで引用学説についてお話ししましたが、今日はその続編です。
昔の人、古代の人々は、また世界は五つのもの、要素からできているとも考えていました。
五つのものとは、木下、土根水のことです。
難しいですよね。木というのは木のことです。下というのは、調理で言う強火・弱火の火のことです。
土は土、根はお金、金のことですね。水は水です。
なぜ、五つなのかは分かりませんが、当時の人々は、五という数字に沿って世界の仕組みを考え、
さらに、木下土根水という具体的な中身、つまり五行を考え出したわけです。
五行の行とは、運行の意味です。
すべてのものや現象には、五つの要素が含まれており、互いに変化し、影響し合い、バランスを保っているという考え方です。
例えば、色で見ると、基本語言色は、赤・青・黄色・白・黒だと思います。
それを五行学説的に見ると、木は青色、芯は赤色、土は黄色、根は白色、水は黒色となっています。
季節で見てみましょう。木は春、花は夏、土は長夏、根は秋、水は冬です。
この五つの要素を、人間の体、五臓に当てはめて考えてみましょう。
五行の木下土根水は、肝臓の肝、心臓の心、脾臓の脾、肺臓の肺、腎臓の腎に割り当てられています。
ここでいう五臓とは、西洋医学が示す内臓、臓器とは必ずしも一致していません。
むしろ単独の臓器としてではなく、そのものが持つ働きや機能を指す言葉、概念だと理解した方が良いと思います。
なかなか難しいかも分かりませんね。しばらくお付き合いください。
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例えば、木の性質を持つ肝、肝臓の肝を取り上げてみますと、
肝臓の肝の働きは、血液を蓄え、その分布を調整する働きがあります。
さらに、精神的な緊張や怒りの感情に敏感に反応するため、肝の機能が低下するとストレスがたまりやすくなったり、
逆に、ストレスがたまることで肝の機能も低下すると言われています。
何を言っているかというと、例を挙げてみましょう。
例えば、職場や人間関係で嫌なことがあり、ストレスがたまって肝の働きが乱れると、
消化吸収の働きをしている皮にも影響し、食欲がなくなります。
また反対に、肝の働きの乱れから、熱を帯びると目が赤くなってしまったり、
火と密接な関係のある胃にも影響が出て、異常に強い食欲が起こることがあります。
いわゆる焼け食いと言われるストレス過食現象です。
時間の都合で後の講は省略しますが、このほかにも五行学説では、感情や味、方角など様々な分類があります。
もし関心のある方は、五行色帯表、五行色に体に表の表、表すという字ですね。
色帯表で検索すると、ネット上でも調べられるのではないかと思います。
今後、いろいろな例を用いてご紹介していきたいと考えております。
最後に、中医学では、西洋医学のように症状を断片的に見るのではなく、
一つの症状を体全体から総合的に認識していきます。
薬膳を学ぶ上で、それぞれの臓器の持つ働きやつながりを知ることは、
食事作りの大切なリソースとなると考えております。
今日は、五行学説、木下土根水について触れてみました。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。