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さて、今回は枕草子についてお話ししたいと思います。
枕草子というのは、平安時代中期の成立ですが、清少納言という方がお書きになりました。
清少納言という方は、忠偶帝子という方にお使いしていた方です。
忠偶というのは、帝の奥さんのことです。
帝の奥さんの中の帝子という方がいらっしゃいまして、その帝子という方にお使いしたのが、この清少納言ということです。
この清少納言というのは、様々な事情がありまして、この宮中の忠偶帝子の下、離れることになるんですね。
その離れた時に、宮中の生活を懐かしんで思い出して描いた、そしてそれを忠偶帝子に送った、そのようなものだと言われております。
この枕草子というものは、大きく3つの種類の章談に分かれております。
まずそもそも章談と呼ばれる小さなお話のまとまりになっているんですけれども、その中でこの3つの分類をしているんですね。
一つ目が類集的章談。類集というのは、類を集めるという字を書きます。
この類集的章談というのは、別名物づくしとも言われますけれども、例えば、美しきもの、凄まじきもの、心にくきものといったように、何か一つのテーマに従って、そのテーマに沿ったものを次々と列挙していく、というような章談になっております。
これを参考にして、当時、美しとか凄まじとか、憎しとか、そういったものがどういうようなものを指していたのか、ということを知ることにつながっているとも言えます。
二つ目は日記的章談、階層的章談ということもあります。
これはまさに、宮中の生活の日記のような章談なんですね。
宮中の日記とありますので、当然のように、そこに中宮帝子も存在していて、登場いたします。
ただ、文章中では、中宮帝子様が、とか、そういう表現はなくてですね、もう淡々と会話が流されていて、
ただ、その会話の中にある、例えば、何か敬語が使われていたりとか、あとは誰かに命じていたりとか、
そういうところから、これが多分、中宮帝子様の言葉なんだろうな、とか、そういうところを察しながら、読んでいくことになります。
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そういう宮廷生活、宮中での生活を、懐かしんで書いた、まさにこの幕段草集の中心的な部分と言ってもいいかもしれません。
それが日記的、階層的章談であります。
そして、累積的章談、日記的章談以外の部分を、便宜上、随層的章談と言っております。
今でいう随層、随筆とちょっと近いかもしれませんね。
何か自分の思ったこととか、見たもの、感じたものについて、ずらずらと描いていく、そういった章談を、随層的章談と言っております。
非常にその、累積的章談にしても、今の随層的章談にしても、非常に観察力とか、そしてその分析力が優れています。
そういったところに価値を見出す姿勢として、お菓子の文学というような言葉を用いることがあるんですね。
お菓子というのは、これは単語上は、趣深い、上手がある、のような意味で使われるんですけれども、
ただ厳密に言うと、お菓子というのは、理智的な、機智的な感覚とも言われます。
要するに、何か分析的だったり、観察的なものによって、美しさを感じている、というような様子を、これをお菓子で表す。
なので、幕田雄壮氏を、お菓子の文学ということもございます。
ついでに、幕田雄壮氏と深く関わりがあるものに、原人物語があるんですね。
清少納言が、お使いしていたのが、中宮帝史でした。
同じ一条天皇の、その後の中宮に、少子という方がいらっしゃいます。
その中宮少子に、お使いしたのが、紫色部なんですね。
紫色部の絵がいたのが、源氏物語ということになります。
なので、清少納言が、お使いしたのが、中宮帝史。
紫色部が、お使いしたのが、中宮少子。
同じ一条天皇の奥さん、中宮ということなので、非常に時期的にもかぶっておりますし、お互いにもよく知っていたのではないか、という話もございますね。
というような関係になります。
ある種のライバル関係にあった、とも言われております。
幕談草子は、非常に内容としては、ストーリーがある、お話として面白い日記的商談。
あとは、当時の生活、感覚が垣間見える、衣装的商談。
そして、様々な、現代にも通じるような、美的感覚。
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また、今とはちょっと違った感覚もあるような、随走的商談。
それぞれに、楽しむことができる、そんな作品となっております。
こちらは、ジャンルとしては、随筆ということになっております。
いわゆる、三大随筆の一つ、ということでございます。
以上が、幕談草子でございました。