#4-B 銀行融資の在り方が変わる「企業価値担保権」を徹底解説(後編)
2026-06-15 18:11

#4-B 銀行融資の在り方が変わる「企業価値担保権」を徹底解説(後編)

3-Bに続いて、2026年5月25日に施行された新しい融資制度「企業価値担保権」について解説しました。

企業価値担保権を行うための「社長の3つの条件」を紹介した後、現役行員の方にインタビューした「貸す側のリアルな温度感」をレポートしています。


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【番組概要】

中小企業専門社外CFOの深澤健太(27)がお送りする、「会社のお金」のお悩み相談ポッドキャスト。

200社以上の決算書を見てきた経験から、中小企業の社長に知ってほしい財務・税務の知識をわかりやすく解説します。

毎週月曜日朝配信で、

  • A面:財務・税務のお悩み相談

  • B面:深澤の楽屋裏トーク、パーソナリティなど

を交互にお届けします。


【MC】

深澤健太|公認会計士準会員・中小企業専門社外CFO


1998年生まれ、東京都練馬区出身。大学で学年ビリになる中、「どうせやるならてっぺん目指せ」という祖母の一言で公認会計士を志し、大学3年から2年でストレート合格。大手監査法人の金融部門で3年経験した後、税理士法人へ。現在は税理士と中小企業専属の社外CFOとして経営者の右腕として伴走中。2児(赤ちゃんと猫)の父として子育てにも奮闘中。

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正しい財務、賢い税務〜ゼロから学ぶ会社のお金の話〜

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サマリー

本エピソードでは、2026年5月25日に施行された新しい融資制度「企業価値担保権」について、その融資評価の変化と銀行現場のリアルな温度感を深掘りします。従来の過去決算重視の評価から、将来のキャッシュフローや事業の見通しを正面から評価する方式への転換が解説されます。これにより、財務状況が悪くても将来性があれば融資を受けやすくなる可能性があり、特にスタートアップや事業再生の場面で活用が期待されます。現役行員へのインタビューからは、制度への期待と現場の準備状況、そして専門家との連携の重要性が語られています。

企業価値担保権による融資評価の変化
正しい財務、賢い税務。この番組では、中小企業専門の社外CFOである深澤健太がゼロから学ぶ会社のお金の話をテーマに、中小企業の社長さんのためになる財務・税務の話をお届けします。
本日はB面ということで、私一人で話す会となっておりますが、今回はですね、前回お話しした企業価値担保権に関するお話の続きをですね、お話ししたいと思います。
皆さんちょっと覚えてるかわかりませんが、前回は従来の融資の問題点がどういったものだったのか、そして企業価値担保権がどういったもので、それらの問題をどう解決するのかという部分についてお話しさせていただいたんですけれども、
詳細はですね、B面の第3回をお聞きいただきたいのですけれども、
今日はですね、企業価値担保権で銀行の融資に関して中小企業に対する評価そのものが変わるよという話をさせていただこうと思うんですけれども、
ここから少し踏み込んだ話に入っていこうと思うんですけれども、
今言ったように企業価値担保権が始まることでですね、銀行の融資評価のやり方そのものが変わります。
これはですね、2025年の4月28日にですね、金融庁が公表したものに書いてありまして、社長さんにとってもめちゃくちゃ重要な話です。
この銀行庁の公表したものというものが、企業価値担保権付き融資の評価や引き当ての方法等に係る基本的な考え方というちょっと長い公表文なんですけれども、
ざっくり要約するとですね、企業価値担保権付きの融資はこれまでの不動産担保や無担保融資とは少し経路が違うと、
だから債務借分の判定もこれまでとは違う考え方でやってくださいといったような内容なんですね。
これもっと噛み砕いて言うと、将来キャッシュフローや事業の見通しを正面から評価して、債務借分を判定してくださいと。
これじゃあどういうことかというと、従来のですね、銀行の融資評価ってどういう風に行われていたかというと、
基本的には過去の決算書、大体3期分ですね。
3期分の決算書を見て、財務諸表の数値とか財務分析の結果をもとにですね、企業の債務借分を判定していました。
なので、例えばですけれども、将来めちゃめちゃ有望な会社であったとしても、
過去3期分の決算書の内容が悪ければ融資はできませんよというような会社も結構あったりしたんですね。
今回の企業価値担保権に関して、この金融庁の公表したペーパーについてはですね、
財務情報だけ見れば、要注意先や破綻懸念先といって、少し評価が悪い状況になる借り手であっても、
企業価値担保権で銀行と緊密な関係を結び、事業の将来性からキャッシュフローによる返済が見込めるなら、
正常先、要注意先、ちょっと上のランクですね、に判定するのが合理的と、こういうふうに書いてあるんですね。
もっとすごいのがですね、表面的に財務超過、財務超過といって資産が負債を下回っている状況ですね。
この財務超過の場合でも、緊密な関係性の中で事業の見通しが見込めるなら、機械的に破綻懸念先にするのはむしろ不合理と。
これめちゃくちゃ画期的な話で、今まではですね、この決算書上、財務超過というふうになっていると、
ほぼ自動的に破綻懸念先といってですね、破綻間近の会社ですよというような評価を受けていたんですね。
ただですね、この企業価値担保権を使えば、財務超過であったとしても正常先といって融資実行ができるその格付けというか、
その債務者区分に区分できる可能性があるというふうに言われております。
ただですね、もちろんこうなるには条件があります。
この条件がですね、3つくらいに整理しますと、
企業価値担保権付き融資に適した融資方針が銀行内で整備されていること。
2つ目が、借り手の銀行が緊密な関係を構築できる体制が整っていること。
そして3つ目が、事業の見通し、例えばですね、キャッシュフローの創出能力とかが想定の範囲内で推移していることを社長側が証明できること。
このうちですね、特に3つ目、事業の見通しだったりキャッシュフローの創出能力が想定の範囲内で推移していることを社長側が証明できることという部分に関してはですね、
うちの事業はこれからこうなります。ですので、このくらいの融資はちゃんと編成できます。
というようなですね、説明をきちんと数字で示せるかどうかがめちゃくちゃ重要になってきます。
今まではですね、事業消費だったり事業再生という部分に関して業績の悪化しているとき、こういう局面でですね、
これまではですね、業績が一時的に悪化したりして、決算書の数値が若干悪くなったときという部分で、これまでなら銀行に詰めたくされていたかもしれないんですけれども、
企業価値担保権を活用すれば、銀行と緊密な関係を維持しながら債務借分を引き下げずに何とか乗り越えられる可能性が出てきますよということです。
企業価値担保権の5つのユースケースとスタートアップへの影響
そしてですね、想定されている5つのユースケースというふうに題しまして、制度設計上、主にですね、5つの活用場面が想定されております。
まず1つ目がスタートアップ、そして2つ目が事業承継、そして3つ目が事業再生、そして4つ目が経営改善、そして5つ目がプロジェクトファイナンス。
この5つが想定されているんですけれども、このうちですね、特にお話ししたいのがこのスタートアップの部分ですね。
スタートアップというのは当然国としても将来有望なスタートアップをちゃんと支援していきましょうという動きはかねてからあったんですけれども、
なかなかこの融資を、リスクが高い融資になってしまうので、金融機関側もですね、なかなかどうぞというふうに思い切った融資はできていなかったんですけれども、
ですのでですね、このスタートアップの特徴として、この企業価値担保権という制度が施行された場合、スタートアップに対する融資はかなり変わるんじゃないかなというふうに想定していまして、
スタートアップはですね、基本的に有形固定資産を持っていないことが多いので、ただですね、成長性だったり技術力はありますよというような会社にですね、銀行側もですね、
お金を貸しやすくなり、企業側としてもお金を借りやすいと、というよりかは今までは可能性が、銀行からお金を借りられる可能性がほとんどなかったけれども、銀行からお金を借りられる可能性がかなり増えたよというような変化があります。
またですね、早い段階からですね、金融機関、メインバンクとしてかかる選択肢がかなり増えますので、そういった部分でも企業の進め方というか、中小企業の発展の仕方が、速度が、そして安定性がかなり変わるんじゃないかなというふうに思います。
これまでですね、企業価値担保権で銀行の融資評価がどう変わるのかという部分についてお話しさせていただいたんですけれども、
現役行員へのインタビュー:現場の温度感と実務
今回の目玉としてですね、銀行の現場がこの企業価値担保権についてどう見ているのかという部分がですね、私かなり気になったので、実際にですね、行員さんにアンケートを取ってきました。
この方、都市銀行で働いている方なんですけれども、めちゃくちゃリアルな声だったので、少しシェアしようかなと思います。
ただですね、こちらはあくまで個人的見解として教えてくれた話なので、そこまでのためご了承ください。
まず質問の1個目として、このアンケートを取った時が、施工後3週間前、5月の初旬だったんですけれども、
校内の準備がどれほど進んでいるのかという部分を質問したところ、まずですね、行員さんの回答としましては、2ヶ月前くらいから校内ではめちゃくちゃ話題になっていますと。
収容先には絶対説明してこいというレベルで、収容先じゃなくても情報提供として前先回ってこいくらいの温度感らしいです。
ただですね、実際話題にはなっているんですけれども、実際に事業制の評価のやり方とか、実務的なところはまだ営業店には降りてきていないよということでした。
これは聞いた時にすごいリアルだなというふうに思いまして、トップダウンで絶対やれというふうに降りてきているけど、現場のオペレーションが追いついていないというような典型的な状況ですよね。
逆にこれ社長さんの視点でいうと、今の段階で銀行からもし仮に企業価値担保権どうですかというふうに提案が来たらですね、
それは実際に銀行も実験的にやっている可能性が高いですので、一緒に学びながら進める案件ではあるのかなというふうに思います。
これもまた逆に言うと、社長さんから先にこういうことに企業価値担保権興味あるんですけどというふうに振ってみると、銀行員が前のめりに動いてくれる可能性は高いんじゃないかなというふうに思います。
そして質問の2つ目なんですけれども、先ほど私が説明した5つのユースケースですね。
スタートアップ、事業承継、事業再生、経営改善、プロジェクトファイナンス。
この5つとして本命というか、これで活用していこうみたいな部分はありますかというふうに聞いたら、正直挙げてくれたもの全部を想定していると。
ただし、メインではスタートアップ、事業再生、経営改善という部分がメインになるのかなというふうに言っていました。
事業承継だったりプロジェクトファイナンスは案件のサイズも大きくなりがちなので、構造は複雑ですし、実務がまだ固まっていないのかなというふうに思います。
一方でスタートアップだったり事業再生、経営改善といった部分はですね、件数も多いし既存取引先で適用することができるので、
会長さんがメインバンクから声援を受ける可能性が高いのは、この3つの場面だと考えていいのかなというふうに思います。
経営者保障ガイドラインとの関係性と上位互換性
そして質問の3つ目なんですけれども、今回の企業価値担保権というのは既存の経営者保障ガイドラインとどういう隅分けかという部分を聞いてきまして、
これはどういうことかというと、既存の融資制度にも経営者保障がない融資というのがあるんですね。
今回の企業価値担保権の融資というのは、経営者保障がない融資の上位互換になるのか、それとも別のものなのかという部分を質問してきました。
そうしましたら、コインさんの回答はですね、上位互換になる感じはすると。
そもそもですね、経営者保障を取らない形を取りたいというのが銀行側の今の流れなので、これはまた別の上位互換なのかなというふうに感じているとおっしゃっていました。
これはですね、かなり大きな話でして、経営者保障を外したい社長さんにとってはですね、
企業価値担保権かなりいい新たな選択肢になるんじゃないかなというふうに思います。
今までですね、保障を外してくださいというふうにお願いする社長さんもいっぱいいるんじゃないかなというふうに思いますけれども、
これからはですね、企業価値担保権でやりませんかというふうに提案できる立場になったというふうにも考えられるので、
ここら辺を活用していくのはとてもいい手なんじゃないかなというふうに思います。
行員の視点:チャンスか面倒か、専門性の重要性
そしてですね、質問4つ目。僕が聞いた質問がですね、正直どうですかと。
チャンスと考えているのか面倒なのかどうですかというふうに聞いたらですね、
コーンさんはですね、個人的には今まで融資が難しかった先に対してのビジネスチャンスだと思うと。
変化がですね、めちゃめちゃ多い現代の状況からしたら、なおさらチャンスだと考えているというふうにおっしゃっていました。
聞いた感じ、現場の若手や中堅のコーンさんはですね、かなりポジティブな声が多い印象らしいんですけれども、
今までのですね、不動産担保と経営者保障の融資はですね、銀コインの腕の見せ所みたいな部分が減っていたらしいんですね。
ですからですね、この企業価値担保権ってさっきも言ったように、将来のキャッシュフローだったり将来性みたいな部分をかなり見ることになるので、
コーンさんのその目利き力だったり、ビジネスに対する知見という部分がですね、かなり大事になってくるというような世界なので、
専門性のあるコーンにとってはめちゃめちゃやりがいのある仕事になるんじゃないかと思います。
社長さんもですね、この企業価値担保権というのを逆に提案したときに、前をのめるかどうかという部分がですね、結構大事な判定ポイントになるんじゃないかなというふうに思います。
担保評価手法と本部集中・外部活用の可能性
で、質問の5つ目ですね。僕が聞いた質問が、担保評価がですね、ドキュメントキャッシュフロー法みたいにM&Aの評価手法ベースに添加するかなというふうに思うんですけれども、
支店長とか担当者レベルで判断できないですよねというふうに聞きました。
この評価はですね、本部で集中してやるのか、もしくは外部の会計士だったりFAを活用するのかというふうなことを聞いてきました。
コーンさんの回答はですね、正直ここは私も知りたいと、正直支店レベルでは判断できる気はしないと。
ですので、本部集中になると思うか、もしかしたら外部の活用もあるのかなというふうにおっしゃっていました。
これがですね、まさに今日一番話したかったポイントでして、ドキュメントキャッシュフロー法といって、将来のキャッシュフローを割引いてその企業の価値を評価する手法なんですけれども、
これはよく上場企業のM&Aの時とかに使う手法なんですけれども、実はですね、中小企業の評価でこれを支店レベルでできる人って多分ほとんどいないんじゃないかなというふうに思っています。
しかでもですね、先ほどの金融庁のペーパーで紹介しました、将来の事業を評価して債務借分を判定するという方針なんですけれども、
これは誰がどう判定するのかというのは、もう銀行業界全体で模索中らしいんですね。
ですので支店レベルではやらないというのは多分間違いないかなと思います。
ですのでおそらく本部集中なんですけれども、問題はですね、本部がパンクするかどうか、もしかしたらかなり集中して本部でも間に合わないんじゃないかなというふうに思うので、
そこでですね、外部の専門家、私のみたいに会計士だったり税理士といった専門家の活用余地が出てくるんじゃないかなというふうに思っています。
社長さんとしてもですね、企業価値担保権を活用する場合は、まず企業の数字を見て将来キャッシュフローを試算して銀行に対してきちんとした説明資料を作ると。
こういったですね、企業価値担保権を活用するための計画づくりだったり財務資料をですね、ちゃんと作ることがかなり大事になってきます。
ですのでそういった将来の事象を見据えて伴走できるような専門家をですね、見つけるのも社長様のこれからの仕事になってくるのかなというふうに思います。
企業価値担保権のまとめと活用へのアドバイス
B面の第3回と第4回で企業価値担保権についてお話をさせていただきました。
まとめますとですね、5月25日からスタートしますと。
経営者保証を外したいと思っている社長、有権固定資産を持っていないけどビジネスに自信がある社長、事業証券を控えているけど後継者に保証を背負わせたくない社長、あとは経営が固めているけど再生のチャンスをつかみたい社長とかはですね、ぜひチェックしてみる価値はあるのかなと思います。
もしですね、うちでも使えるのかなとか銀行に提案する資料どう作ればいいんだろうって思っている社長さんがいればですね、ホームページだったりインスタ、あとはXとかからですね、コメントいただければ、ポッドキャストのコメントでもいいのでぜひコメントいただければ私の方から何か提案できればなと思います。
もしうちでも使えるのかなとか銀行に提案する資料どう作ればいいんだろうって思っている社長さんがいればですね、私の方でも相談を受けていますのでコメントいただければ、あとDMとかですね、いただければ何でもお答えできると思います。
正しい財務、賢い税務、お聞きいただきありがとうございました。
番組への感想は、ハッシュタグ正しい財務賢い税務でXに投稿いただけると嬉しいです。
また、概要欄にありますホームページで授業内容やセミナー情報などについて紹介しています。
それでは次回もお楽しみに。
18:11

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