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こんにちは、72才薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日は、冬の食材、大根のお話です。
今年も残すところ、1週間足らずの日々となりました。
皆さまお元気でお過ごしでしょうか。
イベント等が重なり、食べ過ぎ飲み過ぎで、
お腹の調子がいまいちという方もいらっしゃるかも分かりません。
今日お話する大根は、そんな時のお助け食材です。
大根は、生でサラダ和え物にしたり、蒸したり煮たり炒めたりと、
その調理法は多岐にわたっています。
野菜研究家の吉田義子氏は、
体に優しい野菜物語という本の中で、このように書かれています。
16世紀に日本にやってきたヨーロッパ人の選挙史が、
日本で見るべき野菜は大根のみと文献に記録されていると書かれています。
知人の日本料理店のオーナーは、
大根は日本人のソウルフードだとよく話してくれました。
その大根ですが、日本原産ではなく、
地中海沿岸及び高カサス地方からパレスチナ辺りが原産ではないかと推定されています。
驚くことに、エジプトのピラミッドの壁画に大根の絵が描かれていることから、
紀元前2000年頃には、エジプトで大根の栽培をしていたとも考えられます。
そんな歴史を持つ大根が、いつ頃日本に入ってきたかは定かではありませんが、
古事記にオホネという名で大根を読んだ歌が記録されていることから、
8世紀頃には日本でも栽培されていたと思います。
しかし、一般に広まったのはもっと後の江戸時代辺りと言われております。
大根は今、一年中市場に出ていますが、春は冬です。
ありがたいことに、季節問わずに、消化が弱っている時の強い味方です。
しかし、どんな食材であっても、使い方によってはプラスにもなりマイナスにもなります。
良い働きは生かし、気をつけるところは注意する必要があります。
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ちなみに、大根の成分の大部分は水分ですが、特筆できる栄養素は、ビタミンCとジアスターゼを持っているところです。
ジアスターゼとは、胃腸の働きを整える消化酵素です。
消化を促進するだけでなく、胃もたれや胸やけを予防する働きがあり、胃を丈夫にしてくれるとも言われております。
では、薬膳から大根の働き、気をつけるべき使い方を見ていきましょう。
大根の味は甘い・辛い。で、生で食べると体を冷やす働きがあります。
火を通せば、その性質はなくなります。そして、体の中の肺や大腸、胃に届きます。
続けて、効能を見ていきましょう。
気の巡りが悪い時、イライラしていたりする時に、気の調整をしてくれます。
消化を良くする働きがあります。
そして、食べ過ぎによる不調の改善、また、タンが絡む時、タンを切ってくれる働きを持っています。
その他にも、空気が乾燥し、喉が痛む時、蜂蜜とともに使うと、シロップが喉に優しいと言われております。
喉の痛みを緩和すると言った方がいいですね。
また、便秘をなくす、血行の改善、お酒の下毒作用、ざっと、こんなところが約然的に見た大根の効能です。
中でも、喉の痛みに効くとか、便秘をなくすというのは、大根は肺に届くということを先ほど申し上げましたけど、
大根が肺に効くということから、こういった効能があると考えられます。
では、気をつけたいことは何かというと、お腹が冷えて痛む、元気がない、下痢気味の時は、
生の大根を食べると、ますます助長されてしまいますから、大根卸とは避けた方が良いでしょう。
そんな時は、よく柔らかく煮た大根、風呂吹き大根などをお勧めしたいと思います。
そして、もう一つ気をつけたいことは、大根の皮ですが、1月、2月あたりの大根の皮は柔らかいですが、
その他の時期のものは硬いので、やはり消化に良くないと思います。
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そして農薬等の心配もありますから、できるだけ皮を剥いて使用した方が良いと思います。
今日は、大根の由来や薬膳的効用についてお話ししてきました。
大根を使った料理は、また別の回でお話しする予定です。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。