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こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日、1月22日は、アジアの多くの国々では、旧正月のお祝いの日です。
今日からウサギ年のスタートとなるわけです。
我が国でも、九州・長崎では、ランタンフェスティバルが開催され、
約15,000個のランタン、中国蝶珍や、各会場で繰り広げられる様々なオブジェにより、幻想的な光が、今日から2月5日まで見られるそうです。
この行事は、もともと中国の旧正月を祝う春節祭として始まったものが、年々広がり、今では、長崎の冬の風物詩となっているそうです。
一度は行ってみたいなと、私も思っております。
さて、今日のお話は、中国医学において、体を構成する基本の物質、気と血と水についてお話しします。
現代栄養学では、体を構成する上で大切なものは、5大栄養素、すなわち糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、それらをバランスよくとることが、健康を保つ上で大切だと考えられています。
一方、中国医学では、先ほどお話ししたように、気、血、水のバランスが大切である、健康を保つためには、このバランスが大切であると考えています。
それでは、気、血、水とは何か、今からご説明していきます。
気とは、元気、気合、気になるなど、日常何気なく使う言葉ですが、中国医学では、私たちの体に必要な生命エネルギーのことを気と呼んでいます。
気というものは、目には見えません。しかし、体の中で一定の量の気があり、全身をくまなくめぐり、その流れがスムーズであれば、体も心ものびのびと心地よく過ごすことができます。
元気というのは、エネルギーが足りている状態です。元気が不足している状態を気虚、気が虚しいと書きます。また、ストレスが体にたまって、悪影響を及ぼしている状態を気が滞ると書いて、気体と呼んでいます。
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気虚や気体は、気のバランスが崩れた状態です。例えば気虚になると、体を温めるという気の作用が低下したり、免疫作用が低下するので、臓腑の働きが悪くなり、風邪をひきやすい、むくみやすい、疲れやすい、といった症状が起こります。
一方、気体というのは、体の中を巡っているはずの気の巡りが悪くなる状態を指しますので、イライラしたり、お腹が張ったり、胸が詰まったり、緊張しすぎたり、鬱っぽくなる、などの症状が起こりやすくなります。
そんな時には、気の巡りをよくする食材、セロリや大根、これらは生で食べるといいです。ピーマンとか柑橘類、お茶ですとジャスミン茶などがおすすめです。
次に、血のお話です。血液の血を中国医学では血と呼んでいます。働きは血液と同じような働きで、各組織に栄養を補充しています。
血のバランスがとれていれば、体を上手に養い、潤す働き、そして精神や情緒も安定しています。これが何かの原因で不足した場合を血虚と言い、また滞った状態のうちのことを汚血と言います。
血が少ない状態、血虚になるといわゆる貧血状態ですね。めまい、目の疲れ、爪が割れる、あるいは不安とか心配、考えすぎ、睡眠の質が悪くなるというような症状が現れてきます。
反対に汚血の症状は痛みが発生します。頭痛とかあるいは腹痛、チクチクと刺すような痛みが出てきます。
それから血のめぐりが悪いわけですから、肩こりとか子宮のトラブル、月経のトラブル、顔色や皮膚がくすみやすくなったり、手足の末端が冷えるなど、そんな症状が起こってきますね。
そんな時のお助け食材、汚血の前。お助け食材というのは、活血作用のある陳原菜、ピーマン、玉ねぎ、ニラ、それから青背の魚、背が青い魚、イワシとかサバとかアジなどが良いでしょう。
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最後に水と書いて水というものについてお話しします。詳しくは芯液と呼んでいます。この芯という字は三重県の県庁所在地の津という字を芯と呼んでいます。
でも今回はわかりやすい言葉、水でお話ししたいと思います。水は人体の正常な水液すべてのことを指します。例えば消化液とかリンパ液とか鼻水とか涙ね。その他、体中の分泌液も含んでいます。
人間の体の70%は水分です。バランスよく体に分布しているときは良いのですが、水分が不足する水不足、または芯液不足となると、どういう症状が現れるかというと、乾燥感が出てきて、冬ですと皮膚が粉がふいたような状態、あるいは痒みが出てくるとか、
喉が渇く、喉の渇きを感じたり、乾燥した咳などが出てきますね。反対に、滞ることを衰退と言います。どんな症状が出てくるかというと、むくみとかお腹がチャポチャポするとか、吐き気、それから何よりも嫌なのは体が重だるい、こんな症状が出てきます。
これに良い食材は、何と言っても水はけを良くする食材で、鳩麦が良いです。鳩麦のお茶とか、鳩麦を使ったお粥、そういうものが良いです。スープも大丈夫です。
あとは、水はけを良くするためには、小豆も良いです。あとは、もやしとか、きゅうりとか、その他の水果、桃がんなども良いです。こういうものをうまく取り入れて、水はけを良くする水液のバランスを良くしたいと思います。
今日は、中医学の基本概念として大切な、気、血、水についてお話ししました。冬は寒いからといって、動かないでいると、気も血も水も滞りやすくなってしまいます。私も、適度な運動を取り入れて、めぐりを良くしていきたいなと考えております。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。