お便りの紹介とテーマ
皆さん、今週も1週間お疲れ様でした。 公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、いろんなお困り事の解決に役立ちそうな心理学・カウンセリングの豆知識を見るとお伝えしています。
今回はお便り会になります。以前ですね、お便りをくださった方が、また改めて違うお悩みについてメッセージをくださいました。
ので、そちらにお答えしていこうと思います。 テーマはですね、不安になる情報を話してこられた時の対処法、です。
では、カウンセラジオやっていきましょう。 さて、今回のお便りなんですが、
シャープ7つらい体験を受け入れるプロセスって? で取り上げたお便りをくださった方のお便りになります。
もしよければ、そちらのエピソードも聞いていただけると嬉しいです。 では、今回のお便り読み上げていきますね。
こんにちは。以前、病を発症した件でお便りを送らせていただいたものです。 テーマとして取り上げていただきありがとうございました。本当に励まされました。
その後精神も少しずつ回復してきました。ところが新たな問題が。 せっかくメンタルの立て直しができてきた頃、いわゆるスピリチュアル系の人が医療機関にまつわる不安な情報を
いろいろ言ってきて、また不安になっています。 その方とはもう会わないので忘れようと思いますが、こうした不安なことが起きる度に毎回
動揺して、他のことが手につかなくなりがちです。 今もイカメラの結果待ちで不安で、そればかり検索してしまいます。
不安な時の対処法や考え方とかあるのでしょうか? いい加減疲れてきたので、楽観的な性格になりたいです。
とのことです。まずはお便り2通目ありがとうございます。 そして精神も少しずつ回復してきたとのことですね。
何よりです。 ただ今回は別の問題が出てきたということで、
不安な情報への対処法
周囲の人が不安な情報をわざわざ言ってきて、それで不安になって動揺して、いい加減疲れてきた ということですね。
ただ不安であることだけでさえ疲れるのに、不安な情報を言ってこられたりとか、 その不安をどうにかしようにもどうにもできなかったりすると、さらに疲れますよね。
大変だと思います。 実はですね、お便りの後半の部分。
不安なことが起きる度に毎回動揺して、他のことが手につかなくなりがちです。 不安な時の対処法や考え方とかあるのでしょうか?
という部分に対しては、それに役立つエピソードを最近上げているのです。 もしよければ、シャープ5、不安なことに振り回されないようにするには、を聞いてみてくださいね。
じゃあその不安な時の対処法については、シャープ5のエピソードに解説を任せるとして、 お便りをくださった方は、医療関連にまつわる不安な情報をいろいろ言ってくる人がいて、
それで不安が引き起こされたという側面もあるようですね。 なので今回は、わざわざ周囲の人が不安を揺さぶるようなことを言ってきたら、どう受け止めるか
についてお話ししていこうと思います。
いやーでもこれ結構ありふれたことというか、皆さんも同じような体験をしたことあるんじゃないでしょうか。
例えば、私最近なんたらかんたら手術をしたんだよねーと言ったら、 いやなんたらかんたら手術はちょめちょめ的なリスクがあって、用が悪いって言われてるから、それはやらない方が良かったわよ。
病院で見てもらった方がいいわよ、と言われたりとか。 他には、
今度生まれる子供の名前、チャタロウにしようと思うんだよね、と言ったら、 いやチャタロウだとあなたの苗字の武者の孔子との格数の組み合わせが最悪なのよ。
そんな風に名付けられた子が幸せに育つなんてありえないわよ、 みたいなことを言われるとかでしょうか。
つまり、すでに自分の意思がある、もしくは決定している事実に対して、わざわざ何か不安をもたらすような情報を持ち込まれたことですね。
皆さんも生きていれば一度は経験したことあるんじゃないかなと思います。 もちろん僕もあります。
で、そういう時にどう対処すればいいかというと、一つ挙げるとすれば、 相手がそんな風に言ってくる背景を考えることが役に立つんじゃないかなと思います。
多分不安な情報を言われたその時は、その情報を真に受けてしまって、 どうしようと思ってしまうと思うのですが、
そこで一旦立ち止まって、その人がその情報を持ち込んだ意図を考える、 ついでにその情報の確かめられしさも検討する、といった感じです。
実は僕自身は割とそのやり方で冷静さを保っていることが多いです。 これは僕の経験則も入るのですが、そういう不安なことをわざわざ話す人って、
良かれと思ってやっている一方で、 実は自分が感じた不安を抱えられないからそのまま相手に投げかけちゃっている、
っていうケースがかなり多いんじゃないかなと思います。
どういうことかというと、例えばさっきの、自分の子供の名前を武者の孔子じゃたろうにしようと思っている、と言った時に、
画数が悪いから絶対に幸せにならない、と言われたケースなんかは、 画数が悪いって言ってきた人の気持ちとしては、名付けようとしている人の人生を本気で応援しようとしている、
というのは本当である一方で、 もともとその人自身の特徴としてネガティブな情報を抱えていられない、
つまり、この情報をその人に伝えることでその人はどう思うか、 というところまで想像がいかないくらい余裕がなくなりやすい人、
ということでもあるんじゃないかなと思います。 もっと言うとこのケースの人は、武者の孔子じゃたろうの画数が悪いという事実を知ってしまって、
ああどうしよう、という動揺をそのまま当事者にぶつけちゃってる、ということなんですね。 そう考えるとあまりよろしくないことですよね。
でも、表向きは良かれと思ってやっていることになるし、 事実そこまで穿った見方をしなければ、ただの良心でその人は動いたということになりますから、
言われた側はあまり強くは言えない。 でも実は言われた側は、ただ相手の不安を受け止めるだけになるから、
もやもやが残る、ということになります。 これをお便りをくださった方の出来事に当てはめて考えてみましょう。
病気になってしまった質問者さんを心配した、 スピリチュアルに系統しているAさんが、何か治療法とか役立つ情報がないかと探している中で、
むしろ不安要素を見つけてしまったと。 そこでAさんはその不安要素を質問者さんにどんなふうに伝えるといいかを考える余地もなく、
ああどうしようこれは伝えなければ、と役立つ情報に見せかけたAさんの不安を質問者さんに投げかけているわけですね。
そうなると質問者さんはAさんの不安をそのまま受け止めるわけですから、 その感じた不安をどうにかしないといけないと思う。
それでその不安を解消しようと、質問者さんはいろいろ情報を調べることになる、 という流れになるかと思います。
どうでしょう、お便りをくださった質問者さん。 この視点での解説、なんとなくしっくりきますでしょうか。
冷静でいるための注目点
要は不安になる情報をわざわざ言われた時って、伝えられたのは情報じゃなくて、 その人の不安そのものだったりするんですよね。
それでもっと言うと、そんなふうに投げかけられる不安をこちらが真に受ける必要はないし、 不安なまま投げかけられた情報の確からしさなんてものはたかが知れているわけなんですね。
そんなふうに考えれば、今の世の中いろんな情報が飛び交ってますが、 その情報の本質が少しわかったような気になりませんか。
こんなふうに、今回の出来事に限らず、やりとりの中で注目すべきことって、 実は情報そのものじゃなくて、相手がいかにそれを言っているかだったりすることが多かったりします。
質問者さん、もし不安を煽られるようなことをこれから言われたら、 相手の言動や背景にも注目していただけると嬉しいなと思います。
さて今回はいかがでしたでしょうか。今回の話をまとめると、気持ちが入れるようなことを言われたら、 相手がそんなふうに言ってくる背景を考えると、わりかし冷静でいられますよ、ということになるかなと思います。
ちなみにこれは、カウンセリングの場面でカウンセラーが心がけていることでもあります。 表面的な情報が多いと、それに振り回されることもありますが、実は大事なことって、その人がどんな感情で、どんなことを本当は伝えたいのか、という背景だったりするんですよね。
参考にしていただければ嬉しいです。 じゃあ最後に、もしよければこのエピソードがいいなと思ったら、星5評価をしていただいたり、
何か心理師に聞きたいことがありましたら、お便り本までメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
では今回はここまで。おやすみなさい。 ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。