2022-08-11 04:59

#18 方丈記 概説

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キーワード:方丈記、鴨長明、随筆、五大災害、無名抄、発心集
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それでは、講義を始めてまいります。
今回は、方丈記という作品です。
方丈記は、鎌倉時代前期に、鴨の長名によって書かれました。
この方丈記というのは、随筆に分類されます。
いわゆる三大随筆と言われるのが、
枕草子、方丈記、ツデズデ草ですけれども、
その真ん中ということになります。
鴨の長名という方は、もともと下鴨神社の家系に生まれました。
その後、和歌の道に進みます。
出家されて、その後、方丈記に書かれるような、
方丈のいおりと呼ばれる粗末な家で住むということになります。
この方丈記というのは、大きく分けて2つの内容が書かれています。
1つは五大災害と呼ばれる、五大事件とも呼ばれます。
平安時代末に起きた様々な自然災害や大きな事件、
それらというものがまず描かれるのです。
その五大事件と呼ばれるのが、いわゆる安原の大火、
地上の辻風、福原への銭湯、
そして洋和の大紀錦、原略の大地震ということで、
ほとんどが自然災害です。
紀錦というのも結果的には様々な自然災害によって、紀錦に陥るということです。
この大きな火事や辻風や地震について、非常にリアリスティックに、
まるで新聞記事のように、どういうことが起きたのかということを書かれています。
ですから、ある意味では取材記としての意図合いがあると。
なので、最古のルポタージュだ、という言い方もされたりします。
そういった作風の部分と、そして後半になると、
ほうじょうのいよいで鴨の町名が俗世を離れて住んでいる様子、というのが描かれています。
よく読まれるのは災害の部分ですかね。
そのあたりについて具体的にどのようなことが起きたのか、
という部分について読まれることが多いでしょう。
自然災害というのは日本にとって、これはもう千年以上前からずっと向き合ってきたことだと思うんですね。
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それについて、やはりこの鴨の町名の時代にも起こっていたんだな、ということが忍ばれる、
というような題材としてよく引用される、そういった文章でございます。
このほうじょう記という作品の中では、もちろん陰頓生活を送る、
陰者としてこの俗世間を離れて住む、ということにつながるわけですけれども、
やはりその背景となっているのが、いわゆる五大災害のような、
人間の力ではどうしようもないような圧倒的な力によって左右されてしまう、
そういった現実というものと向き合った結果の遁性生活だ、というふうに言えると思います。
これが鎌倉時代初期、ほうじょう記という作品でございました。
ちなみにこの鎌の町名という方、非常に現代に残る作品をさまざまなものを書いております。
最もよく知られているのはおそらくこの随筆のほうじょう記というものなんですが、
他にも過論書、和歌についての解説書というか批評文について書かれている、
歌はこうあるべきだとか、そういうことが書かれている無名章という作品、
また発信集と呼ばれる、これは節話集ですね。
仏教節話集としての発信集というものも書いております。
このいずれもが非常に現代でも親しまれている作品なんですね。
なのでこのほうじょう記、無名章、そして発信集、
これらが鎌の町名の代表作として今にも愛されているということでございます。
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