快食ボイス
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シャオヘイ 319 Episodes

広島市在住のシャオヘイが、飲食店と顧客の間にある様々な課題や問題に対する僕の考えや、特定の料理についてお話します。
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快食ボイス670・旨味に溺れるな、淡い味を楽しむという選択肢

快食ボイス670・旨味に溺れるな、淡い味を楽しむという選択肢

Dec 4, 2025 13:05

今日は「チャーハン」について少し考えてみたいと思う。 --- チャーハンという料理の難しさ 街には、ラーメン店の半チャンセット、中華料理店、そして最近はチャーハン専門店も並ぶ。 しかし、今のチャーハンは非常に難しい料理になってしまったのではないか――そう感じている。 理由は単純で、冷凍チャーハンの存在である。 コンビニやスーパーで売られているあの冷凍チャーハンは、本当に美味しい。 ただし、どれも味が濃い。その濃さに多くの店のチャーハンが引きずられているのではないか、と考えている。 --- 本来のチャーハンは素朴だった 本来、チャーハンとは 卵とネギと油、そんな世界の料理である。 言ってしまえば卵かけご飯の加熱バージョンだ。 旨味の総量は非常に少ない。 だからこそ、多くの店では旨味調味料に頼らざるを得ない。 昔は、ここまで強く使っていなかったはずだ。 だが現在は、冷凍食品由来の「旨味の濃い世界」に引っ張られている。 この変化はチャーハンに限った話ではない。 アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ、お茶漬けも同じ構造を持つ。 もとは素材の淡い味で成立していたが、「素」や加工食品の登場で濃い味が標準化した。 --- バカ舌/賢い舌の話ではない 旨味調味料が好きな人を否定したいわけではない。 濃い味が好きでも何の問題もない。 言いたいのはただ一つ―― 濃い味しか理解できないよりも、淡い味と両方楽しめた方が人生は豊かである。 味覚の優劣の話ではなく、楽しみの幅の話なのだ。 --- 人類は濃い味に惹かれるようにできている 塩・脂・旨味に脳が喜ぶのは仕組みとして当然だ。 人類の歴史の99%は飢餓であり、カロリーと旨味を求める体質は本能的だ。 しかし、濃い味一辺倒は健康を害する可能性がある。 食事とは本来、体を維持するための行為であり、脳を喜ばせるだけの娯楽ではないはずだ。 --- 淡い味の世界の楽しさ だからこそ、時々は旨味を足さない世界を味わってみると良い。 強い味 → 強い味 → 強い味、と進むだけではなく、淡い味に身を委ねる余白を持つこと。 たとえば大根おろしのように。 素材そのものの淡い香り、瑞々しさ、清涼感。 そこには、濃い味にはない豊かさがある。 --- 結論 チャーハンの話をしたかったのは、結局 淡い味と濃い味、どちらも理解すると人生はより幸せになる。 ということだ。 濃さだけを追う世界は、豊かさを削る。 淡さの魅力こそ、もう一度思い出すべきではないか。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食ボイス668・FBはどこへ向かうのか —— クリック経済が生む倫理の崩壊

快食ボイス668・FBはどこへ向かうのか —— クリック経済が生む倫理の崩壊

Dec 2, 2025 12:28

今日は、Facebook(Meta)についての違和感について話してみたい。 ロイターが報じた「収益の1割は不正広告」問題 先日ロイター通信が報じたところによれば、Metaは詐欺広告や販売禁止品の広告を意図的に放置し、2024年の売上の1割をそれらから得ていた可能性があるという。 Facebookを使っている人なら体感としてわかるはずだが、近頃、怪しい広告が驚くほど多い。 「投資で一晩で◯千万円」とか「芸能人の名を騙った偽広告」とか、ああいった類のものだ。 こうしてユーザーが離れ、信頼が摩耗していく。 企業がクリック数だけを追い、倫理を切り売りしてしまう構造が露骨に見える。 --- ショート動画で拡散する“動物虐待コンテンツ” さらに気になるのが、リールなどのショート動画で流れてくる、動物に激辛料理を食べさせて反応を笑う動画である。 おそらく生成AIによるフェイク動画だと思う。 しかし、たとえフェイクであっても、動物が苦しむ姿を娯楽として消費する行為そのものが虐待の概念に含まれる。 動物行動学的に考えても、哺乳類なら辛味を嗅覚や粘膜で察知し、普通は食べない。 まして、食べた直後に水をガブ飲みするなど、知識が前提の行動は不自然だ。 辛味成分のカプサイシンは、熊撃退スプレーや催涙弾の主成分であり、人間ですら涙とくしゃみで活動不能になるほどの刺激だ。 それを“面白い”として流通させる文化に、まともな感覚は残っているのだろうか。 --- クリックを稼ぐためなら、何でも許されるのか こうした動画が再生され、クリックされるほど投稿者に収益が入る仕組みになっているという。 つまり、倫理よりも再生回数、生命よりも収益という価値観が可視化されている。 詐欺広告も、動物虐待動画も、根っこは同じだ。 感情を刺激すれば勝ち、という“闇のアルゴリズム”にすべてが従属している。 テック企業の巨大資本7社、いわゆる“Magnificent Seven”の中で、 僕は最も危うさを感じるのがMetaではないかと感じている。 倫理の薄さは、いつか企業そのものの信用崩壊につながるはずだ。 --- おわりに テクノロジーは本来、人を豊かにするためのものである。 しかし、倫理なき最適化が進むと、人間の感覚そのものが壊されていく。 “笑い”のために、どこまでを許すのか。 その境界線を、僕ら自身が考えるべきタイミングに来ているのだと思う。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食ボイス666・身体に馴染む酒とは?美和桜の酛摺りを体験した

快食ボイス666・身体に馴染む酒とは?美和桜の酛摺りを体験した

Nov 29, 2025 12:17

生酛造りの現場 広島県三次市にある 美和桜酒造 を訪れた。 生酛造りの初期工程に 「酛摺り」 という作業がある。 蒸した米に水分と酵母を加え、桶に移し、貝のような形の道具で擦り潰していく。 体重を預けながら押しつぶすように練っていく作業だ。 この酛摺りを体験してきた。 僕は今、日本酒を飲む時、ほぼ 生酛造り を選んでいる。 その延長線上に、現場を知りたいという興味があった。 杜氏をやっているのが中学時代の同級生、金尾なので話が早い。 --- “硬い米”との格闘 今年の仕込み米は、例年以上に硬いらしい。 三桶あった中でも、一番硬い米を僕に任せてくれた。 「お前は難しいのが好きじゃろ」というやつだ。 押し込む力というより、道具を握る手の握力が奪われていく。 終わった後に蔵人さんが「今年のは過去一です。しかも今日はその中でも最硬」と言われていたので、まあ貴重な体験だった。 酛摺り後の状態は、麹が混ざった栗のような甘さがあり、思った以上に柔らかい香りがした。 --- 生酛が体に馴染む理由 生酛は、乳酸を自然発酵で育てていく昔ながらの製法だ。 対して現代主流の 速醸(そくじょう) は乳酸を添加するため、手間も期間も短い。 僕が生酛を選ぶ理由は、味以上に 身体の馴染みの良さ にある。 酔いが早く穏やかで、心と身体がふわっとほぐれる。 ウイスキーのような覚醒系の酒とは違い、早い段階で「もう十分だ」と思える。 食事によく合い、翌日に残らないのもいい。 なぜそうなるのかはまだわかっていないが、今日現場に立って、複雑な工程で生まれる糀や乳酸の生命感が関係しているような気がした。 --- 美和桜「御結」との出会い 生酛を飲み比べてきた中で、とりわけおいしかったのが美和桜の 「御結」 だ。 金尾に「これ旨いな!」と伝えると「酛摺りに来るか?」となり、今日に至った。 --- 生酒のR5・R6 帰り際、何か面白い酒はない?と訊くと、R5とR6の生酒 があるとのこと。 市場に出回るほとんどは火入れなので、生酒は珍しい。 まだ飲んでいないが、どんな味わいなのか楽しみだ。 --- 終わりに 酒はただ飲むだけでも楽しいが、日本酒の場合、身近で造られているので実際に現地を訪れ、背景や思想に触れることができる。 それらがどのように、味わいに繋がるのか。 酔うためだけに飲むのではなく、そこに好奇心が加わると一層楽しい。 酒の理解もやはり、現場、現物、現実が大切なのだ。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食ボイス665・サバイブオイスター宣言:牡蠣を食べるという支援のかたち

快食ボイス665・サバイブオイスター宣言:牡蠣を食べるという支援のかたち

Nov 28, 2025 11:57

いま広島で起きている 牡蠣の大量死について考えてみたい。 広島に暮らす者にとって、牡蠣は単なる食材ではない。 冬になると食卓に現れ、瀬戸内海の季節感を知らせてくれる、いわば生活文化そのものだ。 だが今年、その牡蠣が斃死している。 原因は、まだわからない。 --- 「10月の突然死」という違和感 養殖業者の声を聞くと、10月の途中までは、むしろ順調だったという。 では、なぜ10月に入ってから突然死が始まったのか。 - 水温の急変? - 高塩分濃度の影響? - 低酸素状態? - 餌不足? - アカシオ? - 病原体? どれも仮説としては挙げられている。 しかしどれも「10月の突然死」を説明しきれない。 7〜9月は壮絶な酷暑だったが、持ちこたえていた牡蠣がなぜ10月に崩れたのか。 例えば瀬戸内海が急に低酸素になる――そんな劇的な変化が、どうすれば起きるのか。 説明のピースが足りていない。 この 釈然としなさ は、多くの養殖業者が共有しているはずだ。 --- 歴史は同じ問いを繰り返す 自然と産業の大崩壊は、過去にも何度も起きた。 - 北海道のホタテ大量死 - フランスの葡萄を壊滅させた フィロキセラ(害虫) - ヨーロッパヒラガキ を滅ぼしたウイルス ヨーロッパの牡蠣産業は、病気に強い日本の マガキ を導入して再生した。 いま欧州で食べられている牡蠣の多くは、日本から渡った血統である。 歴史が示すのは、ひとつだ。 自然の大災害は、いつも「説明できないまま始まる」。 もし今回の出来事が病原体によるものなら、事態は深刻だ。 そして特定には時間がかかる。 --- 現場の養殖業者には時間がない 「そういうこともあるよね」と言って済ませられる話ではない。 今年の売上は壊滅的だし、来年以降はさらに厳しい。 牡蠣は5~6月に産卵し、ホタテ殻に付着させて次の世代を育てていく。 今年親牡蠣が死んでしまったぶん、来年・再来年の生産にも影響が確実に出る。 つまり、この問題は「今年がダメだった」ではなく 少なくとも2~3年にわたるダメージである。 --- だからこそ「サバイブオイスター」を食べて応援したい 僕らは専門的な研究もできないし、運転資金を融通することもできない。 でも、ひとつだけできることがある。 生き残った牡蠣を食べること。 それが、養殖業者の次の一手を支える力になる。 サバイブオイスター。 過酷な海を生き延びたツワモノの牡蠣たちだ。 今年の牡蠣は数が少ない。 だがその分、一粒には物語がある。 僕らは、その物語を味わうことで、海と人の営みを応援できる。 牡蠣はただの食材ではない。 誰かの人生の結晶なのだ。 --- 最後に いずれ原因究明は進むだろうし、対策としての技術開発も進むだろう。 でも、その前に、今ここで支えなければならない。 だから僕は言いたい。 今年の牡蠣を食べよう。 生き残った牡蠣を讃えよう。 サバイブオイスターはきっと今年じゃなければ食べることができない。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

快食ボイス663・当事者意識のない者が地域の代表を担う不幸

快食ボイス663・当事者意識のない者が地域の代表を担う不幸

Nov 26, 2025 11:47

オイスターカップ2025in広島での再会 先日、広島県内の牡蠣養殖業者のコンテスト「オイスターカップ2025in広島」の決勝審査員を務めた。 その会場で、県職員時代に市町職員と合同で行った研修で同じチームだった人物と再会した。 忘れていたが、声をかけられて思い出した。 彼は今、地域の議員になっていた。 地域の主産業は牡蠣養殖で、現在その産地は深刻な危機にある。 当然、地域の議員なら、当事者意識を持って課題に向き合っているべきだ。 しかし返ってきた言葉は、こうだった。 「まあ、自然のことだからね。いろいろ調べても結局わかんないよね。」 その瞬間、胸の奥で何かが切れた。 --- 当事者意識とは何か 当事者意識とは、協力者がいようがいまいが「これは俺の問題だ」と覚悟することである。 誰もやらなくても、たとえ一人でも動く。 「自分がやらなければ誰もやらない」 その姿勢が当事者だ。 議員ならその覚悟が必要だ。 現場の牡蠣養殖業者は、日々の作業と資金繰りでギリギリだ。 余裕なんてひとかけらもない。 それでも必死に踏ん張っている。 その中で、誰が動くのか。 動くべきは政治の側だ。 --- 現状分析はすべての仕事の9割 どんな仕事でも、最初に必要なのは 現状分析 である。 現状が正確に把握できなければ、正しい打ち手など生まれるはずがない。 当てずっぽうの施策が当たることがあってもそれは偶然だ。 「現場・現実・現物」この三つを見ずして打てる手は無い。 だからこそ、足を運び、自分の目で見て、情報を集め、状況を把握する。 ここに9割がかかっていると言っていい。 最初から諦める者に、未来をつくる資格はない。 --- 変わらない人間の話 正直なところ、その議員は研修時代から、仕事をせずに酒ばかり飲んでいるタイプだった。 その間、僕は一人で黙々と作業を進めていた。 十数年経っても、変わっていなかった。 腹の奥底では思った。 「何やってんだ、あんた。仕事しろよ。議員だろ。」 声には出さなかった。 けれど、本心ではそう叫んでいた。 --- 最後に──未来は、当事者の手によってしか開かれない 「自然だから仕方ない」 「結局わからない」 そう言って最初から投げる者のもとでは、地域は滅びる。 問題の本質は、自然現象でも危機でもない。 覚悟の欠如だ。 自分の問題として引き受ける者だけが、道を切り開く。 社会を動かすのは、いつだって当事者側の人間だ。 投げ出す者ではない。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611

IBUKI STATION

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ここはアウトドア向けGPSトラッキング「IBUKI」にまつわる人々が集まる場所。 トレイルラン、登山、冒険、ランニング、自転車、ロゲイニング、、 スタイルは数あれど、共通しているのは自然を楽しみ、そして人とのつながりも楽しむ姿勢。 自然を目一杯楽しみ、苦しみながら、人と接する喜びにも気付く。 アウトドアを満喫するみなさんが、ほっとできるIBUKI STATIONです。 IBUKI https://ibuki.run/ 近藤淳也 IBUKIを提供する株式会社OND代表。ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」も展開 桑原佑輔 OND所属。IBUKI事業担当営業・テクニカルディレクター

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近藤淳也のアンノウンラジオ

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株式会社はてな創業者であり現在もITの第一線で働く近藤淳也が、京都の宿UNKNOWN KYOTOにやって来る「好きなことを仕事にしている人」を深堀りすることで、世の中の多様な仕事やキャリア、生き方・働き方を「リアルな実例」として紐解いていきます。 . 【ホスト:近藤淳也】 株式会社OND代表取締役社長、株式会社はてな取締役、UNKNOWN KYOTO支配人、NPO法人滋賀一周トレイル代表理事、トレイルランナー。 2001年に「はてなブログ」「はてなブックマーク」などを運営する株式会社はてなを創業、2011年にマザーズにて上場。その後2017年に株式会社ONDを設立し、現在もITの第一線で働く。 株式会社OND: https://ond-inc.com/ . 【UNKNOWN KYOTO】 築100年を超える元遊郭建築を改装し、仕事もできて暮らせる宿に。コワーキングやオフィスを併設することで、宿泊として来られる方と京都を拠点に働く方が交わる場所になっています。 1泊の観光目的の利用だけではなく、中長期滞在される方にも好評いただいています。 web: https://unknown.kyoto/ . こちらから本文を読んだりコメントが書けます! https://listen.style/p/unknownradio

jkondoの朝の散歩

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ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」や、GPSトラッキングサービス「IBUKI」、物件メディア「物件ファン」、京都の宿とコワーキング施設「UNKNOWN KYOTO」を運営する近藤淳也(jkondo)が、朝の散歩をしたりしながら、日々の出来事や考えたことを語ります。