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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
今回は、単元「竹取物語を読むを語る」と題して、2回に分けて配信したいと思っています。
竹取物語は、中学校と高等学校の教科書に載っています。有名な冒頭部分はもちろんのこと、有名なエピソードが部分的に掲載されています。
長年思っていたのですが、生徒はこの部分だけを習って、本当に面白いと思うのだろうか。
ましてや、ちょうど古典に親しむという位置に掲載されているわけですが、こういうつまみ食いだけで本当に古典に親しんだことになるのか、というのがとても疑問でした。
そして、国立大附属の中学校1年生の時に、竹取物語を読むというのをやりまして、あ、これごめんなさい。中学校3年生だ。3年生で竹取物語を読むというのに取り組みまして、
私自身、一生懸命やったんだけど、いまいちうまくいかなかった点がありまして、そのリベンジとして、高校1年生の古典の授業にこれをやろうと思いながら、ずっと単元構想を練っていたものを今回発表したいと思います。
当然のことながら、コンセプトとしては、竹取物語というものを全体を読ませようと思ったんですよね。それにはものすごいボリュームがあるので、仕方がないから私がダイジェスト版を用意して、それで一応竹取物語を全体を読んだっていう風にして、生徒に与えて、
竹取物語の面白さを味わってもらおうという風なところから教材編成がスタートしました。当然のことながら、配答時間がやっぱりどうしても8時間から9時間ぐらいいるので、他の人たちと一緒にシラバスの進度と合わせてやるわけにはいきません。
なので、従来の時間を上手に、時間を効率的に使いまして、どんどん圧縮して、その代わり成績は下がらないように一生懸命頑張って、生徒にもこういう理由で研究授業でやるから、竹取物語やりますからということで、ちゃんと生徒にもお願いをし、そして竹取物語を始めることにしました。
当然のことながら、校長先生にも相談して、こういうことをやりたいんだけれどっていう風に話しすると、もう校長先生は大賛成です。やっぱり探究的な学びということについては本当に理解のある先生だったので、やってくださいということでやることになりました。
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まず、どういうふうな単元構想を練っていったかというと、最初に絵本を読ませようと思ったんです。絵本、かぐや姫っていうのを読ませて、そこから竹取物語っていうものについての生徒のなんとなくのイメージを立てて、それから比較するっていう風な形にしました。
芋戸陽子さんという人が書いたかぐや姫をね、最初にダイジェスト版を渡す前に読ませて、感想を聞きました。その後、ダイジェスト版竹取物語っていうのを配布しまして、だいたい9つの章に分けて読んで、感想や気づきを交流しながら
どういうふうに読み深め合っていったかっていうふうな、そういう生徒とフィードバックしながら感想を深めていった、読みを深めていったというふうに展開していきまして、そして展開パート2では竹取物語は何を描こうとした作品かということについて、自分なりの意見を持ち、さらに絵本との比較読みをする中で
最終的に竹取物語の魅力を語るというふうなところに落とし込んでいきました。竹取物語っていうものはやっぱり、物語の出てき始めの親っていうふうに言われてますよね。やっぱり物語の原点なんです。
なので、ここをスタートにして古典の物語が始まったんだよっていう存在にするっていうことは、やっぱり古典の入門にあたって本当に意義あることだと思うし、さらに竹取物語には人間が描かれているというふうに私は思っていて、
人間を描いているっていうことがわかったら、生徒も自分たちの住む世界の人間と古典の人間と比べながら、古典を読むとこんなふうに面白みがあるんだっていうふうに思ってもらえるだろうと思って、ただ竹取物語をつまみ食いで終わらせるんじゃなくて、
より深く読むことによって古典の魅力を感じてもらい、これから古典を習っていく高校1年生にもっと古典を勉強しようという意欲をかきたてるものになるんじゃないかと思って教材編成を考えました。
それでね、最初に竹取物語ってどういう話だったっけとかって言って、生徒に問いかけるんですね。そうしたら生徒は意外とあまり覚えてないんですよ。
親指姫の話とごちゃになったり、蜂かづき姫の話とごちゃになったり、よくわかんない筋を話す子もいて、かぐや姫の話っていうのが今一つわかってなかったんですよね。竹から生まれたっていうところはなんとなくわかってたと思うんだけど、その後の話は全く覚えてないっていうようなそういう感想でしたね。
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そこで絵本かぐや姫を見せました。絵本はプロジェクター投影して、それで見せたんですけれど、そしたらこんな感想が返ってきましたね。
どうしてかぐや姫は結婚しようと言ってくれる男性に無理難題を与えて諦めさせる理由を作ったのかと疑問に思いました。おじいさんおばあさんのかぐや姫に対する愛があふれていました。という感想や、何度も読んだことがあるけれど面白いっていう絵本のことですね。
そういう感想や、かぐや姫は何回か読んだことがあったと記憶していたけれど改めて読んでみて謎がたくさんある話だなぁと思ったとか、それからかぐや姫を大切に育てていたからかぐや姫は月に行く前におじいさんおばあさんに恩返しをしていていいなぁと思ったけど悲しかった。
というふうな話やら、いわゆる表面的な感想、わからないところ感想。やっぱり親孝行の話だって受け取っている人もいまして、どうしてもイメージとしてはもやっとしたような、ぼんやりしたような、そういうイメージでしたね。
中学校での勉強を思い出している生徒もいたんですけれど、さらに本物の竹取物語を読んでいこうねというふうに呼びかけて、それで次の時間、ダイジェスト版竹取物語を配布しました。
全部を読むと本当に大変なことになるので、私の方である意味、上手いところだけを切り取った。逆に言うならば、指導者の本当に恣意的な編成になったものになったんですけど、ダイジェスト版かぐや姫を配りまして、そこにはかぐや姫の誕生から、5人の寄稿子の何代の話から、それからかぐや姫が天に昇っていく話というふうに、
第1部、第2部、第3部と展開をきちっと分けて、全部で何個ですかね、11のブロックに分けて展開してあります。
ダイジェスト版で工夫したところは、原文の左に現代語訳を補って、原文の名まで味合わせたいところは、現代語訳を空欄にして、生徒にちょっと現代語訳を考えてみなさいということで予想させたりしたり、それから難しいところは、私が原文を読みながら補足をしていきました。
ブロックごとにワークシートに気づきや感想を書き入れさせて、周囲で回し読みして、さらにまた気づきや感想を加筆して、それで発表し合ってというふうに展開していきましたね。
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まず最初の3寸ばかりなる人、かぐや姫の結婚というところでは、かぐや姫はよくわからない人とは結婚したくないと思っていることがわかった。また、かぐや姫本人は自分を美しくないと思い、そこから相手を信頼することができないということに気づいた。
沖縄は本当にかぐや姫のことが大切で娘として育てているということがわかった。それから、かぐや姫は自分のことを可愛くないと言い切っているところが謙虚だと思いました。
あとは、かぐや姫は結婚をするには相手の愛情の深さを知る必要があるというほど純粋な心を持っていると思いました。
というように、かぐや姫が結婚とかそういうことに対して疑問を抱いている。それから、男性というものをあまり信じていないんだなとか、相手の本当の心を知るために難題を出したんだなというような読み取りをしてくれたので、それをしっかり番書しておきました。
こんなふうに深く読むと、かぐや姫がなんで難題を出したのかっていうのがよくわかるんですよね。
そして、おじいさんおばあさんに結婚をそろそろお年頃だからしなさいと言われた時に、なんで結婚なんていうものをしなくちゃならないんですか?
っていうふうに答えているところがあって、古典作品でありながら、現代にも通じる普遍的な命題が書かれているなと思いましたね。
私はそこで生徒に立ち止まって話をしたんだけど、生徒はまだ結婚とかそういうところまで深く考えていないお年頃だったので、私の熱弁にはいまいちピンときていないようでしたけれど、
生徒にとっては結婚ということ自体に疑問を抱いているかぐや姫や、男性を信じていないかぐや姫、それから難題を出した理由っていうのをわかることができて、
こういう話だったのかと、次どうなるんだろうということで、読み進めていくいいきっかけ作りができたんじゃないかなと思います。
ということで今日は、単元構成のいきさつと、それからの導入部分ですね。それについて語りました。
それじゃあ次回は第2回ということで、展開から終結へとお話をしたいと思います。
それでは聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。