00:02
それでは、今回は竹取物語について、ご紹介したいと思います。
竹取物語は、奈良時代の終わりから平安時代にかけて、非常に古い時代に作られた物語だと言われております。
こちらは、ジャンルは作り物語というジャンルになっています。
物語にも、作り物語とか、歌物語とか、歴史物語、軍旗物語、なんていうものがあるんですが、
いわゆる現代の物語と同じように、フィクションとして描かれた物語、これを竹取物語のようなものを作り物語と言っております。
この竹取物語は、そのような物語の中でも一番古いものだと言われております。
この竹取物語は、大きく3つの場面に分けることができます。
まず1つ目が、かぐや姫が老い育っていく様子。
2つ目が、5人の貴公子と、帝による旧婚が描かれている場面。
そして3つ目が、かぐや姫が月に帰っていくという場面であります。
多くのかぐや姫とか、竹取物語と呼ばれるような物語がありますけれども、
その原作というか、一つの元になったものが、この竹取物語なんですけれども、
このかぐや姫がどのように見つかったかというと、
これは竹を編んだりとか、竹を使って生型を立てていた、おきなと呼ばれる人。
この人が竹林にいた時に、たまたま光る竹を見つけたんですね。
そこでその竹を見てみると、そこに小さな女の子がいたというところから始まります。
その女の子がみるみるうちに大きくなりまして、その後成人するということになっていくんですね。
ですから普通の人間ではないかなというところが伺えるんですね。
それと同時に、この竹の中からさまざまな金銀財宝のようなものが見つかりまして、
それをもとでに、おきなは経済力を持つことになります。
そういったものを後育てにして、かぐや姫も一人のお姫様として、
高貴な身分の人ということで育てられることになるわけですね。
そんなかぐや姫なんですけれども、これは結婚してもいいんじゃないかということで、
03:01
いわゆる女性の成人式にあたる模擬というものがありまして、それの儀式を行ったわけです。
それからというもの、今度はさまざまな殿方からお声がかかるわけですね。
下人ものものから宮廷の使い人まで貴族までさまざまいたと思うんですが、
中でも5人の貴公子と呼ばれる非常に尊い身分の方からお声がかかるんですね。
ところがかぐや姫はそれに対してそれぞれに、
とてもこれは手に入れるのが難しいんじゃないかというようなものを要求して、
もしそれを持ってこられたら、私はお嫁に行きましょうということになったんですね。
ところがそれぞれが何とか手に入れようとするもののあるものは、
その道半ばで断念したり、あるものは何とか偽物を作り上げてごまかそうとしてみたり、
あるものは逆に偽物を捕まされてしまったり、それぞれさまざまな理由がありまして、
結果的には全員手に入れることができず、かぐや姫は誰のもとにも行かなかった。
ところがその後、とうとう帝までがかぐや姫を見染めるわけですね。
ところがそれをかぐや姫は断ってしまいます。
なぜかというと、どうやらかぐや姫はもともと月の住人であったと。
ですから月に帰らなければならないんだ。
それを聞いた帝は驚いて、それではその月の使者たちを追い返してやろうということで準備をするんですね。
ところがその月の使者たちがいざ現れてみると、
その不思議な魅力によってかぐや姫の周りを守っていた人たちはみんな力を失ってしまう。
そして結局かぐや姫は月に帰っていくというような流れが主なあらすじになっております。
このかぐや姫の物語というのは非常に不思議な要素がいっぱい入っているんですね。
例えばそもそも月から来たなんていう話、非常にSF的な内容ですよね。
もうこの最古の物語でありながら既にSF的要素があるっていうのは非常に面白い。
特に宇宙というか、当時は今のような宇宙観というものとは違ったとは思うんですけれども、
しかし月というものを一つの手がかりとして物語が作られていっているというのは非常に興味深いことです。
また月から降りてきた人々というのも見たことがないような不思議な服装をしていたりとか、
なんと空中に浮いていたりするんですね。
そういった不思議な要素だとか、また天の羽衣と呼ばれる不思議な衣を着させられるとかぐや姫は心を失ってしまうというんですね。
06:12
そのような不思議な部分が非常に多くある。これがかぐや姫の魅力の一つとなっております。
またそれだけではなくて、一人の女性が多い育って、もともとは粗末な身分の大きなという存在が貴族の社会に打って出て、
そして様々な貴族家の旧婚を交わしながら帝までお近づきになるという、ある種の不思議な作説ストーリーにもなっているわけですね。
またこの竹取物語の中では様々な古言が表れております。
例えば最後の最後にかぐや姫は月の使者から不死の薬、不死身になうの不死ですね。
不死の薬を預かってそれを帝に預けます。
ところがその薬を帝は山の上で焼いてしまうんですね。
その山のことを富士山と呼ぶようになったと。
その富士というのは色々な言われがあるんですけれども、この不死の不死というところも一つ掛け言葉のようになっているわけですね。
あとは兵士がたくさんいるという意味も掛けられているようなんですけれども、いずれにせよそういう言われによって富士山というところができたんだと。
そういうような地名だとか、あとは物事の単語、他の何か動作とか儀式とか、そういったものの語源というものがこの竹取物語のあちこちに散りばめられています。
そういったところもこの竹取物語の面白さの一つだということだと言えると思います。
最後に少しだけ冒頭部分をご紹介しましょう。冒頭はこのように始まります。
今は昔、竹取のおきなというものありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろずのことに使いけり。
なおば、さぬきの見やすことなんいいける。
その竹の中に、もとひかる竹なんひとすじありける。
あやしがりてよりてみるに、筒の中ひかりたり。
それをみれば、さんずんばかになるひと。
いとうつくしゅうていたり。
今は昔というところで始まりますけれども、これはこんじゃく物語集や物語集といった、いわゆる節話文学でよく使われる用法なんですね。
昔話でありがちな表現だと言ってもいいでしょう。
竹取のおきなというものがいて、野山の中で竹を取りながらさまざまなことに使っていた。
09:00
その名をさぬきの見やすくといった。
その竹の中に、根もとがひかる竹がひとすじあった。
ふしぎに思って近よってみると、筒の中がひかっている。
それをみると、さんずんくらいのひとが、とてもかわいらしくすわっていた。
というところから始まるわけです。
なんか導入の部分から非常に魅力的で引き込むような冒頭ですよね。
そんな竹取物語をご紹介いたしました。