2023-03-11 09:24

【高校古典質問箱】#6 どんな作品から読めばいい?

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古文を読んでみたいというときに、どんな本を読めば良いのでしょうか?ここでは、特に随筆と説話をおすすめしています!
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【高校古典質問箱】です。今回は、どんな作品から読めばいいということにお答えしていきたいと思います。
基本的には、自分が気になった作品とか、あとは何か授業とかテキストとか、そういったもので出会ったものをまずは楽しんでみる、親しんでみるというのがいいかと思います。
どんなテキストでも教科書であっても、大抵は一部分しか収録されておりませんから、ですからそういったものについて、もうちょっと他の部分も読んでみようかなということでもよろしいかと思います。
ただ、といっても、なかなかそういったテキストとか、あとは教科書の中でそんなに心惹かれるものがないなと思うんだけれども、とりあえず古典を読んでみたいとか、あまりそういったものからではなくて、とりあえず何か古典作品を読んでみたいんだという方でしたら、まずは随筆か説話をお勧めしたいと思います。
まず随筆というのは、枕草紙、包状器、つれづれ草のことを基本的には言うと思っていただいていいと思います。
これらの作品というのは非常に人間的な魅力を感じるものなんですね。非常にその作者の人間性というのが、我々に近いものと、また我々とは違うんだけれども、どこか驚きとともに共感を持って迎えられるような作品、そういった文章が多いというか、そういう部分が多いんですね。
ですので、非常にそのもちろん一口には言えないんですけれども、割合親しみやすいというか、どんな方にも刺さる文章がどこかにはあると思っていただけていいんじゃないかなと思います。
枕草紙というのは清少納言という女性が書いております。また宮中を描いているものですので、ですので何か王朝文学とか、そうですね、何か源氏物語とか、あとは晒しな日記とか、そういった平安時代の貴族の生活なんかに親しみたい方、
なんかみやびな世界観に触れたい方は枕草紙なんかがとりあえずいいんじゃないでしょうかね。またもうちょっとリアリスティックに、現実的に当時の文化がどんなものだったのか、特に仏教についてですね、仏教的な考え方というものにシリアスに向き合いたい。
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少し真面目で落ち着いたテイストの文章を読みたいという方には方丈記がおすすめです。この方丈記というのは大きく2つの内容が書かれておりまして、一つには五大災害、五大事件と呼ばれる平安時代末期の様々な自然災害を中心にした大きな事件を取り扱っている部分。
あとはこの作者である鴨野長明が、方丈のいおりと呼ばれる人里離れたところで住んでいたそのことについて書かれている部分があります。いずれにせよ非常に現実的というか、落ち着いたテイストで書かれておりますので、そういった作品を読みたい方は、まずは方丈記を読んでいただいたらいいかと思います。
また、少し皮肉った文章というか、ちょっと滑稽な面白おかしい話とか、話としてオチがあるような、そういうものに親しみたい方にはつでずで草という作品がおすすめです。
こちらは健康奉仕という方が書いているんですが、なんかこの仏教的な内容についてどこか皮肉っぽく、あるお坊さんをちょっとバカにしてみたいだとか、なんかそんなテイストで書かれている部分が非常に多いんですね。ですので非常に面白いと思います。
どの作品についてもですね、小さな商談と呼ばれるまとまりに分かれているんですね。なので大きな流れの文章のストーリーを終わらなきゃいけないということじゃなくて、まあ言ってみれば短編のエッセイのようなものとしてちょっとずつ読めるんですね。
ですから例えば最初から読まなくとも文章の途中だけ部分的に読んでも楽しめるようにできています。ですのでこれらは非常に親しみやすいと思うんですね。いきなり大きな長い文章を全部読まないとわからない、最初の方から順番に読まないとわからないというよりは、まあ小さな部分部分をまずは読んでいく。
パラパラとめくってみて興味がありそうなところだけとりあえず読んでみるということでも十分楽しめるのがこうした随筆というものです。
最後に出てきましたツルズレグサという作品は、こちらは説話的な雰囲気を持っている作品でもあります。説話というのはいわゆる昔話とか当時の噂話とか伝説とかそういったものを集めたものを説話集と言いまして、そういったもの全体を説話と言っております。
ツルズレグサもこのような説話的にいろんな昔話的なもの、大抵はお坊さんの失敗話だったりするんですけど、そういったものが入っているものなんですが、そういったものだけを集めたものが説話集と呼ばれるもので、代表的なものに根尺物語集というものと宇治集物語集というものがございます。
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これらの作品はこれも短編の昔話をいっぱい集めたようなものですので、これもまたまあまあ読みやすいものもいっぱい入っています。現代昔話として伝わるような、例えば下斬り雀とか、わらしべ長蛇とか、そういったものの元ネタ、元ネタというかその同じお話が入っていたりするんですね。
ですので非常にこれも部分的に読むことができるのでおすすめです。ただ、説話の場合、一人の方が書いたというわけではなくて、いろんな人がいろんなふうに語ったものを合わせたもの、集めたものですから、まあどうしても読みにくいところ、読みやすいところは出てまいります。
内容としては非常に豊かで面白いんですけどね。そういう意味では説話よりも、随筆の方が一人の方が書いたということである程度統一感もありますし、長さと全体の長さというか分量としてもですね、比較的短いと思います。補助記なんか特に短いですね。結構短いです。
なのでそういったもので読んでいただくのもいいかと思いますが、まあいずれにせよ、あんまりこの全部読もうとしないのも大事だと思います。
現代の本もそうですよね。全部読む必要なんてないんです、お話っていうのはね。ところどころ読むとか、部分的に読んでもいい。ただ物語の場合、どうしても一通り読まないと面白さがわからないものもあったりしますから、差し当たりまずはこのような随筆というものに手をつけてみるのはよろしいんじゃないかなと思います。
逆にですね、あんまりお勧めしないというのがですね、源氏物語ですね。やっぱり言わずと知れた源氏物語、おそらく古文にあまり親しみのない方でも名前を知っている作品ですよね。なんですが、原文を読もうと思うとですね、非常に難しいんですね。
また、原文じゃなくても直訳したとしても、仮にもうちょっとわかりやすい訳になったとしても、まあ難しいんです。難しい。元が難しいというのもあります。さらに長いんですね。また登場人物もいっぱい出てきますし、決して読みやすくはないですので、面白いんだけれども、ちょっといきなり取り掛かるにしてはあまりお勧めできないです。
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ということで、今回はどんな作品から読めばいいのかということについてお答えいたしました。
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