趣旨と手段の概念
この番組は、つながりの場をつくる建築設計事務所の代表が、日々の設計やまちづくり活動についてお話をしています。
今日は、趣旨と手段を混ぜてしまうというテーマでお話したいと思います。
目的と手段が混合されるみたいな話がよく出てきますよね。
今回の話題は、趣旨と手段です。
これは学生と一緒にやっている広町の設計活動の中の話です。
まず、手段はわかりますよね。
こういうことをして、結果はこうなる。目的はこうしたい。
うちの広町の活動でいうと、まずその前に趣旨があるんですね。
学生たちと一緒にやるので、まずこれは何のプロジェクトで、何が求められているかという趣旨があるんですよね。
土でベンチを作ろうというプロジェクトがあるんですけど、これも先方がいて、NPO法人さんがいらっしゃるんですね。
そこの法人さんが持っている芝生広場があって、そこの隅っこが浮いた状態になっているんですね。
屋外にピザ窯があったり、建物があったり植木があったりして、
そこだけ広い芝生広場があって、それが断絶されるような感じで、ピザ窯とかがあって、ポツンとなっているんですね。
といいえ道に面しているのでよく見える場所なんですよ。
そこの場所が全然草が、雑草がぼうぼう生えて、微妙に使いにくいというか、何も使われていない。
自転車を止めるぐらいになっちゃっているんですよね。
そこをどうするかというご相談だったんですね。
もともと何回かプロジェクトさせていただいているんですけど、そこの法人さんは地域のコミュニティを活性化させるというのが大きな目的で活動されているんです。
ちょっと気になっているところというのが、イベントとかいろいろ活動すると常連さんは自然に来てくれるんですけど、新しい人、初めての人は来づらい状態になってしまっている。
常連さんで固めているつもりはないんですけど、固まっちゃって、旗から見ると参加しにくい、みたいな形になっちゃっている。
それを我々とかが入ることによって、やる側が変えることによって、新しい人たちも関係性が作れるんじゃないかというのが一番出だしであるんですね。
今回の話が戻って、雑草ぼうぼうのちょっと離れた小さなスペースのところも、どうするかというと、ちょうど道に面しているので、
普段そこの芝生広場を使わない、ベンチとかあるんでね、駄菓子屋とか食べ物屋さんがあるので、そこで買って食べたりとかしない、中々入らない人たちが奥まで入るのはちょっと気を使うけど、
道に面したところに何かあったらちょっと寄ってくれるんじゃないかなという仕掛けを作ろうと思っているんですね。
そこからちょっとずつ奥に入ってもらうとか、その中でいろんな人と接点を持てるような場所にしたいというようなことを考えているんですね。
NPO法人さんとよく知ってて、そこにもよく行く住民さんとそうでない住民さんが少しでもそこで仲良くなるというのは難しいので、やっぱり仲良くなるきっかけは作れるんじゃないかなと思うんです。
そのためには相手の顔を知るとか、ちょっと距離が近いところにいるとか、同じ空気に少しいるとか、そういうところからの始まりだと思うので、
デザインの重要性
そういった場所になればいいんじゃないかなというので、ちょうどさっき言ってたダガシ屋があったりお弁当屋さんとか食べ物屋さんがあったりするので、
そこでちょっと休憩がてら、道に面しているので座ってもらえたらいいんじゃないかなという何かの接点が生まれるきっかけになるんじゃないかなと思うんですね。
その時によくあるベンチって一列のベンチだと同じ方向を向くじゃないですか。もしくはテーブル付きのベンチだとお見合いする形になるじゃないですか。
相席というか同じ場所に座ろうとすると。そうすると同じ方向を向くと視界に入らないじゃないですか。分かりますかね。
駅のベンチとかもそうですけど、まっすぐなってたらまっすぐみんな前向くと視界に入らない。もしくは向き合い同士になっちゃうと恥ずかしいみたいなね。
見えないか見えすぎるかみたいな状態になるので、なんか視界にうっすら入る関係性が大事なんじゃないかなと思うんですね。
そうするとストレスなく座れるというような趣旨があるんですよ。これをしましょうっていう。すみませんめちゃめちゃ流れましたけど。
そういうもともと発端があって、今はその場所はそういう関係性を作ろうっていう趣旨があるんでしょうね。
そこまでは私が決めてて、そこから学生たちがじゃあどんなデザインならその趣旨にあったもの、もしくは目的ですよね。
NPO法人さんの地域の活性化ですよね。人と人とのつながりを活性化させるっていう目的につながっていく。
もしくは特にその地域の人でもなかなか今関係性を持てない人たちがどう関係性を持てるかっていう目的に近づいていくためにベンチのデザインをするっていうのが手段なんですよ。
なんですけど、この趣旨を言うと、その趣旨を手段にしちゃうんですよね。
こういうベンチの形にしたら、目線がちょっと人が入る、今みたいに言ったようなことですね。
説明が難しいですね。
こういうベンチの形にしたら、この趣旨に合うっていう話になるんですけど、それにプラスアルファをしてアイデアをデザインするっていう話をしてるんですね。
もちろん最低限という言葉がうまく出てこない、いいワードが出てこないんですけど、
趣旨をそのまま形にしただけっていう風になってしまってるんで、もちろんそうじゃないやつもあるんですけどね、アイデアの中では。
ただ、どうしてもね、今日お話ししたかったのは、学生とやってる中で、その趣旨をただ形にしただけっていうことになっちゃってると。
目的自体は趣旨と目的がもちろん違うんで、そういうつながりをどう作っていくかっていう目的に対して、ベンチというところまでは趣旨としてはあるんですけど、
どうデザインするかっていうのはアイデアがあるはず、アイデアが必要なんですよね。単にベンチを置いたらはいどうぞでは座るわけじゃないんで、やっぱり座りたくなるものも必要だし、
そういったデザインとかアイデアを考えないといけないんですけど、それを置き去りにして、出てきたお題をそのままデザインしちゃってしまってるというかね、
手段をもっとしっかり考えてほしいなっていうところなんですよね。今話しながらだんだん私も難しいな、求めてるのは難しいかもしれないですね。
もしかしたら、説明が私が学生に対する説明が悪いのかもしれないですね。
ざっくり言うと、言われたことだけを実行するんじゃなくて、コンセプトを立てるとか設計するって自ら生み出さないといけないのに、それをせずに、
出てきた趣旨とかもともと出てる話を、さも自分のアイデアかのように出しちゃってるところが、もう一頑張りだなっていうところなんです。
それをどう指摘するか悩ましいですね。こうやって自分でここの放送でアウトプットしながらでも難しいなってだんだん思ってきます。
この話はもう一回整理してお話しします。
学生にどう言うかまとめます。
12分、10分くらいかな。だいぶ過ぎちゃいましたね予定の時間。
最後に2つお知らせをさせてください。
1つ目は建築・まちづくりのことで話してほしいテーマを募集しています。
概要欄のところにホームのリンクを貼ってますので、そこからメッセージを送っていただけると嬉しいです。
DMでもコメントでも全然どこからでも構いません。
ホームの方が簡単かなと思って用意してるんですけど、送りやすい方法で構いません。
もう一つは大阪の梅田のカフェで無料の個別設計相談をやっています。
何から始めたらいいとかね、予算とか期間とか、設計、例えばお店を持ちたいとかね、家をリノベーションしたいとか
そういった時に一番初めにちょっと思った時に、建築に関することでわからないことって結構出てくると思うんですよね。
ネットで調べてもケースバイケースなところもあったりもする。
だからといって設計事務所に行って相談するまでもないし、みたいなところってあるかなと思うんです。
そういった時にカフェでザックバランに気軽にお話できたらなというところで、こんな会を設けています。
事前のちょっと相談になるので、申し込み自体は概要欄のところにこちらもリンク貼ってますので、そこからお申し込みしてください。
相談料はちょっとかからなくて、カフェでやるのでご相談者さんのドリンク代のみになっています。
今回も最後まで聞いてくださりありがとうございました。
宿り建築設計者はこの放送の他にノート、インスタグラム、スレッドでも発信しています。
プロフィーラーにリンクを載せていますので、ぜひアクセスしてみてください。
ではまた次回もよろしくお願いします。