快食ボイス
R

快食ボイス

シャオヘイ 430 Episodes

広島市在住のシャオヘイが、飲食店と顧客の間にある様々な課題や問題に対する僕の考えや、特定の料理についてお話します。
その他には個人的な体験や経験なども。
ぜチャンネル登録をお願いします!

https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

番組の魅力・推薦

まだ推薦はありません。LISTENでは、番組をじっくり聴き込んだリスナーだけが推薦を投稿できます。

このポッドキャストは未認証のため、最新エピソードのみ表示されます。

快食ボイス842・そのうちAIにも、広告がやってくる

快食ボイス842・そのうちAIにも、広告がやってくる

Jul 26, 2026 15:22

1,800円の授業料 家の電灯が切れた。 パナソニックのパルック プレミアX、どこの家にでもある、ごく普通のLEDだ。 昼ご飯を食べに出たついでに、近くの店で買って帰った。 会計のとき、思いのほか高かったので、そんなに高いもの買ったかな?とレシートを見たら、LEDが5,500円だった。 こんなにしたかな、と首をかしげながら帰って、念のためネットで調べてみると、ヨドバシカメラでは3,700円ほど。 差額は1,800円だった。 5,000円そこそこの製品で、1,800の差は大きい。 なぜ調べてから買わなかったのか、しばらく悔やんだ。 --- 染みついた癖は、ふとした拍子に出る 僕は昔からのネット通販派だ。 まだみんなが「怖い、怖い」と言っていた時代から使っていて、楽天が初期ユーザーにペンケースを無料で配ってくれたことがあり、それを今でも大切に使っている。 歯磨き粉のシュミテクトコンプリートワンも、ネットのほうが安いからそちらで買う。 常に2つはストックしている。 この電球も、以前はストックしていた。 それなのに今回はつい店に走った。 僕くらいの年代の人間は、子どもの頃から「店に行って何かを買う」という習慣が骨の髄まで染みついている。 これだけネットで買う癖のついた僕ですら、ふとした拍子にそれが出てくる。 1,800円の授業料だ。 すぐにヨドバシで一組注文しておいた。 家には同じ電灯が三組使われているので、次にどこかが切れても、買いに走らずに済む。 LEDは寿命が年単位で、前回の交換時の教訓を忘れてしまうのが厄介なところだ。 --- 高い買い物ほど、AIに聞く これからの買い物は、ネットで検索するだけでなく、高いものほどAIに相談する時代になると思う。 電灯くらいなら5,000円で済むが、10,000円、50,000円ともなれば、庶民はそう気軽には買えない。 思い切って買うときほど、AIと壁打ちする価値がある。 モニターを買ったときも、AIと長くやり取りして、思いもよらないメーカーを勧められた。 調べてみると、機能もサイズも、何より値段と性能の釣り合いも合理的で、今も満足して使っている。 コーヒーミルも同じだ。 豆で買うので毎日挽く。 ずっと候補だったタイムモアのブリックスは海外の製品で、円安が進むと次のロットから値上がりしそうだった。 だから在庫のあるうちに買った。 珈琲の味は格段に良くなった。 車なら、なおさらだろう。これまで性能を自分で比べるのは好きな人にしかできず、多くはデザインで決めるか、販売店のセールストークで決めていた。 AIに「こういう車が欲しい」と伝えれば、メーカーを横断してフラットに答えてくれる。 もしかすると中国のBYDが一番ニーズに合う、という結論だってありうる。 先日のNHKスペシャル「インサイド・トヨタ」は面白かった。 世界一のメーカーが、BYDやテスラを前にどれだけ危機感を抱えているかが、よく伝わってきた。 僕は県庁時代にマツダとの仕事もしていて、中の人を知っているぶん、余計に他人事とは思えなかった。 https://www.web.nhk/tv/an/special/pl/series-tep-2NY2QQLPM3/ep/7WP78VLKVV --- 作る側も、AIに聞けばいい 面白いのは、これが作り手の側にも効くことだ。 客がAIに「自分に最適な製品は」と尋ね続ければ、そのニーズが積み上がっていく。 だとすれば、作る側もAIに「こういう客はこの機能を望みますか」と聞けばいい。 アンケートを取るより、AIというフィルターを通したほうが、よほど的確な顧客像が返ってくる。 そうなると、世の中の8割が好むような「最適解オブ最適解」が作りやすくなる。 これまで日本の家電は、要りもしない機能を足してはボタンを増やし、使いにくく高くなる悪循環で凋落した。 そこにハイアールのようなシンプルな製品が侵食してきた。 「この機能、客は望んでいますか」とAIに聞いて「ごく一部のマニアだけです」と返ってくれば、作らなくなる。 車や家電、日用品は、7,8割がたマスの部分で集約が進むかもしれない。 残りのニッチや高性能なものは当然残るし、化粧品や食料品はもう少しばらけるだろうが。 --- そのうち、AIにも広告が来る ただ、話はここで終わらない。 かつて日用品は広告やCMで客に買わせるのが当たり前だった。 今もレストランの世界ではインフルエンサーマーケティングが生きているが、あれも結局は広告の一種だ。 要は、広告そのものが消えるわけではない。 みんながAIに聞いて買うようになれば、売りたい側は今度はそのAIに働きかける。 OpenAIやGoogleにスポンサー枠のような形でお金を払い、自社製品を優先的に紹介してもらう——そういう流れが必ず出てくる。 今はまだ、僕の知る限りないように思う。 だが次のiPhoneがGeminiを積めば、GoogleやAppleのサービスを優先的に返すようになるかもしれない。 イーロン・マスクのGrokなら、「あなたにはスターリンクが一番です」と言い出しても不思議はない。 おそらくこれは、AIの標準的な進化だ。 無料で使うなら広告を出す企業の製品が真っ先に出てきて、課金すれば完全にフラットな情報が返る。 NetflixやYouTubeが辿った道と同じで、AIがメディア化すれば当然そうなる。 かなりステルスに近い形だから、ステマ規制との関係も問われるはずだ。 だからこそ、今はいい時期なのだと思う。 AIを使って結構フラットに物を選べる。 この状態がいつまで続くかは分からない。 広告のうっとうしさが、AIの世界にもやってくる——そう考えると、少しうんざりするが、今のうちに壁打ちしておこうと思う。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食快食ボイス839・服装というメディアが役目を終える夏

快食快食ボイス839・服装というメディアが役目を終える夏

Jul 23, 2026 13:39

この暑さが、服の意味を変えていく 前回、広島市域の歴史の話をした。神代の時代、神武天皇が出てくるあたりからのスタートだったので、さすがに遠すぎると感じた方も多かったと思う。それでも思ったより反応がよく、続きを楽しみにしていると言ってくださる方が何人もいたので、この話は続けようと思っている。 あのとき言いたかったのは、安芸という言葉の始まりは、おそらく今の府中町のあたりだったのではないか、ということだった。府中町は広島市に合併すべきだという意見もあって、僕はすべきともすべきでないとも思わないけれど、安芸地方が歴史に登場する最初の場所がそこだった、という点は押さえておきたかった。この後、広島市域の中心は別の場所へ移っていく。その話はまた次回に。 今日は別の話をしたい。この暑さで、人の服装がずいぶん変わってきたな、という話だ。似たようなことは過去にも話しているが、以前は理屈として話していたものが、いまは現実のほうが先に動いている。 服装は、もともとメディアだった ファッションはもともと、メディアの一種だった。自分という人間を知ってもらうための媒体である。 ヨーロッパの昔を思い浮かべればわかりやすい。かつらをかぶり、襞の重なった襟をつける。紫や黄色は特別な身分の者しか身につけられない。ああした細かいルールはすべて、その人が何者であるかを外側に表示するためのものだった。 名残は今も少しだけ残っている。格式のある店では、短パンにTシャツにサンダルはさすがに通らない。僕は一応守っている側の人間で、夏でもTシャツではなく襟付きのシャツを着る。 ワールドカップのフランス代表が襟付きのユニフォームだったのを見たときは、いかにもフランスだと思った。あれを着ていたのはフランスだけだった。ワールドカップの舞台ですら襟を立てる国の料理を食べに行くのだから、フランス料理店に襟付きで行くのは当然といえば当然である。 しかし、四十度のアスファルトの上で とはいえ、である。 気温が三十五度、三十六度になると、アスファルトの上は照り返しで四十度近い。ファッションとは我慢するものだ、と昔から言われるけれど、その我慢には限界がある。体力のある若い人ならまだしも、年齢が上がってくると、涼しくて着心地のいいものを着ないと本当に危ない。 幸い、変化は起きている。クールビズでノーネクタイです、とわざわざ言わなくなった。ノーネクタイが普通で、ネクタイのほうが特別な日のものになった。女性はヒールをやめてスニーカーを履くようになり、最近はスラックスにワイシャツでも足元はスニーカーという男性が増えている。 スマートグラスが来れば、服は語らなくてよくなる 服装が担っていた「自分はこういう人間です」という機能は、すでにインターネットやSNSに移ってしまった。そしてもうすぐ、スマートグラスが本格的に普及する。 目の前の人が何者なのか、その場で表示されるようになる。どれだけ立派な格好をしていようが、していまいが、社会的な立ち位置は画面に出る。そうなれば服装で示す必要はない。服は快適さと機能性で選ばれるようになる。というより、機能性で選ばないと身が持たない。ワイシャツひとつとっても、見た目は従来どおりで中身は完全に機能素材、というものを着ている人がすでに増えている。 日傘は、おしゃれではなく体調管理 去年は試しに使う程度だった日傘を、今年はきちんと使うことにした。これがいい。 街でも日傘をさす男性が本当に増えた。もう違和感はない。帽子でもある程度は防げると思っていたが、日傘は頭だけでなく体全体が日陰に入る。涼しさがまるで違う。 モンベルが晴雨兼用の折りたたみを出していて、これが実によくできている。急な雨にも対応できるし、灼熱の下では日傘になる。重さは百三十グラム前後、ハンバーグ一個分もない。一本鞄に入れておくと、外出のたびに助かる。 日焼け対策でもおしゃれでもなく、無理をして体調を崩さないための道具である。 半ズボン論争そのものが、もう古い 半ズボンを解禁すべきかという議論があるけれど、僕はその議論の立て方自体がずれていると思う。したい人がすればいい。 誰かが許可してくれないとそちらに行けない、というノーネクタイのときのような構図は、抑圧の形そのものだ。もちろん考えるべきことはある。周りに不快感を与えないという点は重要で、脛毛をどうするか、全体のバランスをどう取るか、上に何を合わせるか。そのあたりは、これから整っていくのだろうと思う。 従来どおりの装いをしたい人は、そうすればいい。移動手段でなくなった今も乗馬をする人はいるし、スーパーカーに乗りたい人は乗る。全部、趣味の世界である。酒も煙草も同じで、人に迷惑をかけない範囲でやる分にはまったく構わない。服装もその位置に降りてきている。こうでなければならない、というのが抑圧なのだから、僕はこれをいい方向だと思っている。 それでも、冠婚葬祭には残る ただし、服装がメディアである機能は完全には消えない。 スマートグラスが肩代わりしてくれるのは、その人が何者かという属性の表示であって、その人が何を思っているかという意志の表明ではない。属性は外から読み取れるが、意志は本人が選んで示すしかない。 結婚式には祝いの気持ちを示すための格好があり、葬式には悔やみの気持ちを表すための格好がある。あれこそまさに、服が意見を語っている状態だ。Tシャツに短パンで結婚式へ行ってもいいけれど、祝う気持ちは伝わりにくい。逆に、アロハを流儀どおり完璧に着ていくなら、あれはハワイの正装なのだから何の問題もない。 とにかく暑い。抑圧にとらわれて快適さを後回しにすると、本当に体を壊す。周りに不快感を与えないなら、それでいいのではないか。 皆様、ご安全に。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

食ボイス838・広島には街の歴史を語る博物館がない

食ボイス838・広島には街の歴史を語る博物館がない

Jul 21, 2026 13:09

広島の街は、いつどこから始まったのか 先日、イマナマ!のロケ車の中で、吉田幸さんと広島の歴史を年代順にきちんと展示している博物館があれば、本当にいいのにという話をした。 広島には原爆資料館があり、福山には草戸千軒町遺跡の展示施設がある。 けれど、広島という街がいつ頃から、どのように開けて、今の姿にたどり着いたのか。 その全体を通して見せてくれる場所は、僕の知るかぎりない。 だから広島の来歴は、歴史マニアにしか分からないままになっている。 博物館を建てるとなれば費用も維持費も相当で、今から作れとは言いにくい。 それでも、自分たちの街がどんな経緯で現代に至ったのかを知ることには、大きな意味があると僕は思っている。 その話をしたら、それこそラジオでやったらいい、と勧められた。 それはそれで考えるとして、まずはここで、広島市域のはじまりの部分だけでも書いてみたい。 県全体に広げると福山も尾道も面白く、話が果てしない。 今回は広島市域に絞る。 安芸国を治めた、安芸津彦という名 安芸国を最初に治めたのは、安芸津彦という人物だとされている。 神話の世界の話で、神社に祀られている存在だ。 この「安芸津」は、東広島市の安芸津とは別の場所を指す。 もともと安芸津と呼ばれた土地(津=港)は、現在の安芸郡府中町のあたりにあった。 安芸津彦とは、おそらく個人の名ではなく、その一帯を治めた勢力が代々受け継いだ名ではないかと僕は考えている。 広島湾を中心とした地域を勢力下に置いた、土着の支配層だったと考えられる。 根拠はいくつかある。 昔の安芸津が府中町にあったことは分かっているし、そもそもこのあたりは『古事記』や『日本書紀』にちゃんと登場する。 古墳時代から飛鳥、奈良のあたりまで、今の安芸郡府中町が広島周辺の中心地であったことは、まず間違いない。 神武天皇が、七年をすごした場所 『古事記』『日本書紀』に記された神武東征。 神武天皇が九州を出て奈良の都に落ち着くまで、その道のりには途方もない時間がかかっている。 そのうち、この安芸の地に七年とどまったと書かれている。 暦どおりの七年だったかは分からない。古い記録では、七年や八年が「長い間」を指すことも多い。 ただ、腰を据えるだけの理由はあった。 考えてみれば当然だ。 宮崎あたりをルーツとして九州から出てきて、それなりの軍勢を率い、船で瀬戸内を東へ進む。 安全に航行するには、沿岸の勢力ときちんと折り合いをつけておかねばならない。 この辺りの最大勢力、出雲の協力を取り付けるのも必須だ。 船の修理も、食料の確保も要る。 おそらく安芸津彦の勢力の力を借りて、それから東へ進んでいったのだろう。 この滞在地が、『古事記』では多祁理宮、『日本書紀』では埃宮と記されている。 その跡に建てられたと伝わるのが、府中町の多家神社だ。 そして、この多家神社に祀られているのが、神武天皇と安芸津彦命である。 安芸の開祖神と、東へ向かう途中に立ち寄った天皇が、今もひとつの社に並んで祀られているのだ。 ちなみに、同じ「津彦」は、東征のもっと手前にもいる。 宮崎を出た一行が最初に立ち寄った宇佐では、菟狭津彦(うさつひこ)という土地の一族が宮を建ててもてなしたと伝わる。 名の作りは安芸津彦と同じだが、宇佐神宮での菟狭津彦は摂社に祀られ、境内の隅に碑が立つにとどまる。 かたや安芸津彦は、神武と同格の主祭神として本殿に並ぶ。 同じ「津彦」でありながら、片や摂社、片や主祭神。 この差は、安芸の土着勢力がそれだけの格を持っていたことの証しに見える。 国府が置かれ、国分寺が離れて建った やがて奈良に朝廷が開かれ、各地に国府が置かれていく。 安芸国の国府が据えられたのも、やはり府中町だった。 府中の「府」は、国府の府である。 国府とセットになるのが、国分寺と国分尼寺だ。 こちらは東広島市西条町、今の寺家のあたりにあったとされる。 国府とはずいぶん離れている。 同じ構図は備後国にもある。 備後の国府は今の府中市に、国分寺と国分尼寺は福山市神辺町に置かれたと考えられている。 ちなみに僕が通っていた府中市の幼稚園は、国府跡の上に建っていたようだ。 安芸国府の正確な場所は、実は今も特定されていない。 多家神社のあたりと言われるが、正確な跡地そのものかは分かっていない。 神社も後の世に場所を移している。 それでも、ある台地の上にあったことは、ほぼ間違いないとされている。 三角州はまだ、海の中だった なぜ台地なのか。縄文海進を思い出してほしい。 縄文時代に海が内陸まで広がり、その後で少しずつ引いていく。 今の広島市の三角州はまだほとんど海の中だった。 中州はぽつぽつあったかもしれないが、基本は川と海に囲まれた土地だ。 大水が出れば流されかねない、ひどく不安定な場所である。 そんなところに、今でいう県庁のような国府は置けない。 だから安定した台地に据えた。 多家神社のすぐ近くには、かつて松崎八幡宮があったという。 今はなく、バス停に名を残すのみだが、このあたりに船をつけたと伝わる。 府中中学校のすぐ西で、神武天皇が腰掛けたという岩も一応残っている。 そんな岩は日本中に山ほどあるので真偽はさておき、痕跡が今に残ること自体がすごい。 多家神社にいたっては、『古事記』の時代から現在まで続いているのだ。 祇園大橋から南は、中州と川と海が入り混じった、地盤のゆるい土地だった。 水分峡の南に張り出した台地こそが、古墳・飛鳥・奈良の頃の中心だった。 続きは、また このあと広島の中心は、平安時代に入るとまた別の場所へ移っていく。 その話は長くなるので、機会をあらためたい。 こういう街の来歴を、腰を据えて展示してくれる場所が広島にあればいいと、やはり思う。 かなわないなら、せめてこうして書いていく。 面白いと思ってもらえたなら、続きを書くモチベーションになる。ぜひ応援してほしい。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食ボイス836・皇室典範改正、男系という一本の糸を、誰が切れるのか

快食ボイス836・皇室典範改正、男系という一本の糸を、誰が切れるのか

Jul 18, 2026 14:49

賛成か反対かという、単純な話ではない 皇室典範が改正された。 賛成か反対かと問われれば、僕は賛成寄りだ。 もっとも、どちらとも簡単に言い切れる話ではない。 ただ、このままでは宮家が立ち行かなくなり、皇室そのものが細っていく。 それを防ぐための改正だと理解しているから、そう悪い話だとは思わない。 麻生さんの血族を送り込むための布石ではないか、という見方もあるらしい。 でも僕は、それは穿ちすぎだと思う。 自分の子孫にどれだけ負担をかけることになるかご理解されているはず。 僕はそんな卑近な話ではないと思う。 --- 男系継承は、何度も繰り返されてきた そもそも男系男子で皇統をつないでいくというのは、これまでの日本の歴史で何度も繰り返されてきたことだ。 天皇家は公式には二千六百年続くとされるが、さすがにそれは神話の領域で、学者の多くは実際には千五百年ほど、継体天皇のあたりからと見ている。 僕も同感だ。 その継体天皇にしても、応神天皇の五世の孫という、ずいぶん遠い血筋から迎えられた方だ。 江戸時代の光格天皇も同じで、傍系から引かれてきた。 いまの天皇陛下は、その光格天皇の血に連なっておられる。 だから今回の改正は、過去に何度も踏んできた道を、もう一度なぞるだけのこと、とも言える。 --- 女性天皇と女系天皇は、まるで違う ここで一つ、区別しておきたいことがある。 女性天皇と女系天皇は、まったく別の話だ。 女性天皇は、父方をたどれば皇統につながる女性の天皇のことで、歴史上に何人もおられた。 一方の女系天皇は、母方だけが皇統につながる天皇を指す。 こちらは、一度も存在していない。ここが決定的に違う。 この二つを混同したまま議論している人が結構多い。 なぜ女系がここまで慎重に扱われるのか、そこにどんな政治的な重みがあるのか、というところまで踏まえている人となると、さらに少ないように思う。 ただ、それを責める気にもならない。 それだけいまの天皇家が、政治から遠い、静かな存在になっているということなのだと思う。 --- 天皇が政治の中心だった時期は、ほとんどない 僕は、いまの天皇家というのは明治天皇から始まっていると感じている。 不敬に聞こえたら申し訳ない。 明治天皇の一代前が孝明天皇で、明治維新に関わっておられた。 ではその前は、と問われて名前が出てくる人は少ないだろう。 僕も出てこない。 考えてみれば、天皇が政治の中心にいた時期は、日本の歴史のなかでほとんどない。 江戸時代の将軍の名前ならすらすら出てくる人でも、そのころの天皇の名を挙げられる人は、まずいないだろう。 室町のころにはもう実権から遠く、足利義昭などは織田信長に粗末に扱われ、鞆の浦のあたりまで逃げている。 後醍醐天皇が一瞬だけ天皇親政を成し遂げたが、長くは続かず、隠岐へ流された。 それ以前も、天皇より上皇が院政で実権を握っていた時期のほうが長い。 天皇が本当の意味で国のトップに立ったのは、大政奉還を経て明治天皇が全国を巡幸し、これからは自分が中心だと庶民に顔を見せて回った、あの時からだ。 明治天皇はとても若くして即位されたが、立派な方だったから、人々も「これからは将軍さんに代わって天皇さんがトップなのだ」と素直に受け止めた。 もっとも、権威はともかく権力まで一手に握っていたかというと、そこは別だと思う。 実際に国を動かしていたのは元老たちで、天皇はどこか、権威そのものとして歴史の舞台に立たされていた。 それでもその舞台に立ったこと自体が、それまでとはまるで違う出来事だった。 --- それでも、僕はその糸を切れない 昭和天皇は戦争の時代に祭り上げられ、戦争責任という重い言葉を、いまも背負わされている。 その空気を変えたのが、平成の、今の上皇さまだ。 国民に寄り添うことを徹底され、そこから現在の深い敬意が育っていった。 僕は昭和を生きた人間だから、昭和天皇の時代のこともよく覚えている。 当時これほどの敬意が集まっていたかというと、そうではなかった。 戦争責任を強い言葉で問う人も、まだ周りにたくさんいた。 いま多くの国民が今上陛下に払っている敬意は、上皇さまがひとつずつ積み上げてこられたものの上に立っていると感じている。 だから国民が「いまの天皇家の血筋であれば、女性でも女系でも構わない」と感じるのは、自分の生きた実感からすれば、もっともだと思う。 僕自身、普通の国民として、その気持ちはよくわかる。 ただ、政治家は違う。 彼らは自分の実感だけでなく、歴史の時間軸で考えなければならない。 いま男系を断ち切ってしまえば、五十年後はもつかもしれない。 百年後も、なんとかなるかもしれない。 けれど三百年後、五百年後に「なぜあの時こんな途方もないことをしたのか」と、その汚名を子孫まで背負わされる可能性がある。 千五百年続いたものを、自分の代で切る。 その判断を、僕ならできるだろうか。 できない。 過去にこの国を切り盛りしてきた人たちも、できなかったことだ。 逆に、何もせずいずれ断絶に向かうほうが、まだ引き受けられる気がしてしまう。 少なくとも千五百年、神話まで含めれば二千六百年、途切れさせずにきた。 それを次の代へ渡していくのが、現在の政治家の仕事ではないか。 もちろん、これに正解はない。 女性・女系へ舵を切ることが百パーセント正しいと腹をくくれるなら、その道もあるのだろう。 でも僕には、その覚悟は持てない。 日本の歴史に大罪人として名を残す、それだけの信念が要る。 反対の立場に立って考えてみること。 それは、こういう問題ではとても大切だと思う。 皆さんは、どう考えるだろうか。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食ボイス835・マグロやイカは気にするのに、なぜエビだけ「エビ」で済ませるのか

快食ボイス835・マグロやイカは気にするのに、なぜエビだけ「エビ」で済ませるのか

Jul 17, 2026 13:55

エビだけが、名前を持たない 外食で出てくるエビは、たいてい「エビ」としか呼ばれない。 マグロなら、クロマグロなのかキハダなのか、みんな気にする。 イカだって、スルメイカなのかアオリイカなのかコウイカなのか、そこはちゃんと分ける。 イカで一括りにするのは雑すぎる、という感覚が共有されている。 それなのに、エビだけが「エビ」のまま流通している。 中身はむちゃくちゃたくさんあるのに、誰もどのエビなのかを言わない。 自分で料理する人はある程度わかっていると思うけれど、外食の現場ではほとんど言及されない。 情報発信をしていない人は、それでいい。 ただ、発信する側がエビとかイカとかマグロとかを十把一絡げに語るのは、さすがに雑だと思う。 名前がわかると、味の理由もわかるようになる。 逆に言えば、名前で呼ばれないものは、いくらでもすり替えられるということでもある。 --- クルマエビは王様、けれど滅多に会えない エビの名前として一番有名なのはクルマエビだろう。 ただ、使っている店はなかなかない。 というより、かなり高い店しか使えない。 エビの中では王様レベルだ。 天然もあるし養殖もあるが、養殖だから美味しくないということはない。 むしろ形が揃うので、天ぷら店は養殖のほうがいい。 天然は大きさが不揃いで扱いにくい。 天ぷらに向くのは大きすぎないサイズだし、寿司の握りも大きすぎるとバランスが悪く、身が硬くなる。 だから、程よい大きさで、餌と環境のいい養殖のクルマエビ。 これを使えるのは、そこそこ高級な寿司店か天ぷら店に限られる。 回転寿司ではありえないし、定食系の天ぷらにもまずない。 --- ブラックタイガーとバナメイの間にあるもの では、そういう店は何を使っているのか。 多くはウシエビかバナメイエビだ。 どちらもクルマエビの仲間なので、結構おいしい。 ウシエビは商品名でブラックタイガーと呼ばれることが多く、ランクとしてはバナメイより一つ上になる。 とはいえバナメイも、クルマエビの仲間である以上おいしい。 同じ仲間にクマエビもいる。 足が赤いので「アシアカ」と呼ばれる高級エビで、店で出るとしたら「今日はアシアカがありますよ」という扱いになるくらいの存在だ。 僕もスーパーで見かけたら買って食べる。 もちろん、クルマエビの仲間以外にもエビはいる。 一般に甘エビと呼ばれるホッコクアカエビもそうだし、回転寿司で赤エビとして出てくるのはたいていアルゼンチンアカエビだ。 ただ今日は、クルマエビ系の話に絞る。 ブラックタイガーは物自体がそれなりに高いので、外れが少ない。 一番差が出るのがバナメイだ。 ムチッ、ブチッと噛み切れるくらい筋肉質で、噛み締めると中からエビの風味がグワッと出てくるものがある一方、エビの香りも味わいもまるでなく、プリッとした食感だけが残る、石油製品でも食べているようなものもある。 安い定食についてくるエビフライの、あの「エビの形をした何か」だ。 --- 味が消える理由は、種類ではない 差を生むのは、まず保水剤だ。 リン酸塩やpH調整剤に漬けて水を吸わせる。 プリプリした食感だけは残るが、味は限りなく薄まり、加熱するとよくわからないものになる。 次に冷凍。 水は凍ると体積が一割ほど増えるので、細胞の中の水が膨らんで組織を壊す。 すると解凍時にドリップとして全部出ていく。 業務用の急速冷凍機は、膨らむより先に一気に凍らせるので、比較的ドリップが出ない。 冷凍食品を一度解凍したら再冷凍してはいけない、と言われるのはこのためだ。 家庭用の冷凍庫は保存はできても冷凍はできない。 タコのように家庭でも凍らせられる食材もあるが、エビは業務用でないと上手に凍らせられない部類に入る。 水を吸わせて味を薄め、その上で下手に凍らせ、解凍にも失敗する。 この三つが重なれば、残るのは微妙な食感だけだ。エビの形をした何か、と言いたくもなる。 養殖環境も出る。エビは養殖の状況がそのまま味に出るので、いい環境ならおいしく、そうでなければ臭みが出やすい。 輸送も同じで、甲殻類は死んだ瞬間から匂いが立ち始める。 生きたまま運び、生きた状態で締めて料理する。活け締めを使うと断然美味しい。 だからバナメイが悪いのではない。 ブラックタイガーにもおいしいものからそうでないものまである。 クルマエビだって、生きていたやつと死んでいたやつでは味が違う。 どの種類かと、どう扱われたか。 この二つを気にして食べると、いい学びになると思う。 --- 瀬戸内の、名もなきエビたち 瀬戸内で獲れるのは、サルエビやヨシエビ、シラサエビと呼ばれるあたりだ。 クルマエビの仲間に比べると食感はフニャッとしていて、味も濃くない。 でも、それを上手に使ったのがかっぱえびせんだ。 もともと広島の宇品にあった松尾糧食工業所という会社が作っていたエビあられがルーツになっている。 尾道の稲荷寿司や巻き寿司に入るエビ粉も、名古屋のえびせんべいも、夏になると湧くほど獲れたこれらのエビが使われてきた。 最近は獲れなくなってきたけれど。 岡山の日生も同じで、本当は冬がカキオコ、夏はエビのお好み焼きだった。 地元のエビをちまちまと剥いて、たくさん入れてくれる。 夏に食べに行くと、どの店もそれを出してくれて、これはカキオコより絶対いいじゃんと思ったものだ。 今でもやっているんだろうか。 カキオコが有名になったせいで、夏でも牡蠣を出し続けているのだとしたら、それは少し罪深い。 夏はエビのほうがうまいに決まっているのに。 というわけで、今日はエビの話をしてみました。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

桃山商事

桃山商事

コミュニケーション、男性性、恋愛、人間関係、ジェンダー、ケア、孤独、性欲、会社、友情、老い……メンバーがその時々で気になったテーマを1つ設定して、モヤモヤを言語化していくNEOな座談Podcastです。2011〜2016年「二軍ラジオ」(ApplePodcast)、2017〜2024年「恋愛よももやまばなし」(ニコ生→Podcast)を配信していました。清田隆之(文筆業)、森田(会社員)、ワッコ(会社員)、さとう(会社員)の4人でお届けします。

歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)

歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)

歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK2人と圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオです。 歴史というレンズを通して「人間とは何か」「私たち現代人の抱える悩み」「世の中の流れ」を痛快に読み解いていく!? 笑いあり、涙ありの新感覚・歴史キュレーションプログラム! ☆Apple & Spotify Podcast 部門別ランキング1位獲得! ☆ジャパンポッドキャストアワード2019 大賞&Spotify賞 ダブル受賞! ※正式名称は「古典ラジオ」ではなく「コテンラジオ」です ーーー COTEN RADIO is an entertainment radio talk program for history , published by the crazy history geeks group "COTEN" in Japan. ☆Apple & Spotify Podcast in Japan category ranking No.1 ! ☆Japan Podcast Awards 2019 Grand prize and Spotify prize !

シットとシッポ

シットとシッポ

Dos Monosの荘子itと哲学者の福尾匠によるPodcast 毎週月曜更新。 📣有料 / 無料で入れる "疎の街" はコチラから ⁠ 📍番組のフォローをお願いします https://linktr.ee/shitshippo 📍X シットとシッポ @shitshippo 荘子it @ZoZhit 福尾匠 @tweetingtakumi 📩シットとシッポへの問い合わせはコチラ

jkondoの朝の散歩

jkondoの朝の散歩

ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」や、GPSトラッキングサービス「IBUKI」、物件メディア「物件ファン」、京都の宿とコワーキング施設「UNKNOWN KYOTO」を運営する近藤淳也(jkondo)が、朝の散歩をしたりしながら、日々の出来事や考えたことを語ります。

LISTEN NEWS

LISTEN NEWS

LISTENは、AI文字起こしとコミュニティで、ポッドキャストを「聴く・配信する・つながる」ためのプラットフォームです。 公式番組「LISTEN NEWS」では、開発の裏話や近況も交えつつ、最新情報をお届けします。 LISTENはこちら→ https://listen.style/

IBUKI STATION

IBUKI STATION

ここはアウトドア向けGPSトラッキング「IBUKI」にまつわる人々が集まる場所。 トレイルラン、登山、冒険、ランニング、自転車、ロゲイニング、、 スタイルは数あれど、共通しているのは自然を楽しみ、そして人とのつながりも楽しむ姿勢。 自然を目一杯楽しみ、苦しみながら、人と接する喜びにも気付く。 アウトドアを満喫するみなさんが、ほっとできるIBUKI STATIONです。 IBUKI https://ibuki.run/ 近藤淳也 IBUKIを提供する株式会社OND代表。ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」も展開 桑原佑輔 OND所属。IBUKI事業担当営業・テクニカルディレクター 中川和美 OND所属。IBUKI担当。トレイルランナー