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2024-10-20 13:55

045 単元「『竹取物語』を読む」を語る②

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前回の配信の続きです。単元の展開と、終結を語ります。

石上を読み誤っています。「いそかみ」ですねf^_^; よろしくお願いします。

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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
それじゃあ、続きですね。前回の単元竹取物語を読むを語る2回目として、今日は竹取物語の単元の展開と集結について紹介したいと思います。
前回までは竹取物語という単元を作るまでのいきさつと、それから導入部分についてお話をしました。
今日のスタートは、5人の機構誌の難題を出すところからですね。
生徒にダイジェスト版竹取物語を読んで、それから気づき、感想、フィードバックして共有化しながら読み進めております。
まず、石造りの巫女を読んで、生徒はどんな感想を持ったかというと、
ズル賢い石造りの巫女だとか、石造りの巫女は美しい人と結婚したかっただけで、かぐや姫自身のことはあまり考えてないとか、
かぐや姫はまだ言い訳をするんだというふうに、石造りの巫女に呆れているから返事もしなかったんじゃないかというように、
石造りの巫女というのが嘘をつく信用できない人、だからかぐや姫は冷たい態度を取ったんだというふうに読んでましたね。
かぐや姫の冷たさというのが意外だって思っている人がいました。
絵本で見るかぐや姫は本当におっとりとして、そんな冷たい態度を取る人には見えなかったと思うんですよね。
こういうところにも原点を読む楽しさ、面白さがあるんじゃないかなと思います。
それから次の倉持の巫女を読んでの気づき感想は、かぐや姫も沖縄を騙すぐらいの偽物を持ってきて、
嘘の話まで長々と話して、嘘が上手な人だと思ったとか、
あと少しでかぐや姫を騙せそうなほど、玉の絵の完成度が高かったんだろう。
結局この巫女も騙して結婚する人だから信用できないっていうように、
言葉巧みに上手に人を騙すずる賢い人で、自分から行動して騙す人じゃないっていうようなことを指摘していました。
それから3人目の旧婚者についてですね、
ここから生徒もだんだんと読みが深まってきまして、
安倍の美牛はせっかく大金をはたいて取り寄せてもらったのに、それは偽物でかわいそうだなと思った。
前の2人と違って、偽物だと知らずに本物だと思い込んでいた。
かぐや姫は頭が良くて気が強い人だなと思いました。
それから自分ですら偽物と気づいていない中国で品物を買ってきてしまって、
ちょっとのことで人を信じてしまう素直な人だと思いました。
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かぐや姫は本当に結婚したくないんだなと思った。
男性人がどれだけかぐや姫のことを思っているのか理解していなくて、他人のことをあまり気にしていない。
お金で解決して本物だと思い込んで偽物だったという、ちょっとそういう愚かな安倍の美牛のことを読み取っていたり、
かぐや姫が結構冷たいんだっていうことを指摘している生徒が出始めまして、
やっぱりこれも原点を読んでないと、この面白みはわからないですよね。
それから4人目の寄港誌、ダイナゴン安倍の美雪ですね。
ここを読んでの気づきは、今までの人と違って本才でかぐや姫を迎えようとしていたし、
嘘はつかずに自分で探しに行っている良い人だと思った。
しかしそれほど本気で妻にしたかった人を最後には大悪党と思っているのでひどいなと思ったとかですね。
前の妻と離婚してでもかぐや姫と結婚しようとしていたのに、すぐに大悪党と荒口を言っているのでびっくりしたというふうに書いていて、
自分で行動する真面目で家来を大切にする人、正妻として迎えようとする人が登場して、
ちょっとここでも人物像が今までの大嘘つきとか言葉巧みな人から少しずつ真面目な人に変わってきているわけですよね。
それから次のいそかみのまろたり、これを読んでの続きは、
これを読んでの気づきは、家来の意見をきちんと聞き入れる優しい人、しかし心が弱い。
かぐや姫は前よりもだいぶ悪くなった。
かぐや姫が冷たくて、無反応、冷たい、そしてだんだんと優しくなるという変化を読み取り始めましたね。
かぐや姫が初めてかわいそうと同情した。
自分の力で最後まで頑張っていたら死んでしまったというふうに、
命をかけてかぐや姫の要求にトライしたんだけど死んでしまったっていうのを見たかぐや姫が、
初めてかわいそうという言葉を口にしたことをしっかり指摘していましたね。
一番かわいそうだと思った。
家来たちと協力していたし、自分でも取ろうとしていたが、病気と怪我のせいで何もできない。
かぐや姫が初めてかわいそうと感情を出していたというふうに、
世間体を気にするけど家来を信用し最後まで努力をしたっていうその人を一応評価してたけど、
かぐや姫の心の変化が見られたというふうな内容を読み取りましたね。
そこで続きを読み取っていったんですけど、今度は帝の旧婚に移ります。
とうとう新内登場ですね。
今はね、制度の記述がすごく長くなってきました。
まず、帝は最初は人使ってかぐや姫に会おうとしていたけど、
途中から帝自らかぐや姫に会いに行こうとしており、かぐや姫にとても興味があったことがわかった。
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帝はかぐや姫に会ってから他の女性のところに通わなくなったことから、かぐや姫のことがとても好きだということがわかった。
かぐや姫は今まで冷淡に向けられる愛を跳ねつけていたのに、
帝とは心のこもった歌を送っていることがわかり、帝に興味が出てきたのかなと思った。
それからかぐや姫も帝に歌を送ったり、手紙の返事を書いている。
帝はかぐや姫が地上の人でなくてもかぐや姫のことが好きである。かぐや姫が成長している。
帝の愛がかぐや姫の心を動かしてお互いが手紙をやりとりして、心を通い合わせている状態を生徒は読み取りました。
このあたりは高校1年生なので、どうしても恋愛については敏感になるので、だんだん記述が多くなってきました。
そして、いよいよ最後はかぐや姫が焦点してしまうところですけれど、そこでの気づきは、かぐや姫は帝や王な大きなと別れることに悲しんでいて、
感情が豊かになったように思いました。逆に月の世界の人はとても冷めているように感じました。
最終的にかぐや姫の感情は天の羽衣で消えてしまって切ないと思いました。
月の人は冷たくかぐや姫の気持ちなど知ろうともせず、もしかしたらそういう気持ちを持たないのが月の人なのかと思った。
天の羽衣を着させるのが不思議だと思った。月に帰ったら、大きなたちのことを全部忘れて、思い出が一つもないのはかぐや姫にとってかわいそうだなと思った。
かぐや姫が大きなと王なに、人間界のものではなく月に帰らないといけないと打ち明けて、
大きなと王ながどんなに嘆かれることかといって激しく泣いているところから、大きなと王なに感謝しており、感情がはっきりしていることがわかった。
天の人たちがかぐや姫を迎えに来ているときに、大きなと王なが20年余り育ててきたのにもかかわらず、
こんなところに長くいる必要はないというふうに月の人が言っていて、最悪だと思った。
というように、かぐや姫が最終的に非常に感情豊かになっているところを読み取っていると思いました。
ここまで展開でやってきて、高校生として原点を読むことによって、違和感を覚えたり共感を覚えたり、物語と対話しながら、
そして、友達や授業者と対話しながら、だんだんいろんな気づきを得ていって、それを繰り返すことによって、どんどん細かいところに気を付けようとしたり、
今までとの違いや変化に気づいたり、読み深めていこうとしている様子がワークシートからわかった。
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とうとうその次は、私の分析ということで、今までの分析をしました。
ここは、自分自身の分析をまず書いて、それからグループで話し合って、そのグループがいろいろと教室時をぐるぐる回りながら、
いろんな意見を聞きに回り、最終的に同じグループに戻ってきて、意見共有をして、そして最後は個に戻って自分の意見を書くという風に、
ここは研究授業でやったんですけど、対話をすごく重ねる工夫をしまして、最終的にいろんな意見を多面的に吸収しながら、自分の意見を構築するところを設けました。
そうしたら、こういう感じでした。
人間の汚くも美しい世界。貴族が嘘をついて結婚しようとしたり、沖縄が地位欲しさにかぐや姫を早く帝と結婚させようとしているところもあったり、
欲にまみれていた部分もあったけど、沖縄も帝もかぐや姫を愛していたという美しい愛があった。
次、人間世界の美しさと汚さ、愛し方の違い。
五人の貴公子の中でも、人によってはかぐや姫のことを愛しすぎるばかりに、相手や他の人を傷つけてしまったり、自らの命を危険にさらしてしまう人がいた。
帝が強引に権力を使わずかぐや姫を尊重していて、3年間手紙をやりとりすること。
沖縄たちの本当の親ではないがかぐや姫に深い愛情を注いで育ててきた。
人の感情の面白さ、人の心の奥深さだと思う。
かぐや姫と結婚するためにどんな手でも使う貴公子の心の黒い部分であったり、
反対にかぐや姫のことを思い続ける帝や、大切に育ててきた沖縄と大名の愛情など、色々な感情が出ている。
また、人の心を持っていない天人がわざわざこの物語に登場するから、人の本当の姿を描こうとした。
というふうに、個々人に返って修練させたのがこの文章になります。
最終的に私は、これは物語の出てき始めの親なんだよと、この影響を受けて色々な作品が誕生しているんだよと、
古典作品じゃなくて映画やアニメなんかもあるんだよということを紹介し、私たちの大切な文化であるということで締めくくりました。
これこそ言語文化だと思うんですけれど、こんなこんなで非常に深まったなと私は思います。
これで古典が面白いと思ってくれたと思うんですよね。
最終的にはパフォーマンス課題として、私の竹取物語というA4一枚ものの作品紹介をイラスト付きで書かせてまとめとしました。
これをクラス全体で共有して一応終わりということになっています。
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これをやってみて思ったことは、やっぱり本物に触れるっていうのは大事だなと思いましたね。
それから、やっぱり授業での対話、対話的な授業というのがいかに大事かということが分かりましたね。
ただ、生徒に気づき感想を書かせてフィードバックして終了じゃなくて、そのことについてクラスで読み広げたり、グループで読み広げたり、
それをまたクラス全体で共有したりという、いろんな対話を仕掛けたんですよね。
その対話の仕掛け方、そして私自身がその対話に加わって、いろいろと視点を生徒に与える。
あるいは時々は集約するっていうように、読み深めたり、読み広げたり、集約したりっていう、
インプットとアウトプットの連携がこの授業をどんどん深くしていったんじゃないかなと思いますね。
ということで、私が一度チャレンジして大きな挫折感を抱いた竹取物語の単元ですが、
10年の時を経てやるチャンスが巡ってきて再トライし、やっぱり対話的な授業を仕掛けるということで、生徒の読みが深まったというそういう報告でした。
これは非常に手応えのあった実践となりました。
もし興味のある方がいらっしゃいましたら、もちろん共有もしますし、
このダイジェスト版かぐや姫っていうのを見てみたいという方がいらっしゃいましたら連絡くだされば、
何か資料とかもお知らせできるんじゃないかと思いますので、また何かありましたらお問い合わせください。
それでは今日はこの辺で。またお会いいたしましょう。ありがとうございました。
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