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2024-09-20 10:43

#7.辛い体験を受け入れるプロセスって?

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どうしてもどうにもならない辛い体験ってありますよね。そういう時に人はどんな心の経過をたどるのか、お便りに回答する形でお話ししていきます。


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皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。公認心理師臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困り事の解決に役立ちそうな心理学カウンセリングの豆知識をゆるっとお伝えしています。
今回はお便り会です。ちょっと重い話なのですが…と始まるお便りをいただいたので、少し順番を前後させてしまいますが、その方のお便りにお答えしていこうと思います。
ではカウンセラジオやっていきましょう。 というわけでお便り、匿名希望の方からいただきましたので、読み上げていきます。
こんにちは。いつも配信ありがとうございます。 ちょっと重いお話なのですが、実は自身に病が見つかりました。
投薬を続ければほぼ悪化はなく、日常生活は普通にできる確率が高いものの、感知はなく、薬の影響で細かな製薬も出てくるようです。
なんだか未来が台無しになったような気持ちになり、悲しくて毎日憂鬱です。 食欲もなく、毎日ネットで病について調べてしまい、やめられません。
診断されるまでは大変だけど楽しい毎日だったので、本当に辛いです。 こうした状況の時、どう対処すればいいのでしょうか。
診断を受けてからまだ数日なので、一過性の落ち込みであるよう祈りたいです。 ということです。
まずお便りをくださったこと、そしてこの番組を信用して、もっかの思い悩みを話してくださったことに、お礼をお伝えしたいと思います。
ありがとうございます。 それで、ご病気が見つかったということですね。
お便りをいただいた僕としては、ひとまず命にすぐには関わらない病気だったということで、そこは良かったという思いもありつつ、
一方でその病で大きく日常が変わっていくわけですから、当然戸惑われたかと思いますし、 辛い気持ちは察するにあまりあるものだろうなぁと思っています。
診断を受けてから数日ということですから、まさに戸惑いや落ち込みの下中かと思います。 大変なことですよね。
今回はそんなお便りをくださった方に、一つ一般論をお話ししつつ、その一般論について個人的に思うことをお話ししようかなと思います。
その一般論というのは、人が大切な人を失った時とか、重大な病気が見つかった時など、 いわゆる喪失体験に職名した時にどういう経緯をたどるのかというものです。
ちょっと解説していきますね。 まずこれはグリーフワークとかモーニングワークとかいろんな呼ばれ方をするんですが、
人が死に向かう時、どのように死と向き合うかといった ターミナルケアの領域の中でよく使われる考え方なんです。
日本語だと物作業と呼ばれます。 すみません、死とかもとかそういう言葉が出てきてびっくりされたかと思いますが、もう少しお聞きくださればと思います。
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これはキューブラーロスというアメリカの精神科医が、 末期がん患者の方との対話を通して、人が死ぬことを需要していくまでの心の過程を書いた本
死ぬ瞬間で言及されています。 1969年の本ですね。
そこでは人が死を需要するまでの過程を5段階に分けています。 その5段階というのは、第1段階否認、第2段階怒り、第3段階取引、第4段階欲打つ、第5段階需要という過程です。
それでここが大事なんですが、この過程は末期がんだけではなくて、 いろんな創出の体験にも応用されています。
命に関わらない病の告知から、失業、離婚までいろいろですね。 皆さん今まで少なからず何かを失ったりとか、挫折をした経緯があるかと思いますが、それも広く捉えると創出体験と言われるものになります。
じゃあその創出体験の過程をもう少し具体的に、がんを告知された方の需要までの流れを例に挙げてみます。
まずがんを告知された人は否認をします。 第1段階ですね。
え?私が?まさか。誤信じゃないの?検査結果取り違えてるでしょ?というような感じでしょうか。
その後、告知の事実が現実味を帯びてくると怒りが湧いてきます。 第2段階ですね。
なんで自分だけがこんな目に合うのか。周りが羨ましい。 みんなも同じ目にあってしまえばいい。という感じですね。
その後、第3段階、取引では、何かをすれば、例えば神に祈るなりすれば延命できるんじゃないか、ひょっとしたら治るんじゃないか、という少しだけでも希望を見出そうとします。
でもそれが叶わないと実感すると、第4段階、欲打つ状態になります。 絶望という言葉がまさに合っている状態かもしれませんね。
ただその間、周囲の人がそばにいて、手を握ったりとかして気持ちを支えてあげたりすることで、だんだん第5段階、重要の段階に至ります。
その段階になると、死ぬことを静かに受け入れて、残りの時間をどんなふうに過ごすか、という前向きに死に向かう様子とかが見られるそうです。
今の5段階が創出体験を受け入れていくプロセスと言われています。 ただ人はこの5つの段階を必ずこの通りにたどっていくとは限らないようです。
まあ創出体験ですからね、そんなゲームみたくスムーズに段階を進んでいくことは難しいですよね。 個人差もありますが、これらの段階を行きつ戻れつして葛藤する人もいるようです。
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僕自身は末期眼の方とか死の需要に寄り添うような経験はしたことはないのですが、創出のテーマを広げるといろんな葛藤の最中にいる方を見てきました。
家族関係のことや自身の仕事のこと、能力のこと、人生で成し遂げたい目標のこと、いろいろですね。
そしてその葛藤の過程を一緒に対話を続けながら試行錯誤して悩んで、そしてやがて需要するというか、納得感のある落とし所を見つけて次のことを考えていくというような、そういう時間を一緒に過ごしてきたかなと思います。
また僕自身も自分ではどうしようもない人生の危機に陥って苦しんだ時期もあります。 そんな経験を踏まえて僕が思うこととしては先ほどお伝えした考え方って
ある程度の見通しは確かに頭の中で抑えておけるけど、家中にいる時の自分の気持ちを落ち着かせるのには全く役に立たないっていうことなんですよね。
その僕が人生の危機にいた時は頭の中で、ああこれは創出体験のこの段階だなぁとは思っていても全く気分は晴れませんでしたね。
むしろ止まない雨はないぜとか言われている感じがして、じゃあ今すぐその雨を止ませてくれやと思っていました。
むしろその時に役立った対処は仕事とか家事とかとにかく日常をこなすことだったと思います。
いつも通りの仕事をしてせわしない時間を過ごせば、その間はしんどいことは忘れられていたように思います。
あと周りの人も特にそのしんどいことは気にせずいつも通り接してくれた方が僕にとっては気が楽でした。
うつ病の方にしんどい時に周りにどうしてほしいかと聞くと、割とそっとしておいてほしいとか、いつも通りにしておいてほしいとか、そういう答えがよく返ってきます。
そういった意味でもいつも通りそっとそばにいてくれる存在って大事なんだと思いますね。
あとちょっと話がそれますが、気分が落ち込むような行動や考え方の中にいる時、いわゆるネガティブ思考がグルグルする半数の状態にいる時は、
早めにその状態から抜け出すことがいいと言われています。
そういった意味でも仕事とかいつも通りの日常を過ごすのは自分のメンタルを安定させるためにも重要なのかもしれないですね。
そんなふうに日常の中でいろんな人に支えられながら自分の喪失を納得のいく形で少しずつ落とし込んでいく、というのが辛い体験を受け入れる対処というか道なんじゃないかなと僕は思います。
そしてその間はそんな風に気持ちが揺れていることを恥じないこと、そんな風になるのは当然のことなんだとある種開き直ってみることも大事な気もしますね。
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そりゃきついよと自分に言ってあげる感じでしょうか。
さて今の話をまとめると、自分にとってショックな出来事があった時は気持ちが揺れることは前提として、
でもその出来事によって自分の気持ちが揺れ動いてしまうような時間があまりに続いていたら、つまり反するする時間を作ってしまっていたら、あえて日常に戻って生活をすることがいいかもしれない、ということ。
そしてその辛い時期は一般論的にもいつか終わり需要をする時がきますよ、ということですね。
あまりまとまらなかったですけれども、でもこれは割といろんな喪失体験やショックな出来事への対処としても有効かと思います。
お便りをくださった方、参考になりましたでしょうか。何かしらの励みになっていれば嬉しいです。本当にお大事にしてくださいね。
またもし辛い気持ちが止まらない、自分ではどうにもならないと思ったら、カウンセリングも検討してみてください。
気持ちを整理する助けになると思います。 改めてお便りありがとうございました。
じゃあ最後に、もしよければこのエピソードがいいなと思ったら、星5評価をしていただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたら、お便りフォームまでメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
お便りこれからもしっかりお返ししていきますね。 では今回はここまで。おやすみなさい。
ここまで聞いてくださってありがとうございました。 また次回をお楽しみに。
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