広島市在住のシャオヘイが、飲食店と顧客の間にある様々な課題や問題に対する僕の考えや、特定の料理についてお話します。
その他には個人的な体験や経験なども。
ぜチャンネル登録をお願いします!
このポッドキャストは未認証のため、最新エピソードのみ表示されます。
快食ボイス694・箱根は、ついに世界への入口になったのか
はじめに 正月のさんがにちが終わった。 1日はニューイヤー駅伝、2日と3日は箱根駅伝。 これを見ないと正月が始まらない、そう感じている人も多いのではないか。 僕もその一人だ。 今年も例外なく、画面の前で多くの時間を過ごした。 そして見終わったあと、強く残った感覚がある。 それは「長距離の世界が、明らかに次の段階へ進んだ」という実感である。 --- 箱根駅伝は、異常な速度領域に入った ここ数年の箱根駅伝は、明らかに高速化している。 今年の優勝タイムは10時間37分台。 過去の優勝タイムから約3分短縮された。 200km以上を走っての3分と思うかもしれないが、3分あれば彼らは1km以上走ってしまう。 これは「少し速くなった」などという話ではない。 さらに象徴的だったのが、区間賞ではなく「区間新」が5区間もあったことだ。 つまり、その区間を歴代走ったすべての選手の中で最速、という意味である。 これは異常であり、同時に時代の変化を示している。 --- 「不滅」と呼ばれた記録が、次々と塗り替えられる かつて「不滅」とまで言われた記録が、今や更新され続けている。 2区、3区、4区の記録を持つイエゴン・ヴィンセントさんですら、すでにエース区間の2区では何度も塗り替えられた。 大迫傑さんの記録もそうだ。 長距離ファンからすれば、日本記録保持者かつ伝説のランナーである。 その箱根時代の記録が更新されるという現実は、率直に言って衝撃的だ。 記録が破られるということは、敬意が失われたという意味ではない。 むしろ逆である。 その時代の頂点が、次の世代への踏み台になったということなのだ。 --- 黒田朝日さんという「異次元」 今年、最も記憶に残った選手を一人挙げるなら、黒田朝日さんだろう。 4年生で初めて5区を走り、まるでエンジンでも積んでいるかのような走りだった。 山の神、柏原竜二さんが「化け物すぎる」と表現したのも頷ける。 もちろん彼は特別だが、特別な選手が一人だけ、という大会ではなかった。 全体が底上げされている。 それが今年の箱根だった。 --- ケニア人ランナーと人類史の話 ニューイヤー駅伝でも、外国人選手が走る区間がある。 実際、そのほぼ全員がケニア人であり、さらに言えばカレンジン族やキクユ族に集中している。 これは偶然ではない。 人類の起源がアフリカにあり、遺伝的多様性の約85%がアフリカ大陸内に存在している、という事実と関係している。 つまり、人類で最も足の速い人も、最も遅い人も、アフリカ大陸にいる。 その中で、長距離に最適化された遺伝的特性を持つ集団が、結果としてケニアに集中している。 環境やトレーニングも重要だが、最大の要因は遺伝子である。 これは感情論ではなく、科学的な話だ。 --- それでも、日本人は追いつき始めている 重要なのは、そこだ。 ニューイヤー駅伝では、ケニア人選手に負けない日本人ランナーが明確に増えてきた。 さらに注目すべきは、 トヨタやJRといった伝統的強豪だけでなく、 GMOインターネットグループ、サンベルクス、ロジスティードといった比較的新しい企業チームが台頭している点である。 彼らは若い選手を積極的に起用し、結果を出している。 つまり―― 箱根駅伝のレベルが、ついに社会人トップレベルに追いつき、追い越し始めたのだ。 --- 「速い選手」ではなく「強い選手」へ マラソンはトラック競技とは違う。 ロードには、天候、起伏、風といった不確定要素がある。 だから必要なのは、速さよりも強さだ。 山を走っても速い。 条件が悪くても崩れない。 そういう選手が、今の箱根から育ち始めている。 元ランナーとして、これは本当に嬉しい変化だ。 --- 箱根から、世界へ――夢を見てもいい時代 金栗四三が掲げた「箱根から世界へ」。 それは長らく理念であり、理想論でもあった。 だが今は違う。 もしかすると、箱根を経由して世界で戦う日本人長距離ランナーが、僕が生きている間に現れるかもしれない。 応援するだけの立場ではあるが、夢を見るには十分な現実が、今ここにある。 --- おわりに 2026年の正月。 今年の箱根駅伝は、本当に素晴らしかった。 多くの物語があり、何度も涙が出た。 僕らの役割は、しっかり応援することだ。 長距離という競技は、静かで、過酷で、そしてとても美しい。 その静けさと精神性は、日本人のマインドに馴染みやすいと思う。 来年も、また楽しみにしたい。 そしてできるなら、皆さんも一緒に応援してほしい。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611
快食ボイス693・ベストはなく、ベターを選ぶしかない時もある
はじめに 新年明けましておめでとうございます。 今回は、2026年の年明け早々に体験した、なかなかに骨の折れる帰宅の話をしてみたいと思う。 箱根駅伝を実家で見終え、凍結の情報を気にしながら福山市を出発したのが午後3時。 結果から言えば、自宅に戻るまでに約6時間を要することになった。 ただの愚痴ではなく、この出来事から感じた「判断」「経験」「選択肢」について話してみたい。 --- 天候は、途中から一気に牙をむいた 出発直後は、正直なところ拍子抜けするほど順調だった。 ところが西条インターチェンジ付近で、様子が変わる。 雪が降り始め、「これはまずいかもしれない」と思ったものの、路面にはまだ積雪がない。 迷っているうちにインターを通り過ぎてしまい、「次で降りよう」と自分に言い聞かせながら進む。 ファクトとして大切なことは、雪道の運転に慣れていないということだ。 事故経験はないが、それは「経験がない」だけでもある。 経験が乏しいのに自信を持つのは、ただの過信だ。 --- 規制と渋滞、そして選択肢の消失 志和インターチェンジにたどり着いた頃、事態はさらに悪化する。 ちょうど自分が降りたタイミングで、そこから先は冬タイヤ規制に切り替わった。 年始、帰省ラッシュ。 九州ナンバーの車が多く、当然ながら冬タイヤを履いていない。 料金所まで30分以上。 料金所を抜けても、ほとんど動かない。 下道に出ても状況は変わらず、タイヤの空転音があちこちから聞こえてくる。 「事故が起きない方がおかしい」状況だった。 --- 「進めない人」と「降りられる人」 ここで意識したのは、人によって選択肢の数が違うという事実だ。 小さな子どもがいる人。 高齢者を乗せている人。 体力に不安がある人。 そういう人たちは、どれだけ危険でも「車で進み続ける」しかない。 それは責められない。 選択肢がないのだから。 一方で、自分はどうか。 一人だし、体力があるし、雪の中を歩く経験もある。 時間はかかっても、別の手段が取れる。 だったら、自分が無理に車を路上に出し続けるべきではないと判断した。 事故を起こせば、周囲にも、緊急車両にも、さらなる迷惑をかける。 --- ベストはなく、ベターしかなかった 正解はなかったと思う。 あったのは、よりマシな選択肢だけだ。 車を置き、八本松駅まで歩く。 結果として、雪に埋もれた歩道を1時間半。 普通のランニングシューズだったため、つま先から水が入り、感覚がなくなるほど冷えた。 決して楽な判断ではない。 それでも、自分にとってはそれが「ベター」だった。 --- 6時間かけて、家に戻る 電車は止まりながらも動いてくれた。 八本松から広島市内まで、さらに2時間くらい。 バスの状況が読めなかったので、最寄り駅から再び歩く。 福山市の実家を出てから、結局自宅に着くまで約6時間。 久しぶりに「なかなかの経験」をしたと思う。 --- 経験しなければ、理解できないこと こういう出来事があると、はっきり思う。 人は、経験しないと本当には学べない。 どれだけ見聞きしても、実感を伴わなければ理解は浅いままだ。 大変ではあったが、学びは確かにあった。 もちろん、正月に能登で被災された方々の苦労に比べれば、これは取るに足らない話だ。 暖かい家で眠れること自体が、すでに恵まれている。 --- おわりに 新年早々、波乱のスタートではあった。 それでも、無事に帰宅できたことに感謝している。 凍結や規制が予想される日は、ぜひ道路情報を確認した上で行動してほしい。 「行けるかどうか」ではなく、「無理をしない選択肢があるかどうか」を考えること。 今年もいろいろあるだろうが「よりマシな選択」を積み重ねて行くことが大切だと僕は思う。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611
快食ボイス690・古い雑誌を捨てながら、過去の時間を拾っている
はじめに 年末でリスナーの皆様も忙しい時期なので、少し気の抜けた話がしたい。 と、自分では思っているが、AIに言わせると昨日の話も相変わらず全然緩くないと指摘された。 ここしばらく続けているのが、部屋に溜まりに溜まった本と雑誌の整理だ。 本はかなり処分が進み、本棚にも余白が生まれ、作家別に並べ直す余裕も出てきた。 問題は、最後まで残った雑誌だ。 --- 雑誌が2メートル分残っているという現実 雑誌も相当量を処分した。 それでも、平積みで横に並べると、まだおよそ2メートル分は残っている。 冊数にすれば、軽く100冊は超えているだろう。 これを一気に判断するのは難しい。 そこで今は、少しずつ読み返しながら「残すもの」と「手放すもの」を選別している。 --- トイレは、最高の選別スペースである 僕はトイレに、雑誌用の簡単なラックを置いている。 トイレは何もせずにぼーっとするには、どうにも落ち着かない。 だからこそ、ここを「仕組み化」する。 一か月もあれば、トイレにいる時間だけで一冊は読み終わる。 新しい雑誌はもう買っていないので、今はひたすら選別作業に使っている。 これは昨日話した「仕組み化」の延長線上にある。 隙間時間を、どう扱うかという話だ。 --- 隙間時間と音声配信の相性 隙間時間の活用という点では、音声配信も欠かせない存在だ。 ポッドキャスト、Spotify、Voicy。中でも一番聴いているのはVoicyである。 電車やバスでの移動時間、歩いている時間。 走っているときはさすがに音楽にするが、歩く程度なら音声配信は十分に聴ける。 車の運転中などは、むしろ最適だ。 一度で理解できない回は、二度三度と聴き直す。 長距離移動のときなどは、これ以上ない学びの時間になる。 コテンラジオのような長尺コンテンツは、特にオススメ。 正月の帰省など、移動時間が長い人には、ぜひ試してほしい。 --- 料理雑誌と、30年分の時間 僕が買い続けてきた雑誌は、「料理王国」と、その後分かれた「料理通信」。 それと「dancyu」も、創刊号から30年買い続けた。 初期の号はかなり処分したが、それでも膨大な量が残っている。 そして、今読み返してみると、やはり面白い。 7〜8年前、あるいは10年前の雑誌を読むと、当時の空気がはっきりと感じられる。 「ああ、この頃は今より景気が良かったのだな」と、今になって気づくことも多い。 --- 雑誌は「未来」を内包している 雑誌に載っているのは、取材当時の「現在」である。 しかし、今それを読む私たちは、その先の未来をすでに知っている。 掲載されていた店は、その後どうなったのか。 スターシェフは、今も活躍しているのか。 予約困難店になった店、姿を消した店、消息が分からなくなったり、亡くなった料理人。 当時の記事を読み、現在を調べ、その差分を見る。 すると、雑誌の中の物語が、時間軸を伴って立ち上がってくる。 これは、雑誌のクオリティが高いからこそできる楽しみ方だと、つくづく思う。 --- 残すという選択 最終的には、2メートル分ある雑誌を、1メートル程度まで減らせればと考えている。 それくらいなら、本棚に「雑誌のためのスペース」として残してもいい。 これから先、新しい雑誌を買うことは、もうほとんどないだろう。 だからこそ、「これは神回だ」と思える号だけを手元に残したい。 ページをめくれば、当時の空気と、自分の時間と、編集者たちの仕事が一緒に立ち上がる。 それを、たまに味わえれば、それで十分だ。 --- おわりに 雑誌文化が消えていくのは、やはり寂しい。 高校生の頃に夢中で読んだ雑誌たち、今思えば嘘も多かったが、それも含めて時代だった。 そんな悲喜こもごもを感じながら、今日も雑誌を選別している。 捨てているようで、実は時間と記憶を拾い直しているのかもしれない(トイレで💦)。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611
快食ボイス689・続けられる人は、意志が強いのではなく、脳に優しい人
はじめに 仕事納めを迎えた人も多く、ようやく「年の瀬」という実感が湧いてくる頃だ。 広島も冷え込んでおり、夜中には0度近くまで下がるらしい。 無事に、そして気持ちよく年末年始を過ごしたいので、今日は少し軽めの話をしてみたい。 --- なぜ毎日続けられるのか、という問い 快食ボイスは、気がつけば2年と少しで680回を超え、もうすぐ700回に届く。 「なぜ毎日続けられるのか」「どうして続いているのか」と聞かれることがある。 ここで重要なのは、僕が特別、意志が強いわけではない、という点だ。 むしろ逆で、意志の力をできるだけ使わないようにしている。 このライフハックが、すべての出発点である。 --- 脳は「やらない理由」を作る天才である 人間の脳は、とてもよくできている。 よくできすぎていて、「やらなくていい理由」をいくらでも生み出してしまう。 今日はジムに行くべきか、それとも外を走るべきか。 そう考え始めた瞬間、脳はストレスを感じ、決断を先延ばしにし、やらないための理屈を量産し始める。 これは怠惰でも性格でもない。 脳の仕様なのだ。 --- 「やるかどうか」を考えない、という発想 ではどうするか。 答えは単純だ。 やるか、やらないかを脳に考えさせない。 歯磨きをするときに、「今日は歯を磨くべきか、それともやめるべきか」とは考えない。 考えるのは「いつ磨くか」というタイミングだけである。 ジムも、英語学習も、発信も、すべて同じだ。 「基本的に毎日やる」と決めてしまえば、脳が考えるのはタイミングだけになる。 今やるか。 1時間後にやるか。 風呂の後か、寝る前か。 それだけでいい。 --- 意志力は、有限な資源である 意志決定には、大きなエネルギーが要る。 しかもその量は、無限ではない。 仮に一日の意志力が100だとしよう。 「歯磨きをするかどうか」で30使ってしまえば、残りは70しかない。 だからこそ、どうでもいい決断は、最初から排除する。 --- なぜ成功者は服を決め打ちするのか マーク・ザッカーバーグは、いつも同じようなフーディーを着ている。 スティーブ・ジョブズは、ジーンズとタートルネックだった。 彼らは服装に悩みたくなかったのだ。 服一つ決めるのにも、決断のリソースが削られることを知っていたからである。 優秀な人ほど「決めなくていいこと」を徹底的に減らす。 --- 快食ボイスも、ただの仕組みである 快食ボイスも「基本的に毎日やる」と決めている。 やるかどうかは考えない。 考えるのは、「いつ録るか」だけだ。 もちろん、疲れている日や、気持ちが落ち込んでいる日は、やらないこともある。 だが、その日はどこか気持ちが悪い。 歯磨きをせずに寝てしまった夜のような感覚が残る。 この「気持ち悪さ」が生まれたら、勝ちだ。 --- 英語学習で体験した「自動運転」 昔、NHKの英会話入門を何年も続けたことがある。 自分の車の中では英会話入門のカセットテープ以外をかけないと決めていたので、1ヶ月ずっと聞くことになる。 集中して聞かなくてもいい。 信号待ちの間、自然と耳に入る。 それで十分。 仕組みに乗せてしまえば、努力は不要になる。 --- 習慣化の正体は「優しさ」 習慣化とは、根性論ではない。 自分の脳に対する、最大限の配慮である。 最初に一度だけ決める。 あとは、自動運転に任せる。 頑張らない。 気合を入れない。 意志力に期待しない。 それが、いちばん長く続く。 --- 新年に向けて もうすぐ新年だ。 何かを始めようとしている人も多いだろう。 そのときは、ぜひこう考えてほしい。 「やるかどうか」ではなく「いつやるか」だけを考える。 そのための仕組みを作り、脳を楽にしてやる。 仕組み化が成功すれば、あとは続けるだけ。 一度、回せるようになると、コツが掴めると、大概のことは継続できるようになるよ。 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611
快食ボイス687・なぜ日本人はクリスマスにケンタッキーを食べるのか
先日、若い女子アナに「シャオヘイさん、クリスマスってどうされるんですか?」と聞かれた。 「いや、もう普通の日だよ。おっさんになると関係ないんだよ」と答えたところ、 「えっ、チキンとか食べないんですか?」と返された。 食べない……のだが、あとから考えてみると、「どこそこの鶏がおいしいよ」くらいの気の利いたことを 教えてあげればよかったのかもしれない。 若い世代にとって、クリスマスはまだそれなりに大事なイベントなのだろう。 そんなやりとりをきっかけに、今日はこの「クリスマス」という行事について少し整理してみたい。 --- 12月25日は本当にイエスの誕生日なのか まず前提から言うと、イエス・キリストが12月25日に生まれたとは、聖書には書いていない。 実際の誕生日は、分かっていない。 分からないが、12月25日ということにした。 これが正確な言い方である。 キリスト教が世界宗教へと拡大していく大きな転機となったのが、ローマ帝国の公認・国教化であった。 ただしローマ帝国には、もともと自前の宗教があった。 ギリシャ神話の流れを汲みつつ、日本の神道にも少し似た、自然発生的な多神信仰である。 その中心にあったのが、太陽神であった。 --- 冬至と「太陽の復活」 12月25日前後は、冬至に近い時期だ。 この時期は、夜が最も長くなり、そこを境に、少しずつ昼が長くなっていく。 つまり、 太陽が復活する時期 太陽の力が再び増していく時期 なのだ。 太陽がなければ寒い。 作物も育たない。 命そのものに直結する存在だ。 そのため、この時期は世界各地で太陽に関する祭りが行われてきた。 ローマでも、サトゥルナリア祭や「太陽の誕生日」のような行事があった。 そこでキリスト教を普及したい人たちは考えた。 「これからは、キリストこそが我々の太陽である」 そうやって、土着の信仰の上に、キリストの誕生を重ねた。 それが、12月25日という日付なのだ。 --- なぜクリスマスにごちそうを食べるのか クリスマスの前、約4週間はアドベント(待降節)と呼ばれる。 これは、イエス・キリストの誕生を待ちわびる期間であり、本来は節制と祈りの時期である。 贅沢は控え、心を整え、その反動として迎えるのが生誕祭だ。 だからこそ、その日はごちそうを食べる。 そこで選ばれたのが、ガチョウだった。 --- なぜガチョウなのか ガチョウは家畜として、少し特殊な立ち位置にある。 - 鶏は卵を産む - 牛は乳を出す 一方、ガチョウは肉と羽毛が主目的である。 しかも、 - 秋の収穫期に落ち穂を食べて勝手に太る - 放し飼いでも育つ - 秋が一番太っている - 卵は産むが、食用としての価値は低い つまり、潰しやすく、ごちそうにしやすい家畜だった。 ガチョウは都合が良かったのだ。 --- アメリカで七面鳥に変わる この習慣がアメリカに渡ると、ガチョウは七面鳥(ターキー)に置き換わる。 七面鳥はアメリカ固有種で、 - 体が大きい - 食べ応えがある - 基本的に食用 ディケンズの『クリスマス・キャロル』で、改心したスクルージが大きな七面鳥を貧しい家に送る場面があるが、ああした描写もこの流れを後押しした。 こうして、「クリスマス=ターキー」が定着していく。 --- では、なぜ日本はチキンなのか 日本には、七面鳥を食べる文化がない。 - 自生していない - そこまで美味しい肉でもない - 大きなオーブンが家庭にない その隙間に入り込んだのが、ケンタッキーフライドチキンだ。 1970年代、「クリスマスはチキンで祝おう」というキャンペーンが始まった。 結果、日本のクリスマスはほぼ「ケンタッキーの日」になった。 これはもう、宗教ではなくマーケティングの勝利である。 --- サンタクロースもまた戦略の産物である サンタクロースの原型は、4世紀頃の聖人、セント・ニコラウスだ。 貧しい家の娘たちを救うため、煙突から金貨を投げ入れ、それがたまたま靴下に入った――という逸話が、 「靴下にプレゼント」の由来とされる。 このニコラウスは、 - 東ローマ帝国 - オランダ(シンタクラース) - アメリカ という経路をたどり、名前も姿も変化する。 そして、赤い服で太った陽気なおじいさんという現在のイメージを決定づけたのが、コカ・コーラの広告戦略だと言われている。 ここにもまた、極めて洗練された「作られた物語」がある。 --- クリスマスは巨大な装置である こうして見ていくと、クリスマスという日は、 - 宗教 - 文化 - 季節 - 商業 - マーケティング それらが何層にも重なって作られた、巨大な装置だということが分かる。 夢がないと言う人がいるかもしれない。 だが、人が救われ、前向きになり、誰かを思いやるきっかけになるなら、それでいいのではないか。 宗教とは、もともとそういう側面を持つものだ。 --- おわりに というわけで、今年もまた「普通の日」がやってくる。 チキンを食べる人も、食べない人も、信じる人も、信じない人も。 それぞれの距離感で、それぞれの12月25日を過ごせばいい。 メリークリスマス! --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/664b04d7316143a77174b611
こちらもおすすめ
近藤淳也のアンノウンラジオ
株式会社はてな創業者であり現在もITの第一線で働く近藤淳也が、京都の宿UNKNOWN KYOTOにやって来る「好きなことを仕事にしている人」を深堀りすることで、世の中の多様な仕事やキャリア、生き方・働き方を「リアルな実例」として紐解いていきます。 . 【ホスト:近藤淳也】 株式会社OND代表取締役社長、株式会社はてな取締役、UNKNOWN KYOTO支配人、NPO法人滋賀一周トレイル代表理事、トレイルランナー。 2001年に「はてなブログ」「はてなブックマーク」などを運営する株式会社はてなを創業、2011年にマザーズにて上場。その後2017年に株式会社ONDを設立し、現在もITの第一線で働く。 株式会社OND: https://ond-inc.com/ . 【UNKNOWN KYOTO】 築100年を超える元遊郭建築を改装し、仕事もできて暮らせる宿に。コワーキングやオフィスを併設することで、宿泊として来られる方と京都を拠点に働く方が交わる場所になっています。 1泊の観光目的の利用だけではなく、中長期滞在される方にも好評いただいています。 web: https://unknown.kyoto/ . こちらから本文を読んだりコメントが書けます! https://listen.style/p/unknownradio
歴史を面白く学ぶコテンラジオ (COTEN RADIO)
歴史を愛し、歴史を知りすぎてしまった歴史GEEK2人と圧倒的歴史弱者がお届けする歴史インターネットラジオです。 歴史というレンズを通して「人間とは何か」「私たち現代人の抱える悩み」「世の中の流れ」を痛快に読み解いていく!? 笑いあり、涙ありの新感覚・歴史キュレーションプログラム! ☆Apple & Spotify Podcast 部門別ランキング1位獲得! ☆ジャパンポッドキャストアワード2019 大賞&Spotify賞 ダブル受賞! ※正式名称は「古典ラジオ」ではなく「コテンラジオ」です ーーー COTEN RADIO is an entertainment radio talk program for history , published by the crazy history geeks group "COTEN" in Japan. ☆Apple & Spotify Podcast in Japan category ranking No.1 ! ☆Japan Podcast Awards 2019 Grand prize and Spotify prize !
@narumi のつぶやき
声低おじさんの独り言です。 たまにゲストも呼んだりします。
IBUKI STATION
ここはアウトドア向けGPSトラッキング「IBUKI」にまつわる人々が集まる場所。 トレイルラン、登山、冒険、ランニング、自転車、ロゲイニング、、 スタイルは数あれど、共通しているのは自然を楽しみ、そして人とのつながりも楽しむ姿勢。 自然を目一杯楽しみ、苦しみながら、人と接する喜びにも気付く。 アウトドアを満喫するみなさんが、ほっとできるIBUKI STATIONです。 IBUKI https://ibuki.run/ 近藤淳也 IBUKIを提供する株式会社OND代表。ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」も展開 桑原佑輔 OND所属。IBUKI事業担当営業・テクニカルディレクター
一日一配
声の日記。自分の声で日記を書く、LISTENならではのポッドキャスト。
jkondoの朝の散歩
ポッドキャストプラットフォーム「LISTEN」や、GPSトラッキングサービス「IBUKI」、物件メディア「物件ファン」、京都の宿とコワーキング施設「UNKNOWN KYOTO」を運営する近藤淳也(jkondo)が、朝の散歩をしたりしながら、日々の出来事や考えたことを語ります。