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2024-12-13 09:31

#13.神は乗り越えられる試練しか与えないというわけではないと思う(原因帰属の話)

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タイトルの言葉、僕自身とても勇気づけられた時もある一方で、逆に自分で自分を追い詰めることもあったなと思っています。名言も大事ですが、もっと大事なのはその名言が自分の気持ちに良い影響をもたらすかどうか、かもしれませんね。

※どうやらタイトルの言葉の元ネタ(?)は聖書のようで、実際の意味とはだいぶ違って理解してしまっていたようです。あしからず。


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サマリー

このエピソードでは、神が乗り越えられる試練しか与えないという考え方について、具体的な挫折体験や予期せぬショックな出来事を通じて深く掘り下げています。心理学的には原因帰属の観点から、自己責任と他者の影響をバランス良く考えることの重要性が語られ、心の健康を保つためのアドバイスが提供されています。

辛い出来事と自己責任
みなさん、今週も1週間お疲れ様でした。
公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
この番組カウンセラジオでは、病院勤務の現役カウンセラーが、日常のことから人生設計諸々まで、
いろんなお困りごとの解決に役立つそうな心理学・カウンセリングの豆知識をいるとお伝えしています。
今回は、まいさんという方からいただいたお便りに回答していきます。
テーマは、「辛い出来事を乗り越えられないのは全部自分のせいなのか?」です。
あのー、みなさん今まで生きてきて、結構な挫折体験とか、大きな事故とか、病気とか、
自分ではどうしようもできない変化に巻き込まれたりして、大変な思いをしてきた時期もあったんじゃないかなと思います。
そういう時、タイトルにもあるように、
神は乗り越えられる試練しか与えない。と、自分をこぶしすぎようとすると、逆にしんどくなることもあったんじゃないかなと思います。
そういう時って多分、自分ではどうしようもないことを自分のせいにしているんじゃないかなと思うわけで、
そんなことをですね、ふと考えたお便りになります。
心理学的な視点
では、カウンセラージョーやっていきましょう。
というわけで、早速お便りを読んでいきますね。
配信にいつも勇気づけられています。ありがとうございます。
今回、かなり辛い状況が重なってしまい、よかったらテーマとして取り上げていただけると嬉しいです。
長年の尊敬していた上司の退職や、会社の組織変更、
仕事の大口顧客を失う、そしてプライベートの事情、
ショックな出来事が重なって、本気できつい状況です。
こんな不幸はそう起きないだろうという事態が一気に来ています。
これ、切り抜け方あるのでしょうか?
ということです。
まずは、そんな大変な中、お便りをくださってありがとうございます。
仕事では大きなネガティブな変化、プライベートでも色々な事情が重なっているようですね。
本当にお疲れ様です。
そして、最後のご質問。
これ、切り抜け方あるのでしょうか?
ということですね。
このご質問、個人的にはちょっと複雑な意図が込められている気がしています。
どういうことかというと、少し僕なりにこのご質問の意図を個人的に解釈をすると、
切り抜けられる20%、切り抜けられない80%くらいの心持ちで、
これは流石に無理だよ、でも何か対処あるのかな?という感じで、
ちょっと半信半疑に、でも何かプラスアルファがあるといいな、
でもでも自分がこれ以上無理して頑張るのは違うんじゃないかな?
という感じでお便りをくださったのではないかなと思います。
まいさん、もし違ったらすみません。
でもなんでそう感じたかというと、
実際僕はこのお便りを拝見して、
いやこれは流石にしんどそうだよなと思いましたし、
そしてこれをどうにか耐え忍ぶならまだしも、
切り抜けると積極的に対処するには相当なエネルギーが必要だよなと思ったからなのです。
ちょっとこの辺でタイトル回収をしようと思うんですが、
あのかなり前、何十年かだったかな?前にですね、
神は乗り越えられる試練しか与えない的な言葉が流行った時期があったように記憶していて、
確かテレビドラマのジンっていうお医者さんがタイムスリップして何やかんやするっていう
結構面白いドラマで、
その主人公が座右の銘的にこの言葉を使っていたんですよね。
さらに同時期ぐらいだったかなと思うんですけど、
これは僕の趣味でもあるんですが、
ジャンヌダルクっていうビジュアル系バンドのアルバム曲の中で、
これと同じニュアンスの歌詞をつけて歌っていたんですよね。
そういったこともあって、僕としてはこの言葉結構印象に残ってるんです。
この神は乗り越えられる試練しか与えないって、
要は自分のやり方次第で目の前の課題は解決できるってことになると思います。
確かにそんな風に考えることができれば、
お呼び越しになっている課題とかにも果敢に挑戦できるし、
頑張り続けられると思うんです。
でも一方で今回のお便りみたく、
自分ではどうにもできない事件を必ず乗り越えられると考えて、
解決に意気込みすぎるのはちょっと無理があるんじゃないかなと思うわけです。
これは僕が乗り越えるの定義をだいぶハードルを高くして考えているっていうところもあるんですけれども、
つまりは何が言いたいのかというと、
自分を鼓舞する言葉も時には自分を追い詰めてしまうこともあって、
逆にこんな風に自分ではどうにもできないこともあるよね、自分のせいじゃないよと、
自分を慰めてあげたり楽させてあげるような言葉掛けも、
自分の心の健康には時には必要だと思います、ということなんですね。
心の健康を保つ方法
ちなみにこの話を専門用語で解説すると、
原因帰属という言葉が当てはまります。
原因帰属というのは、
起こった物事の原因を自分と考えるか、他人や偶然によるものと考えるか、
という原因を推測する過程のことを指します。
帰属する方向の違いによって、それぞれメリット・デメリットがあって、
多分皆さんはなんとなくお察しかと思いますが、
自分に物事の原因を求めやすい人の場合は、
自己成長につながりやすい考え方を持っている一方、
自分を責めてしんどくなりやすい傾向があります。
一方で、物事の原因を周囲や他人、
まあ仕方ないよね、俺のせいじゃないし、みたいに考える人は、
気を楽に保てる一方で、自分のことを成長させる機会を失いやすい、
という傾向があります。
どっちが良い悪いではなくて、
物事の状況によって柔軟にバランスよく判断するのが良さそうですよね。
自分が限界までできる範囲のところまで頑張っているのに、
まだ自分にはできることがあるのかも、
と思うのはさすがにしんどいですからね。
さて、じゃあ今の話を踏まえて、まいさんの話に戻りましょう。
まいさんのお便りには、自分ではどうしようもない出来事があふれていましたね。
仕事の大口顧客を失うことやプライベートの事情というのは、
すごく厳密に言えば、もうちょっと詳細を把握してみないとわからないというところはあるんですが、
女子の退職、会社の組織変更は、
少なくともまいさんが決定権を持っているとは考えにくい、
つまり自分ではコントロールできないことですよね。
そういう時に、神は乗り越えられる試練しか与えないと思って、
切り抜けようと躍起になりすぎると、逆にしんどくなるかもしれません。
どちらかというと、
これはこうなったのは仕方がないから、今の状況で自分にできることは何か、
自分にとって心地いい立ち回りはどんな感じか、といった塩梅で、
自分をいたわりつつ、一つずつ自分のできることを考えられるといいかもしれませんね。
前置きが長くなってしまいましたが、
自分をいたわりつつ、一つずつ自分のために自分ができることを考えていく、
というのが、たくさんのストレスの切り抜け方というより付き合い方なのかもしれないです。
まいさんいかがでしょうか。
正直なところ、もう少し一つ一つのストレスをお聞きして、
紐解いていった方が、より正確なお話ができたかなぁと思うし、
まいさんご自身も、とりわけ今ものすごくご自身を責めているっていう感じではなさそうだなぁ、
って文章からは受け取っているのですが、
こちらのお話も何かの参考になれれば嬉しいなと思います。
さて、リスナーの皆さんは今回はいかがでしたでしょうか。
今回の話をまとめると、
自分のせい、周囲のせいをバランスよく考えて、
自分にとっていい気持ち、いいストレスの付き合い方を保とう、
という話になります。
とはいえ、しんどい時はやっぱりしんどいわけで、
無理やり自分の気持ちを楽にしてあげようとしても、無理な時もあると思います。
そういう時は少なくとも、自分の気持ちを楽にしてあげられないのは自分のせいだ、
と自分のせいにして、しんどい思いをさらにしんどくさせないように、
自分をいたわってあげられるといいかなと思います。
たまには自分に甘くやっていきましょう。
では最後にもしよければ、このエピソードがいいなと思ったら、
星5評価をしていただいたり、何か心理師に聞きたいことがありましたら、
お便り本までメッセージを送ったりしていただけると嬉しいです。
ちょっと引き続き回答をお待たせしてしまうかと思いますが、
お便りをいただけることはとても嬉しいですし、
しっかり回答させていただきますので、
引き続きファルンツラジオを聞きながらお待ちいただいたり、
ノートの方を見ていただいたりしながらお待ちいただけると嬉しいです。
では今回はここまで。おやすみなさい。
ここまで聞いてくださってありがとうございました。また次回をお楽しみに。
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