1. 雑踏
  2. 「華氏451度/レイ・ブラッドベ..
2025-03-12 47:19

「華氏451度/レイ・ブラッドベリ」を読む

spotify apple_podcasts youtube

アメリカの作家レイ・ブラッドベリによって書かれた1953年のディストピアSF小説「華氏451度」を読んだ感想を話しています。ネタバレしています。


https://twitter.com/booksandsoon

#zattoh #読書 #本 #海外文学

サマリー

このエピソードでは、レイ・ブラッドベリの「華氏451度」に焦点を当て、その内容やテーマについて語っています。作品の描く未来社会のディストピア的要素や、翻訳の妙についても考察しています。「華氏451度」では、主人公モンタグが本を焼く仕事をしながら、社会の矛盾や人々の無関心に気づく様子が描かれています。物語では、彼が出会った少女の影響を受けて変わっていく様子が表現され、ディストピア的な世界観や現代社会への警鐘を鳴らしています。「華氏451度」に関するエピソードでは、レイ・ブラッドベリの描く検閲社会や、主人公とその妻との感情的な隔たりについて議論されています。登場人物たちが抱える社会的問題や、メディアの影響についても触れています。「華氏451度」では、知識と本の焚書がテーマとなり、モンタグは自らの職務に疑問を抱くようになります。ペーバー教授との出会いから自己を見つめ直し、変化の旅が始まる様子が描かれています。「華氏451度」について語りながら、登場人物モンタグの葛藤や自己矛盾に焦点を当て、読者の感想や考察を共有しています。

華氏451度の紹介
スピーカー 2
今回のテーマは、「華氏451度」ですね。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
これで喋っていきましょう。
スピーカー 1
はい、お願いします。
スピーカー 2
新約版っていうことで、割と新しいんですね、これ。2014年に出てる。
スピーカー 1
私も同じ、はい、同じ版です。
はい。
レイ・ブラッドベリ。
スピーカー 2
そうですね。
結構古い本ですね、これ。1953年。
スピーカー 1
うん、そうですね。53年。
スピーカー 2
出てるんで、もう戦後すぐぐらいですよね。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
5年、8年か。だから。
スピーカー 1
70年以上経ってるから、いいですね。
スピーカー 2
SF小説ですけど、SFとしてもかなり古い部類になっていますよね。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
今まで読んだやつとかに比べたら。
スピーカー 1
古典中の古典。
うん。
なんかね、ずっとタイトルは知ってたけど、読む機会がなかったという作品ですね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
私ね、たぶんね、これ、あの、華氏911っていう映画があったの知ってます?
スピーカー 2
はい、読んでました。
スピーカー 1
あの、マイケル・ムーマーの。
スピーカー 2
20年ぐらい前のやつですね。
スピーカー 1
そうそう。
はい。
さあ、それで、逆で、逆輸入というか、こっちを知りました、その華氏911経由で。
スピーカー 2
うーん、そうですね。
スピーカー 1
元ネタというか、タイトルの元ネタこっちだっていうのを、それで知ったと思いますね。
スピーカー 2
時代的にはそうなりますよね、僕らやったら。
アメリカやったらもっと有名かもしれないけど、あとは元々SF読んでる人は知ってるかもしれないですけど。
じゃあ、あらすじを読みます。
華氏451度、この温度で書物の紙は印化し、そして燃える。
451と刻印されたヘルメットをかぶり、消火器の炎で印解されていた書物を焼き尽くす男たち。
モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうしたファイアマンの一人だが一人だった。
だが、ある晩、風狩りな諸術を出会ってから、彼の人生は劇的に変わっていく。
本が忌むべき金製品となった未来を舞台に、SF界切手の序章詩人が、現代文明を鋭く封死した旧の名作、新約で登場という。
これは早川の早川文庫ですね、の裏に書いてある作品のあらすじを読みました。
ファイアマンっていうのは多分英語の小説なんで、原文なんでしょうけど、日本語だったら漢字が割り当てられてるんですよね、消火師っていう。
で、その消火師っていう漢字が消す消火師、ファイアマン、これファイアファイターやと思ったんですけど、消防士のこと。
スピーカー 1
そうですね、ファイアファイターの方が私も。
スピーカー 2
でも多分ファイアマンって言い方もあるんでしょうね。
で、その同じ言葉やけど意味が違うみたいな、元々の意味なんでしょうね。
ファイアマンっていうのは火を消す人やったけど、この小説の中では火をつける人になってるっていう、そういうので。
日本語にしたときに漢字の消火師っていうのが消すじゃなくて昇るっていう字に変わってる、そういう翻訳の妙みたいなやつ。
これ音書きに書いてあったんですよね。
スピーカー 1
書いてましたっけ。
スピーカー 2
書いてあったんですよ、音書きに書いてました。
スピーカー 1
この新しい訳でこの字になったっていう。
最初、間違ってるのかなと思ったけど、内容的にはこの火が昇るっていう方で確かに合ってるし、上手い具合に訳したなと思ってましたね。
スピーカー 2
そういう小説でした。
未来社会の描写
スピーカー 1
ちなみにこの451度っていうのが摂氏の233度で神が燃え始める温度なんですよね。
スピーカー 2
あー、そうなんですね。
スピーカー 1
そこから来てるタイトルです。
スピーカー 2
だから、なかなか燃えないってことなんですか、じゃあ。
スピーカー 1
なんか、炎が燃える温度はあんまりわかってないけど、こんなもんなんじゃないですか。
スピーカー 2
お湯とかより全然熱い気がする。
スピーカー 1
そうですね。ここに書いてますね。
スピーカー 2
じゃあ、どういう感じで進めていきます。
スピーカー 1
一応ちょっと共有というか、作品の時代設定をざっくり言うと、舞台はアメリカですね。
はい。
今よりさらに未来の話っぽいけど、明確には書かれてないと思うんですよ。
はいはい、そうですね。
途中で2022年以降に二度の核戦争があって二度とも勝利したっていうふうな記述があるんで、
2020年より先の未来の話ですね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
123ページになりましたね。
そうですね。
53年に書かれた小説だけど、
70年以上先の話を書いてるっていうことですね。
ざっくりそんな感じ。
スピーカー 2
時代と場所とって感じですね。
だから、この当時からしたらかなり先の未来を書いてるし、
ただ、内容的にはそんなに古いとも新しいとも言えないみたいな感じでしたね。
その未来感を出してるようで出してないようでみたいな。
スピーカー 1
そんなに未来を感じる道具とか出てこなかったですよね。
スピーカー 2
そうですね。当時からしても、たぶんそこまで画期的な、
機械の犬ぐらいですかね。犬というか、機械猟犬というのが出てくるのがそれぐらいかな、新しい技術って言ったら。
スピーカー 1
そんなに猟犬の、機械の犬もね、もともと猟犬って言ったし、それをロボット化したらぐらいの発想だろうから。
スピーカー 2
今ないものと言えば、今ないというか、まだ実現できないもの、それぐらいかなと思った。
スピーカー 1
あと言うと、超小型ラジオで巻貝っていうのが出てきますね。イヤホンみたいなやつだと思うんですけど。
スピーカー 2
25ページ。
スピーカー 1
なんか寝ながらつけて、つけるって書いてたし、ずーっと聞いてるような、そんな道具ですかね。
あと、特殊な道具で言うと、壁。テレビ壁とか。
スピーカー 2
ラウンジ壁ですね。
つまり、壁にいろんな映像が映って、みんなそれを見てるっていう世界。
スピーカー 1
テレビを拡大したようなものだと思うんですけど、プロジェクターみたいなイメージですかね。
テレビそのものに映ってるのが、みんながそれに夢中になって見てるし、
夜は巻貝っていう小型ラジオつけて、いろんな話を聞いたり、いろんなそういうメディアに囲まれた世界。
スピーカー 2
でもあれですね、一番冒頭で出てきた技術で血液を入れ替えるみたいな、あれはちょっと今もできない。
現代とはできない。
スピーカー 1
あれだけちょっと特殊でしたね。
スピーカー 2
あれも、いきなり始まってよくわからなかったんですけど、自殺未遂みたいな感じですかね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
睡眠薬飲みすぎみたいな。でもあんまり意味がわからなかったんですけど。
スピーカー 1
なんかその血液を入れ替える機械っていうのを持ってくる人がいて、レスキュー隊みたいな立場の人たちが。
でも別にその人たちは医者じゃなくて、それ専用の業者みたいな、別に医者じゃなくてもできるんで。
スピーカー 2
なんであんなことをしたのかがよくわからなかったですね。
作品の印象と解釈
スピーカー 1
私もね、確かにあれじゃないですか、結構こういう血液入れ替えなきゃいけない人が多いっていう話を業者がしてるじゃないですか。
結構みんながそういう自殺未遂みたいなことをしている世の中。
そうなんでしょうね。
多分私の想像が結構入りますけど、みんなでテレビ見たりラジオ聞いたり、ずっとメディア好きになってる中でちょっと病んでる人が多いのかなっていう印象がありましたね。
で、後から出てくるあの登場人物の女の子が、クラリスって女の子が話してたところで、子供たちも結構殺し合いっていう言い方してましたけど、
ちょっとこう、なんていうんでしょうね、フラストレーション溜まってるような生き方をしてるっていうのが53ページだったかな。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
車のチキンレースか。したり、みんなで殴り合ったり。
スピーカー 2
いわゆるディストピア小説っていうやつですね、SFの。
スピーカー 1
ちょっと不穏な世界かなという、そんな雰囲気がありました。
スピーカー 2
これ、これどうでした?
スピーカー 1
全体的に。
これね、コウノさんどうだったんですか?
スピーカー 2
え、僕結構なんか笑ってしまう感じじゃなかったですかね。
スピーカー 1
どこが面白かった?
スピーカー 2
なんていうんですかね、中二病っぽくないですか?
スピーカー 1
え、中二病ってのは主人公ですか?
スピーカー 2
主人公、まあ話全体ですね。
スピーカー 1
中二病、ちょっともうちょっと詳しい話してくださいよ。
なんていうんですかね、挙動とかやってることが、まあ例えばですけど、これ一番こう、僕はこれほんま中二病っぽいなって思ったのが、陰陽しまくるところ。
なんか第二部がすごい陰陽多いって書いてたし。
そうですね。
スピーカー 2
これ、僕知ってる映画で、シーマモロのイノセンスって映画あるじゃないですか、あれでやってるんですよ。
あれは全然その設定が違うんですけど、イノセンスっていう映画の中では、脳みそが常にネットにつながってる状態、まあここは機動隊の世界観がみんなそうなんですけど、
だからそのネットで検索したらすぐ言葉の陰陽ができるんですよ、頭の中で。
で、それでなんかこう、なんか言ったらすぐに、こう例えば、なんかディケンズがこう言ってたみたいなのを、もう陰陽は会話しまくるんですよ。
それって見てたらちょっとかっこ悪いじゃないですか、なんかなんていうか、その中二病仕草というか、オタクっぽいやりとりみたいなのがずっと繰り広げられてて。
スピーカー 1
なるほどね。
あの漢字が、たぶんこれが元になってるんちゃうかなと思った。歌詞451の。これのほうが全然古いんで。
でもこれはあれじゃないですか、そのこの作品って、つまり本を読んじゃいけないっていうふうな世界だから、でも主人公は本を読みたいっていう設定ですよね。
スピーカー 2
読みたいのかどうかわかんないですけど。
スピーカー 1
まあ求めていると思うんですけど、私はそこになんていうか、中二病的なかっこよさっていうよりかは、本が読めないとか、過去の英知みたいなのに触れられないからこそ、結構いっぱい出し、小説の中には散りばめているのかなみたいな、そんな風に受け止めましたね。
スピーカー 2
そうですね。僕はその、まあ、イノセンスでやってたっていうのもあるし、そのオタクがやりがちなんですよ。あの名言とかを引用するみたいな。
スピーカー 1
はいはい。
スピーカー 2
だからそれをやられてるみたいな感じ。でその、この消火隊のベイティ隊長がもう鬼のように引用しまくるのが。
スピーカー 1
私もね、今ね、中二病と言うならばこのベイティ隊長だなと思いましたね。彼はめちゃめちゃ本読んでるし、この人めっちゃ喋るでしょ。
スピーカー 2
そうそう。
スピーカー 1
ちょっとね、ベイティ隊長が一番謎の人物というか、ツッコミどころがありましたね。
スピーカー 2
なんかその、名言をなんかね、そういう自分の言葉かのように喋る、引用してくる人って大体ちょっと面白くなってくるんですね。
スピーカー 1
まあまあ、オタクっぽいと言っちゃオタクっぽいですね。ベイティ隊長はそうだと思いますよ。
スピーカー 2
まあそういうのとか、それが一番僕は象徴的でしたね。その中二感というか。
あとはまあなんかいろんなとこであったんですけど、この主人公のモンタグの、なんていうの、なんか急にこう、正義を聞かなくなったりするじゃないですか。
スピーカー 1
そうそうそう。
スピーカー 2
ああいうとことかもちょっと。
スピーカー 1
なんか。
暴走というか、そんなやつやったんかっていうね。
モンタグの葛藤
スピーカー 2
あの動揺の仕方とかもね、すごいなんかちょっと面白くなってくるんで。
スピーカー 1
ちなみに主人公はモンタグで、たぶん30歳ぐらい、20歳の時からファイヤーマンして10年になるって言ってるんで、まあ30歳ぐらいの男。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
なんかね、この人結構急に反旗を翻し出すのが、わりと唐突感はありましたね。
スピーカー 2
うん。なんかね、この流れとかもね、やっぱりちょっとその辺が。別に面白いんですけど、その辺も。
スピーカー 1
面白かったですよ。
スピーカー 2
含めて。あの、少女と出会ってみたいなとこが、展開とかもちょっとやっぱり。
スピーカー 1
まあまあ。
スピーカー 2
古典の、そのなんかこういうのって、すごいみんないろんな作品が踏襲していったんやろうなっていう展開をしていくんで。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
まあその、機械猟犬に追いかけられるとかも、たぶんこれが最初なんかなっていうぐらい。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
後でいっぱいいろんな作品で出てくるんで。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
機械の犬に追いかけられるみたいなのも。
スピーカー 1
確かに。ディストピア小説っていうと、1984年とか、あとなんだ、あの、素晴らしき新世界っていうのが、たぶん古典では上がってくると思いますけど。
今回の歌詞451度、これが一番、今のそういうサブカルチャーにも見受けられるような要素が多い気がしますね。今言ったような中二病っぽいところとか。
スピーカー 2
そうですね。あとなんか、これ全然関係ないんですけど、消火紙っていう本を焼く人が、急に家に来て本を焼いていくじゃないですか。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
で、それが実現できるようになったきっかけとして、完全防火的みたいなのができるようになった未来とか言ってたけど、後半になったら普通に家焼けてますよね。
スピーカー 1
そうでしたっけ。
スピーカー 2
なんか屋根が落ちてきたとか言ってたけど、あの設定どうなったんやろと思って。普通に家焼けてるなと思って。
スピーカー 1
そっか、そんなとこあったな。あれか、もう最後爆弾が落ちてみたいところですか。
スピーカー 2
いやいや、もっと前です。これすごい、もういきなりネタバレになるんですけど、モンタグの家焼かれるんですよね。
火をつける消火師
スピーカー 1
あ、そっかそっかそっか。
あの時に、なんかもう屋根が落ちてきたみたいな。
壁はあれなんじゃないですか、防火だけど。
スピーカー 2
そんなんやったら住めないじゃないですか。そんな家なんか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
なんかその本だけ焼けんのかなと思って、最初それ読んでた時に家具とか残んのかなと思ったら、結構みんなボロボロに焼けてしまってて、結局放火されてんのと一緒やんと思って。
スピーカー 1
そっか。
スピーカー 2
あんまりだからその設定いらんかったんちゃうと思ったんですけどね、その完全防火壁みたいな。
スピーカー 1
そうですね、完全防火壁はそんなに生きてなかったかな。
スピーカー 2
そのファイヤーマンっていうのは。
スピーカー 1
そもそも家を、火を消すっていう概念自体がなかったんだよっていう話ですもんね。
そうですね、勝手に収まるみたいなこと言って。
スピーカー 2
で、この時代の消火師っていうのは消すんじゃなくて火をつける方の人って言って、消防車みたいなの乗って開放式に持ってくるんですよね。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
で、本を見つけた通報とかがあった時に焼きに行くっていう、そういう職業っていう、紛勝ですよね、いわゆる。
スピーカー 1
そうですね。
で、そういうファイヤーマンの世界っていうのが、もう創立1790年からあるっていう話なんですよね。
スピーカー 2
これでも改ざんされてるのかなと思ったんですけどね、歴史が。
スピーカー 1
そうなんじゃないですか、そういう教育をみんなが受けてるんじゃないですか。
スピーカー 2
そうですよね、だから実際の一応現実の歴史の延長上にあるけど、その歴史が書き換えられてるっていう意味ですよね。
スピーカー 1
そうだと思います。
スピーカー 2
設定ですよね。
アメリカの歴史みたいなの一応出てくるんですよね、ちょっと序盤に。
スピーカー 1
うん、そうそう。
本当にそういう世界、そういう火を消すっていう消火師がいなかった世界っていう話じゃなくて、いたけど改ざんされたっていう世界だと思います。
スピーカー 2
いろいろ用語みたいなのがいっぱい出てくるんですけどね、ラウンジ壁とか巻貝とかカブトムシとか。
スピーカー 1
これは消防士ですか。
スピーカー 2
カブトムシって多分ビートルのことですよね。
スピーカー 1
ビートルですよね。
スピーカー 2
これもあるですよね。
火竜ですよね、消防車は。
スピーカー 1
そうですね、火竜ですね、火の竜ですね。
スピーカー 2
これ勝手にこの人が呼んでるだけなんちゃうかなって思うくらい。
スピーカー 1
あーまあ確かに正式な言われ方はしてない。
スピーカー 2
消火車っていうのが出てくるんですよ、消火車っていう言葉で。
あとはなんかジェット機が結構空を泳ぎってるから、戦争中っていうのがね、後で分かるんですよね。
スピーカー 1
うん、常に戦争の影はあったけど、ついに始まるのは、最終、終盤で始まりますよね。
スピーカー 2
あれ、そうなんですか、戦場に行ってる人とか出てくるじゃないですか。
僕さんの友達が来てて、その旦那は戦場に行ってるみたいな話してるから、もう戦争始まってるんですよ。
スピーカー 1
戦争はしてるのか。
スピーカー 2
飛行機も飛んでるからずっと。
スピーカー 1
こっちのアメリカ本土に攻められたのが、最後の方に出てくる、263ページで、そして戦争が始まりその瞬間に終わったっていう技術があるんですけど、
それはじゃあ、あれか、来てる方か。
そういうことでしょうね。あれはもうだってね、いきなり爆撃されますからね。本土決戦みたいなそういうことじゃないですか。
飛行機は常に飛んでるから、戦争の影はあったなと思ってたけど、確かにそういう夫が戦争に行ってるって話してましたね。
スピーカー 2
うん、ああいうなんかこう、民をすごくバカに描くみたいな。
スピーカー 1
そうそう、私もね、私もメモしましたけど、ちょっとこれバカにしすぎでしょ、なんか。
スピーカー 2
女の人だったりとか、考えるのを放棄していくとか、これ本を焼くようになった経緯みたいなんで、そもそも本が読まれなくなったみたいなのもあったし。
スピーカー 1
そうですね。だからまあ、制度として消化史っていうのは出てきたけど、上からの制度でもあると同時に、実際もうみんなが基本そういう本を読まなくなってるっていう世界ですよね。
スピーカー 2
なんかそういうのも含めて、ちょっと歪んだ社会風刺というか、実際そういうテレビが出てきて、新聞読まれなくなって、その本もあんまり読まれなくなったみたいなっていうのは、よく言われてたと思うんですけど、昔から。
知識の重要性
スピーカー 2
今も全然言われてると思うんですけど、なんかその、だからこうなるみたいな。その辺も僕はちょっとね、十二病みたいなと思って。この本のなんか、極端な発想。
スピーカー 1
うんうんうん、なるほどね。
スピーカー 2
で、この結末への進み方とかも、やっぱちょっと漫画的というか、世界をリセットするんだみたいな。
スピーカー 1
なんかその、知識を愛してる、選ばれたものみたいなのが残ってるんですよね。
スピーカー 2
やっぱ、10代とかの人に読んで、すんなり受け入れられそうな感じ?
スピーカー 1
でもこれ、読みやすいですね。そういうのが。
スピーカー 2
読みやすいですけど、これ、僕結構でも最初の本はけっこう戸惑いましたよね。あの、非表現が過剰すぎるじゃないですか。
スピーカー 1
ああ、たしかにちょっと、そういう意味では文学的なところはありましたね。
スピーカー 2
うーん、文学的。これちょっといくわけ最初の本の絵もしてるんですけど、43ページの、ちょっとね、やりすぎやなと思ったんですけどね。
スピーカー 1
いきなり、いきなり最初の方で43ページで、彼は自分の体が熱い反面と冷たい反面、柔らかい反面と固い反面、震える反面と震えていない反面に一人でに分かれ、それぞれの面が擦れ合うのを感じた。これ何なんてことですかね。
まあ、なるほどね。
スピーカー 2
この辺とかもね、ちょっとやっぱあの、村上晴樹とかが揶揄される感じに近い。
スピーカー 1
たしかに、こういうの好きな時期に読むと痺れそうなところではありますよ。
スピーカー 2
これ今読むとやっぱちょっと笑ってしまう表現なんで、こういうのって。
スピーカー 1
なるほどね。
村上晴樹で言うと、10代の少女、クラリスって女の子出てくるじゃないですか、この子が結構村上晴樹の作品に出てくる雰囲気ありません?
まあまあ、そうかな。
結構具体的に思ったのが、ねじ巻き鳥クロニクルの笠原芽衣、あの子にすごい雰囲気似てましたね。
学校にも馴染めてない17歳の女の子で、結構本質的なことを語って、主人公を動揺させて、この子はケーキとなって、主人公はファイヤーマンっていう職業とか、今までの体制みたいなものに疑念を持ち出すんですけど、
この女の子とのやりとりは、結構村上晴樹っぽかったですね。
スピーカー 2
そうですね。これなんか、スッといなくなる感じとかも。
スピーカー 1
そうそう。
この子がいなくなるの、すごい急じゃなかったですか?
スピーカー 2
結構キーパーソンのはずやのに、ほぼ何も語られなくなるっていうか、モンタグの中だけでちょっと階層で出てくるけど、存在についてはもうほぼ何も触れられなくなるっていう。
スピーカー 1
この子がいなくなったのって、政府とか上からの力なんですかね?
スピーカー 2
いや、分かんないですけど、引っ越したって言ってね。
スピーカー 1
なんか私は唐突すぎたから、何かしら上からの力があったのかなって思ったんですけど、でも、あったとしたら、モンタグに接する前からもっとこう、何ていうか、排除しておくべき存在だったと思うんですよね。
スピーカー 2
でも、なんかそんなにでも影響なかったんじゃないですか、やっぱり。
スピーカー 1
モンタグに?
スピーカー 2
いやいや、その、世間的には。
スピーカー 1
いや、でもこの子がモンタグと触れることで、そもそもモンタグがベイティーに目をつけられてたと思うんですよ。
だから、こういうちょっとこう揺れてるモンタグの前にこういう女の子が近づくと、危険なんじゃないかなっていうような危機管理をしておくんじゃないのかなと思うんですけど、
そこはせずに、モンタグが動揺したら、さっといなくなっちゃったから。
うーん。
なんかこう。
スピーカー 2
なんかこの辺のその組織感とかっていうのはね、あんまりよくわからないんで。
スピーカー 1
でも、この作品ってあんまりその組織の話、詳しくないですよね。
スピーカー 2
そうですね。だってその、これもほんま終盤のネタがあるんですけど、もう川に入って、なんか見失ったらもう追いかけるのやめるような。
スピーカー 1
だからそこ、なんかね、適当ですよね。
スピーカー 2
だからそこまで、なんかちゃんと管理されてるようにも思えない。
スピーカー 1
うーん。
スピーカー 2
けど、監視社会みたいなのを描きたいんやなっていうのはわかるんですけど。
スピーカー 1
うーん。
スピーカー 2
だから僕は最初はさっきからそういうほんま1984みたいな、ソ連的な社会を描きたいんかなと思ったけど、まあそういうわけでもないみたいですね、その解説とかあらすじ、なんていうんですか、あとがきとかを読んでたら。
スピーカー 1
うんうんうんうん。
スピーカー 2
でもこの主人公はモンターグのやっぱり、その、ちょっと挙動がやっぱ面白かったですよね。
検閲と社会問題
スピーカー 2
なんか黙って何も言い返せへんかと思ったら急に突拍子もないことするのがちょっとコメディっぽさもあって。
スピーカー 1
なんかその、さっき言ってたその、夫が戦争に行ってる奥さんの集まりがあるじゃないですか、あそこでめっちゃ罵倒をして始めるでしょ。
スピーカー 2
あれ、あれめっちゃ面白かったですよね。
スピーカー 1
言い過ぎじゃん、あれは。
スピーカー 2
で、なんか本を取り出して読み出す。本が、なんていうんですか、この世界でほんま爆弾みたいな扱いじゃないですか。
あったらもう通報されて焼かれるっていうものがある。それをいきなり取り出して。
スピーカー 1
なんかね、その喋ってる人も、なんか選挙の話でハンサムに投票したみたいな。
スピーカー 2
はいはいはい。
スピーカー 1
なんか愚かに、すごいわかりやすく愚かに書いてるのもちょっと面白かったですね。
スピーカー 2
あの辺はだから、ほんま作者の、なんかこう、なんていうか、そういう思想なんかなっていうふうに思ってしまうことはね、あるんじゃん。
スピーカー 1
そうですね。ちょっと書いてこう、スカッとしてる感じを、うん、あの、想像しましたね。
大衆に対する疑念というか、諦めというか。話、この本全体がそういう感じの話じゃん。
まあそうですね。
スピーカー 2
だから女の人が、とにかく、あんまりよく描かれてないというか。
スピーカー 1
うーん、まあさっき言ったクラリスぐらいかな。
スピーカー 2
でさ、子供とかだけなんですね、たぶん。そういう。
スピーカー 1
あ、そうですね。奥さんもな、なんかちょっと、奥さんと主人公の関係が、ちょっと悲しくないですか。
スピーカー 2
よくわからないですね、これ。
結構、だから元から悲劇ってるみたいな感じやけど、その、どうやって出会った子もちょっとずっと思い出せへんかったみたいな。
スピーカー 1
終盤にね、急に思い出すけど。
スピーカー 2
これなんかほんま、これ作者の夫婦関係のなんか影響してんのかなとか思いますね。
スピーカー 1
なんかもう悲劇ってるっていうか、もう奥さんをすごい、もう愚かなものとして描いてますよね。
感情がすれ違ってるとかじゃなくて、そもそももう奥さんがそういう対等な関係を築けてない、この社会での大衆的な描かれ方してますよね。
スピーカー 2
まあずっとね、テレビ見てるだけなんでね、一日中。
スピーカー 1
なんか、なんかあの、ダブルクォーテーションマークつけた家族みたいなのと、そのテレビとかの世界にもうなんか入り込んじゃって、そっちの世界が自分にとってのリアルみたいになってますよね。
スピーカー 2
あの、名前を呼んでくれるように、システムで書き換えられる。
そう、名前のとこだけ書き換えられる。
スピーカー 1
何だ、えー、まあその脇衣って小型ラジオつけても寝るようになって3年目って書いてましたね。
だからもう、そういう意味ではその、当時はたぶんテレビとかラジオを想定してたと思いますけど、まあ今でも、まあそのインターネットぴたりになってるとか。
登場人物の関係
スピーカー 1
なんかそういうので結構、今読んでも置き換え可能なところはあるかなって思いましたけどね。
そうです。まあでもですね、その家から出ないとか、社交がないっていうわけでもないですもんね、これお友達家に出るし。
スピーカー 2
だからみんなそんな感じみたいな、そういう描き方ですもんね。
で、またもう1つ、これも最初の方に出てくるんですけど、もう1個あのテレビ増やしてほしいみたいな。
スピーカー 1
4枚目が欲しいって。
壁、壁3面今テレビやろうみたいな。
そうそうそう。
スピーカー 2
すごい過剰でしたね、その辺の描き方。
みんなそれは、どのキャラクターもすごい過剰に描かれてるんですけど、クラリスもなんかずっと一方的に喋ってくる、なんかあたこがおかしいって言われるみたいなとか書いてあったりとか。
スピーカー 1
なんかあの、ベイティ隊長の話をもうちょっとしたいんですけど、なんか彼が実はなんか死にたがっていたみたいな説が出てくるじゃないですか。
スピーカー 2
そんなのありましたっけ。
ちょっと言ってるだけでしょ。
スピーカー 1
そうそうそう。まあベイティ、一応ネタバレで言うと、ベイティ隊長っていうそのモンターグの上司がいて、最後モンターグに殺されるんですよね。
でも実はベイティは死にたがっていたんじゃないかっていうのを206ページでちょろっと言うんですよ。
主人公かな。
そうそうそう。
あの一番最初ですね、206ページの。
点々打ちながらベイティは死にたがっていたって。
まあ実はそのベイティも、ベイティってすごい本の知識がたくさんあるじゃないですか。
実は彼も地を愛するものだったのかなみたいな見合わせがちょっとあるんですけど、
まあこれ実際どうだったのかなっていうのが、コノンさんどう思ったかなって聞きたかったんです。
スピーカー 2
これは主人公モンターグの妄想だと思ってるよね。
スピーカー 1
単純に。
スピーカー 2
ベイティはそういうなんかどう思ってたみたいなって全然わからないんで、この本読んでても。
スピーカー 1
そうですね。
なんかその本の知識いっぱいあるのは、隊長黒さんみんなそうやみたいな言うじゃないですか。
その情報もね、客観的なっていうか言ってるだけだから。
スピーカー 2
なんかこれ殺してしまったことを自分が正当化するために言ってるのかなとかね。
スピーカー 1
ああなるほどね。そうかそうかそういう説。
なんかね私これを受けた後に、まあ一応モンターグ死にたがってる説をちょっとこうあり得るかなと思って考えてたんですけど、
スピーカー 2
ベイティ?
スピーカー 1
ベイティすいません。ベイティ、最初の方で両犬の機械、両犬マシーンが消火死を襲ったっていうエピソードがちらっと出てくるじゃないですか。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
なんかそこでベイティが、ベイティ死にたがってる説に立つともしかしたらベイティなんかこのことについて、なんか思うとかあるのかなみたいなシーンがちょろっとあるんですよ。
とね、47ページのあたりですかね。
なんか両犬は人間の細かい生態情報を入れたらマシーンのように襲っていくっていう、そういうマシーン、ロボットですけど、
そこの数値ちょっと変えて、自分を襲うようにした消火死っていうのがいるんだって話をしてるんですよね。
だからなんかこう、そこってもしかしてベイティ自分を、そういう自分に両犬を向けるような考えがちらっとあるのかなみたいな、そんなふうに思ったんですよ、ベイティが死にたがってるとしたら。
スピーカー 2
両犬に殺されたらそう思いますけど。
スピーカー 1
そうですね。カモンさんどう思ったかなと思ったけど。
いや僕はもう完全に何も考えてないと思いました。この作者はそんなこと考えるのとどんどん本を書いていったかなと思いました。
そっかそっか、じゃあ。
スピーカー 2
なんかその、なんていうんですかね、あんまりそういう、どう言ったらいいんかな、伏線回収みたいな話はあんまないだろうなと思ったんですよね、この本自体が。
内容自体が結構、どんどん破綻していくというか、どうなっていくんかわからんぐらい、先が読めない感じだったんで。
で、そのオチもこれでいいんかっていうような感じの終わり方だったし。
スピーカー 1
そっかまあ、確かにそんな伏線みたいにあんまり考えなくても、考えないような終わり方確かにしてますね。
スピーカー 2
なんかその辺で言うと、やっぱ村上春樹とかもそういう本の書き方をしてるから、なんかその、前に書いたことと後の方に浮かびてることを繋げて書くっていうことはあんましないじゃないですか。
だんだんこう、話を思いつきで進めていくみたいな感じの。そっちかなと思いましたけどね。
スピーカー 1
SFってなんかどっちかというと、結構作り込んだものが多い印象だったから、ちょっと気になるものは前半で、ちょっと気になるなと思うのはメモしてたんですけど、確かにそれが回収されなかったな。
さっきのすいません、ベイティ隊長の似合わせで一番わかりやすかったのが55ページでした。55ページの4行目からで、シアトルの消火師が自分の体の数値を機械料件に入れて話した。
いくら自殺したいからってこんな凝った手を使うこともあるまいになっていうので、ちょっとこれが後で振り返ると、ベイティが自殺したがっていた似合わせかなってちょっと思ったのがありましたね。
あともう一個伏線かなって思ってたの、別のところでもう一個あって、同僚が2人出てくるじゃないですか。ストーンマンとブラックっていうのが出てくるんですけど。
私ね、69ページ見てもらいたいんですけど、これは火をつけた活動の後の話かな。あとベイティがまず本の引用をめちゃめちゃ喋るシーンが69ページで出てきて、
ストーンマンが隊長をちらりと見合った。驚いていることではモンターグも同様だっていうので、ストーンマンが驚いているっていう描写があったんですよ。
で、同じ69ページの後ろから4行目、クソっていうところですけど、ショーは今の角を左だぞ、お前右折したんじゃないかって言って、運転手のストーンマンが道を間違えるシーンがあるんですね。
これでストーンマン結構動揺してて、モンターグ的に本を読みたいとか本を隠してるみたいな、自分と同じ、モンターグと同じようなことを考えてる奴が実は同僚にもいたみたいな、そういう伏線を張ったのかなって思ってたんですよ。
なんか終盤に、実はモンターグ俺もなんだみたいな感じで、ストーンマンが出てくるのかな、期待しながらちょっと読んでたんですけど、ストーンマン全然出てこなかったから。
スピーカー 2
そう、頭殴られてる。
スピーカー 1
伸びてるだけだから。
こいつ全然ちゃうかったって思いましたね。このこいつすごい伏線だと思ってたんですよ、私。
メディアの影響
スピーカー 1
なんかそういうふうに読むとちょっとそれっぽくないですか。
スピーカー 2
僕は全然何も思わなかったですけど、これは普通にただ道間違えただけやなと思ってました。
スピーカー 1
ただ道間違えたなんてことは、なんか小説の中で出てきたらちょっと疑いません?
スピーカー 2
全然僕そういう読み方しないです。
なんかそういう、なんかかんぐったりはしないですね、まず普通に読んでて。
スピーカー 1
そっか。なんかちょっとこういう。
スピーカー 2
それはミステリーとか読んでる人の読み方やと思うんですけど、僕はそういう読み方は全然。
スピーカー 1
なんかね、こういう、まあなんていうか最後にボス的なものが出てくるのかなって思うような本は、なんかこういう怪しい動きする人は私ちょっとやっぱり気にしちゃいますね。
聞いてくると思ったんだけどな。
スピーカー 2
いや、なんか普通の反応やと思いましたけどね。
スピーカー 1
そのさっきの機械料件になんとかっていうのも、この奥さんがまず自殺未遂してるから、この時代に自殺未遂がまず普通なんやなっていうのが前提であったんで、それだけやなと思ってましたね。
なるほどね。そう言われたらその通りですよ。
それは実際話にあんまり関係なかったんで。
スピーカー 2
なるほど。
後で、この辺読んでる時に、もう明らかにこれはっていうのは、主人公が後で料金に追われるんやなっていうのはわかるじゃないですか。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
それだけですね、思ってたの。これ絶対追われる伏線やっていうのは。
そっか。
それはなんかわかりすぎてたんで、伏線までもいかないぐらい。
モンターグの葛藤
スピーカー 1
そうですね。伏線というのではないですね。
スピーカー 2
はっきりしたことでしたけど。
そういう、こういうなんか機械の犬みたいなのが出てきて、追われへんわけないみたいな。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
パターンですからね。
スピーカー 1
そっか。
それぐらいでしたね。だからこのベイティ隊長自体は、僕はあんまりよくわからないキャラクターやったんでね。何がしたいのか。
スピーカー 2
だから隊長ってそういうもんなんかなぐらいの、思ってましたね。もうその。
スピーカー 1
そんな感じですか。
スピーカー 2
隊長はみんな知ってるみたいなやつなんで。なんか隊長クラスはみんなそういう知識を得て、周りの隊員とかにもこう監視してるみたいな。
スピーカー 1
まあでもそれ、ベイティ隊長は言ってるだけですからね。いくらでもなんか言いくるめられるから。私はベイティ隊長ちょっと疑ってましたけどね。深読み知ってました。
スピーカー 2
それだけの、それだけの登場人物だと思ってましたね。言ってるだけですけど、それ以上のことは何もないんで。この本に関しては。
ペーバー教授との出会い
スピーカー 1
まあ終わってみればそうですよね。
他の人が違うとかもわからないんで。なんかほんまそういう深読みは一切してなかったです。
スピーカー 2
あと出てくるメインの登場人物としては、ペーバー教授。
スピーカー 1
そうですね。ペーバー教授。
スピーカー 2
ペーバー教授というのがいて、そのモンターグが消火手としていろんな家行って本焼くっていう活動してて、これってほんまやばいことなんちゃうかって疑問を持ち出したのが、おばあさんの家に行ったとき。
で、なんかおばあさんが一緒に燃えてしまったんですよね。本と一緒に。
スピーカー 1
自分でマッチして、自ら死ぬことを選んだ。
スピーカー 2
だからなんかこういう活動やっててほんまにいいんやろうかって思ったときに、そういうマッチでぎんやり声を掛けられた人。人を思い出して辿っていくっていう。
で、ペーバー教授とちょっとこの世の中を変えようみたいな、そういう活動を急にやりだすんですよね。
スピーカー 1
そうそう。すげえたけつけで。
相棒みたいになって、ブレンとしてね、教授がいろんなアドバイスをしますね。
スピーカー 2
だからそのまま行くんかと思いきやって感じでしたもんね、この本の流れとしても。
いろんな計画を立てて実行しようとするのに、暴走するんですよね、本タグは。
スピーカー 1
そうそう、いろんな人に本を見せたりしてね。
体調にボロがばれへんようにずっと詰められてるときとかも、ベイティーたちのフェーバー教授は、インカムでずっと話しかけるんですよ、落ち着けみたいな。
スピーカー 2
乗るなみたいな、誘導尋問みたいなのずっとされるんですよね。このやりとりとかほんま僕はコメディやなと思いました。
この焦ってつい何かこうやりだしそうになる、暴走しそうになる主人公をなだめる、ベイティーたちのフェーバー教授っていうその構図が、ほんまこれコントにしか見えへんかったよ。
スピーカー 1
確かにもう今の世の中、もう溢れてますね、こういう展開は。
実現場にはいなくて、なんかこう声だけで、やめろやめろって。
そうですね。
スピーカー 2
全部台無しにしてしまうんだよね、本タグが。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
この辺はね、そういう本じゃないけど、ちょっとやっぱコメディに見えてしまうっていうのは。
スピーカー 1
うーん、なるほどな。
スピーカー 2
でもなんかそれを真面目に書いてるとこも、やっぱちょっと面白みなんですよね。
スピーカー 1
なんですかね、この人の小説って他に何か読んだことあります?
スピーカー 2
ないっすないっす、全然。
スピーカー 1
私は短編で一個だけ読んだからちょっとね、この人の作風がまだちょっと読めてないんですけど、
どれぐらいこれをこうなんていうか真面目に書いたのかちょっとこう、
なんかコメディ要素含めてるって自分で意図してるのかがわかんないですね。
スピーカー 2
作中では真面目なんで、その読み手の気持ちがどうなるかはわからないですけど、
その作品世界内では至って真面目じゃないですか。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
それが全部面白いんですよ。
スピーカー 1
ちょっとまた深読みになっちゃうかもですけど、
115ページって、モンターグの家に誰かがやってきて去っていくシーンがあるんですよ。
玄関ドアで玄関、誰か来たのかな、家に。
でも結局誰が来たかまでわからずに、その訪れた人が去っていっちゃうシーンが115ページにありますよね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
これって誰だったかって書いてましたっけ。
スピーカー 2
これ犬とか言ってなかったっしょ?
スピーカー 1
これ犬か。
なんかそのウェイティ隊長が言ってたような気がする。
なんか言ってましたね。
スピーカー 2
医療研究。
スピーカー 1
なんか忠告したみたいなことを言ってましたし。
スピーカー 2
なんかこういうのをね、たぶん考えんと書いてるんじゃわからんけど、
すごい多すぎる。後でちょっとごまかそうぐらいの。
だから村上春樹の書き方がだいたいそうやから、とりあえず挟んどくみたいな。
スピーカー 1
別に全部に意味とか伏線とかじゃないのか。
スピーカー 2
って思いましたけどね、この作風的に。
スピーカー 1
これ私はストーンマンが最後聞いてくるのかなって思ったんですけど。
スピーカー 2
ストーンマンは何にも思ってなかったですね、存在を。
スピーカー 1
ちょっとね、気になってましたよ。
スピーカー 2
名前も、なんかもう一人いましたもんね。
スピーカー 1
ブラックじゃないですか。
ブラックは全く何もなかったですね。
ストーンマンもなかったですね。
スピーカー 2
もなかったですよ。
スピーカー 1
まあいろいろあって、結局最後ちょっと冒頭でも言っちゃいましたけど、
戦争が始まって、このアメリカの世界が一回こう、なんていうか衝動になるんですね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
で、そっからまた始めるかみたいな。
スピーカー 2
そうですね。
よくあるリセット物みたいな感じの。
アティラとかもそうでしたけど。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
イチから始めようみたいな。
スピーカー 1
ネオンアメリカを始めるみたいな。
なんかめっちゃ焼けた、焼けるって爆弾が多分落ちたと思うんですけど、
スピーカー 2
めっちゃあっけないですよね。
スピーカー 1
ほっという間に衝動に勝つから。
スピーカー 2
なんかもうだから追いかけられるのを気にしなくていいって言われて、
なんで、それが後になったらわかるみたいな。
言われるんですよね。
スピーカー 1
なんでかって。
これすごい最後の畳みかけがけっこう唐突だなって思いましたけどね。
スピーカー 2
でも一応そのなんか戦争がどうとか、その辺の見合わせはずっとあったんで。
スピーカー 1
でもね、こんな簡単に、簡単に戦争で一気に負けるじゃないですか。
スピーカー 2
そこはね、畳みかけましたね、最後は。
だからその町が爆撃されるぐらいまでは、あんのかなと思いましたけど。
スピーカー 1
ある意味このそういう何ていうか状況が悪いことは、国から国の方で隠してたのか。
スピーカー 2
テレビがなんか全部嘘つくみたいな感じでしたね。
誰も興味ないからみたいな。
全体的にやっぱり過剰にやっぱりそういう本とか知識とかを神聖視する感じがあった。
スピーカー 1
ちょっと作家の思想というか、割と強めでしたね。
終盤にその、この時代でも知識を愛する者たちが選ばれた者たちみたいなのがいるじゃないですか。
彼らが何だったかな、なんか忘れたものを、読んだものをもう絶対に忘れない方法を見つけたみたいなことを言うじゃないですか。
だからなんか本なくなっても、君が本みたいな。君がマルクスだみたいなこと言う。
スピーカー 2
めっちゃダサい。
スピーカー 1
これもね、ちょっとめちゃめちゃ急展開すぎてね、私ちょっとこれは乗れなかったですね。
私がプラトンの共和国だとか。
スピーカー 2
全部思い出せるみたいですね。
スピーカー 1
20年前からその研究に取り組んでいて、一度読んだものを完全に思い出すことができる方法が完成したっていうのを252ページで言ってます。
これすっごい急な。
その辺はちょっとね。
でもね、なんか勢いがあって面白かったですよ。
スピーカー 2
なんかそういうのは全然含めて、ちょっと笑ってしまうところはあるけど、面白いのは面白いですけどね。
まあ、ほんまに10代の人が読めば、もしかしたら影響を受けてしまうかもしれないんですよ。
知識への覚醒
スピーカー 2
めっちゃ本が好きで。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
本が読めなくなるみたいな、そういうのにグッと入り込む人が焼かれる、ちょっと大人になってから読むと、そういうのめり込み方はちょっとできないかなと。
スピーカー 1
ちょっと引いて面白がっちゃうみたいな感じになっちゃうのかな。
スピーカー 2
だから若い時に読んだ方がいいかもしれないですね。
スピーカー 1
私ちょっと最後もう1個気になったところがあったんですけど、割と序盤で22ページ見てほしいんですけど、22ページの7行目ぐらい。
モンターグが家に帰って、グリールの奥に潜んでいる何者かのことが気になったって書いてるじゃないですか。
はい。
これもうネタバレの話なんで、結局これ本でしたよね。
はいはいはい。
これって何者かっていう書き方だったから、私もちろん最初わかんなかったし、モンターグ自身もなんかこれが何かがわかってないのかなと思ってたんですけど、
本はモンターグが隠してるから、モンターグ目線だとこれって別に何者かじゃなくて、ただの本ですよね。
うん。
なんかね、なんでこれ、だからそう思うとモンターグが隠してるっていうのに何者かっていう書き方が変だなって思ったんですよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
思いませんでした?
スピーカー 2
僕はもうそもそもこの小説がすごい比喩が過剰なんで、その1つかなって思いました。
スピーカー 1
なるほど。そういう、なるほどね。
スピーカー 2
なんかその擬人化してるみたいな。
スピーカー 1
なるほど、そっか。
だから23ページ、同じ見開きの左のページで、3行目で何だと?とモンターグの分身が問いかけるって書いてますよね。
はいはい。
私ね、これもあって、なんかね、モンターグがもしかしたら擬人格みたいな、その消化師としてのモンターグと本を愛するモンターグがなんか分裂してるのかなみたいな、そんなことも考えてたんですよ。
だから、なんかモンターグ自身が本を隠したのに、消化師であるモンターグはそれが何か分かってないけど、何かあそこに何かがある気がするみたいな。
そういう1人の人物の中で分裂してることを笑わせてるのかなって考えました。
スピーカー 2
それは最後まで読んでるんですか?
スピーカー 1
いや。
大丈夫ですかね。
結局これは別に特にないだろうなと思いましたけど、
なんかそういう、私これで思ってたのが、進撃の巨人っていう漫画があるじゃないですか。
ライナーっていうじゃないですか。
あれ、彼もなんか分裂してるでしょ。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
壁の中の兵士であるライナーと、壁の外の島にいる戦士としてのライナーみたいな。
彼、途中でぐちゃぐちゃになっちゃって、やっぱり兵士ライナーと戦士ライナーがぶつかって混乱するみたいなシーンがあったんですけど、
それを思い浮かべてしまいましたね。
モンターグの葛藤
スピーカー 1
モンターグの中でそういう地を愛する自分と、消化師として地を消していかなきゃいけない自分みたいなのが、
うまく別れることができなくて、苦しんでいるのかなーみたいに思いましたけど、
違ったっていうのは。
スピーカー 2
実際読んだことなかったよね、本自体を。
なんかいっぱい溜め込んでただけみたいな。
スピーカー 1
だからなんかね、結構今回はね、自分の中でいろいろ疑いが強くなりすぎたなっていうのは思いました。
特にそんな考えることなかったっていうのは多かったですね。
スピーカー 2
僕読んでるときはあんまそういう、何も考えんと読んでるから、あんまり考えてないですね、いつも。
スピーカー 1
私もね、そんなにこう、毎回毎回これ実は何々な伏線かなとか思わないんですけどね。
ちょっと今回は読書会で読むっていうのもあるし、こまめにメモ取ってたっていうのもあるから、
できるだけ気になったところはメモしていこうっていうスタンスで読んでたんで、
そういう態度で読むと細かいところが気になるのかもしれないですね。
スピーカー 2
そういう意味で言うと僕はどっちかっていうと、やっぱ感想ばっかり書いてましたね。
ポイントポイントは自分が思ったことみたいな感じですね。
あんま考えずに読んでましたね。
で、こういうのが積み重なっていってやっぱりこう、SF好きってそうなっていくんかなみたいな感じは。
スピーカー 1
なるほどね。そっかそっか。
スピーカー 2
そのなんかこう、原点に近いものを見たって感じした。
47:19

コメント

スクロール