お便り回。今回は「中年期の危機」の解説と、自分の人生の振り返り方についてお話ししてみました。人生の中間地点、自分のこれまでをバランスよく振り返りたい方、ぜひに。
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サマリー
このエピソードでは、中年期の危機、つまりミドルエイジクライシスに直面している人々の悩みやその原因を探ります。キャリアや人生の選択に対する迷いが広がる中で、自己の振り返りやアイデンティティの再確認の重要性が語られます。中年期の危機に直面していることは多くの人に共通する問題であり、その対処には過去の活動を振り返り、自分の喜びや生き甲斐を見つけることが重要です。また、このエピソードでは、SNSの影響や自己成長についても触れ、充実した生活を送るためのヒントを提供します。
自己の振り返り
みなさん、今週も1週間お疲れ様でした。
公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。 この番組カウンセラジオでは病院勤務の現役カウンセラーが日々のちょっとしたお困り事をお聞きして解決策を考えたり、心が軽くなるような
心理学・カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。 今回も例によってお便り回です。
みなさんはご自身のキャリアや人生を振り返ったことってありますでしょうか? こんなことができた。こんなことができなかった。そしてこの後はどんなふうに生きていったらいいだろう?
と、自分の人生を立ち止まって振り返って、これからどうすべきかと少し迷う時期って誰にでもあるんじゃないかなと思います。
今回はそういうお悩みが垣間見えたお便りを通して、この人生の振り返りの時期とは、について解説していこうと思います。
ではカウンセラジオ始めていきましょう。 早速お便りを読み上げます。匿名希望の方です。ありがとうございます。
いつもラジオ拝聴しております。長年、休日は資格試験の勉強をしてスキルアップをしてきました。
ですが最近の社会の風潮、過去、公認心理師の啓蒙活動やセレフケアや休もうなのか、私自身の問題なのか、頑張ることをやめて意欲もなくなったので勉強することをやめてみました。
ところが休日にすることがなくなってしまいました。 これといって趣味もありません。
何もせずに休日が終わると虚無感に襲われます。 私はこれからどこへ向かっていけばいいのでしょうか。
長文&抽象的な相談ですみません。よろしくお願いいたします。 はい、ということでした。改めてありがとうございます。
ミドルエイジクライシスの理解
なるほど。長年スキルアップをすべく資格試験の勉強をしてこられたのですね。 それはすごいですね。
この書かれ方だとおそらく取られた資格は1つや2つじゃないんじゃないかなと推測します。
ご自身にとって資格を取るということがモチベーションになっていたし、そのために勉強をして休日を過ごすというのが一つのリフレッシュにもなっていたのだろうと思います。
いい好循環でしたね。 ただ最近は頑張ることに疲れたのでしょうか。勉強することをやめてやることがなくなってしまったと。
そしてスキルアップ以外の趣味がないということで何もせずに休日が終わると虚無感に襲われてしまうということですね。
確かに今までは勉強、スキルアップ、資格取得という張りのある生活をされてきたわけですから、そうではない何もしない休日というのは質問者さんにとってものすごく空虚な時間なんだろうなと推察します。
それは辛いだろうと思います。 ただですね多分これ、じゃあ資格の勉強を再開してみましょうよという簡単な回答では終わらないような気がしています。
なんでそう思うかについて少し詳しく説明していきますね。 まず多分質問者さんは頑張ることをやめたということですが、
もしかするとその今までやってきた勉強、スキルアップ、資格取得をすること自体にいまいち意味を見出せなくなってきてたんじゃないかなと思うんです。
もう少しズバッと言うと、今まではスキルアップして資格取得をひたすらにやり続けていれば今後の自分の何かに繋がると思っていたけれど、実はどうやら違うんじゃないか
という疑問を持ち始めたんじゃないか。 だから頑張ることをやめたんじゃないかなと思うわけです。
だってその人が長年頑張ってきたことをやってきたことが社会の風潮程度で揺らぐなんてことは考えにくいと思うんです。
さらにこれからどこへ向かっていけばいいのでしょうかという文章は単に休日の過ごし方をどうしたらいいですか
という意味以上のものが含まれているような気がしていて、それはつまり自分のこれからの人生やキャリアをどうすればいいのかと悩まれているのではないかと思ったのです。
違っていたらすみませんなのですが、それをもとにお話を進めていきますね。
あと多分質問者さんは、若くても30代、おそらく一番可能性が高いのは50代前後の女性の方だろうと踏まえてこれからのお話を進めていきます。
根拠はですね、年代についてはお便りの中の長年という言葉と、あと僕のポッドキャストが50代前後の女性の方によく聞かれるからですね。
で、なんでいきなり年代の話をしたのかというと、今回お話しすることはその人の年齢にだいぶ関わってくる用語を解説するからです。
それはズバリミドルエイジクライシス、もしくはミッドライフクライシスというものです。
日本語では中年期の危機と言われるのですが、今回はミドルエイジクライシスで統一しましょうかね。
ミドルエイジクライシス、皆さん聞いたことありますでしょうか。
これはですね、諸説あるんですが、有名なスイスの心理学者で精神科医のユングが提唱したものと言われています。
ユングは分析心理学という分野を作った人で、フロイトという無意識という概念を作った精神分析の創始者のお弟子さんですね。
心理学では人間がそれぞれの年代で課せられる人生の課題みたいなのがあって、その変化やら何やらにそこそこうまく応じることができるかが大事なんですよっていう
発達段階説というものがあるんです。
いろんな人がそれぞれの説を提唱したり広げたりしているんですが、一番有名なのはエリクソンのやつですね。
アイデンティティという言葉もあのエリクソンさんの言葉です。 こちらは青年期に確立していくものですね。
で、今回のミドルエイジクライシスというのは何なのかというと、言葉通り中年期の方が直面する課題です。
正確な年代は時代によって変わるので、これというのないんですが、一言で言うと人生の後半に差し掛かるにあたり、見えてくる葛藤にいかに向き合うかというところです。
中年期に差し掛かると、ある程度人生の前半で得られたものや成果、自分がどのくらい成功したか、逆に何を失ってきたかがわかるようになります。
例えば会社で昇進してある程度のところまで行ったとか、家族をここまで養うことができたとか、それこそ
問題解決のアプローチ
勉強とスキルアップと資格取得でどんどん自分のできることの幅が広がっていった、とかですね。
若い頃は目の前のことをがむしゃらにこなしていきましたが、それがどんなふうに身を結んだかというのがある程度わかるわけです。
一方で、その分犠牲にしてきたものもわかるようになります。
人の時間は平等に1日24時間なわけですから、ある程度何かを捨ててきたわけですね。
それはプライベートかもしれないし、仕事かもしれないし、はたまた別のものかもしれない。
時間をかけてきたことがあまり自分の思うような結果につながらなかった、ということもあるかもしれません。
そういうのがある程度わかってくると、自然とこれで良かったのか、自分の本当にしたいことは何だったのか、と事故の内面に目が向くようになって、
自分の人生とかキャリアを考え直すようになります。 これはさっきお話ししたアイデンティティ。
簡単に言うと、自分はこういう人間で人生でこういうことをやっていくんだ、みたいな、自分とはこういうもの、という認識のことをアイデンティティと言うんですが、
それが再び揺らぐ時期になるわけです。 これがミドルエイジクライシスです。
自分はここまでこういうことをしてきて、こういうことを得られてきた。 でもこういうことを犠牲にしてきた。それは良かったのだろうか?
これから自分は人生の後半に差し掛かる中で、どんなことをしていけばいいのだろうか? 質問者さんは、そういう休日の過ごし方には留まらない大きな悩みがあるんじゃないかなぁと思っています。
どうでしょう? そして、自分が何をしたいのかというところがぼやけちゃうと、今自分がやっていることの意味も見出せないし、日々の意欲がなくなっちゃいます。
じゃあ、そういう時にどうしたらいいのか?というのをこれからお話ししようと思うのですが、 まずは、そうですね、人に頼るのであれば信頼できる人に話すとか、キャリアカウンセリングを受けてみるのも手かもしれません。
一人で考えるのだとしたら、それこそご自身で自分が今まで得られてきたものは具体的にどんなものなのか、今までの人生の活動の中で自分が楽しいなぁとか、
生き甲斐を持てるなぁとか、そういうことを感じた瞬間は何だったのか、とか、そういう面からご自身のこれまでを振り返るのもいいかもしれません。
例えばそうですね、勉強とスキルアップと資格取得というのの中でも、人によって楽しいというか、いわゆる脳汁が出る瞬間って多分違うと思うんですよね。
自己振り返りの重要性
得られたスキルを本業で応用できた時に脳汁が出る方もいれば、資格試験で合格した瞬間に脳汁が出る方もいて、
あとは肩書きをSNSのプロフィールに載せた時に脳汁が出る方もいると思うんです。 そこにはその人の性格が見えてきます。
それは良い悪いではなくて、良いなと思える瞬間が人それぞれということですね。 それでどうせなら資格取得ではない何かを休日にやるんであれば脳汁が出るようなことをやりたいですよね。
それは何だろうって考えた時に、自分のやってきたことをさらに細分化して、この瞬間に脳汁が出たから、そういう瞬間を味わえるものを探そうということになります。
そのためには、自分が今までの人生の活動の中で楽しいなとか、生き甲斐を持てるなとか、そういうことを感じた瞬間を振り返る必要があります。
勉強とスキルアップと資格取得を長年やってこられたのであれば、そこに何らかの意味や楽しさを見出していたはずです。
そしてそれは自分の休日の過ごし方が決まることに留まりません。 例えば自分のスキルを使って誰かの力になれた瞬間に喜びを感じる人もいれば、
自分のスキルを使って何かを発信した時に、より大勢の人からリアクションをもらうことに喜びを感じる人もいます。
ここまで抽象化すると、それはその人の生き甲斐とも言えますよね。
そこまで考えられると、自分が一生懸けてやりたいことがもしかしたら見えてくるかもしれません。
質問者さんはいかがでしょうか。 なんでそこまで長年スキルアップをしてきたんでしょうか。
そこで得られる喜びはどんなものだったでしょうか。 仮にその活動が思ったような成果が出なかったとしたら、何を得たかったのでしょうか。
100%でなくても何パーセントか得られたものはありましたでしょうか。
このようにいろんな視点で、できればネガティブになりすぎずに、ご自身のことを振り返っていただけたら嬉しいなと思います。
それがきっと、質問者さんの抱えている空虚感を超える手がかりになると思います。応援してますね。
SNSとの付き合い方
では本題はこのくらいにしましょう。 はい、では投票結果を見てみようのコーナーやっていきましょう。
前回のお話、シャープ30に自分の捉えている世界が全てか、認知のフィルターについて。
では、自分が気にしているネガティブなトピックと、SNSの機能が悪さをして、自分にとって嫌なものがおすすめ機能にばっかり上がってくる、
というお悩みに回答しました。 それにちなんで、ということ皆さんにもありますか?
SNSとかのおすすめ欄で、自分にとってネガティブなものばっかり候補に出てきますか?という投票を投げかけたんですが、
結果は8票いただいていて、出てくる2票、いやそんなことがない6票でした。 投票してくださった方ありがとうございます。
そうですね、これは結構SNSとうまく距離を取れている方が多いと捉えるべきか、
自分の好きに忠実にSNSを活用している方が多いということか、
もしくは自分の嫌いをうまく遠ざけられているのか、はたまたその全部か、といったところでしょうか。
あの、もはやSNSってインフラ化してきていて、なくてはならないものになりつつあるなと思います。
そんなツールが自分にとってストレスになるのは嫌ですよね。 お風呂の給湯器がめっちゃ悪口言ってくるようなもんですよね。
いやそれはちょっと違うかな。 まあでもあまりSNSに依存するのは良くないと言われているので、
適した距離感で付き合うというのが大事になるかなと思います。 僕はどちらかというと出てくる派だったので、ちょっと6票の方を見直おうかなと思いました。
改めて投票ありがとうございました。
では今回はそうですね、ズバリ中年期の危機、今めっちゃ感じているかどうかをお聞きしようと思います。
Spotifyの投票機能から投票できますので、もしできる方はお気軽に投票してくださると嬉しいです。
ではもしよければこのエピソードがいいなと思ったら番組のフォローや星5評価をしていただけると嬉しいです。
皆様の応援がいつも力になっています。ありがとうございます。 また有料のお悩み相談や無料のお便りも受け付けています。
ちなみに最近お便りフォームを改訂してですね、筆数ではないんですが年代と性別を入れていただく項目も作ってみました。
これからは今回のように推測で語る部分が少し少なくなるかなと思います。 あと他にはノートでの執筆やYouTubeでのショート動画配信なんかも少しずつ行っています。
詳しくはリットリンクをご覧ください。リットリンクは概要欄とXの固定ポストからアクセスすることができます。
見てみてくださいね。 では今回はここまで。おやすみなさい。ここまで聞いてくださってありがとうございました。
また次回をお楽しみに。
15:18
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