1. 建築設計とまちづくりの日々
  2. 経年劣化・変化・美化の違い
2025-04-18 11:04

経年劣化・変化・美化の違い

建築にせよプロダクトにせよ、
「素材の選定」は設計における本質的な
問いのひとつです。
素材は、時間と環境に晒されながら、
少しずつ表情を変えていきます。
その変化は、味わいとなるのか、
劣化と捉えるべきなのか──。
私たちは、どんな素材と向き合い、
どんな時間を重ねていくのか。
そんな“素材と時間”にまつわるお話です。

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サマリー

このエピソードでは、経年劣化、経年変化、経年美化の違いについて詳しく解説しています。フローリングの例を通じて、時間とともにそれぞれがどのように変わり、どの状態がポジティブに捉えられるかを探っています。

経年劣化・変化・美化の紹介
どうも、やるるい建築設計社の吉田嘉春です。大阪を中心に、つながりが濃くなる場所づくりをコンセプトに建築設計をしたり、学生とのまちづくり集団、ひるまちの代表として活動しています。どうぞよろしくお願いします。
今日は建築の話で、よくこの経年劣化とか経年変化、経年美化みたいなお話があると思うんですけど、言葉があると思うんですけど、
その言葉の違いというか、どういう時にそれ、どれ使うのかみたいなお話をさせていただきたいなと思います。
まずはね、それぞれの単語って大体わかると思うんですけど、ちょっと説明を簡単にさせてもらうと、経年劣化はネガティブですよね。時間とともにちょっと悪くなっていく。
経年変化は変わっていくけど、悪くはない、よくもないみたいな表現としたらね、っていう感じです。
経年美化っていうのは、時間とともにちょっとこの良くなる、深みが増すとかね、変わってはいくんだけども、それによって表情が変わって、より良くなる、味が出てくるっていうんですかね。
そういった意味合いですね。この3つがあります。時間とともにそれ、良くなるのか悪くなるのか、どっちでもないみたいなね。
3つの違いになると思うんですけど、さてこの3つどれで分けるかっていうのがあって、私の中では結構明確に分かれてると思ってて、
そのところで今日はそこだけをピックアップしてね、フォーカスして説明したいと思うんですけど、色々例を出すと話がごちゃごちゃになりそうなんで、
例えば今日はフローリングを例に挙げて考えてみると、フローリングって大きく分けて3つに分けれると思うんですね。
1つは無垢フローリングって言って、表面の木も切った時の中の木も同じ材料、単一の材料っていうかね、全部同じものでできてる。
木を切った状態ですね。森から木を切ってスライスしたやつが無垢フローリングって呼ばれてるやつです。
もう一つは合板フローリングって言って、表面はさっきの無垢フローリングの木の表面はなってるんですけど、切ってみるとその中は合板でできてるというものですね。
2層に分かれてるっていう感じです。
もう一つは塩ビシートとか長尺塩ビシートみたいなもので呼ばれているもので、樹脂でできているものですね。
それは木ではなくて樹脂でできているフローリングで、かつ表面に木の模様というかフローリングと同じような印刷を施してあるっていうのが塩ビシートですね。
今日は3つで例えば分けてみると、まずは例えば建物を作った時に床フローリングを貼ったら、時間とともにどうなるかというと、
触ってもなくても施工した時点、建物が完成した時点でこの3つちょっとずつ変わってはいくんですね。
例えば窓があったら太陽の光が入ってきて、紫外線が当たると床は何かしらの影響を受けますよね。
例えば待機中に空気の中に湿気があるので、その湿気の影響も受けるので何も触らなくてもちょっとずつは影響を受けていると。
それで誰か人が住むとか、誰か人が使うとかいう状態になったら、さらに人が歩くとそこの板の上に擦れますよね。
物を落としちゃうと傷が入っちゃうし、素足で歩くと足の裏の皮脂が油が映っちゃうとか、いろんな影響を受けますよね。
その時に状態がどういう風になっていくかということなんですけど、
一つは鋭利なものを強く落としちゃったり、尖がったものを落としちゃったりするとどうなるかというと、
無垢フローリングの場合は外も中も一緒なので傷が見えるという状態ですね。
合板フローリングの場合は表面が例えば取れちゃったら下の合板が見えてきてしまう。
2つの材料が見えてきてしまう。
樹脂のABCとの場合は傷が行くと表面印刷しているものなので取れちゃったりすると、
それじゃ木すら見えない。白っぽくなっちゃうから、樹脂の部分が両方樹脂ですね。
プリントが剥がれてしまうという状態になるんですね。
そういった時にこの3つの言葉が出てくるんじゃないかなと思うんですけど、
まずは元々は一つのフローリング、木の板を状態にしているのに、
合板フローリングとかABCと言うと、下のものが見えちゃうと木が見えなくなっちゃう。
多くの人が見て悪いイメージがあるんですよね。
傷んだっていう感じになるので、時間とともに劣化だと思うんですよね。
木フローリングの場合は傷は行くけど表面も下も状態が、材料は同じなので変わっていくだけですよね。
傷は変化はしていきますけども、これは人によっていくんですね。
傷が行くこと自体はネガティブだと思うんですけども、
ある種の使い込んでいる感じ。
新品の時よりもみんなの生活とか使っている建物に馴染んできた傷になっていくという風にして、
それこそさっきの言う味が出てきたなみたいな。
黒ずんできても渋くなってきたなみたいな感じになるっていうのが経年変化だと思うんですね。
変化ってさっきの言うポジティブじゃないっていう話は人によって違ってくると思うんですよね。
これ汚いなみたいな。床を歩くところが黒ずんできたら渋いんじゃなくて単に汚いだけやんみたいな。
傷もね、それが自分たちの建物の歴史だと感じて、感じる人もいれば傷だらけやなって感じる人もいるので、
変化って言ってもそれは捉え方それぞれだと思うんですね。
経年美化の重要性
で、経年美化っていうと、これも絶対全員じゃないんですけど、
もう多くの人が、これはちょっとこの短い年月じゃ出ない表情だなっていうところだと思うんですね。
例えば無垢フローリングって木の種類でも多く分かれるんですけど、
例えばその木に油がよく含まれている木で言うと、年月とともに中の油がちょっとずつ表面に出てくるんですね。
そうすると、表面に目に見えて出てこないんですけどね。
時間ともゆっくりゆっくり出てくる。
その上をみんなが歩くと、出た油がみんな歩いていくと、ワックス掛けみたいになって艶が出てくるんですよね。
そうしたら自然の油で艶が出てきたら、そうやってできないんですよね。
すぐにフローリングを張った時に、その独特の艶というかね、木の持っている油で出てくる艶っていうのはできないんですよね。
考えると、それは時間とともに、時間とともにじゃないとできないその美しさっていうんですかね。
そういうものが経年美感みたいなものになるんじゃないかなと思ってるんですね。
私たちの建築の設計するプロダクトもそうですけど、
やっぱり長い時間、長い期間使ってもらいたいと思っているので、
そのあたりは結構重要視しているんですね。
やっぱり5年経っても10年経っても、すごく味が出てきたとかね、
もっと渋くなってきたなみたいな風に思って、
よりその建物を、プロダクトを愛してもらえるようなものを作っていきたいなという風に意識して作っているんですね。
いつもそのあたり、思いを伝えながら設計とかミーティングさせてもらっているんですけど、
どうしても建物とかっていうのは建って住み始めたら中古っていう悪いイメージがついてくるんで、
もちろん売るときは資産価値とかそれは別の話ですけど、
住んでる人とか建物を使っている人たちが、やっぱりお金の価値以外のところで、
最初に建ったよりもこれちょっと良くなってるやんみたいなところを目指して、
30年経ってもこれ潰さずに何とか使い続けたいなと思ってもらえるような建築をやっていきたいなという風に思っています。
もちろん今言ったのは、経年劣化、変化、美化みたいなところの軸の話なので、
決して別にゴーハンフローリングが悪いとか、MBC度が悪いというわけじゃなくて、
それぞれ最終言った通り良いところがあるので、
今の今日の話でいうと、そういったことを意識して材料の選択っていうのはあるんですけど、
本当は最終の選択っていうのはもっといろんな要素がね、
それこそコストであったりとか施工のしやすさであったりとか、
その環境、ダメージを受けやすいものなのか、比較的ダメージを受けにくい場所にあるのかとか、
そういったものがいろいろ交差して選択されていくので、必ずしもこれだけということにはならないので、
だから決してその経年美化になるような材料だけを選択していけば良い建築になるかというと、
なかなかそうにならないのがちょっと難しいところではあるんですけどね。
今日はちょっと長くなりましたけども、最後まで聞いてくださってありがとうございました。
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